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1章 スタートダッシュ
採取をしよう!
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レベルアップの処理を終えた俺の元に新たなチュートリアル用ウィンドウが現れた。
《チュートリアル》
《その3 冒険を始めよう!》
《その7 採取をしてみよう!》
依頼のダンジョン草の採取をしましょう。
※ダンジョン草の採取には、『採取』のスキルは必須ではありませんが、あった方がとれるダンジョン草の質、量ともに良いです。
※採取の場合、スキル無しで採取できるのは、ダンジョン草のみです。他の物はスキルがないと採取できません。
ダンジョン草とは、ダンジョンに一般的に生えている薬草のことです。
草原エリアでは、普通の草に比べて少し背の高い草で、見た目は完全に草なので、見分けをつけるのはかなり難しいです。
ダンジョン草の背丈は、30から40cm程度です。
頑張って探してみてください。
採取方法は、そのままつめば大丈夫です。
素手で一定量つむと、手元から消え、ストレージ内に、ダンジョン草の束として保管されます。
※はさみなど採取用の道具を利用したり、スキルを活用したりすると、質や量が良くまります。
採取を頑張ってみてください。
採取って、スキルがなくても出来るんだな。
あ、違うのか。
ダンジョン草だけは、採取なしでも採れるだけで、他は、『採取』スキルが必要なんだな。
良かった。
1つ無駄なスキルになるところだった。
それにしても、なんで、ダンジョン草だけは、採取無しでとれるんだろうな。
初心者救済? それともチュートリアルのため?
それとも体験版的な物なのかもしれないな。
ダンジョン草の採取をして採取の魅力に触れてもらうみたいなことかな。
まぁ、結論の出ない考察はこれぐらいにするか。
えっと、ダンジョン草は、完全に草の見た目をしていて、少し背丈の高い草か。
なんか、さっきそんな草があったような。
あぁ、あれだ。
ダンジョンラビットが隠れていた草だ。
あれは、周りよりも少し背丈の高い草だった。
多分あれが、ダンジョン草なんだろう。
20m先からしか見ていないから、マジでただの雑草にしか見えなかったけど、あれがダンジョン草なんだろう。
というか、ダンジョン草って何に使うんだろうな。
ポーションとかを作るのに使うのかな。
丸薬とかそういう薬系なのかな。香草とかそっち系かもしれないな。
わざわざダンジョンから取ってこさせるのだから、何らかの活用法はあるのだろう。
えっと、確かさっきダンジョンラビットと戦ったのは、あっちの方向だったよな。
先ほどの戦闘の記憶を思い出しながら、ダンジョンラビットとの戦闘時に向いていた方向を向いた。
えっと、こっちの方向に20mだよな。
俺はだいたい20mぐらい先の方を見た。
あぁ、なんとなくあそこら辺の草が、背が高い気がする。
とりあえず近づくか。
俺は、背が高そうな草の辺りを見失わないように、きちんと視界に収めながら少しずつ近づいていく。
今、視界の外から襲われたら、すぐに対応できる気がしないな。
そう思いながら1歩ずつ近づく。
ダンジョン草と思わしき草たちの目の前に来た。
屈んでダンジョン草と思わしき草を見つめる。
これをどうやってダンジョン草と判別すれば良いんだろうか。
取ってみて判断すれば良いのかな。
間違っていたら、採取の時間が完全な無駄足になるのか。
そんなことを考えていると、目の前の草に対して『詳細を見る』の文字が出現した。
とりあえず、俺は『詳細を見る』を念じて選択した。
ダンジョン草
ダンジョンに一般的に生えている草。
他の草たちに比べて背丈が少し高いのが特徴。
それ以外には見た目の特徴がなく、探さないと見つからないことが多い。
ポーションを作成するのに必要不可欠な草。
それ以外には使い道はない。
ポーション作りに使えるということ以外は雑草と同じ。
『採取』スキルがなくても採取することができる唯一の草。
最低品質から、低品質のダンジョン草は、『採取』スキルがなくても採取できるため、そこまで価値は高くない。
高品質なダンジョン草には、ダンジョン草とは思えないぐらいの価値が付く。
葉に価値があるので、採取の時は加工のことを気遣って、根元から数センチ上を切ったりむしったりするのが基本。
見えるんだ。
『簡易鑑定』のスキルのおかげかな?
まぁ、そうだろうな。
『簡易鑑定』と言う割にかなり詳しく表示されるんだな。
何が簡易なんだろうな。
まぁ、スキルの説明的には、『簡易鑑定』と言うより、『万能鑑定』『器用貧乏鑑定』の方が、あっているんじゃないかな。
『簡易鑑定』は特定の分野に対して特化していないから、その分隠蔽能力に対して強くないという事だったから、実際、表示される内容に関しては、他の鑑定と変わらないはずなんだよなぁ。
鑑定の話は今はいっか。
今は、このダンジョン草の話だったよな。
危ない危ない、脱線するところだった。
俺は、本題を思い出した。
これが、ダンジョン草だと分かったんだし、早速採取しなきゃ。
これって、サバイバルナイフで切った方が良いとかあるのかな?
まぁ、とりあえず、手で取ってみるか。
俺は、鑑定に書いてあったやり方にならって、ダンジョン草を根元の数センチ残してむしった。
これ、案外楽しいぞ。
現実の草むしりは、腰に対する負担がすごかったり、手に草の匂いが付いてしまったりで嫌な仕事の1つだったけど、こっちの採取は、楽しく気軽に出来ていいな。
腰に負担もなければ、手が草臭くなる事もなさそうだし。
はまっちゃいそうだな。
俺は無心で、右手でむしり手に入れたダンジョン草を左手で持った。
左手に集めたダンジョン草は定期的に消えていった。
多分、束になってストレージに保管されているのだろう。
それからしばらく、ダンジョン草採取タイムが続いた。
採取タイムが終わったのは、背後から何かがぶつかり痛みで立ち上がった時だった。
俺は、腰に痛みを感じ、何事思いながら立ち上がった。
座ったままではすぐに動き出せないから。
腰を攻撃されたということは、背後からの攻撃。
斬撃とか刺突というよりは、打撃のような攻撃。
そうなると、プレイヤーキラーである可能性は少ないか?
そう思いながら急いで振り返った。
するとそこにいたのは、小柄なウサギ。
ダンジョンラビットだ。
そうだここはダンジョンなのだ。
周りにいつ敵が出る分からない場所、油断してはいけない場所だ。
なのに俺は、ダンジョン草採取に夢中で完全に無防備になっていた。
集中するのも考え物だな。
反省反省。
そう思いながら慌てて、サバイバルナイフを構える。
この距離では、さすがに弓はつかえない。
となるとサブ武器のサバイバルナイフで戦うしかない。
ただ、俺には、ナイフ術のようなスキルもなければ、サバイバルナイフにナイフ捌きの補正が入っている訳でもない。
強いて言うならば、職業とナイフに付いているサバイバル動作補正で戦うしかない。
どうしたもんかな。
俺は、ナイフを構えるまでに実は、ダンジョンラビットからもう1撃もらっていた。
地味に痛いな。
これ、HPはどれぐらい減っているのだろう。
そう思って確認しようにも、俺はどこにもHP表示の設定をしていなかったので、自分のHPがわからない。
これはかなり失敗だったな。
自分のHPがわからないと不安になるな。
設定のタイミングで、HPとMPの表示設定をONにしておけば良かったな。
今は反省している時間じゃないな。
戦闘に集中しよう。
俺は、2撃もらってやっと戦闘に集中しだした。
ダンジョンラビットとの距離は1メートルもない。
1歩踏み込めば届く距離。
ただ、攻撃対象が下過ぎるので、かなり姿勢が難しい。
どうしたもんかな。
そう思っていると、ダンジョンラビットが3度目の突撃をしてきた。
ダンジョンラビットは飛び上がって俺の腰回り当たり、正確には股間めがけて突っ込んできた。
これに当たったらしゃれにならないな。
俺は、本能から、攻撃を避けながら、それに合わせて、ダンジョンラビットが飛んでくる場所にめがけてナイフを振り下ろした。
