Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~

百々 五十六

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『クランの町フラッグ』観光 乗合馬車とログアウト

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 俺たちは、下りの階段を眺めながら会話をしている。

「時間もないし降りますか……」

 みんな嫌そうな顔をしながら、階段を見つめている。
 まずローズが気持ちを切り替えたのか、声に嫌そうな気持ちが乗らなくなった。

「そうね。結局降りることになるんだしさっさと降りましょう」

 コルドも気合いを入れ直したのか、いつもの元気な声に戻っていた。

「降りるぞ!」

 そこで俺も気持ちを入れ替えた。
 上ったんだから階段は降りなきゃいけないよな。
 嫌がっていても階段を下りなくてよくなるわけではないんだし、ささっと降りるかぁ。
 そう思いながら、2人と話す。

「じゃあ、さっきと同じ順番で降りていくか」

「急ぎすぎて足を踏み外さないようにね」

「転げ降りた方が早そうだけどな!」

 転げ降りるのか。
 痛覚がなければ、やりたかったな。
 痛みと引き換えに使えるショトカみたいなものかな。
 まぁ、このゲームはある程度痛覚があるし、やりたくないな。
 転げ落ちたら、かなり痛そうだよな。

「コルドが、転げ落ちたら、前を歩く俺たち2人も巻き込まれて転げ落ちることになるから、絶対に止めろよ」

「めちゃくちゃ痛そうだから、止めた方が良いと思うわ」

「じゃあ、止めておく!」

 コルドは思いとどまってくれたみたいだ。
 これで、背後の安全は確保できたな。
 じゃあ、早速降りるか。
 話している時間ももったいないしな。
 後20分弱で、やりたいことが何個もあるんだから。

「まぁ、止まって話すのはこれぐらいにして、降りるぞ」

「後は、降りながら話しましょう」

「そうだな! じゃあ行くぞ!」

 俺たちは階段を下っていった。
 階段を下りる途中で、上る人とすれ違うみたいなイベントもなく、ただただ降りていった。
 降りながら雑談をしていたが、階段を下りることにある程度集中していたため、あまり内容は覚えていない。
 多分2人も覚えていないんじゃないかな?
 それぐらい薄い雑談をしていたことは覚えている。
 行きは5分ぐらいで上ったが、降りるのには6分強もかかった。
 ちょっとした差だが、めちゃくちゃ長く感じた。
 俺たちは、階段を降りきって、達成感の中話した。

「はぁ、やっと降りてきたな」

「上にいたときは、また来てもいいかなと思ってたけど、くだりも経験すると、もう良いかなって思うわね」

「そうだな! 階段の上り下りは、景色の良さを超えるぐらいの労力だな!」

 監視塔の表に立っているマルコさんの姿がうっすら見えた。
 まだ交代していないんだ。
 じゃあ、話しかけに行こう。

「あ、表にマルコさんがまだ居るみたいだし、話しかけに行こう」

「そうね、『乗合馬車』の場所とかを聞きに行きましょう」

「行こう!」

 俺たちは監視塔の表に立っているマルコさんに話しかけに行った。
 階段を降りきった俺たちの足取りは、かなり軽くなっていた。

「マルコさん、お勤めご苦労様です」
 マルコさんは、振り向いて俺たちを見た後にっこりとした笑顔で言った。

「あぁ、皆さん降りてきたんですね。展望台の景色はどうでしたか?」

 俺は、展望台で見た景色を思い出しながら、テンション高めに言った。

「絶景でした!」

「めちゃくちゃ良い景色でした!」

「感動しました!」

「それはよかったです。この時間帯だと、夕焼けとかも見れてかなり綺麗な景色ですよね。私も、勤務でたまに展望台に行くんですよ。任務そっちのけで見てしまうときもあるぐらい綺麗な景色ですよね。また来ようと思いましたか?」

 階段がなぁ。
 階段さえどうにかなればなぁ。
 エスカレーターとか。
 俺たちは、言いづらそうにしながら言った。

「良い景色だったんですけど、階段が……」

「景色には感動したんですけど、階段が……」

「労力と、景色が釣り合っていないと言いますか……」

 マルコさんは、やっぱりかという顔をした後、申し訳なさそうにしながら言った。

「あぁ、そうですよね。あの階段きついですよね。そもそも1段1段が大きめできついのに、長いですもんね。まぁ、住民の皆さんに開放しているのに、ここの展望台がいまいち人気がないのは、あの階段のせいだと言われています」

