世界大戦は終わらない

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大正の終わり、昭和のはじまり

大正の終わり昭和の始まり08 特区の変貌、油田発見、皇女殿下の御婚約

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 欧米側が特区に参入したのは、満洲および極東ロシアの炭鉱権益からであるが、イタリアが昭和元年1923年12月に大慶油田を発見したことで、大きく変化する。ここから資源探査ブームが起きて、アメリカが称徳油田を発見し、イギリスが満洲里郊外で油田を発見した。日本は、樺太油田の本格採掘が開始されたこともあり、大きく出遅れたこともあり、満洲油田の発見には失敗していた。

 称徳が「特区」外であったこともあって、中華民国政府は、自国の権益を主張し、アメリカは称徳を含めて、河北一帯を「特区」にすべきであると主張した。

 「特区」の採掘権については、事務局で作成した配当条件を理事国会議で協議改訂後承認を受けて議決されるため、国際連盟加盟国の承認は必要ない。しかしながら、「特区」の承認については、国際連盟総会の議決事項であり、国際連盟総会は、満場一致を裁決基準としているため、「特区」承認が難航していたのである。

 青島から北京の鉄道敷設をドイツと共同で敷設・運営を開始していたアメリカは、承徳までの延伸を進め、油田の採掘を進めていた。日本は、ロシアを含めてソビエト難民を受け入れて、満洲で大規模治水工事による墾田開拓を進め、移民受け入れを推進していた。青島の売却益で、山海関から皇泰島を通って天津に至る、鉄道敷設を開始した日本は、イギリス軍が租借していた、皇泰島郊外を中心として、難民を労働力とした、鉄道沿線敷設工事および、大規模な土木治水工事をかけて、墾田開拓を実施し、難民に開拓地を支給する政策を行った。大連から遼陽の田園地帯へは、日本からの移民受け入れが進み、「特区」を含めた極東方面の食糧事情については、改善される状況となっていた。

 アナスタシア皇女殿下の嫡男アレク殿下と、生まれたばかりであった上皇陛下の君子内親王殿下の御婚約が、昭和2年1924年に発表された。アナスタシア皇女殿下は、極東方面ロシア大使に就任され、奉天郊外に建設された、極東「特区」露西亜ロシア大使館に移られることとなった。これは、日本の皇族と欧州の皇族との初めての婚姻であり、国内での批判もあったが、国を追われた四姉妹の御姫様は、有名な御伽噺となっていて、国民からは歓迎されたのである。

 奉天は、旧ロシア帝国満洲派遣軍の駐屯地であり、今は鉄道都市整備局の管轄下であるが、今も極東ロシアおよびロシア白軍の後方支援基地となっていた。ロシア白軍への支援物資集積所や、傷病兵の病院や訓練施設が、奉天郊外にロシア軍駐屯地として残されていて3万のロシア軍が駐留していた。奉天は、彼らと彼らの家族が暮らす街でもあり、彼らを頼って逃げ出してきた者達が住まう町でもあった。渾河の畔にある駐留地の外側は、巨大な土木治水工事が進められていた。内務省逓信省傘下に造られた、郵便事業部が、満洲の拠点としたのが、奉天であった。奉天から琵琶湖まで1300kmほどあり、バイカル湖までが1000kmとほぼ極東全域をカバーできる拠点であった。単発水上機でも、片道航行が可能ということもあり、拡大する郵便事業の拠点ともなっていた。河を下れば、営口の海軍基地があり、逓信省所属の水上機母艦が停泊している。帝国陸軍大陸派遣軍の駐屯地も建設されていて、奉天は、事実上の軍事拠点となっていた。後に奉天回廊と呼ばれる、標準軌鉄道が、円環状に建設され、極東「特区」露西亜帝国大使館に大日本帝国「特区」大使館が建設されていた。奉天には、