突っ込んでくるダンジョンラビットの勢いと、俺がナイフをそこに構えるためにナイフを振り下ろした勢い、それに、ちょうどナイフが、ダンジョンラビットの目に刺さったことのおかげか、1撃でダンジョンラビットを葬り去ることが出来た。
ダンジョンラビットは消え、アナウンスが流れる。
ダンジョンラビットを討伐しました。
素材は、直接ストレージに入れられました。
獲得素材:兎革×1
経験値を得ました。
俺は、直近の危機が去ったことに安堵しつつ、他に攻撃してくる敵がいないかを警戒する。
俺は警戒しながら唱えた。
「索敵」
少なくとも、すぐにでもこっちに向かってきそうな敵も、現状戦いになるほど近くにいる敵もいないみたいだ。
よし、脅威はないみたいだし、さっきの戦闘の反省と、それ以前の行動の反省をしよう。
まず、完全にダンジョン草の採取に集中して、周りの警戒をしていなかったのが良くなかったな。
そして、ダンジョンラビットが近づいてくるのに気づかないほど集中していたのも良くなかったな。
後は、HPとMPを視覚的にすぐ確認できるところに表示させておかなかったのも良くなかったな。
これがまず、戦闘前の反省点だな。
次に戦闘時の反省点。
まず、攻撃を受けてから、立ち上がるまでが遅かったな。
戦闘中に反省を始めたり、余計なことを考えたりする場面があってそれも良くなかったな。
そして、サバイバルナイフを構えることばかり考えて、2撃目をもらったのも良くなかったな。
じゃあ、良かった点も考えよう。
ダンジョンラビットへの攻撃はとても良かったな。
1撃で倒し切れたのが良かった。
いろんな事を考えていた思考を戦闘に集中するために切り替えられたのは良かったな。
今後もそうしていけるようにしよう。
よし、反省はこのぐらいにするか。
いつまでも反省していても仕方がないからな。
とりあえずまずは、設定からHPとMPの表示をONにしよう。
俺の視界に常に俺のHPとMPがバーで表示されるようになった。
えっと今のHPは、3分の2か。
さっきの戦闘で3分の1も持って行かれたんだな。
気を抜いていたらやられていたかもしれないな。
回復はどうすればいいんだろうな。
ポーションとかがあるのかな。
そんなことを考えていると、ウィンドウが出現した。
《チュートリアル》
《その3 冒険を始めよう!》
《その8 ギルドに戻って達成報告をしよう!》
依頼内容を達成したので、ギルドに戻って報告をしましょう。
ギルドでの報告の仕方は、2通りあります。
1つは、依頼処理機を使って処理する方法。
もう1つは、受付に行って処理をしてもらう方法。
どちらでも良いので、達成の報告をしましょう。
ダンジョンのゲートは、登りのゲートと下りのゲートがあります。
登りのゲートが上層に帰るためのゲート。
下りのゲートが下層に潜るためのゲートです。
登りのゲートは、ゲートの枠の中が白く、下りのゲートは、ゲートの枠の中が黒くなっています。
ちょっとそれどころではないんだけどなぁと思いながら読んだ。
依頼はこれで終わりなのね。
ギルドに戻れって事ね。
分かった分かった。
俺は、ウィンドウを読む前に、処理したタスクを思い出す。
えっと反省とHP表示が終わったんだよな。
後やることは、あれだ、戦闘終了アナウンスウィンドウの確認。
今回も兎革をもらったんだ。
今回は、レベルは上がらなかったんだな。
レベルはどんどん上がりづらくなって行っているんだろうな。
次にレベルアップが出来るのはいつになるんだろうな。
後は見ておきたい物はあったかな。
なかったら、指示に従って、ギルドに戻るんだけど。
あぁ、あれがあった。
俺がどれだけ採取したのかの確認をしようと、採取しながら思っていたんだ。
突発的な戦闘のせいで忘れかけていた。
俺はメニューからストレージを開いた。
えっと、俺が採取したダンジョン草の束は、12束か。
1ダースか。
多いのか少ないのか分からないな。
