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3章 DT,先生じゃなく、寮父になる
93話 闇は動き出したらしいです
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ついに工事が開始された日、杞憂に終わればいいと思っていた事態が発生した。
工事に参加していたメンバーに北川家に害意を持つ者が混じっていたのである。
シホーヌとアクアが言っていた3つのアイテムが揃った事により、前日、帰ってきた早々に結界が構築された。
すると結界に阻まれた者が4名現れた。
念の為にスタンバっていた雄一達は、逃げようとする者達を取り押さえる。
4人全員同じ仲間ではないようで、3人と1人で別々の思惑があるものであった。
最初に3人のほうと雄一は尋問に移る事にした。
その3人は地元の者で雄一の恐ろしさをはっきりと認識している者であった。
なので、軽い威圧で気絶をしそうになるほど怯えぱなしになり、聞く事、聞く事なんでも素直に答えてくれた。
どうやら、酒場で飲んでいる時に見た事のない奴らに建物にこっそり忍び込める場所を作ってくれと依頼されたらしい。
勿論、最初は断ったらしいが、大金を用意された事とバックの組織がダンガを牛耳る組織な上に、その組織の更に後ろにも凄いのがいると噂があった為、雄一にばれなければいいと割り切ったらしい。
それほど恐れる割にはあっさり口を割った大工を不審に思った雄一は聞くと何かを思い出すかのようにして身をブルッと震わせる。
「あ、アンタがドラゴンを魔法1発で仕留めてるのを俺達も見てる。本当ならアンタに害意を及ぼしたいなんてこれっぽっちも思わないさ」
「俺のダチが言ってた。ユウイチさんが使ってた魔法は間違いなく初級魔法だったと。初級魔法が使える者なら連打できるって知ってる。軍隊が千、いや、万の単位で守ってくれるって言われても心許ない」
「なら、どうして、やるって決めた」
そう聞き返された2人は沈黙を守る。
最初に罪を認めてから一言も発してない年長の男が口を開く。
「情けねぇ話だがよ。俺達にコンタクト取ってきた組織のやり口が、拒絶した相手には弱点を突いて見せしめをするんだ。つまりよ……」
「友人、恋人、家族を人質に取られたようなもんだったと?」
年長の男は目を瞑り、軽く頷くと後は黙って雄一の言葉を待った。
雄一は溜息を一つ吐く。
「分かった。お前達がした事はしっかりと償って貰おう」
雄一は後ろに控えていた大工の棟梁に目を向けると頷く。
「ありがてぇ、しっかり俺のほうでケジメは着けておく。本当にすまねぇ」
「ああ、管理不届きと怒ってもいいが、今の話を聞く限り、こいつらの素行に問題があった訳じゃないからな。素直に白状した事と事情を鑑みて、多少の手心は見逃すが体裁は整えろ」
深く礼をする4人に頭を上げるように言う雄一の言葉を無視して、下げる4人から視線を切って再び、溜息を吐く。
そして、頭を上げた4人が出て行こうとするのを雄一が止める。
「おい、お前達3人が心配した相手を伝えていけ」
「……どうしようってんだ?」
年長の男が真意を探るように聞いてくるのを、違う、違う、とばかりに手を雄一は振る。
「ダンガを牛耳ってるっていう馬鹿な組織を潰すまで、俺の方で預かろうって話だ。勿論、潰す前に大事な者達に害があってもいいと言うなら別だがな?」
雄一は、「そんな馬鹿な事言わないだろ?」と言うと3人は男泣きし出して、何度も有難う、有難うと感謝を告げる。
男に泣きつかれても暑苦しいだけだと思う雄一は、「さっさと言え」というとメモ用紙に書く準備を始める。
それぞれが心配する者の居場所や特徴を聞き、書き終えると3人を連れていく棟梁に声をかける。
「帰る前に、外に居るはずのテツ達を呼んでから帰ってくれないか?」
「ああ、分かった」
雄一の言葉に頷いた棟梁は、3人を連れて出て行った。
それから5分もしないうちにテツ達が入ってくる。
