琉球お爺いの綺談

最近の技術事情

環境についての評価方法２（カーボンオフセットとエネルギー管理）

　環境に対する評価に関して最大の課題は、原子力発電所問題である。

　発生するエネルギー量については、言うまでも無く、人類が現時点までで手に入れた最大のエネルギー量を発生させるシステムが核エネルギーの利用である。ちなみに二酸化炭素は、発電時点では発生しないクリーンなエネルギーということが宣伝に使われている。
　カーボンオフセットが、声高に叫ばれた頃、原子力発電は花形のように宣伝されていた。個人的には、最終的な廃棄コストの算出方法と、最終処分場の問題が解決していない状況では、原子力発電と言うのに頼るのはかなり危険だろうとは思っていたのだが、東日本大震災が起きるまで、こういった話を聞いてくれるようにはなかなかならなかった。

　２０１６年１２月も終わろうかという時点であっても、核廃棄物の最終処分場は、どこになるかもわかっていない。すでに廃炉が確定し、廃炉処理が終了し、更地となった東海１号原子力発電所から産出されたすべての核廃棄物の最終処分までのタイムリミットはすでに数十年先と決定したにも係わらずである。
　まぁ、東日本で大量に生み出された、よくわからない産業廃棄物の処理を含めて考えるのであれば、早急に最終処分場を確保する必要があるはずである。さてさてどうなることやら、



　太陽電池や風力発電機がいくら頑張っても、原子力から生じるエネルギーに、発生するエネルギーで勝てるということは無い。風や太陽と言う、人類が生きていられる間は、継続的に使えそうなエネルギーということが、重要なのである。

　まぁ、大型台風の直撃に耐えるだけの能力を持たないというのが、風力発電の現状で合ったりします。「台風１４号による風力発電設備の倒壊事故調査報告書」を見ると、風力発電所の設置場所と、発電方式については、まだまだ検討の余地があるように思います。風車のブレードだけでなく、根元から叩き折られている風力発電所の状況写真を見ると、自然の力がいかに絶大かを知ると共に、現状の風力発電については疑問を呈さざるを得ないということになります。

　ちなみに太陽電池は、台風等によって飛んできた看板などの直撃を受けると発電効率が極端に低下します。現状では、保険等で修理対応ということになっていますが、破損するという事実は変わりません。琉球一帯のように、台風の直撃を受けやすい地域では、風力にしても太陽にしても、リスクアセスメントを考える上で、考慮しなければならないことが非常に多くなるというのがあります。

　それに、地震被害については、風力発電や太陽電池について考慮されてないことが多いですが、リスクアセスメントの評価は片手落ちのように思います。



　だからと言って、環境負荷を増大させる、ディーゼル、天然ガスといった石油系の燃料に頼って、環境問題を解決することは難しい状況にあります。



  リスク計算する場合に、製品の基本は、廃棄するまでを価格に乗せなければならないという感じになっています。ただ、アスベストや放射性廃棄物の場合は、廃棄後の管理期間が無期限とか１万年といった超長期間である場合は、管理コストを廃棄までで終了するのではなく、自然に帰せるまでの期間と考えるべきなのではないでしょうか。
　廃炉にしろという考え方は、賛成できるわけではないというのは、廃炉コストの転化先をどのように考えるのかということにあります。