24 / 96
伊豆綺談
それは、穏やかに平凡なる日々 1. 八幡一家一門の始まり
しおりを挟む
講釈師、見て来たように嘘を吐くでありますが、真実あってこその嘘であります。
伊豆大島が為朝屋敷から、毎日のように夜が明けると、為朝は、琉威、冴、瞳を連れて、海へと駆け出していく。八幡という名で一家を立てることを、宣言し、玲や虎正、妙、志奈、琉威、冴、瞳といった女衆、将、千代、凛、甲や湯女狐といった御付衆、紀平治や長次達、ミズチと契りを交した梃子衆が、一家一門の盃を交した。盃事は、延喜格式の中で「慇懃」として表現されております。
これは、人よりもあやかしの方が厳格でありますが、盃を受ける盃事には序列があります。
八幡頭領為朝の妻は、玲、虎正、妙、志奈、琉威、冴、瞳の順で盃を受けます。これが序列となります。源朝臣鎮西八郎為朝としては、妙、玲、虎正、志奈の順となります。これは、名乗りの役儀によって異なる意味を持ちます。つまり、妙は源氏である為朝の正妻であり、玲は八幡衆の頭領である為朝の正妻となります。
後に盃事で、正式な序列を決めるというのがありましたが、これは鎌倉期に確立された武家の作法で在り、奈良平安期の格式「慇懃」の中では、序列を決めて盃を交すとなります。
八幡刀自女玲の夫としては、為朝、将の序列で盃を受けております。
頭領為朝と刀自女玲は、互いに互いのすべてを捧げることを契ってから、盃を交す。為朝と玲は、100%相手に捧げる契りを締結し、それを受けるための盃となります。これは、二人持ってはならぬが、不文律でありました。神前における契り祝詞を受けてから、盃を持って確定となります。
神前での祝詞と盃をおこなうため、場所は、大島八幡宮が選ばれ、神々への報告を行う、媒酌人は賀茂斎宮樹が務めた。イシバ様と敖光様が、見届け人として神席左右に眷属として控え、後見人には、和泉松浦党泉が、坐摩名代として受けていた。
「慇懃」なる格式をもって、契りの式を終えて、八幡一家立てが終わります。
次に、八幡頭領為朝と刀自女玲に対する、八幡一門衆の契りが行われました。最初に交わしたのが、紀平治になります。この時より、一門筆頭が紀平治となります。次に、虎正が交し、長次達が最期に交わします。八幡一門衆がここに定まります。
この時、鎮西八郎源朝臣為朝が妻妙と嫡男為頼の一門衆に加わったのが、大島梃子衆達でありました。伊豆衆筆頭大島衆の始まりとなります。
式事を終えて、白漆喰が固まり修理を終えた「竜牙」は、出港していった。長次達が残り、虎正、千代、凛、甲が一緒に船の受け取りを含めて、一緒に出掛けたていったのでありました。
伊豆大島が為朝屋敷から、毎日のように夜が明けると、為朝は、琉威、冴、瞳を連れて、海へと駆け出していく。八幡という名で一家を立てることを、宣言し、玲や虎正、妙、志奈、琉威、冴、瞳といった女衆、将、千代、凛、甲や湯女狐といった御付衆、紀平治や長次達、ミズチと契りを交した梃子衆が、一家一門の盃を交した。盃事は、延喜格式の中で「慇懃」として表現されております。
これは、人よりもあやかしの方が厳格でありますが、盃を受ける盃事には序列があります。
八幡頭領為朝の妻は、玲、虎正、妙、志奈、琉威、冴、瞳の順で盃を受けます。これが序列となります。源朝臣鎮西八郎為朝としては、妙、玲、虎正、志奈の順となります。これは、名乗りの役儀によって異なる意味を持ちます。つまり、妙は源氏である為朝の正妻であり、玲は八幡衆の頭領である為朝の正妻となります。
後に盃事で、正式な序列を決めるというのがありましたが、これは鎌倉期に確立された武家の作法で在り、奈良平安期の格式「慇懃」の中では、序列を決めて盃を交すとなります。
八幡刀自女玲の夫としては、為朝、将の序列で盃を受けております。
頭領為朝と刀自女玲は、互いに互いのすべてを捧げることを契ってから、盃を交す。為朝と玲は、100%相手に捧げる契りを締結し、それを受けるための盃となります。これは、二人持ってはならぬが、不文律でありました。神前における契り祝詞を受けてから、盃を持って確定となります。
神前での祝詞と盃をおこなうため、場所は、大島八幡宮が選ばれ、神々への報告を行う、媒酌人は賀茂斎宮樹が務めた。イシバ様と敖光様が、見届け人として神席左右に眷属として控え、後見人には、和泉松浦党泉が、坐摩名代として受けていた。
「慇懃」なる格式をもって、契りの式を終えて、八幡一家立てが終わります。
次に、八幡頭領為朝と刀自女玲に対する、八幡一門衆の契りが行われました。最初に交わしたのが、紀平治になります。この時より、一門筆頭が紀平治となります。次に、虎正が交し、長次達が最期に交わします。八幡一門衆がここに定まります。
この時、鎮西八郎源朝臣為朝が妻妙と嫡男為頼の一門衆に加わったのが、大島梃子衆達でありました。伊豆衆筆頭大島衆の始まりとなります。
式事を終えて、白漆喰が固まり修理を終えた「竜牙」は、出港していった。長次達が残り、虎正、千代、凛、甲が一緒に船の受け取りを含めて、一緒に出掛けたていったのでありました。
0
あなたにおすすめの小説
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる