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歴史記述「宵闇史」

宵闇史03 縄文の息吹、日ノ本の|象形《かたち》

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 10代崇神帝の頃に、日本征覇を目標として、四道将軍を配して、丹波から西道、北陸道、東海道の征覇事業が始まった。縄文期からの流れは、日本征覇の一大事業を「古事記」や「日本書紀」で確認していると、アフリカ大陸やアメリカ大陸で起きたような虐殺や殺戮ではなく、決闘や暗殺といった陰湿な流れが多い。
 この背景としては、大規模な人員を動員し使役する技術・技能が伝わった。春秋戦国期(BC770-BC221年)という時代は、諸子百家が生まれ、法家に儒家だけでなく、縦横家や兵法家といった、様々な技術や技能の伝承が日本にとった者達が生まれた時代である。
 大規模な労働力を動員することで、相手に百倍する人員を集めれば、戦う前に勝敗を決する戦略を取ることができる。相手を圧倒する数は、圧倒的な力であり、戦争を事前に解決可能な手段となる。百人の敵に千の味方を集め、千の敵に万の味方を集める、圧倒的な力は、そのまま日本征覇を実現する力となった。

 古墳が造られる3世紀は、春秋戦国期までの知識と技術が、日本へと伝わって活用できる時期でもあった。

 大陸からの技術・技能は、大規模土木治水事業を可能とし、大規模な徴兵による軍の編成を可能とした。大規模土木治水事業によって、街道整備を推し進めながら、墾田の開発を進め、古墳が生成されるようになった。2代から9代は大規模土木が可能となり、筑紫ヤマトから東に西道山陰道を繋ぎ、畿内ヤマトから西に繋ぐ、丹波道を繋いで、西道山陰道を築いた。さらに、畿内ヤマトからは、東山道が東に伸びて、常陸の国茨城を親王補任し府を開いた。このあたりは、諸国で編纂された、風土記の記述となります。

 倭国大乱は、崇神帝の時代に「日本制覇」が完成したが、崇神帝の死後、後継を巡っての大乱が発生した。倭国の大乱は、欲望と争いの論理もまた、大陸より知識・技術が伝わった結果であった。

 大乱を治めるために、斎宮の起源となる倭姫が置かれた。天照大御神の「御杖代《みつえしろ》」を担う倭姫が、女王ひめみことなり、傍で一人支えることを許された皇族が、景行陛下となります。この頃から、大陸の取引が進んで、大陸の歴史にヤマトが刻まれるようになります。

 女王ひめみこの後も、倭国が乱れて、成務天皇の弟、倭健ヤマトタケルの英雄譚が書かれ、最終的には神功陛下ひめみこによって、三韓征伐が達成されて、日本統一が完遂されます。神功陛下以降は、応神天皇、仁徳天皇、履中天皇、反正天皇、弁恭天皇、安康天皇、雄略天皇、仁賢天皇と平和な時代が続いたのです。卑弥呼は、「斎宮ひめみこ」であり、歴代の「斎宮ひめみこ」には、個人を称する名前は無かったのです。

 女王ひめみこの住まう地は、権力の中心であった、橿原宮や難波宮ではなく、斎宮であった。崇神帝以降は、祭祀の中心地と権力の中心地は、異なる場所として確立された。当時の倭国ヤマトは、連合王朝であり、権力の中心地が、筑紫ヤマトであったか、畿内ヤマトであったかは、出自による違いと伝承される。倭国大乱は、後継を巡る争いであり、筑紫ヤマト畿内ヤマトの血族抗争であったともいえる。国力差についても、初代の頃は、筑紫ヤマトが優勢であったが、仁徳帝の頃は、畿内ヤマトが圧倒的優位にあった。神功帝は、筑紫ヤマトの出自で、婿に畿内ヤマトの仲哀帝を迎えて、自身が畿内ヤマトに乗り込んだのである。三韓征伐を含め、多くを戦場で過ごした神功帝は、女王ひめみこの居住地そのものが固定ではなく、筑紫ヤマト畿内ヤマトを往復していたのである。祭祀の中心についても、神功帝の時に、「なにわ」へと集約された。八十島祭祀を司る難波大社生國魂ノ社、住吉大社、坐摩大社を建立している。

 この時期に水稲栽培は、日本国内では、大規模土木治水事業が推進され、大型の古墳が造成されて、水利管理が始まります。稲は、種籾の状態で長期間保存可能であり、加工食品であるアルファ化米のほしいいに至っては、保存期間10年以上と、圧倒的な保存能力を持ちます。米と言う戦略食料を有して、大量生産体制を確立した時期、それが古墳の造成された時期であった。
 日本の田園風景は、古墳期に、大規模土木治水事業が生み出した、飢餓を防ぎ国威を掲揚する、国策で創り上げた風景でもある。

 大規模動員可能な労働力の抽出によって、万の人員を動員し、全国に道路網の整備を始めれば、国家による直営道路の完成であり、連絡網の確立となります。古墳が今も残っているのは、治水水利の整備区画を策定した結果であり、濠を巡らし古墳を神域とした。大規模土木治水事業によって、水利権を天皇家の独占事業とし、天皇家は圧倒的な権力を手にしたのである。

 水稲の場合、水が無ければ稲を育てられませんから、天皇家が水利権を有して管理することで、統治権を確立していったことになります。隋唐の律令制度が始まる以前に、日本国内の統治機構は、ほぼ完成の域に達していました。律令制度そのものは、統治機構の総仕上げであったのです。「公地公民」は、治水利権を保有しインフラ整備能力を持つ、「国家」が支配する体制の確立でしかない。

 災害の多い日ノ本では、水害は毎年のように生じて、巨椋池や河内湖に大和湖は、水位変化の激しい水源であり、治水事業が毎年のように必要であった。毎年のように実施される治水事業の進展によって、大和湖は干拓が進んで、田園地帯となっていったのである。

 大量の余剰労働力を動員し、大規模土木治水事業を実施し、墾田を開発して、働いた者達に分配する。食料の生産量が増加して、人口が増加し余剰労働力が生じて、さらなる大規模土木治水事業を展開して、墾田開発して働いた者達に分配する。正のスパイラルは、一度廻ってしまえば、止まることを知らない拡大する巨大国家となる。

 律令体制は、日ノ本で確立したシステムを、隋唐の律令という枠組みで、装飾適応させたに過ぎない。行ってみれば、システムの「KAIZEN」に、隋唐の律令が使われたのである。

 律令体制崩壊の原因も自明である。律令のシステムは、大規模土木治水事業が生み出す生産能力が、常に拡大の一途を辿ることが前提となる。前提が崩れれば、システムそのものが崩壊し、新たなシステムへの再構築が必要となる。

 日ノ本の場合、システムの再構築であって、基本システムは変更されていない。

 日ノ本の国土はすべて、主上おかみ知らすシラス大地であり、主上おかみを祀ろう大御宝おおみたからが住まう大地となった。
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