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毎日記念日小説(完)
えっ?!なんて?!! 5月30日は掃除機の日
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「―――」
ウィーーーーーーーン
えっ?
「―――――――!!!!」
ウィーーーーーーーーーーーーーーーン
「えっ?!」
俺は、掃除機を止めた。
目の前のやつが、必死に口パクをしていた。
急に俺の正面に立って、何かを訴えかけてきた。
正直進路上に立たれると、すごい邪魔だ。
一言注意して、仕事に戻ろう。
それに、何て言っているのかが気になるし、俺は掃除機を止めてみた。
「…」
止めてみても、こいつは話し出さない。
さっきまでの必死さはなかったかのように、こちらではなく後ろを向き、遠くを見ている。
「おい!」
呼んでみても反応がない。
こいつは何がしたかったのだろう?
「おいっ!!!!!」
やっぱり反応がない。
こいつは俺に何を伝えたかったのだろう?
あんなに必死になってまで。
すごく気になるけれど、今は掃除の途中だし、これ以上時間を無駄にすることはできない。
俺は、止めていた手を再び動き出させた。
俺は、掃除行きがけを再開した。
こいつを見ていると、つい先ほどのことが気になってしまうから、こいつに背を向けて掃除機をかけていく。
ーーーーーーー
彼は、やっぱり伝えたいことがあって、目の前の掃除機をかけている少年に話しかけた。
「――――――――――――――――」
うぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいんん
正直をかけている少年に反応はない。
やはりこの子は、自分のことが嫌いなのかと彼は思った。
正直嫌われるようなことをした覚えがない。
だけれど、こんなに話しかけているのに反応がないだなんて、完全に無視されているということじゃないか。
無視されるほど嫌われているのかと、彼は落ち込んだ。
しかし、彼はめげずに少年に話しかけ続けた。
「―――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!」
うぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいぃぃぃぃいいいいいいいぃいいいぃぃぃぃぃぃいいいいいいんんん
やはり少年は反応しない。
それでも、彼は懸命に話しかけ続けた。
彼はこう思っていた。ここで、体に触ったりして、無理やり引き留めるのはなんか違う気がすると。
だから彼は、少年と非接触であろうと心に誓った。
それからも、彼はめげずに少年に話しかけ続けた。
数分後
彼は心が折れていた。
彼は、しょぼくれて、隅の方で縮こまっていた。
ーーーーーーー
こいつは再び俺の進路を邪魔してきた。
俺の前に立ちふさがり、大きく腕を振って俺にアピールをしてきている。
「――――――――!!!!!!!!!!」
うっぃぃぃぃいいいいいいいいいいいんんん
やはり聞こえない。
俺が一歩前に出ると、彼は一歩下がっていった。
どうやら今回は、視覚的には邪魔だけれど、俺の掃除の進路を妨害して、直接邪魔してやろうというわけではないようだ。
「――――――――――――――!!!!!!!!!」
うぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
こいつの手が当たりそうで怖い。
こいつの手が当たりそうなほど近くで、めちゃくちゃ手を振りながら必死に口パクされると、それはもうホラーだった。
こいつは、本当に何がしたいのだろう。
こっちが掃除機をかけている時には、こんなに何かアピールしてきて、こっちが掃除機を止めて話しかけると、急にスンとして無視しだすのだから、何がしたいのか全く分からない。
俺は、何をされても止まらないという強い意志の元、掃除を断行した。
「―――――――――!!!!!!!」
うぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
「―――――!!!!!」
うぃーーーーーーーーーーーーーん
「――――!!」
うぃーーーーーん
「―――――――!!!」
うぃぃぃぃぃいいいいいいいいいん
「―――――――――――――――――――――――――ぃ!!!!!!」
うぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんん
ん?
なんか今聞こえなかったか?
なんか、かすかに「いの母音」音が聞こえた気がする。
無音なら、パントマイムだと思って無視できたけど、少し音が聞こえた瞬間から気になって仕方ない。
改めて、目の前のこいつを観察してみた。
すると、あることに気が付いた。
こいつの耳に白いものが見える。
あっ!!!!
こいつ、イヤホンしてやがる。
たぶん、ノイズキャンセリングで、掃除機の音が聞こえてないのだろう。
壮絶ないじめかと思ったから安心した。
イヤホンを外せと指摘するために、俺はもう止めることがないと誓った掃除機を再び止めた。
掃除機を止め話しかけようとしたタイミングで、こいつは俺の前からしょぼくれたように移動して、隅で縮こまってしまった。
俺が反応しないから悲しくなったのであろう。心が折れたのかもしれない。
あぁもうほんとこいつめんどくせい。
こいつを励ます義理も、ノイズキャンセリングのミスを指摘する義理もない。
俺は、もういいやという気持ちになって、再び掃除機をかけだした。
俺は、そいつを放置して、作業に戻っていった。
数分も知れば俺は、さっきまであんなに絡んできた知らないあの男のことを忘れていた。
ウィーーーーーーーン
えっ?
