14 / 49
古代の終焉、中世の日ノ本
日ノ本の中世 第四話 隔離されるモノは、必然として登場する
しおりを挟む
お爺ぃは、妖怪という存在に、あやかしというルビを振って小説を書いたのは、日本国内で隔離され差別されたとされるモノ達を描くためでもありました。
歴史の中で、庶民と呼ばれる里人達にとって、隔離すべき相手であったからです。里人の支配体制下で、「黒歴史」を伝えるモノ達で在り、征伐の対象となったモノ達です。
最初に登場するのは、鬼、鬼です。「国号・国体」が確立する過程で滅ぼされたもの、追われたものの末裔、「まつろわぬ」モノ達が、鬼と称される存在になります。鬼は征伐の対象であり、退治されるモノ達です。彼らは、人ではありませんので、殺しても、罪にならないのです。
神話伝承の時代から、平安、鎌倉、室町、江戸に至るまで、鬼の存在は、神話伝承として残されています。
次に登場するあやかしは、神域を護るモノです。
山伏に代表される、山岳を霊域として、山岳信仰を祀るモノ。山幸彦に端を発する、山人です。後の世には、忍者という形でも、有名にもなります。サンカとも呼ばれるモノ達です。
漁師に代表される、海原を霊域として、海神信仰を祀るモノ。海幸彦に端を発する、海人です。後の世には、海賊とも呼ばれ、海の武士団ともなっていきます。安土桃山から江戸期には、塩飽諸島の人名に代表される、領地無き領主と称されます。
彼らの存在は、里人にとっては、禁忌でもありました。
畿内にとって、日向に代表される山岳の霊域は、かつての祖霊の地でありました。さらに言えば、畿内が勢力を拡大していく中で、血族へと組み入れていった者達の多くも山岳民族であったのです。
海洋民族である海人もまた、畿内にとっては、禁忌でありました。婚姻の契りを交わし、南方より稲をもたらし、大陸から銅や鉄を伝承し、広大な大海原を神域とする海人は、物流の担い手としてなくてはならないモノ達でもありました。塩飽諸島に人名と呼ばれる、領地を持たない領主達が住んでいたように、海を住処とする海人にとっての陸地は、仮初の住処ということになります。
土地を持たない民というのは、公地公民にとって、矛盾する民なのです。土地に住む民が、一天万乗の大君に「まつろう民」となりますが、土地に住まない民は「まつろう必要が無い民」ということになります。つまりは、大君に対して、「まつろう」ことを選べる民です。
統治政策を進めるには、非常に厄介な存在となります。
最後に登場するあやかしは、カワラモノと呼ばれるモノ達です。
カワラモノは、文化が発展していく、平安期になって生まれます。
今でも、カワラモノの隔離された居留地の痕跡は、電車に乗って見かけることができます。
電車が川を渡る時、人の居住地域を護るための堤防があって、何故か内側に存在する畑や家は、何故、そこに建っているのでしょうか。何故、そのような場所でなければ、住処とすることができない人が居たのでしょうか?
