暴食の子

シロ。

文字の大きさ
4 / 8
第1章 再会

第4口 入隊試験。

しおりを挟む
 翌朝、ブランとスーロスが準備をしていると家のチャイムが鳴る。
戸を開けると、そこには笑顔で手を振るグランが居た。

「よっ、送ってくよ」

笑顔のグランを見て、ブランは疑問をぶつける。

「仕事は終わったんですか?」

爽やかな笑顔でブランは問う。
するとグランは目を逸らしながら気まずそうに言う。

「あー……いや、まぁ大丈夫だと思うよ……」

これは終わってないね。絶対。
気まずそうに目が泳いでいるグラン。

「ま、まぁ遅れんように早めに行こ」

その言葉を皮切りに3人は車に乗り込み、家を後にするのだった。

横浜にある軍事基地に向かうと駐車場に黒髪に赤メッシュでやたらと筋肉質な男がムスッとした顔で立っていた。
男はコチラに気づくなり、コチラに歩み寄ってきた。
グランも男の存在に気づいたようで、顔が引きつってしまっている。

グランが車の扉を開けると男が声を荒らげて言う。

「おぃ、昨日あれだけ怒っといて っんでまたサボんだよ」

怒れと呆れが混じったような声で言い放つ男にグランは申し訳なさそうに言う。

「ごめん......友達が今日試験受けるから迎えに行ってたんだよね......」

グランがそう言ってブラン達の方を見る。
すると男は何かに気づいたようでグランに問いかける。

「こいつら、'例'の子達か?」

男がそう問うとグランが嬉しそうに答える。

「おぅ、可愛いでしょ」

すると男はブラン達の方を見て、徐に話し出した。

「さっきは変なもん見せて悪かったな、俺ァ神喰隊 副隊長の海翔かいとだ、よろしくな」

そう言って笑顔を見せる海翔。彼は続けて──

「最近俺んとこの隊長が迷惑かけちまってるようで悪ィな、文句ならこいつに言ってくれ」

そう言ってグランを指さす海翔。

「いえいえ、僕らも普段グランさんには世話になってます。」

ブランが笑顔で言うと、グランが海翔の方を見て、むふー とドヤ顔を見せていた。
そんなグランの首根っこを海翔が握り、持ち上げる。
グランが驚き、固まっていると海翔は申し訳なさそうに話し出す。

「悪ぃな、こいつこれから仕事があるからさ、ちょっと借りてくわ」

そう言うと海翔はグランを引きずりながら基地の方に歩き出した。
途中でグランの顔が涙目で助けを求めている様に見えたがそっと目を逸らす。
海翔がグランを持って基地に戻るのを見送ると、ブラン達も試験開始に向けて歩みを進める。

歩みを進めるブラン達に後ろから声を掛けてるく者が居た。

「ちょっと! なんであんた達みたいなパッとしない人が居るのよ!」

振り返るとそこには金色の髪をツインテールに束ねた、俗に言う美少女が立っていた。
いきなりの言葉に戸惑いながらブランは返事をする。

「えっと……始めまして?」

そうブランが言うと少女は怒ったように答えるのだった。

「だ か ら!! なんであんた達みたいなのがいるのか答えなさいよ!」

そう言って迫ってくる少女に少し怒ったようにブランは言い返す。

「なんでって……試験を受けに来たからだよ?」

すると少女はこちらを馬鹿にしたような表情で言い放つ。

「ふんっ! あなた達見たいな弱っちそうなのが試験なんて冗談でしょう?」

そこまで言われてスーロスも黙っていないと言わんばかりに言い返す。

「……逆に貴方は誰なんですか?」

そう問われた少女は嬉しそうに答える。

「私? 私はジョーヌ! あなた達と違って強いのよ!」

そう言ってドヤ顔で言い張る彼女を見てブランは呆れながら言う。

「そうですか……じゃあ頑張ってください」

そう言って2人は試験会場へと歩みを進める。
だが、またしても後ろから騒がしい声が聞こえる。

「ちょっと! 私も自己紹介したんだからそっちもしなさいよ!」

ジョーヌが怒ったように言う。
それを聞いたブランは面倒そうに言う。

「僕がブランでこっちがスーロス、じゃ、また試験会場でね」

そう言って行こうとするブランをジョーヌはまたしても止める。

「と、特別に私が一緒に行ってあげるわよ!」

そう言うジョーヌの顔は少し赤くなっていた。
ブランが何かに気づいたようにジョーヌに話しかける。

「もしかして……迷子?」

それを聞いたジョーヌがどうやら図星だったのか目が泳いでしまっている。
それを聞いたスーロスが此処ぞとばかりに声を出す。

「いやーそんないい歳して迷子なんてある訳ないじゃないですかぁー」

悪い笑顔でスロースが言うとジョーヌの顔はさらに赤くなりスーロスの方をギロリと睨みつけていた。

「べべ、別にそんなんじゃないわよ!! ただ一緒に行ってあげるって言ってんの!」

顔を真っ赤にした彼女が言い張る。
ブランがそれを聞いて はいはい と少し呆れながら言い彼女の同行を許したのだった。

 試験会場に着くなり、彼女は言う。

「ふ、ふん! 別に感謝なんてしないんだからねっ!」

そう言って彼女は試験会場へとダッシュで行く。
そんな様子を見てブランは呟く。

「変な人だったけど、悪い人じゃなさそうだったね」

それを聞いてスーロスも同意する。

その後も軽い雑談をしながら試験会場に到着すると、受験者は皆、大きな広間のような場所に集められた。
次の指示を待っていると、受験者達の前に試験監督らしき男が歩みを進める。
その男は、みんなの前まで歩くと徐に話を始めた。

