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魔界の新たな闇
パワフルタイフーン
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狐の里にて、フィーナの従兄弟に引き続き、おさ馴染みの女の子に出会う。そしてフィーナは、彼女にお抱きつかれた。
彼女は、そっと離れて「良かった……。こっちの爽やかそうな人で! 私お茶入れて来ますね」
ーーもぉーー、女子!
「俺、爽やかだよな?」
その声に振り返ると、玄関では爽やかについて話が始まってしまっていた。
「えっ? えっと……」
「もちろんです」
ミッシェルは戸惑い、ルイスは最善の返事を答える。
「なぁ」そうは言っても彼は、腑に落ちないと頭を傾ける。
「魔王の城に行ってしまったから、少し心配していたけど気苦労だったみたいだね」
そう言って湊は楽しそうに笑った。
「では、何故手紙をくれなかったのですか?」
彼は、唇のしたに手を置き、右下を見ながら「どうだろね。強くそうするべきだと思ったんだ。そして改めて理由を考えてみたら、それは正しい事だと思ったんだ。だから、君の手紙も返した。どうやら正解のようだ。良かったよ」
「全然ダメです。心配していたですよ」
彼はこまったように笑うだけで、返事や、彼女を安心させる言葉が出ないのかも知れない。
「フィーナ」そう言って僕は彼女の肩を掴み、振り向いた彼女に小さく首を振るしか出来なかった。
そうすると、彼女の眉間に小さくシワがよる。
泣くのを我慢しているように見える。
「お二人とも変わりませんね。」
向日葵ちゃんが、大量に湯飲みを持って帰って来た。
「いいですか、彼氏さん。この二人は一緒になってると、世をうれいちゃうんですよ。二人が大変なのは知っています。でも、爽やかな彼氏さんが居て可愛い年下の狐に花を渡されても、『君を不幸に出来ない』なんて言うんですよ。ひんむいてやりましたよ! では、あっちの皆さんにお茶配ってきますねーー」
そう言って彼女は大量の湯飲みをものともせず、向こうのカウンターに運んでいく。
残った湊は親指と人差し指で、額を支えて「向日葵……」と、呟いた。
「何もなかった……。でも、あの子は言い出したら聞かないから、かわやから出れなくなって花だけは受けとる事になってしまった。子どもの時聞かされるだろう。私たち狐は恋する気持ちから花が生まれたら、運命の相手ですって、あれ。繰り返されたら君もそうかもってなるよ」
「そうかもじゃなく、そうなんですよ。勉強出来るのに、そこはわからないなんてあきれます。でも、良かった湊が幸せそうで、思い出話とかしませんか? そうですね。湊の恥ずかしがる話が聞きたいので、それが自由にはなせる場所にしてください」
フィーナは、ニコニコしながらそう言った。
「なら、君に使いを寄越すよ」
「ありがとございます」
第三者を挟むのは、心配だが二人に策はあるのだろうか?
お礼を言い、仲間たちのもとに帰ると、案外よしのさんと向日葵ちゃんは仲良く話していた。
しかし内容は……。
「フィーナは結構すぐ膨れ面をするが、こっちでもそうだったのか?」
「ないない! フィーナ様と言えば湊様と並んで、大人受けのするちょっとおとなしめのお子さんだったんですよ」
二人が茶飲み話で、そんなことを話しているので、僕の腕をつかんで「ハヤト、私、そんなことないですよね?」
上目遣い使いで、見つめるから、思わずキスしたら、向日葵ちゃんに「うそ!? フィーナ様が人前でキスしてる!?」って、さんざん叫ばれて。フィーナとしばらくギクシャクしてしまった。
そして迎えはやって来た。白銀の髪の幽霊幸子が……。
その幸子も「案外、爽やか系捕まえたのね。湊みたいなちょっと影がある感じとくっつくかと、思ったのに」
そう一番に恋人の品定めから始めて、僕をあきれさせた。
つづく
彼女は、そっと離れて「良かった……。こっちの爽やかそうな人で! 私お茶入れて来ますね」
ーーもぉーー、女子!
「俺、爽やかだよな?」
その声に振り返ると、玄関では爽やかについて話が始まってしまっていた。
「えっ? えっと……」
「もちろんです」
ミッシェルは戸惑い、ルイスは最善の返事を答える。
「なぁ」そうは言っても彼は、腑に落ちないと頭を傾ける。
「魔王の城に行ってしまったから、少し心配していたけど気苦労だったみたいだね」
そう言って湊は楽しそうに笑った。
「では、何故手紙をくれなかったのですか?」
彼は、唇のしたに手を置き、右下を見ながら「どうだろね。強くそうするべきだと思ったんだ。そして改めて理由を考えてみたら、それは正しい事だと思ったんだ。だから、君の手紙も返した。どうやら正解のようだ。良かったよ」
「全然ダメです。心配していたですよ」
彼はこまったように笑うだけで、返事や、彼女を安心させる言葉が出ないのかも知れない。
「フィーナ」そう言って僕は彼女の肩を掴み、振り向いた彼女に小さく首を振るしか出来なかった。
そうすると、彼女の眉間に小さくシワがよる。
泣くのを我慢しているように見える。
「お二人とも変わりませんね。」
向日葵ちゃんが、大量に湯飲みを持って帰って来た。
「いいですか、彼氏さん。この二人は一緒になってると、世をうれいちゃうんですよ。二人が大変なのは知っています。でも、爽やかな彼氏さんが居て可愛い年下の狐に花を渡されても、『君を不幸に出来ない』なんて言うんですよ。ひんむいてやりましたよ! では、あっちの皆さんにお茶配ってきますねーー」
そう言って彼女は大量の湯飲みをものともせず、向こうのカウンターに運んでいく。
残った湊は親指と人差し指で、額を支えて「向日葵……」と、呟いた。
「何もなかった……。でも、あの子は言い出したら聞かないから、かわやから出れなくなって花だけは受けとる事になってしまった。子どもの時聞かされるだろう。私たち狐は恋する気持ちから花が生まれたら、運命の相手ですって、あれ。繰り返されたら君もそうかもってなるよ」
「そうかもじゃなく、そうなんですよ。勉強出来るのに、そこはわからないなんてあきれます。でも、良かった湊が幸せそうで、思い出話とかしませんか? そうですね。湊の恥ずかしがる話が聞きたいので、それが自由にはなせる場所にしてください」
フィーナは、ニコニコしながらそう言った。
「なら、君に使いを寄越すよ」
「ありがとございます」
第三者を挟むのは、心配だが二人に策はあるのだろうか?
お礼を言い、仲間たちのもとに帰ると、案外よしのさんと向日葵ちゃんは仲良く話していた。
しかし内容は……。
「フィーナは結構すぐ膨れ面をするが、こっちでもそうだったのか?」
「ないない! フィーナ様と言えば湊様と並んで、大人受けのするちょっとおとなしめのお子さんだったんですよ」
二人が茶飲み話で、そんなことを話しているので、僕の腕をつかんで「ハヤト、私、そんなことないですよね?」
上目遣い使いで、見つめるから、思わずキスしたら、向日葵ちゃんに「うそ!? フィーナ様が人前でキスしてる!?」って、さんざん叫ばれて。フィーナとしばらくギクシャクしてしまった。
そして迎えはやって来た。白銀の髪の幽霊幸子が……。
その幸子も「案外、爽やか系捕まえたのね。湊みたいなちょっと影がある感じとくっつくかと、思ったのに」
そう一番に恋人の品定めから始めて、僕をあきれさせた。
つづく
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