 まぁ、階段のせいだよなぁ。
 それしかないよな。
 もっと良い階段の形もあると思うんだけどなぁ。
 言ってもどうしようもないけどという表情で、ローズが言った。

「あのらせん階段は、壁沿いに上っていくタイプじゃなくて、柱を中心にコンパクトに回るタイプなんですか? 壁沿いタイプならもうちょっと楽しんで上れたと思います」

「つくったときの建築家がそうしたとしか言えないですね。まぁ、今のタイプの利点は場所を取らないという点だけですけどね」

「そうなんですね」

 これ以上この話をしても、しんみりした感じにしかならなさそうだったので、俺は早々に話題を変えた。
 というか、こっちの方が本題だ。

「マルコさん。『乗合馬車』に乗れる場所って分かりますか?」

 マルコさんは、北の大通りを挟んで反対側の建物を指しながら言った

「あぁ、それならこの監視塔から、通りを挟んで反対側の門の脇にありますよ。他にも、東西南北の門の脇にそれぞれありますが、どこも料金やかかる時間、行ける場所にたいした差はありませんよ」

 俺は、教えてもらった建物を指さしながら言った。

「そうなんですね。じゃあ、行ってみます。あそこですよね?」

「そうです。そこです」

「監視塔には、上る気力が湧いたらまた来ようと思います」

「またのお越しをお待ちしています。他の監視塔の展望台から見た町の景色もいいのでそちらもおすすめです。どこの展望台も人はあまり居ないと思いますよ」

「それではじゃあ」

「行ってらっしゃい」

 俺たちは、マルコさんに見送られながら、乗合馬車の乗り場に向かった。
 徒歩一分もしないうちに、教えてもらった乗合馬車の乗り場に着いた。
 俺は、受付のような場所に座っているおっちゃんに話しかけた。

「乗合馬車の乗り場ってここで合っていますか?」

 おっちゃんは少し無愛想に言った。

「あってるよ」

 俺は、続けておっちゃんに聞いた。

「『始まりの町』までの料金っていくらですか?」

 今度は、普通に答えてくれた。
 さっきとの差はなんだろう?

「『始まりの町』なら、5200Gだね」

 足りないな。
 がっつり足りないな。
 俺は、1000Gも持っていないからな。
 誇れるようなことじゃないがな。
 俺は、申し訳なく思いながら、2人に正直に言った。

「あぁ、俺足りないわ」

「じゃあ、今度は俺が貸すぞ! 明日はおごりになるんだしな」

 コルドがそう言ってくれた。
 俺は、全力でコルドに感謝をした。
 ありがてぇ。
 ありがてぇよ。

「ありがとうコルド」

 俺が、感謝をしている間に、ローズがおっちゃんに向かって言った。

「じゃあ、『始まりの町』まで、3人分ください」

 ローズとコルドが、おっちゃんに料金を支払った。
 おっちゃんは、お金を受け取った後、6番と旗のついている馬車を指さしていった。

「はい。まいどあり。そこの6番の馬車に乗ってね」

 あの馬車に乗れば良いのか。
 そういえば、どれぐらいの時間がかかるものなのか聞いていなかったな。
 歩きよりどれぐらい早いものなのかな?

「『始まりの町』までどれぐらいの時間がかかりますか?」

「『始まりの町』行きは、今からだと、5分後に出て、20分後にはつくぞ」

 ということは、15分で着くのか。
 歩きの倍以上のスピードだな。
 これは重宝しそうだな。

「そうなんですね」

「行きの時間に遅れないように乗りな」

「分かりました」

 そう言って、俺たちは、6番の馬車に向かった。
 俺たちは6番の馬車に乗り込むと言った。

「じゃあ、時間だし、ログアウトするか」

「そうね」

「そうだな」

「じゃあ、夕食後、『始まりの町』で」

 馬車の中で、俺たちは、ログアウトした。
 これで、次ログインしたときには、『始まりの町』についているはずだ。


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