 奉天に近い撫順炭鉱は、フランスの支配下にあるので、奉天には、フランス「特区」大使館も建てられていた。5ft広軌による奉天から撫順までの路線は、直接大連まで接続され、欧州への出荷が可能となった。撫順から牡丹江へ延伸し、さらにはウスリースクでシベリア鉄道と接続して、ウラジオストクへの路線について、アメリカとの共同出資で敷設が始まった。牡丹江から哈爾濱、斉斉哈爾、満洲里に接続して、満洲里からザバイカルを抜けて、チタへと接続する鉄道が開通し、第二シベリア鉄道とも呼ばれるようになった。極東ロシアの利権は、満洲里からチタのザバイカル路線であり、チタからハバロフスク、ウラジオストクは、アメリカ利権の路線となっていた。

 沿海州は、スラブ系が多かったが、スラブ系移民が奉天や哈爾濱の満洲都市部へ移住し、女真系移民が沿海州に増加していった。この流れは、そのまま愛新覚羅一族の政策となり、シベリア鉄道の都市を女真系市長で固める流れとなっていた。興安省から蒙古は、馬賊を中心としたモンゴル民族が、大きく勢力を広げ、標準軌レールではあるが、哈爾濱から張家口に引き込んで、斉斉哈爾に接続する支線を敷設した。張家口に工兵学校を設置し、満洲里の工兵学校と共に、畜産、獣医の拠点となっていった。満洲鉄道都市整備としては、医学の設置を求めたが上手くいかず、ドイツおよび露西亜移民の支援を受ける形で、興安省に畜産や獣医の拠点を築いたのである。

 大慶で発見された油田は、イタリアが権益を確保して、イタリアは哈爾濱に「特区」大使館を建設し、イタリア軍3000が、哈爾濱郊外に駐留する形となった。満洲里近郊にも油田が発見され、イギリスが権益を確保したが、イギリスはオーストラリアに権益を委譲し、採掘の実施をイギリスが担当する形となった。

 極東地域は、「特区」扱いとなり、国際連盟の委託領として承認され、難民の受け入れ先として「特区」が扱われるようになった。しかしながら、万単位で人口が増加する「特区」の治安悪化を避けるため、旅券および理事国の査証ピザを受けていない難民の受け入れ拒否が、国際連盟理事会で決定された。オーストリア=ハンガリーのカール1世は昭和5年1927年、祖国から追われた人々の受け入れを求めて、国際連盟での講演をおこなった。

 講演を受けた理事国、フランス、イギリス、アメリカ、イタリア、日本の五ヶ国は、極東ロシア共和国へのオーストリア=ハンガリー帝国の旅券保有者に査証ピザの発行を約束した。

 結果として、ボリシェビキソビエトに追われた、東欧からの逃亡者の多くは、「特区」に入れないことから、途中の上海で降ろされ、山東省方面へと流れていくこととなる。アメリカの支援を受け、ドイツが敷設を開始した、青島ー天津ー北京への鉄道ルートが開通し、天津から上海へのルートについて、敷設工事が開始された。黄河から淮水わいすいを繋ぎ長江に繋がる運河については、国際連盟からの依頼を受けて日本が担当し、運河の拡張工事が進められた。こういった土木治水作業の労働力として、難民が使われることになったのである。北京から長江を結ぶ大運河には、淮水わいすいの洪沢湖や無錫むしゃくの太湖に、水上機の離発着設備を設置し、内務省の大陸逓信局として運用していた。運河沿いには、湖水地域が多く、欧州からの移民を含めた居留地域となっていった。漢人を含めた中華系民族の居住地域とも重なっていて、抗争が起きることも多く、殺人等が日常茶飯事で起きる地域となっていた。運河水系は、水害の多発地域でもあり、多発する水害で流れた水路を運河に構築し、運用している面があった。高さ10mで数十m四方の平山を築いて、逓信局を造り、湖水面近くに水上機発着場を設置、その周囲に、階段状に駐機場や整備場、居住区を造り、川沿いの外側に町を形成していったのである。上海に陸揚げされた貨物や人は、運河を通じて、淮水わいすいに運ばれた。河川荷役を担当したのが、漢人系商人達であり、スラブ系移民と協力することで、上海を中心に一つの勢力を築いていったのである。





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 大陸の状況としては、国際連盟に開放された「特区」を中心として、欧州から百万を超える住民が移住していて、中華民国との軋轢を起こしていったのである。
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