それこそが、カワラモノと呼ばれるモノ達の発生理由であったのです。言ってみれば、奈良、平安時代のホームレスが集まる場所が、カワラモノと呼ばれるモノ達が集まる場所となったのです。里人にとっては、川岸に住み着いた、良く分からないモノ達ということになります。
<<<<<>>>>>
こういった禁忌と隔離地域の形成は、法的には記載されることの無く、明文化されることすらほとんどありません。しかしながら、現実に存在するのです。
日ノ本を治めて、里人の頂点となる主上が、山岳と河川、海洋という地域を隔離したのは、頻繁に発生する自然災害の多くが、山岳、河川、海洋に要因があったからです。木を伐り過ぎれば、山は崩れ河川は氾濫する、地震津波は海岸に大規模な災害となる。山の怒りが噴火となって表れるのは、海底の山にも存在する。
海や山の怒りを恐れ、神域として規定することで、里人にとっての禁忌とした。山を管理するのを、山人に任せて、海を往くのを海人に任せるのは、神々の怒りを恐れる里人の知恵でもありました。
歴史の中で、庶民と呼ばれる里人達にとって、隔離すべき相手であったからです。里人の支配体制下で、「黒歴史」を伝えるモノ達で在り、征伐の対象となったモノ達です。
最初に登場するのは、鬼、鬼です。「国号・国体」が確立する過程で滅ぼされたもの、追われたものの末裔、「まつろわぬ」モノ達が、鬼と称される存在になります。鬼は征伐の対象であり、退治されるモノ達です。彼らは、人ではありませんので、殺しても、罪にならないのです。
神話伝承の時代から、平安、鎌倉、室町、江戸に至るまで、鬼の存在は、神話伝承として残されています。
次に登場するあやかしは、神域を護るモノです。
山伏に代表される、山岳を霊域として、山岳信仰を祀るモノ。山幸彦に端を発する、山人です。後の世には、忍者という形でも、有名にもなります。サンカとも呼ばれるモノ達です。
漁師に代表される、海原を霊域として、海神信仰を祀るモノ。海幸彦に端を発する、海人です。後の世には、海賊とも呼ばれ、海の武士団ともなっていきます。安土桃山から江戸期には、塩飽諸島の人名に代表される、領地無き領主と称されます。
彼らの存在は、里人にとっては、禁忌でもありました。
畿内にとって、日向に代表される山岳の霊域は、かつての祖霊の地でありました。さらに言えば、畿内が勢力を拡大していく中で、血族へと組み入れていった者達の多くも山岳民族であったのです。
海洋民族である海人もまた、畿内にとっては、禁忌でありました。婚姻の契りを交わし、南方より稲をもたらし、大陸から銅や鉄を伝承し、広大な大海原を神域とする海人は、物流の担い手としてなくてはならないモノ達でもありました。塩飽諸島に人名と呼ばれる、領地を持たない領主達が住んでいたように、海を住処とする海人にとっての陸地は、仮初の住処ということになります。
土地を持たない民というのは、公地公民にとって、矛盾する民なのです。土地に住む民が、一天万乗の大君に「まつろう民」となりますが、土地に住まない民は「まつろう必要が無い民」ということになります。つまりは、大君に対して、「まつろう」ことを選べる民です。
統治政策を進めるには、非常に厄介な存在となります。
最後に登場するあやかしは、カワラモノと呼ばれるモノ達です。
カワラモノは、文化が発展していく、平安期になって生まれます。
今でも、カワラモノの隔離された居留地の痕跡は、電車に乗って見かけることができます。
電車が川を渡る時、人の居住地域を護るための堤防があって、何故か内側に存在する畑や家は、何故、そこに建っているのでしょうか。何故、そのような場所でなければ、住処とすることができない人が居たのでしょうか?
それこそが、カワラモノと呼ばれるモノ達の発生理由であったのです。言ってみれば、奈良、平安時代のホームレスが集まる場所が、カワラモノと呼ばれるモノ達が集まる場所となったのです。里人にとっては、川岸に住み着いた、良く分からないモノ達ということになります。
<<<<<>>>>>
こういった禁忌と隔離地域の形成は、法的には記載されることの無く、明文化されることすらほとんどありません。しかしながら、現実に存在するのです。
日ノ本を治めて、里人の頂点となる主上が、山岳と河川、海洋という地域を隔離したのは、頻繁に発生する自然災害の多くが、山岳、河川、海洋に要因があったからです。木を伐り過ぎれば、山は崩れ河川は氾濫する、地震津波は海岸に大規模な災害となる。山の怒りが噴火となって表れるのは、海底の山にも存在する。
海や山の怒りを恐れ、神域として規定することで、里人にとっての禁忌とした。山を管理するのを、山人に任せて、海を往くのを海人に任せるのは、神々の怒りを恐れる里人の知恵でもありました。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小日本帝国
ypaaaaaaa
歴史・時代
日露戦争で判定勝ちを得た日本は韓国などを併合することなく独立させ経済的な植民地とした。これは直接的な併合を主張した大日本主義の対局であるから小日本主義と呼称された。
大日本帝国ならぬ小日本帝国はこうして経済を盤石としてさらなる高みを目指していく…
戦線拡大が甚だしいですが、何卒!
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる