女になった俺と、

六月 鵺

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魔法回路と代償

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徒歩だったら一時間かかる道のりも、アスに乗っけてもらったら早い早い。
玄関のドアを開けてアスを中に入れた時だった。

「おっかえりー!マルコシアスもご苦労さん」

「うわああああぁあぁあああ!?」

考えなくてもハイズが来てることは分かることだったけど、声に驚いて慌てて胸を隠す。

「どうしたよ胸なんか隠して。はは~ん、さては……」

ニヤリ、と恐ろしい笑顔を浮かべる。とんっと足を鳴らした。
それと同時に現れる、風の魔神パズス。ハイズの使役する、風の最強の魔神。

「パズス、押さえとけ」

【らじゃー!】

「ぎゃああぁぁあぁあああ!離せ!胸を揉むな!触るな脱がすなぁぁぁ!」

由緒正しき魔神のくせに、明るいドスケベってどういうことだよ!揉み方超嫌らしいし!

【おお~、こりゃいいわ。Gカップはあるぞ。ハイズより揉み心地いいぞ!おぶぅ!?】

「いつ私の胸を揉んだんだよ?あ?」

ハイズの蹴りがパズスの鳩尾を直撃した。蹲るパズスを容赦なくげしげしと蹴りまくる。

【痛い痛いって!暴力反対!マルちゃん助けて!】

アスを見ると、パズスを冷ややかな目で見てるし。

「とりあえず、身体見せろ。他に異常ないか見てやる」

パズスをボッコボコにしてスッキリしたのか、清々しい笑顔で身体を触ってくる。

「その前に、そこの変態を戻してくれ」

冷ややかな目でパズスを一瞥するハイズ。とんっ足を鳴らされて、一瞬で姿が掻き消えて、地獄に還された。

「さて、いい胸してるなぁ!女よりいい身体しちゃって~」

そう言って抱きつかれて、胸を揉み扱かれた。揉み方がめっちゃ嫌らしい。ハイズの変態行為に慣れた自分が悲しい。

「ちょ、どこ触ってんだよ!?」

尻を揉み始めやがった。更に股間を足でぐりぐりと刺激されて、ぞくっとした感覚が背筋を這う。
振り払おうと力を込めるけど、びくともしない。

「何って…… 身 体 検 査 。他に身体に異常ないか、調べないとな?」

ぺろりと、嫌らしく舌舐めずりするハイズ。さぁっと血の気が引いていく。
喰われる!
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