暴食の子

シロ。

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序章 才能の目覚め

第3口 才花。

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 朝、目が覚めるとキッチンの方から物音が聞こえる。
ベットから起き、キッチンの方へ向かうとグランが朝食を作っていた。
起きてきたブランに気づいたグランは笑顔で声を掛ける。

「おはよう! 体調は悪くないかい?」

その言葉を聞いてブランは笑顔で答える。

「はい、だいぶ元気が戻りました!」

それを聞いてグランは嬉しそうな笑顔を見せる。
そしてその後、すぐに口を開く。

「もうすぐご飯できるからスーロス?くんを読んできて~」

その言葉を聞いてブランは軽く返事をすると寝室に戻りスーロスを起こしに行った。

「おーい、朝だぞ起きろー」

スーロスの体を揺すりながらブランはそう声をかけた。

「うーん......あと30分だけ......」

そう言いながら2度寝しようとするスーロスをブランは思いっきりビンタする。

「うぉぼふッ!!!」

変な声を上げ布団の上でのたうち回るスーロスを引っ張りあげそのままリビングへと連れていく。
リビングに行くと、グランがテーブルに料理を並べている最中だった。
グランがこっちを見るなり口を開く。

「……あれ? スーロスくん、その顔大丈夫なの?」

スーロスの顔は先のビンタによって、手の形に赤く腫れ上がっていた。
スーロスが涙目になりながら言う。

「うぅ……大丈夫じゃないですよぅ……」

その返事を聞いてグランは気まずそうに言う。

「ま、まぁご飯もできたしさ、熱いうちに食べよー」

その声を聞きブランとスーロスは席に着く。
そのまま雑談を交えながら食事をしていると、ふと思い出したかのようにグランが口を開く。

「そー言えば、昨日神喰隊について話すって言ってたっけ?」

「そうですよ」

悩ましそうにするグランにスーロスは答える。
その返事を聞いて、グランは少し考えたあと口を開く。

「まぁ、軽く話すか」

そう言うとグランは神喰隊の隊員数や主な仕事の内容、更には隊員の1割が才花人であると言うことも教えてくれた。
なんでも、基本的に【欲】を持たない英雄格の才花人が働いているらしい。

「んで、これが1番大事なことなんだが……神喰隊の隊員達はね、何かしら目標を持っている人が殆どなんだ、
例えば、才花人の殲滅だったり、市民を守りたい見たいなものとかね、それで、君たちは神喰隊に入ったら何を成したい?」