「ユウイチさん、なにか御用ですか?」
「ああ、それなりに緊急な用事だ」
雄一がそう言うと3人の表情が引き締まる。
それを見た雄一がテツ達に3人から伝え聞いてメモしたモノを手渡す。
「各自、ばらけて、そのメモの人物達を保護して家に連れてこい。ほっとくと組織に狙われる恐れがある」
雄一にそう言われたテツとポプリは、「組織?」と顔を見合わせているとホーラが答える。
「ダンガでやらかしそうな組織って言えば、アタイはパパラッチしか知らないさ。確かにあそこに目を付けられた一般人は堪ったもんじゃないさ」
「パパラッチって言うのか、俺も組織名は聞くのを忘れたが、ダンガを牛耳ってるって話だからそこなんだろう」
ホーラが顔を顰めるのを見た2人は、本当に性質が悪そうだと思ったようである。
「じゃ、僕達は急ぎ、この人達を確保してきます」
「ああ、頼んだ。俺は冒険者ギルドに行ってくる」
「えっと、その、ユウイチさんはどうして冒険者ギルドへ?」
ポプリが質問してくるのに一瞬考える素振りを見せた雄一が答える。
「そろそろ……な、分かってる範囲だけでも吐かせないといけないヤツがいるから会いに行ってくる」
雄一がそう言うとホーラが考えを巡らせるように目を泳がすと思い付いたようである。
「今回の事は、それに繋がる。ユウはそう考えてるということ? だったら、確かに、そろそろ吐いて貰う必要があるさ。何も情報を掴んでないとは思えないしね」
ホーラの言葉に頷く雄一を見て、2人が気になるようで聞こうとするが、ホーラに手を叩かれて遮られる。
「この人達を確保したら、ちゃんとアタイが説明してやるさ。ここでノンビリしてて手遅れになったら目も当てられないさ」
その言葉受けた2人は、気持ちと表情を切り替える。
3人が、「いってきます」と雄一に言うと部屋から飛び出していった。
雄一は、冒険者ギルドに出かけてくるとシホーヌとアクアに伝える為に2人に会いに行く。
雄一が2人の下へとやってくると、それに気付いた2人が逃げるように雄一のところへやってくる。
「ユウイチ、遅いのです。あんまり遅いから頭がおかしくなるかと思ったのですぅ!」
そう言ってくるシホーヌに、もう手遅れだと言わないのは優しさだと噛み締めて、「何の話だ?」と聞き返す。
「主様が見張っておけ、と言った男が意味不明な言葉を沢山使って気持ち悪いんです」
半泣きのアクアが言った言葉を聞いて、忘れていた事を思い出す。
そういや単独犯がいたな、と声に出さずに心で思いつつ、悪かったと思いを込めて2人の頭を撫でてやる。
「分かった。俺が話をしてみて、対応を決めるから後ろで見ててくれ」
雄一は、その単独犯に会う為に奥の部屋へと向かった。
部屋の中へと入った雄一の前には縛られて、必死にどこかに行こうとしている20代の青年がいた。
眼は血走り、顔中には汗が浮いている、その男はまともには見えず、何かの中毒者のように雄一には見えた。
男の雄一ですら、近寄るのが嫌な雰囲気が漂うが雄一の後ろでは、「行くのですぅ!」だとか、「主様だけが頼りです!」と応援する声を無視する事ができず、嫌々、近寄る。
「あっ、あー、お前は何をしようとしたんだ?」
「はっ、はっ、あっ、貴方はアリアたん、レイアたん、ミュウたんのお父さんですね? 初めまして、某、クックカレーと申す者」
雄一は無意識に巴を握り締める。
ハッと気付いて手を緩めるが、もうちょっとで事情を聞かずに斬り捨てるところであった。
「そんな事はどうでもいい。何しに来た?」
「それはとても、ロングロングストーリーなのですが……」
雄一は、巴を構えて、「70文字で纏めろ」と脅迫する。
クックカレーは、冷や汗を流し、「鋭意努力しますから、ラブアンドピースでお願いでござる」とイラッとする言い方をしてくるが雄一は必死に耐える。
それはでござるな? とドヤ顔をしながら説明に入ろうとするクックカレーを物を見るような目で見つめながら聞きだしたら埋めようと雄一は心に決める。
