女になった俺と、

由緒正しき魔法使い一族の父親、娼婦の母親の間に生まれてしまった俺。

一族の恥も同然の俺は勿論殺されかけて、身を潜めながら暮らしてる。

そんな俺にもチャンスは巡ってきた。

百年に一度の赤い満月の夜。地上にマナが溢れかえる夜。

母親が娼婦とは言え、父親は由緒正しい魔法使い。

半分でも魔法使いの血は流れてる。

魔法回路を開ければ、俺も魔法使いになれる。

魔法使いになれば、あいつの側にいられる。

大好きなあいつ。唯一俺を認めてくれた姉。

あいつと一緒にいるために、あいつと一緒に学園にいるために、俺は魔法使いになる。

どんなに泥沼な世界だって構わない。

俺は決めたんだ。
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