「えー、受験者諸君、これより、入隊試験の説明を始める。」
「本来、この仕事は'隊長'や'副隊長'の仕事なのだか別件で席を外している。」

それを聞いてブランは少し残念そうにしている。

「試験の内容だが、諸君には罪格の才花人の力を再現したロボットと戦ってもらう!」
「まず、3人1組となり、外にある訓練所にて、1組につき最低一体狩ってくるのがこの試験の合格条件だ!」
「組み分けはこのプリントに記載してある故、今から配布する」

そのプリントを見ると次のように書かれてあった。

104組 ブラン、スーロス、ジョーヌ

これを見てスーロスはガクっと落胆したような表情を見せる。
そして組み合わせの時間が始まった。
ジョーヌは2人に会うなり驚いたような顔で話し出す。

「なっ、あんたらさっきの弱っちそうなの!」

気まずそうな表情でブランは言う。

「えっと……よろしくお願いします?」

すると彼女は諦めたように言う。

「まぁいいわ、精々足引っ張らないで」

そんな会話をしていると試験監督らしき男が口を開く。

「えー、この試験では安全性確保の為、1人1人に神喰隊特製の筋力増強スーツと希望の武器が与えられる。」
「武器は事前アンケートに書いてもらった物を用意してある。」

その声が終わると同時に隊服を来た人達から武器が渡される。
ブランが手に取ったのは日本刀に似た形状をした刀だった。

「スーロスはどんな武器にしたの?」

ブランがそう問うとスーロスが自慢げに答える。

「ぼくは銃にしました! ブランくんは刀ですか? かっこいいですねー!」

目を輝かせながらスーロスが言う。
そんな僕らの様子を見てたのかジョーヌが口を開く。

「ふんっ! まだまだ子供ね」

そう言う彼女の方を見ると、その手には大きな戦斧が握られていた。

戦斧も大概だろう、と言う目で見ると、
彼女は「な、何よ」と言って少し動揺してた。
そんな彼女を見て、2人はふふっと笑う。
そんな2人の様子を見て、ジョーヌはまた恥ずかしそうに顔を赤くしている。

そんなこんなでいよいよ試験開始の時間になった。
試験監督らしき男が大きな声で言う。




「えー、それでは、試験 」

「開始ッ!!!」







───同刻、血で出来た翼を広げ、神喰隊横浜基地を目指し日本海上空を飛行する者がいた。

「さぁて、"あの御方"の言っていたガキはいるかなぁ?」

男は無邪気な笑みを浮かべていた。






しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.
ファンタジー
今年から冒険者生活を開始した主人公で【ソロ】と言う適正のノア(15才)。 その適正の為、戦闘・日々の行動を基本的に1人で行わなければなりません。 そこで元上級冒険者の両親と猛特訓を行い、チート級の戦闘力と数々のスキルを持つ事になります。 『悠々自適にぶらり旅』 を目指す″つもり″の彼でしたが、開始早々から波乱に満ちた冒険者生活が待っていました。

チート魔力のせいで世界の管理者に目を付けられましたが、巻き込まれたくないので金稼ぎします

桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる―― そう信じている守銭奴、鏡谷知里(28)。 交通事故で死んだはずの彼が目を覚ますと、そこは剣と魔法の異世界。 しかもなぜか、規格外のチート魔力を手に入れていた。 だがその力は、本来存在してはいけないものだった。 知里の魔力は、封印されていた伝説の冒険者の魔力と重なったことで生まれた世界のバランスを崩す力。 その異常な魔力に目を付けたのは、この世界を裏から支配する存在―― 「世界を束ねる管理者」 神にも等しい力を持つ彼らは、知里を危険視し始める。 巻き込まれたくない。 戦いたくもない。 知里が望むのはただ一つ。 金を稼いで楽して生きること。 しかし純粋すぎる仲間に振り回され、事件に巻き込まれ、気付けば世界の管理者と敵対する羽目に――。 守銭奴のチート魔力持ち冒険者 VS 世界を支配する管理者。 金のために生きる男が、望まぬまま世界の頂点と戦うことになる 巻き込まれ系異世界ファンタジー。 ※小説家になろう・カクヨムでも更新中 ※表紙:あニキさん ※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ ※月、水、金、更新予定!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち

半道海豚
SF
本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。 最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。 本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。 第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。 どうぞ、お楽しみください。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

霊力ゼロの陰陽師

テラトンパンチ
ファンタジー
生まれつき霊力を持たない少年、西園寺玄弥(さいおんじげんや)。 妖怪の王を封じた陰陽師の血を引きながら、彼だけが“無能”と呼ばれていた。 霊術学院で嘲笑され、才能の差を突きつけられる日々。 それでも諦めきれなかった彼の前に現れたのは、王と対立する最強クラスの妖怪――九尾・葛葉。 「貴様の力は、枯れているのではない。封じられているだけだ」 仮契約によって解かれた封印。 目覚める霊力。動き出す因縁。 これは、無能と蔑まれた少年が、仲間と共に妖怪の王へ挑む物語。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

処理中です...