真剣な顔持ちでそんなことを問いてくるグラン。
いきなりそんなことを聞かれたもんだから答えに困っていると、スーロスが口を開く。

「ぼくは……その、 まだ実感とかもなくて……まだその答えは返せないです」

少し気まずそうに答えるスーロス。
その答えを聞いてブランも話し出す。

「僕もまだ実感はないけど......でも、1人でも多くの人を救いたいです……!」

勇気を振り絞りグランの方を見る。
するとグランはその答えが嬉しかったのか、笑っていた。そして

「いいねぇ……! 初々しい答えだ、まぁ、その答えはこれからゆっくり考えればいいよ」

グランはそう言って楽しそうに笑っていた。
その後も他愛のない会話を続けていると、ブランがふと、気になったのかグランに質問を投げかける。

「あの化け物が僕のことを後天的? って言ってたけどそれってなんですか?」

その言葉を聞いて少し悩んだあと、グランは答える。

「あー、たまに何らかのキッカケで生まれ持った才能が開花するケースがあるんだよね~、才能が開花するのが遅いから後天的って言われてるかな?」

と、少しふわふわした返答をする。
その後に優しい声で話し出す。

「でもね、初めの頃は扱うのが難しいと思うけど、才能が馴染んだ時、君は誰よりも強い才花人になれると思うよ」

そんな事を言って優しく笑うグラン。
そんな彼の様子を見て、スーロスは楽しそうに笑い、ブランはよく理解出来ていないのかキョトンとしていた。

そんなこんなで朝食を食べ終わり、片付けをしているとグランがふと、こんなことを言い出す。

「そー言えば、来月の入隊試験。受けるんだろ?なら鍛えてあげるよ。」

そう言うと、ブランとスーロスが嬉しそうに口を開く。

「「良いんですか!?」」

その返事を聞き、グランも笑顔で答える。

「おう! ある程度強くしてやるから楽しみにしとけよ~」

そんなこんなで試験までの1ヶ月間は主に訓練や基礎的な体力作りなどをして過ごしていた。
意外なことに、グランも2日に1回のペースで遊びに来てくれていた。
当の本人は仕事が片付いたからと言っていたがよく電話の先から怒鳴り声が聞こえてたので恐らくサボっているのであろう。
そして、時の流れとは早いもので、あっという間に入隊試験前夜になっていた。
僕が家で筋トレに励んでいると、突如として玄関チャイムがなる。
僕が急いで玄関の戸を開けるとそこにはグランとスーロスの姿があった。

「よっす、明日試験だから様子を見に来たよ」

そう言ってグランは楽しそうに笑う。
そして、そのままブランの様子を確認して切り出す。

「ふふ、実は1ヶ月間鍛えた成果を見にきたんだ、少し戦うかい?」

その言葉を聞いてグランは嬉しそうに答える。

「お願いします!!」

その言葉を聞いたグランは3人を連れて近所にある小さな公園に移動し、口を開く。

「じゃあ2対1で俺に1回でも攻撃を当てることが出来たらそっちの勝ちで良いよ」

遊具の無い、空き地のような公園でグランと対峙する。

「それじゃあお願いします!」

その掛け声と共に、ブランとスーロスが左右からグランの元に駆ける。
そして、足や腕を使い、様々な攻撃を仕掛けるも、グランに片手でいなされてしまう。

「ふふ、ブランはもちろんスーロスも動きがいいねっ! 以前よりキレが良くなっているよ!」

攻撃をいなしながら嬉しそうに話すグラン。
そんなグランを睨みながらブランが声を上げる。

「才花《さいか》!!!」

その声と共にブランの身体から花弁がまう。そのままの勢いでグランに殴り掛かるもあっさりといなされ、逆にカウンターを食らってしまう。

「ぐゥッ!」


「ブラン!!」

スーロスが心配からか声を上げる。
だが、そんな隙を逃すほど、グランは甘くはなかった。

「油断しないの」

その声がスーロスに聞こえる前に、スーロスは足技を掛けられ床に倒れてしまっていた。

床に倒れ込む2人を見て、グランは楽しそうに笑う。

「ふふ、でも1ヶ月前に比べてだいぶ強くなったね」

そうグランが言うと悔しそうにブランが声を漏らす。

「ハァ......ハァ......うー......やっぱ花弁の身体強化だけじゃ無理だよなぁ......」

「ま、明日は試験だし今日はゆっくり休みな」

そんな話をしていると突如としてグランの携帯がなり始める。

「てっめぇ!! どこで遊び呆けてんだバカたれぇッ!」

電話相手の男は開口一番、キレ散らかしているようだった。

「うへぇー......」

「うへぇじゃねぇよ!! 明日の試験の準備があんだぞ!?」

「あー......悪ぃ、ちょっと野暮用でな、すぐ戻るから許してくれ……」

「チッ! ったく、早く戻れよ」

「ごめんねぇ......すぐ戻るから」

グランは電話が終わったあと、凄くしょんぼりした顔をしていた。
そしてそのままこちらを向いて話し出した。

「ごめん......仕事戻らなきゃならないから行ってくるねぇ......」

かける言葉が見つからないとはこのことだろうか。

「あ、はい、その......頑張ってください?」

ブランが言葉を探しながら言うとグランがしょんぼりしながら返事をする。

「ありがとぅ、2人も明日頑張ってね……」


そんなこんなでグランが帰ったあと、ブランとスーロスはブランの家に戻り、寝る準備を済ませ、布団に入る。

「明日、ついに試験だな......」

スーロスが不安そうに呟く。

「大丈夫だよ思うよ、だって僕ら、最強に鍛えてもらったんだもん」

ブランが少し笑いながら言う。

「それもそっか」

少し安心したのか、スーロスはそのまま落ちるように眠りに着いた。
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