そういえば、採取の途中で、『採取』スキルのレベルが上がっていたな。
そんなことを考えながら、ダンジョン草の束の詳細を開いた。
ダンジョン草の束
品質:低
採取されたダンジョン草の束。
乾燥させることで、ポーション作成に使用できる。
最低品質から、低品質のダンジョン草は、『採取』スキルがなくても採取できるため、そこまで価値は高くない。
乾燥させたダンジョン草の束はポーション作りに必須で常に需要があるため、ダンジョン草の需要がなくなることはない。
スキルを使っても、品質は低なんだな。
まぁ、スキルのレベルも低かったし、仕方がないのかな。
もしくは、そもそもここに生えているダンジョン草の品質自体がそこまで良くないのかもしれないな。
よし、じゃあ、ギルドに帰るか。
そう思って、さっきは流し読みしていたチュートリアル用のウィンドウを改めて読んだ。
そういえば、入ってきたゲートをこっち側から見たら、白いゲートだったな。
あの時は、ダンジョンが草原だったということに対して驚いていたから、どこかですっぽりゲートが白いという驚きが抜けていたんだろうな。
そうなると俺達は、来たときと同じ、白いゲートを探せば良いということか。
ゲートからある程度移動しちゃったから、あそこがゲートだと1発では分からない。
そうだ、地図を見れば良いんだ。
俺はそう思いつき、メニューから地図を開いた。
地図には、ゲートから今の場所まで俺が移動した場所だけ地図が埋まっていた。
町中は、既に全部埋めていてくれたけど、ダンジョンの中は、自分で埋めていかないといけないのか。
新しい楽しい要素だけど、少し面倒くさそうでもあるな。
この地図をたどっていけば、とりあえず戻れはするな。
俺は、地図を頼りに白いゲートまで戻ってきた。
どうやらこのゲート、入る面と出る面が決まっているらしい。
出てきた面の反対側から入らなきゃいけないらしい。
地図にそう書いてあった。
地図ってそういう情報まで載っているんだな。
それにしても、そんな決まりがあるんだな。
混雑防止とか衝突防止のためなのかな。
そう思いながら裏に回る。
このゲート、入ってくる人の割に出る人が少ないな。
と言うか俺しかいないな。
入ってくる側は、絶え間なく人が入ってきているというのに。
何でなんだろう。
みんなダンジョンで長時間活動しているのかな。
まだまだ戻る時間ではないって事かな。
俺はそんなことを考えながら、ゲートをくぐって、元の世界に戻ってきた。
《チュートリアル》
《その3 冒険を始めよう!》
《その7 採取をしてみよう!》
依頼のダンジョン草の採取をしましょう。
※ダンジョン草の採取には、『採取』のスキルは必須ではありませんが、あった方がとれるダンジョン草の質、量ともに良いです。
※採取の場合、スキル無しで採取できるのは、ダンジョン草のみです。他の物はスキルがないと採取できません。
ダンジョン草とは、ダンジョンに一般的に生えている薬草のことです。
草原エリアでは、普通の草に比べて少し背の高い草で、見た目は完全に草なので、見分けをつけるのはかなり難しいです。
ダンジョン草の背丈は、30から40cm程度です。
頑張って探してみてください。
採取方法は、そのままつめば大丈夫です。
素手で一定量つむと、手元から消え、ストレージ内に、ダンジョン草の束として保管されます。
※はさみなど採取用の道具を利用したり、スキルを活用したりすると、質や量が良くまります。
採取を頑張ってみてください。
採取って、スキルがなくても出来るんだな。
あ、違うのか。
ダンジョン草だけは、採取なしでも採れるだけで、他は、『採取』スキルが必要なんだな。
良かった。
1つ無駄なスキルになるところだった。
それにしても、なんで、ダンジョン草だけは、採取無しでとれるんだろうな。
初心者救済? それともチュートリアルのため?
