琉球お爺いの綺談

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if昭和史を描く理由

第国際連盟は、「特区」を生み出し、収入源を得る ~「プロジェクトX」のXは|×《ばつ》なのです~

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 国際連盟は、ロシア帝室ロマノフ家の資産管理を標榜していることもあり、ソビエトそのものを国家として認めていなかった。反共産主義を国際連盟は掲げて、ウクライナへの介入とロシア共和国の建国、チタを中心とした極東ロシア共和国の建国、満洲、沿海州、アムール川流域を「特区」として解放することは、ソビエトという国家活動を真っ向から否定して対立することとなった。

 国際連盟事務局長として、ロマノフ家の第二皇女タチアナ・ニコラエヴナがついたことは、ロシア帝室ロマノフ家を無地領主Landless Lordとして認めることとなった。無地領主Landless Lordとなったのは、国家継承については、ロシア共和国、極東ロシア共和国が対象となるため、ロシア帝国の再興を認めることはできなかった。ロマノフ家側も帝国の再興ではなく、ロマノフ家の資産確保を優先したため、折り合いがついたというものであった。

 ロマノフ家としては、国際連盟を支援することで、ロマノフ王家の資産を保全することが重要であった。既にロシア帝国が存在しないことから、ロシア帝国の資産を保全できるのは、列強諸国家でしかなかった。

 列強諸国家としても、ロシア帝国の膨大な保有資産から、権益が得られるため、国際連盟を調整機能として活用していた。国際連盟の最大利権は、満洲、沿海州、アムール川流域であり、国際連盟の委任統治領として、国際連盟の常任理事国家に利権を分配することで、ロマノフ家は資産保全と資産利益を上げる形をとっていた。

 イギリス、アメリカ、日本、フランス、イタリアの五カ国は、常任理事国として、ロマノフ家の資産管理をおこなった。ソビエトの侵攻によって、ウクライナのロシア共和国は滅亡し、ソビエトへ組み込まれた。チタを中心とした、極東ロシア共和国は、ソビエトと対峙し、沿海州およびシベリア鉄道の権益をアメリカが、満洲鉄道の権益を日本、アムール川流域の利権をイギリスが、満洲の鉱山および炭鉱利権をフランスが得たのである。「特区」の土地については、国際連盟の委託統治地域とされた。

 さらに、1924年に清国皇帝が清室優待条件を剥奪され、紫禁城を追放されたことで、清国皇帝溥儀も満洲へと亡命することとなり、斉斉哈爾市長愛新覚羅善耆を引き受け、黒竜江省に帝城を築いたのである。国際連盟の中で、溥儀は、二人目の無地領主Landless Lordとなった。極東地域について、ロマノフ家との資産調整が必要となり、地下資源と鉄道敷設権については、ロマノフ家とし、土地については黒竜江省を中心として、愛新覚羅家の資産は、清国帝室資産という形となった。張作霖を始めとした、奉天の軍閥が中心となって、奉天郊外にロマノフ家帝城を築き、第三皇女アナスタシア殿下の嫡男を大正上皇陛下の内親王殿下を婚約者として迎えた。これは、奉天近郊から長春一帯には、旧ロシア帝国軍捕虜やロシア帝国からの亡命者が多かったためである。

 「特区」の勢力圏は、黒竜江省から沿海州を中心とする愛新覚羅一族、張作霖を中心とする奉天系軍閥、蒙古系馬賊を中心とした興安四省、極東ロシア共和国を含めてチタ-ハバロフスクを中心とするコサック系諸部族、四つの勢力によって統治される形となっていた。

 イタリアが地下資源の探査を行う中で、大慶油田を発見したことで、各国が資源探査に乗り出し、イギリスの調査で満洲里油田を発見、アメリカが熱河省に承徳油田を発見した。





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 大陸は、「特区」を中心として、ひとつの経済圏を形成していったのである。
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