「―――――――!!!!」
ウィーーーーーーーーーーーーーーーン
「えっ?!」
俺は、掃除機を止めた。
目の前のやつが、必死に口パクをしていた。
急に俺の正面に立って、何かを訴えかけてきた。
正直進路上に立たれると、すごい邪魔だ。
一言注意して、仕事に戻ろう。
それに、何て言っているのかが気になるし、俺は掃除機を止めてみた。
「…」
止めてみても、こいつは話し出さない。
さっきまでの必死さはなかったかのように、こちらではなく後ろを向き、遠くを見ている。
「おい!」
呼んでみても反応がない。
こいつは何がしたかったのだろう?
「おいっ!!!!!」
やっぱり反応がない。
こいつは俺に何を伝えたかったのだろう?
あんなに必死になってまで。
すごく気になるけれど、今は掃除の途中だし、これ以上時間を無駄にすることはできない。
俺は、止めていた手を再び動き出させた。
俺は、掃除行きがけを再開した。
こいつを見ていると、つい先ほどのことが気になってしまうから、こいつに背を向けて掃除機をかけていく。
ーーーーーーー
彼は、やっぱり伝えたいことがあって、目の前の掃除機をかけている少年に話しかけた。
「――――――――――――――――」
うぃぃぃぃぃいいいいいいいいいいいいいいいいいんん
正直をかけている少年に反応はない。
やはりこの子は、自分のことが嫌いなのかと彼は思った。
正直嫌われるようなことをした覚えがない。
だけれど、こんなに話しかけているのに反応がないだなんて、完全に無視されているということじゃないか。
無視されるほど嫌われているのかと、彼は落ち込んだ。
しかし、彼はめげずに少年に話しかけ続けた。
「―――――――――――――――――――――――――――――――!!!!!!!」
うぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃいいいぃぃぃぃいいいいいいいぃいいいぃぃぃぃぃぃいいいいいいんんん
やはり少年は反応しない。
それでも、彼は懸命に話しかけ続けた。
彼はこう思っていた。ここで、体に触ったりして、無理やり引き留めるのはなんか違う気がすると。
だから彼は、少年と非接触であろうと心に誓った。
それからも、彼はめげずに少年に話しかけ続けた。
数分後
彼は心が折れていた。
彼は、しょぼくれて、隅の方で縮こまっていた。
ーーーーーーー
こいつは再び俺の進路を邪魔してきた。
俺の前に立ちふさがり、大きく腕を振って俺にアピールをしてきている。
「――――――――!!!!!!!!!!」
うっぃぃぃぃいいいいいいいいいいいんんん
やはり聞こえない。
俺が一歩前に出ると、彼は一歩下がっていった。
どうやら今回は、視覚的には邪魔だけれど、俺の掃除の進路を妨害して、直接邪魔してやろうというわけではないようだ。
「――――――――――――――!!!!!!!!!」
うぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
こいつの手が当たりそうで怖い。
こいつの手が当たりそうなほど近くで、めちゃくちゃ手を振りながら必死に口パクされると、それはもうホラーだった。
こいつは、本当に何がしたいのだろう。
こっちが掃除機をかけている時には、こんなに何かアピールしてきて、こっちが掃除機を止めて話しかけると、急にスンとして無視しだすのだから、何がしたいのか全く分からない。
俺は、何をされても止まらないという強い意志の元、掃除を断行した。
「―――――――――!!!!!!!」
うぃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
「―――――!!!!!」
うぃーーーーーーーーーーーーーん
「――――!!」
うぃーーーーーん
「―――――――!!!」
うぃぃぃぃぃいいいいいいいいいん
「―――――――――――――――――――――――――ぃ!!!!!!」
うぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんん
ん?
なんか今聞こえなかったか?
なんか、かすかに「いの母音」音が聞こえた気がする。
無音なら、パントマイムだと思って無視できたけど、少し音が聞こえた瞬間から気になって仕方ない。
改めて、目の前のこいつを観察してみた。
すると、あることに気が付いた。
こいつの耳に白いものが見える。
あっ!!!!
こいつ、イヤホンしてやがる。
たぶん、ノイズキャンセリングで、掃除機の音が聞こえてないのだろう。
壮絶ないじめかと思ったから安心した。
イヤホンを外せと指摘するために、俺はもう止めることがないと誓った掃除機を再び止めた。
掃除機を止め話しかけようとしたタイミングで、こいつは俺の前からしょぼくれたように移動して、隅で縮こまってしまった。
俺が反応しないから悲しくなったのであろう。心が折れたのかもしれない。
あぁもうほんとこいつめんどくせい。
こいつを励ます義理も、ノイズキャンセリングのミスを指摘する義理もない。
俺は、もういいやという気持ちになって、再び掃除機をかけだした。
俺は、そいつを放置して、作業に戻っていった。
数分も知れば俺は、さっきまであんなに絡んできた知らないあの男のことを忘れていた。
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