「街で3人を見た時からドッキュンとやられたのでござる。もう、これは神にリスペクトするしか、と思った某は愛を伝える為に大工見習になったのでござる。後、ぺろぺろしたい」
「文字数超えてるというか、最後のは余分だよな?」
雄一の言葉は心外だと言わんばかりの顔をしたクックカレーが胸を張って言ってくる。
「何を仰います。それが一番大事ぃ~でござる」
あれほど自信満々に言われると間違ってるのは自分なのかと一瞬思わされそうになる。
後ろを振り返ってシホーヌ達を見ると震えて抱きあう2人を見て、俺の感性は間違ってないと再確認した。
前に向き直ると純粋な少年のような目でキラキラさせたクックカレーが、一世一代の晴れ舞台と言わんばかりに声を大にして言ってくる。
「お父さんっ! 某に3人をくださいっ!!」
「やれるか、ボケェ!!」
そう叫ぶとポメラニアンで加減を覚えた、男殺しを発動する。
雄一も男、だから勢いでポメラニアンにやってしまった事だけは後悔していたが、こいつを野放しにする訳にはいかない。
かと言って、コイツをヤッてしまうと酷く自分が穢れてしまう気がした雄一は、封印した技を披露した。
クックカレーは、口から泡を吐き出すと股から血が滲ませ始める。
床が汚れると思った雄一は水魔法を発動させて、水球を作り顔だけ出した状態でクックカレーを水球に閉じ込める。
「ふぅ、これで良し。アクア、コイツをこのままの状態で、西にある川に流してこい。最後には海に出るはずだから、サメあたりが処分してくれるだろ」
そう言われたアクアは嫌そうな顔をするが、さっさと縁を切りたいと思ったようで渋々、頷いてくる。
「シホーヌ、こいつ、気持ち悪いから一緒に着いてきて?」
縋りつくアクアを振り払おうとするシホーヌであったが、アクアの気持ちが痛いほど分かるようで諦めた様子で頷いて、アクアの後ろを着いて行った。
雄一は、シホーヌ達を捜してた理由を思い出して離れ行く2人に声をかける。
「俺は冒険者ギルドに行ってくるから、そいつ捨てたら後は頼むぞ?」
そう言うと、投げやり感が半端ない「は――いっ」と答えられる。
今回は仕方がないかと苦笑した雄一は、冒険者ギルドにいる惚けたエルフに会う為に家を後にした。
工事に参加していたメンバーに北川家に害意を持つ者が混じっていたのである。
シホーヌとアクアが言っていた3つのアイテムが揃った事により、前日、帰ってきた早々に結界が構築された。
すると結界に阻まれた者が4名現れた。
念の為にスタンバっていた雄一達は、逃げようとする者達を取り押さえる。
4人全員同じ仲間ではないようで、3人と1人で別々の思惑があるものであった。
最初に3人のほうと雄一は尋問に移る事にした。
その3人は地元の者で雄一の恐ろしさをはっきりと認識している者であった。
なので、軽い威圧で気絶をしそうになるほど怯えぱなしになり、聞く事、聞く事なんでも素直に答えてくれた。
どうやら、酒場で飲んでいる時に見た事のない奴らに建物にこっそり忍び込める場所を作ってくれと依頼されたらしい。
勿論、最初は断ったらしいが、大金を用意された事とバックの組織がダンガを牛耳る組織な上に、その組織の更に後ろにも凄いのがいると噂があった為、雄一にばれなければいいと割り切ったらしい。
それほど恐れる割にはあっさり口を割った大工を不審に思った雄一は聞くと何かを思い出すかのようにして身をブルッと震わせる。
「あ、アンタがドラゴンを魔法1発で仕留めてるのを俺達も見てる。本当ならアンタに害意を及ぼしたいなんてこれっぽっちも思わないさ」
「俺のダチが言ってた。ユウイチさんが使ってた魔法は間違いなく初級魔法だったと。初級魔法が使える者なら連打できるって知ってる。軍隊が千、いや、万の単位で守ってくれるって言われても心許ない」
「なら、どうして、やるって決めた」
そう聞き返された2人は沈黙を守る。
最初に罪を認めてから一言も発してない年長の男が口を開く。
「情けねぇ話だがよ。俺達にコンタクト取ってきた組織のやり口が、拒絶した相手には弱点を突いて見せしめをするんだ。つまりよ……」
「友人、恋人、家族を人質に取られたようなもんだったと?」
年長の男は目を瞑り、軽く頷くと後は黙って雄一の言葉を待った。
雄一は溜息を一つ吐く。
「分かった。お前達がした事はしっかりと償って貰おう」
雄一は後ろに控えていた大工の棟梁に目を向けると頷く。
「ありがてぇ、しっかり俺のほうでケジメは着けておく。本当にすまねぇ」
「ああ、管理不届きと怒ってもいいが、今の話を聞く限り、こいつらの素行に問題があった訳じゃないからな。素直に白状した事と事情を鑑みて、多少の手心は見逃すが体裁は整えろ」
深く礼をする4人に頭を上げるように言う雄一の言葉を無視して、下げる4人から視線を切って再び、溜息を吐く。
そして、頭を上げた4人が出て行こうとするのを雄一が止める。
「おい、お前達3人が心配した相手を伝えていけ」
「……どうしようってんだ?」
年長の男が真意を探るように聞いてくるのを、違う、違う、とばかりに手を雄一は振る。
「ダンガを牛耳ってるっていう馬鹿な組織を潰すまで、俺の方で預かろうって話だ。勿論、潰す前に大事な者達に害があってもいいと言うなら別だがな?」
雄一は、「そんな馬鹿な事言わないだろ?」と言うと3人は男泣きし出して、何度も有難う、有難うと感謝を告げる。
男に泣きつかれても暑苦しいだけだと思う雄一は、「さっさと言え」というとメモ用紙に書く準備を始める。
それぞれが心配する者の居場所や特徴を聞き、書き終えると3人を連れていく棟梁に声をかける。
「帰る前に、外に居るはずのテツ達を呼んでから帰ってくれないか?」
「ああ、分かった」
雄一の言葉に頷いた棟梁は、3人を連れて出て行った。
それから5分もしないうちにテツ達が入ってくる。
「ユウイチさん、なにか御用ですか?」
「ああ、それなりに緊急な用事だ」
雄一がそう言うと3人の表情が引き締まる。
それを見た雄一がテツ達に3人から伝え聞いてメモしたモノを手渡す。
「各自、ばらけて、そのメモの人物達を保護して家に連れてこい。ほっとくと組織に狙われる恐れがある」
雄一にそう言われたテツとポプリは、「組織?」と顔を見合わせているとホーラが答える。
「ダンガでやらかしそうな組織って言えば、アタイはパパラッチしか知らないさ。確かにあそこに目を付けられた一般人は堪ったもんじゃないさ」
「パパラッチって言うのか、俺も組織名は聞くのを忘れたが、ダンガを牛耳ってるって話だからそこなんだろう」
ホーラが顔を顰めるのを見た2人は、本当に性質が悪そうだと思ったようである。
「じゃ、僕達は急ぎ、この人達を確保してきます」
「ああ、頼んだ。俺は冒険者ギルドに行ってくる」
「えっと、その、ユウイチさんはどうして冒険者ギルドへ?」
ポプリが質問してくるのに一瞬考える素振りを見せた雄一が答える。
「そろそろ……な、分かってる範囲だけでも吐かせないといけないヤツがいるから会いに行ってくる」
雄一がそう言うとホーラが考えを巡らせるように目を泳がすと思い付いたようである。
「今回の事は、それに繋がる。ユウはそう考えてるということ? だったら、確かに、そろそろ吐いて貰う必要があるさ。何も情報を掴んでないとは思えないしね」
ホーラの言葉に頷く雄一を見て、2人が気になるようで聞こうとするが、ホーラに手を叩かれて遮られる。
「この人達を確保したら、ちゃんとアタイが説明してやるさ。ここでノンビリしてて手遅れになったら目も当てられないさ」
その言葉受けた2人は、気持ちと表情を切り替える。
3人が、「いってきます」と雄一に言うと部屋から飛び出していった。
雄一は、冒険者ギルドに出かけてくるとシホーヌとアクアに伝える為に2人に会いに行く。
雄一が2人の下へとやってくると、それに気付いた2人が逃げるように雄一のところへやってくる。
「ユウイチ、遅いのです。あんまり遅いから頭がおかしくなるかと思ったのですぅ!」
そう言ってくるシホーヌに、もう手遅れだと言わないのは優しさだと噛み締めて、「何の話だ?」と聞き返す。
