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エリート官僚は、内部抗争がお好き?
エリート官僚は、内部抗争がお好き?01 大日本帝国護衛総体の誕生
しおりを挟む「官僚の書類は、減らず、ただ増え続ける」そんな言葉がある。
官僚機構と言うものは、先例と慣習に縛られるだけでなく、成果を求めるところがある。特にエリートにとっては、目に見えた成果が重要なのである。正面戦力である機動軍と、後方支援に特化した支援隊に分割された、帝国陸海軍の支援隊については、統合される形となっていた。
支援隊の任務は、日本国の国益の根幹をなす、物流、上下水道、都市基盤のインフラ、通信、物流を支援および保護することにある。
保護範囲で最も広いのが、鉄道、交通、海上、航空、といった物流網である。日本の占領地域や交易範囲拡大に伴って、大きく拡大していって、世界全域に拡大していた。交易圏の中で、最低限安全を確保するためには、イギリス、オランダ、スペインといった旧植民地帝国を中心として、世界中の支援が必要となる。国際的な平和と安寧の確保があって、貿易大国として安定した収益を上げることができる。
国際連盟は、第一次世界大戦の戦勝国が組み上げたシステムであったが、日本としては、国際法を基盤として、国際的な秩序を構築することで、平和と安寧の確保を図ろうとしていた。
その基盤を維持運営するため、大日本帝国護衛総体が設立されたのである。
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大日本帝国護衛総体の誕生である。
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航路や鉄道の安全を保障し、海難救助や災害救助、復興支援といった、支援活動を目的として設立された。土木作業による鉄道や街道の維持メンテナンス、本土以外での郵便や電報といった物流と通信インフラを活用した配送業務の実施。地域医療および健康促進への対応まで業務範囲とされた。
統括官庁は、内務省であるが、工務省、商務省、農水省、郵政省が個別に権益を確保する状態でもあった。また、医療関連業務が、護衛総体の業務に含まれたことから、医師が大同連合して、医師会を結成し、圧力団体となったことから、内務省に厚生衛生局が設けられたのである。厚生衛生局が、看護科、診療科のカリキュラム内容等を監査することとなり、病院等の実務研修を義務付けたことで、医療技官に医療助手という肩書まで増えることとなった。
書類が増えることは、権益が増加することでもあった。国民皆保険制度が導入されたことで、厚生衛生局は、組織規模が拡大し、厚生衛生局は厚生省となり、厚生局と衛生局に分かれた。国際連盟は、1917年に発生したスペイン風邪を受けて、一国で発生した疫病等について、一定の情報公開をおこなうという議定書を締結した。
工務省では、1883年に締結されたパリ条約に日本が、明治期に交渉を繰り返し、パリ条約、ベルヌ条約への加盟し批准し、整合性がとれるように扱っていた。工業所有権にかかわる特許や実用新案、商標について、工務省管理・運用を扱っていた。
事務仕事というものは、書類作業が業務であり、仕事であるという認識がある。書類が増えることがあっても、減ることが無いのが、お役所仕事というものである。お役所が整理統合されても、業務そのものが減ったわけではないので、統合されると業務量が拡大し無駄が増えたりするという困った結果が生じることも多い。
護衛総体は、構成人員としては、現代でいえば、海上保安庁、陸上自衛隊一部、郵便局、国営放送、JR各社NTT各社を合わせた巨大組織となっていた。鉄道、都市インフラ整備、市立病院、街道建設保存事業から、災害救助や復興支援を業務対象としていた。
大日本帝国全域で百万を超える、圧倒的多数を擁していた。各地で雇いいれた地域事務員等を含めれば、三百万を超えていたのである。構成人員の半数が、満洲鉄道都市警備局に集中していたのである。このため、人件費を含めて、予算規模も莫大であり、定額手形流通の根幹となっていた。
日本郵便事業は、江戸期の継ぎ飛脚を継続するような形で、逓信省の形で明治期より始まる、手紙を送り届けるシステムとして確立していった。信書や奉書といった公的な手紙から、ハガキのような簡易な手紙までを扱う形で、発展していったのである。配送範囲が国内だけでなく、南洋や海外、さらには大陸への通信量gア増えるにつれて、郵便事業から物流事業への転換が図られたのが、大正期であった。昭和三年には、物流配送業務は、護衛総体の主力事業として確立され、日本が運営する国際物流業務の根幹となっていた。
護衛総体の業務が、拡大するにつれて、関係する省庁が増加し、事務処理量の増加をもたらした。事務処理量の増加が、個別事業を阻害するのでは困るということから、各省庁の職掌範囲を限定し、書類の整理を行ったのが、解体された震災復興を担当した、後藤新平であった。護衛総体の業務整理を行い、組織再構築を図った。
護衛総体の下に、支援隊、鉄道事業部、都市整備部、衛生部、通信事業部、郵便事業部という分け方をした。統括官庁を内務省として、各省庁との調整を担当させた。つまり、内務省を最上位として、関係各省庁を下部省庁として統括させたのである。
支援隊は、護衛艦、工兵部隊、陸戦隊で構成されていた。護衛総体旗艦は、護衛基幹「春風」「夏風」「秋風」「冬風」の四隻を中心とした、四戦隊構成として、通商航路の警備にあたっていた。郵便事業部は、1万トン級高速貨物船を中心に、物流事業を開始しており、海外からの原材料の運搬と海外への製品輸出を、担って事業を運営していた。
支援隊の業務は、支援隊業務の保護および、山賊や海賊といったテロ行為を実行する、組織・個人の撲滅にあった。
「首相、護衛総体設立おめでとうございます」
「風間君。これからが始まりだ。護衛総体は、平治の維持管理に必要な、組織人員構成を主軸としている。そして、戦に備える、世界最強の軍備を持つ、帝国陸海軍という体制の確立」
「首相。凄いモノですね、支援戦隊は、軍隊では無いと仰られたのですか」
「当たり前だ、平治に必要な広域警察業務であって、軍事活動を業務としてはいない。だからこそ、利益を上げる部門が必要なのだ」
「これからは、国際物流業務と言うことですか、首相」
「後藤君であれば、内務省を中心とした、国家体制として確立することができる」
震災復興を担当した後藤新平に、内務省を中心とした必要となる省庁の再編、大蔵省に次ぐ、権益集団である内務省が誕生したのである。大陸での動乱から、「特区」を守護するために動員されているのが、正面戦力である、シナ派遣軍で在った。現時点では、二十万が動員されていて、国外に派遣されている軍としては、最大規模で在った。
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