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黒尽くめは言った。言う事きかないと祓っちゃうぞ、と
さん!
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俺と巫、小さいテーブルを挟んで向かい合って座る。
「さぁて、何から話そうか?とりあえず食人鬼の事からかな?」
「…うん。人を喰べる化物って事くらいしか分からないし」
「そうだね。でも、僕ら祓い師も食人鬼の全てを知ってる訳じゃないんだよ。て言うか、食人鬼の存在を知ってる祓い師は五分の一もいない。食人鬼が現れる事自体レアケース」
「……そのレアケースに運悪く出遭って、食人鬼になっちゃった訳?俺…」
「うん。で、食人鬼になったのに自我を保っていられる零君は、初めて出遭うオニだよ。普通は食人鬼の血の強過ぎる力に喰われて、本能だけの化物になるんだけどね」
「……本当に、俺以外…」
「いないよ。食人鬼になって戻って来られた人間はね。だから、僕自身、これから君に何が起こるか正直分からない。このまま自我を保ったまま生きられるのか、それともいつか自我を失くしてしまうのか。だからね、監視も兼ねて、眠ってる間に君を僕の式にさせてもらったよ」
…………ん?あれ?今なんて言った?式?
「…………式って、あの式?」
「うん。食人鬼程のオニを縛らなきゃいけないから、結構強めの式契約を」
「はあぁぁあぁっ!?ちょ、待てよ!式契約はお互いの合意がいるんじゃないのかよ!?」
驚き過ぎて素っ頓狂な声が出る。
「本来はそうだけど、僕って数多いる祓い師の中でもトップクラスだから、多少強引でも契約出来ちゃう訳。これでも苦労したんだよ?暴走しようと膨れ上がろうとする力を抑えつけながら、細過ぎる針に糸を通すように僕の魂と君の魂を繋げたんだから」
「言いたいのはそこじゃなくて、俺とあんたに主従関係が生まれた訳だろ?それって…」
「そりゃそうだよ。僕が主で零君は式。僕の式になった以上、仕事は手伝ってもらうよ?」
「助けてもらったのは感謝してる。でも、なんであんたの式にならなきゃいけないんだよ?俺だって、今までの生活とか学校とか、色々あんのに…!」
「僕の式になるの嫌?じゃあいっちょ死んどく?」
巫が身を乗り出し、至近距離で俺の髪を弄りながら、じっと俺の瞳を見つめて、またあの不敵な笑みを浮かべる。
「し、死んどくって……」
「そのままの意味だよ。食人鬼なんて危険なオニを野放しには出来ない。ましてや、いつ暴走を起こしてもおかしくない成り立ての食人鬼だ。僕が殺さなくても誰かが君を殺す。今まで通りの日常に戻れると思う?君はもう危険で人の肉を喰べなきゃ生きてけないオニなんだよ。生きたいなら僕のものになれ。嫌なら誰かが殺す前に、僕が苦しまないように殺してあげる」
すっと、巫の瞳が冷たく光る。それで何故か分かった。俺の事を思っての冷たい眼差しなんだと。
「…分かったよ。お前のもんになってやる」
俺もじっと見返す。そしたら、打って変わってにっこりと笑って、
「漸く契約成立だね」
「さぁて、何から話そうか?とりあえず食人鬼の事からかな?」
「…うん。人を喰べる化物って事くらいしか分からないし」
「そうだね。でも、僕ら祓い師も食人鬼の全てを知ってる訳じゃないんだよ。て言うか、食人鬼の存在を知ってる祓い師は五分の一もいない。食人鬼が現れる事自体レアケース」
「……そのレアケースに運悪く出遭って、食人鬼になっちゃった訳?俺…」
「うん。で、食人鬼になったのに自我を保っていられる零君は、初めて出遭うオニだよ。普通は食人鬼の血の強過ぎる力に喰われて、本能だけの化物になるんだけどね」
「……本当に、俺以外…」
「いないよ。食人鬼になって戻って来られた人間はね。だから、僕自身、これから君に何が起こるか正直分からない。このまま自我を保ったまま生きられるのか、それともいつか自我を失くしてしまうのか。だからね、監視も兼ねて、眠ってる間に君を僕の式にさせてもらったよ」
…………ん?あれ?今なんて言った?式?
「…………式って、あの式?」
「うん。食人鬼程のオニを縛らなきゃいけないから、結構強めの式契約を」
「はあぁぁあぁっ!?ちょ、待てよ!式契約はお互いの合意がいるんじゃないのかよ!?」
驚き過ぎて素っ頓狂な声が出る。
「本来はそうだけど、僕って数多いる祓い師の中でもトップクラスだから、多少強引でも契約出来ちゃう訳。これでも苦労したんだよ?暴走しようと膨れ上がろうとする力を抑えつけながら、細過ぎる針に糸を通すように僕の魂と君の魂を繋げたんだから」
「言いたいのはそこじゃなくて、俺とあんたに主従関係が生まれた訳だろ?それって…」
「そりゃそうだよ。僕が主で零君は式。僕の式になった以上、仕事は手伝ってもらうよ?」
「助けてもらったのは感謝してる。でも、なんであんたの式にならなきゃいけないんだよ?俺だって、今までの生活とか学校とか、色々あんのに…!」
「僕の式になるの嫌?じゃあいっちょ死んどく?」
巫が身を乗り出し、至近距離で俺の髪を弄りながら、じっと俺の瞳を見つめて、またあの不敵な笑みを浮かべる。
「し、死んどくって……」
「そのままの意味だよ。食人鬼なんて危険なオニを野放しには出来ない。ましてや、いつ暴走を起こしてもおかしくない成り立ての食人鬼だ。僕が殺さなくても誰かが君を殺す。今まで通りの日常に戻れると思う?君はもう危険で人の肉を喰べなきゃ生きてけないオニなんだよ。生きたいなら僕のものになれ。嫌なら誰かが殺す前に、僕が苦しまないように殺してあげる」
すっと、巫の瞳が冷たく光る。それで何故か分かった。俺の事を思っての冷たい眼差しなんだと。
「…分かったよ。お前のもんになってやる」
俺もじっと見返す。そしたら、打って変わってにっこりと笑って、
「漸く契約成立だね」
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