それとも体験版的な物なのかもしれないな。
ダンジョン草の採取をして採取の魅力に触れてもらうみたいなことかな。
まぁ、結論の出ない考察はこれぐらいにするか。
えっと、ダンジョン草は、完全に草の見た目をしていて、少し背丈の高い草か。
なんか、さっきそんな草があったような。
あぁ、あれだ。
ダンジョンラビットが隠れていた草だ。
あれは、周りよりも少し背丈の高い草だった。
多分あれが、ダンジョン草なんだろう。
20m先からしか見ていないから、マジでただの雑草にしか見えなかったけど、あれがダンジョン草なんだろう。
というか、ダンジョン草って何に使うんだろうな。
ポーションとかを作るのに使うのかな。
丸薬とかそういう薬系なのかな。香草とかそっち系かもしれないな。
わざわざダンジョンから取ってこさせるのだから、何らかの活用法はあるのだろう。
えっと、確かさっきダンジョンラビットと戦ったのは、あっちの方向だったよな。
先ほどの戦闘の記憶を思い出しながら、ダンジョンラビットとの戦闘時に向いていた方向を向いた。
えっと、こっちの方向に20mだよな。
俺はだいたい20mぐらい先の方を見た。
あぁ、なんとなくあそこら辺の草が、背が高い気がする。
とりあえず近づくか。
俺は、背が高そうな草の辺りを見失わないように、きちんと視界に収めながら少しずつ近づいていく。
今、視界の外から襲われたら、すぐに対応できる気がしないな。
そう思いながら1歩ずつ近づく。
ダンジョン草と思わしき草たちの目の前に来た。
屈んでダンジョン草と思わしき草を見つめる。
これをどうやってダンジョン草と判別すれば良いんだろうか。
取ってみて判断すれば良いのかな。
間違っていたら、採取の時間が完全な無駄足になるのか。
そんなことを考えていると、目の前の草に対して『詳細を見る』の文字が出現した。
とりあえず、俺は『詳細を見る』を念じて選択した。
ダンジョン草
ダンジョンに一般的に生えている草。
他の草たちに比べて背丈が少し高いのが特徴。
それ以外には見た目の特徴がなく、探さないと見つからないことが多い。
ポーションを作成するのに必要不可欠な草。
それ以外には使い道はない。
ポーション作りに使えるということ以外は雑草と同じ。
『採取』スキルがなくても採取することができる唯一の草。
最低品質から、低品質のダンジョン草は、『採取』スキルがなくても採取できるため、そこまで価値は高くない。
高品質なダンジョン草には、ダンジョン草とは思えないぐらいの価値が付く。
葉に価値があるので、採取の時は加工のことを気遣って、根元から数センチ上を切ったりむしったりするのが基本。
見えるんだ。
『簡易鑑定』のスキルのおかげかな?
まぁ、そうだろうな。
『簡易鑑定』と言う割にかなり詳しく表示されるんだな。
何が簡易なんだろうな。
まぁ、スキルの説明的には、『簡易鑑定』と言うより、『万能鑑定』『器用貧乏鑑定』の方が、あっているんじゃないかな。
『簡易鑑定』は特定の分野に対して特化していないから、その分隠蔽能力に対して強くないという事だったから、実際、表示される内容に関しては、他の鑑定と変わらないはずなんだよなぁ。
鑑定の話は今はいっか。
今は、このダンジョン草の話だったよな。
危ない危ない、脱線するところだった。
俺は、本題を思い出した。
これが、ダンジョン草だと分かったんだし、早速採取しなきゃ。
これって、サバイバルナイフで切った方が良いとかあるのかな?
まぁ、とりあえず、手で取ってみるか。
俺は、鑑定に書いてあったやり方にならって、ダンジョン草を根元の数センチ残してむしった。
これ、案外楽しいぞ。
現実の草むしりは、腰に対する負担がすごかったり、手に草の匂いが付いてしまったりで嫌な仕事の1つだったけど、こっちの採取は、楽しく気軽に出来ていいな。
腰に負担もなければ、手が草臭くなる事もなさそうだし。
はまっちゃいそうだな。
俺は無心で、右手でむしり手に入れたダンジョン草を左手で持った。
左手に集めたダンジョン草は定期的に消えていった。
多分、束になってストレージに保管されているのだろう。
それからしばらく、ダンジョン草採取タイムが続いた。
採取タイムが終わったのは、背後から何かがぶつかり痛みで立ち上がった時だった。
俺は、腰に痛みを感じ、何事思いながら立ち上がった。
座ったままではすぐに動き出せないから。
腰を攻撃されたということは、背後からの攻撃。
斬撃とか刺突というよりは、打撃のような攻撃。
そうなると、プレイヤーキラーである可能性は少ないか?