「主様が見張っておけ、と言った男が意味不明な言葉を沢山使って気持ち悪いんです」
半泣きのアクアが言った言葉を聞いて、忘れていた事を思い出す。
そういや単独犯がいたな、と声に出さずに心で思いつつ、悪かったと思いを込めて2人の頭を撫でてやる。
「分かった。俺が話をしてみて、対応を決めるから後ろで見ててくれ」
雄一は、その単独犯に会う為に奥の部屋へと向かった。
部屋の中へと入った雄一の前には縛られて、必死にどこかに行こうとしている20代の青年がいた。
眼は血走り、顔中には汗が浮いている、その男はまともには見えず、何かの中毒者のように雄一には見えた。
男の雄一ですら、近寄るのが嫌な雰囲気が漂うが雄一の後ろでは、「行くのですぅ!」だとか、「主様だけが頼りです!」と応援する声を無視する事ができず、嫌々、近寄る。
「あっ、あー、お前は何をしようとしたんだ?」
「はっ、はっ、あっ、貴方はアリアたん、レイアたん、ミュウたんのお父さんですね? 初めまして、某、クックカレーと申す者」
雄一は無意識に巴を握り締める。
ハッと気付いて手を緩めるが、もうちょっとで事情を聞かずに斬り捨てるところであった。
「そんな事はどうでもいい。何しに来た?」
「それはとても、ロングロングストーリーなのですが……」
雄一は、巴を構えて、「70文字で纏めろ」と脅迫する。
クックカレーは、冷や汗を流し、「鋭意努力しますから、ラブアンドピースでお願いでござる」とイラッとする言い方をしてくるが雄一は必死に耐える。
それはでござるな? とドヤ顔をしながら説明に入ろうとするクックカレーを物を見るような目で見つめながら聞きだしたら埋めようと雄一は心に決める。
「街で3人を見た時からドッキュンとやられたのでござる。もう、これは神にリスペクトするしか、と思った某は愛を伝える為に大工見習になったのでござる。後、ぺろぺろしたい」
「文字数超えてるというか、最後のは余分だよな?」
雄一の言葉は心外だと言わんばかりの顔をしたクックカレーが胸を張って言ってくる。
「何を仰います。それが一番大事ぃ~でござる」
あれほど自信満々に言われると間違ってるのは自分なのかと一瞬思わされそうになる。
後ろを振り返ってシホーヌ達を見ると震えて抱きあう2人を見て、俺の感性は間違ってないと再確認した。
前に向き直ると純粋な少年のような目でキラキラさせたクックカレーが、一世一代の晴れ舞台と言わんばかりに声を大にして言ってくる。
「お父さんっ! 某に3人をくださいっ!!」
「やれるか、ボケェ!!」
そう叫ぶとポメラニアンで加減を覚えた、男殺しを発動する。
雄一も男、だから勢いでポメラニアンにやってしまった事だけは後悔していたが、こいつを野放しにする訳にはいかない。
かと言って、コイツをヤッてしまうと酷く自分が穢れてしまう気がした雄一は、封印した技を披露した。
クックカレーは、口から泡を吐き出すと股から血が滲ませ始める。
床が汚れると思った雄一は水魔法を発動させて、水球を作り顔だけ出した状態でクックカレーを水球に閉じ込める。
「ふぅ、これで良し。アクア、コイツをこのままの状態で、西にある川に流してこい。最後には海に出るはずだから、サメあたりが処分してくれるだろ」
そう言われたアクアは嫌そうな顔をするが、さっさと縁を切りたいと思ったようで渋々、頷いてくる。
「シホーヌ、こいつ、気持ち悪いから一緒に着いてきて?」
縋りつくアクアを振り払おうとするシホーヌであったが、アクアの気持ちが痛いほど分かるようで諦めた様子で頷いて、アクアの後ろを着いて行った。
雄一は、シホーヌ達を捜してた理由を思い出して離れ行く2人に声をかける。
「俺は冒険者ギルドに行ってくるから、そいつ捨てたら後は頼むぞ?」
そう言うと、投げやり感が半端ない「は――いっ」と答えられる。
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