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習うより慣れろ 実戦はそれが一番だ
二
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「ふぁ~~……ん~…よく寝たぁ。零君抱き枕としての素質あるよ。滅茶苦抱き心地抜群」
「誤解を招くような発言すんな」
やっとこさ起きた巫が伸びをしながら言ってくる。ホント何が悲しくて抱き枕になんざならなきゃいけないんだ。しかも清々しい笑顔でいうんじゃねぇよ。
「はぁ~……全く…。そういえば奏は?」
「奏ちゃんはあそこ」
巫の人差し指が天井を示す。つられて天井を見たら、本当に天井で気持ちよさそうに寝てた。
式神の身体から抜けて幽体に戻ってるから、あんな芸当が出来るんだな。
「幽霊って天井で寝るのが普通だったっけ?」
「いや、ただ単に奏ちゃんが天井で寝るのが好きなだけだよ多分。少なくとも僕は天井で寝る幽霊は見た事ない。そもそも寝る幽霊はそんなにいないし」
「だよな。俺は初めて見た」
なんとなく未だに眠ってる白銀を見る。三日三晩不眠不休で、俺の精神を落ち着かせようと縛ってくれてたんだよな。
「白銀の事が気になるの?大丈夫だよ。眠れば霊力は回復するから。起きたらお礼って言って何かいい香りがする物を嗅がせてあげて。それで満足するだろうから」
「香り?」
「香りが白銀の食べ物だからね」
「香りが食べ物で髪も肌も白いオニって……まさか華鬼?」
華鬼の名前を口にしたら、巫が驚いた顔をした。
「……そうだよ、よく知ってたね。今じゃ滅多に逢えないオニだから、存在自体知らなかったりするのに」
「実家に、好き好んで使用人みたいな事やってる華鬼がいるからなぁ」
名前は美水。男だけど、男から見ても見惚れる程綺麗なオニだ。ずっと昔から狩眞に仕えてるらしい。
悪いモノによく追いかけられてた俺の為に、悪いモノを幻術で惑わして追い払ってくれたなぁ。華鬼の幻術はオニ界一と言われる程だから、同じオニでさえ惑わされ囚われる。
同時に心を読むのにも長けてるから、心を操る事も得意。
逆に華鬼じゃなければ、食人鬼になった俺の精神を縛れなかったのかも。そうしたら俺は、俺として目覚める事が出来なかったかもな。
とびっきりのお香を食べさせてやろう。美水が喜ぶお香だ。きっと白銀も喜んでくれる。
「誤解を招くような発言すんな」
やっとこさ起きた巫が伸びをしながら言ってくる。ホント何が悲しくて抱き枕になんざならなきゃいけないんだ。しかも清々しい笑顔でいうんじゃねぇよ。
「はぁ~……全く…。そういえば奏は?」
「奏ちゃんはあそこ」
巫の人差し指が天井を示す。つられて天井を見たら、本当に天井で気持ちよさそうに寝てた。
式神の身体から抜けて幽体に戻ってるから、あんな芸当が出来るんだな。
「幽霊って天井で寝るのが普通だったっけ?」
「いや、ただ単に奏ちゃんが天井で寝るのが好きなだけだよ多分。少なくとも僕は天井で寝る幽霊は見た事ない。そもそも寝る幽霊はそんなにいないし」
「だよな。俺は初めて見た」
なんとなく未だに眠ってる白銀を見る。三日三晩不眠不休で、俺の精神を落ち着かせようと縛ってくれてたんだよな。
「白銀の事が気になるの?大丈夫だよ。眠れば霊力は回復するから。起きたらお礼って言って何かいい香りがする物を嗅がせてあげて。それで満足するだろうから」
「香り?」
「香りが白銀の食べ物だからね」
「香りが食べ物で髪も肌も白いオニって……まさか華鬼?」
華鬼の名前を口にしたら、巫が驚いた顔をした。
「……そうだよ、よく知ってたね。今じゃ滅多に逢えないオニだから、存在自体知らなかったりするのに」
「実家に、好き好んで使用人みたいな事やってる華鬼がいるからなぁ」
名前は美水。男だけど、男から見ても見惚れる程綺麗なオニだ。ずっと昔から狩眞に仕えてるらしい。
悪いモノによく追いかけられてた俺の為に、悪いモノを幻術で惑わして追い払ってくれたなぁ。華鬼の幻術はオニ界一と言われる程だから、同じオニでさえ惑わされ囚われる。
同時に心を読むのにも長けてるから、心を操る事も得意。
逆に華鬼じゃなければ、食人鬼になった俺の精神を縛れなかったのかも。そうしたら俺は、俺として目覚める事が出来なかったかもな。
とびっきりのお香を食べさせてやろう。美水が喜ぶお香だ。きっと白銀も喜んでくれる。
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