そう思いながら急いで振り返った。
するとそこにいたのは、小柄なウサギ。
ダンジョンラビットだ。
そうだここはダンジョンなのだ。
周りにいつ敵が出る分からない場所、油断してはいけない場所だ。
なのに俺は、ダンジョン草採取に夢中で完全に無防備になっていた。
集中するのも考え物だな。
反省反省。
そう思いながら慌てて、サバイバルナイフを構える。
この距離では、さすがに弓はつかえない。
となるとサブ武器のサバイバルナイフで戦うしかない。
ただ、俺には、ナイフ術のようなスキルもなければ、サバイバルナイフにナイフ捌きの補正が入っている訳でもない。
強いて言うならば、職業とナイフに付いているサバイバル動作補正で戦うしかない。
どうしたもんかな。
俺は、ナイフを構えるまでに実は、ダンジョンラビットからもう1撃もらっていた。
地味に痛いな。
これ、HPはどれぐらい減っているのだろう。
そう思って確認しようにも、俺はどこにもHP表示の設定をしていなかったので、自分のHPがわからない。
これはかなり失敗だったな。
自分のHPがわからないと不安になるな。
設定のタイミングで、HPとMPの表示設定をONにしておけば良かったな。
今は反省している時間じゃないな。
戦闘に集中しよう。
俺は、2撃もらってやっと戦闘に集中しだした。
ダンジョンラビットとの距離は1メートルもない。
1歩踏み込めば届く距離。
ただ、攻撃対象が下過ぎるので、かなり姿勢が難しい。
どうしたもんかな。
そう思っていると、ダンジョンラビットが3度目の突撃をしてきた。
ダンジョンラビットは飛び上がって俺の腰回り当たり、正確には股間めがけて突っ込んできた。
これに当たったらしゃれにならないな。
俺は、本能から、攻撃を避けながら、それに合わせて、ダンジョンラビットが飛んでくる場所にめがけてナイフを振り下ろした。
突っ込んでくるダンジョンラビットの勢いと、俺がナイフをそこに構えるためにナイフを振り下ろした勢い、それに、ちょうどナイフが、ダンジョンラビットの目に刺さったことのおかげか、1撃でダンジョンラビットを葬り去ることが出来た。
ダンジョンラビットは消え、アナウンスが流れる。
ダンジョンラビットを討伐しました。
素材は、直接ストレージに入れられました。
獲得素材:兎革×1
経験値を得ました。
俺は、直近の危機が去ったことに安堵しつつ、他に攻撃してくる敵がいないかを警戒する。
俺は警戒しながら唱えた。
「索敵」
少なくとも、すぐにでもこっちに向かってきそうな敵も、現状戦いになるほど近くにいる敵もいないみたいだ。
よし、脅威はないみたいだし、さっきの戦闘の反省と、それ以前の行動の反省をしよう。
まず、完全にダンジョン草の採取に集中して、周りの警戒をしていなかったのが良くなかったな。
そして、ダンジョンラビットが近づいてくるのに気づかないほど集中していたのも良くなかったな。
後は、HPとMPを視覚的にすぐ確認できるところに表示させておかなかったのも良くなかったな。
これがまず、戦闘前の反省点だな。
次に戦闘時の反省点。
まず、攻撃を受けてから、立ち上がるまでが遅かったな。
戦闘中に反省を始めたり、余計なことを考えたりする場面があってそれも良くなかったな。
そして、サバイバルナイフを構えることばかり考えて、2撃目をもらったのも良くなかったな。
じゃあ、良かった点も考えよう。
ダンジョンラビットへの攻撃はとても良かったな。
1撃で倒し切れたのが良かった。
いろんな事を考えていた思考を戦闘に集中するために切り替えられたのは良かったな。
今後もそうしていけるようにしよう。
よし、反省はこのぐらいにするか。
いつまでも反省していても仕方がないからな。
とりあえずまずは、設定からHPとMPの表示をONにしよう。
俺の視界に常に俺のHPとMPがバーで表示されるようになった。
えっと今のHPは、3分の2か。
さっきの戦闘で3分の1も持って行かれたんだな。
気を抜いていたらやられていたかもしれないな。
回復はどうすればいいんだろうな。
ポーションとかがあるのかな。
そんなことを考えていると、ウィンドウが出現した。
《チュートリアル》
《その3 冒険を始めよう!》
《その8 ギルドに戻って達成報告をしよう!》
依頼内容を達成したので、ギルドに戻って報告をしましょう。
ギルドでの報告の仕方は、2通りあります。
1つは、依頼処理機を使って処理する方法。
もう1つは、受付に行って処理をしてもらう方法。
どちらでも良いので、達成の報告をしましょう。
ダンジョンのゲートは、登りのゲートと下りのゲートがあります。
登りのゲートが上層に帰るためのゲート。
下りのゲートが下層に潜るためのゲートです。
登りのゲートは、ゲートの枠の中が白く、下りのゲートは、ゲートの枠の中が黒くなっています。
ちょっとそれどころではないんだけどなぁと思いながら読んだ。
依頼はこれで終わりなのね。
ギルドに戻れって事ね。
分かった分かった。
俺は、ウィンドウを読む前に、処理したタスクを思い出す。
えっと反省とHP表示が終わったんだよな。
後やることは、あれだ、戦闘終了アナウンスウィンドウの確認。
今回も兎革をもらったんだ。
今回は、レベルは上がらなかったんだな。
レベルはどんどん上がりづらくなって行っているんだろうな。
次にレベルアップが出来るのはいつになるんだろうな。
後は見ておきたい物はあったかな。
なかったら、指示に従って、ギルドに戻るんだけど。
あぁ、あれがあった。
俺がどれだけ採取したのかの確認をしようと、採取しながら思っていたんだ。
突発的な戦闘のせいで忘れかけていた。
俺はメニューからストレージを開いた。
えっと、俺が採取したダンジョン草の束は、12束か。
1ダースか。
多いのか少ないのか分からないな。
そういえば、採取の途中で、『採取』スキルのレベルが上がっていたな。
そんなことを考えながら、ダンジョン草の束の詳細を開いた。
ダンジョン草の束
品質:低
採取されたダンジョン草の束。
乾燥させることで、ポーション作成に使用できる。
最低品質から、低品質のダンジョン草は、『採取』スキルがなくても採取できるため、そこまで価値は高くない。
乾燥させたダンジョン草の束はポーション作りに必須で常に需要があるため、ダンジョン草の需要がなくなることはない。
スキルを使っても、品質は低なんだな。
まぁ、スキルのレベルも低かったし、仕方がないのかな。
もしくは、そもそもここに生えているダンジョン草の品質自体がそこまで良くないのかもしれないな。
よし、じゃあ、ギルドに帰るか。
そう思って、さっきは流し読みしていたチュートリアル用のウィンドウを改めて読んだ。
そういえば、入ってきたゲートをこっち側から見たら、白いゲートだったな。
あの時は、ダンジョンが草原だったということに対して驚いていたから、どこかですっぽりゲートが白いという驚きが抜けていたんだろうな。
そうなると俺達は、来たときと同じ、白いゲートを探せば良いということか。
ゲートからある程度移動しちゃったから、あそこがゲートだと1発では分からない。
そうだ、地図を見れば良いんだ。
俺はそう思いつき、メニューから地図を開いた。
地図には、ゲートから今の場所まで俺が移動した場所だけ地図が埋まっていた。
町中は、既に全部埋めていてくれたけど、ダンジョンの中は、自分で埋めていかないといけないのか。
新しい楽しい要素だけど、少し面倒くさそうでもあるな。
この地図をたどっていけば、とりあえず戻れはするな。
俺は、地図を頼りに白いゲートまで戻ってきた。
どうやらこのゲート、入る面と出る面が決まっているらしい。
出てきた面の反対側から入らなきゃいけないらしい。
地図にそう書いてあった。
地図ってそういう情報まで載っているんだな。
それにしても、そんな決まりがあるんだな。
混雑防止とか衝突防止のためなのかな。
そう思いながら裏に回る。
このゲート、入ってくる人の割に出る人が少ないな。
と言うか俺しかいないな。
入ってくる側は、絶え間なく人が入ってきているというのに。
何でなんだろう。
みんなダンジョンで長時間活動しているのかな。
まだまだ戻る時間ではないって事かな。
俺はそんなことを考えながら、ゲートをくぐって、元の世界に戻ってきた。
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ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。
テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。
そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が――
「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!?
癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中!
本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ!
▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。
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俺の職業は【トラップ・マスター】。ダンジョンを経験値工場に作り変えたら、俺一人のせいでサーバー全体のレベルがインフレした件
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現実世界でシステムエンジニアとして働く神代蓮。彼が効率を求めVRMMORPG「エリュシオン・オンライン」で選んだのは、誰にも見向きもされない不遇職【トラップ・マスター】だった。
周囲の冷笑をよそに、蓮はプログラミング知識を応用してトラップを自動連携させる画期的な戦術を開発。さらに誰も見向きもしないダンジョンを丸ごと買い取り、24時間稼働の「全自動経験値工場」へと作り変えてしまう。
結果、彼のレベルと資産は異常な速度で膨れ上がり、サーバーの経済とランキングをたった一人で崩壊させた。この事態を危険視した最強ギルドは、彼のダンジョンに狙いを定める。これは、知恵と工夫で世界の常識を覆す、一人の男の伝説の始まり。
【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます
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自筆です。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
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「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
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自筆です。
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