百々五十六の小問集合

架空小説あらすじ

チャンピオンだが、キングではない。 あらすじ

チャンピオンだが、キングではない。

王は、生まれながらにして王である。
そして、死ぬまで王である。
そしてその子供も王である。
ただ、成り上がり者はそうではない。
国を興したもの、国を統一したものは、成り上がり者であってまだ王ではない。
国を興したものは、別のものにまた別の国を興される可能性がある。
国を統一したものは、国がまた分裂してしまう可能性や、他のものが統一し直してしまう可能性がある。
だから、彼らは王たり得ない。
権力を引き継ぐことが難しいのだ。
弱きものが後を継いでしまうと、一瞬で衰退してしまう。
愚かなものが後を継いでしまうと、一瞬で衰退してしまう。
浅きものが後を継いでしまうと、一瞬で衰退してしまう。
一つの隙で簡単に崩壊しかねないのだ。
彼らが王になるためには、何代かの間、当たりを引き続けなければならない。
その当たりは、良き権力者であることもそうであるし、国を崩壊させるようなことが起こらないこともそうである。
当たりを何代も引き続けた結果、成り上がり者は王になれる。
王になったら、今度ははずれを引いてはいけない。
国を崩壊させるほどの愚王や、国を崩壊させるほどの災害、国を崩壊させるほどの人災などのはずれさえ引かなければ、王は王であれる。
これは、成り上がり者達が王を目指す物語。