キメラスキルオンライン

百々 五十六

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1章 スタートダッシュ

依頼達成!

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 えっと、依頼の内容は、ダンジョンボアが20匹に、ダンジョンラビットが50羽だったな。
 現状は、ダンジョンボアが62匹に対して、ダンジョンラビットは5羽討伐した。
 ということは残りは、ダンジョンラビットの45羽だけだな。
 これなら、2層でやるよりも、1層でやった方が良いんじゃないかな?
 でもなぁ、ついでのダンジョンラビットのために、1層で戦うのもなぁ。
 だからといって、2層で戦っても効率が悪いしなぁ。
 どうしたもんかなぁ。
 そうだ。
 ここみたいに、他の巣を見つければ、良いんじゃないか?
 ここは、ダンジョンボアの巣だった道だけど、それ以外にもダンジョンラビットの巣もあるだろうし。
 じゃあ、巣でも探そうかな。
 歩き出す前にふと思った。
 森のフィールドで活動していくし、称号を変えようかな。
 そういえば、称号の方も合成できるらしいな。
 せっかく2つの称号があるんだし、両方良い称号だし合成しちゃうか。
 俺は、今つけている『チュートリアル修了者』に『森の歩き方』を加える形で、合成をしてみた。
 すると、新しい称号が生まれた。


 1.森の歩き方修了者

 チュートリアルを最後まで完遂し、森の歩き方について学んだものに与えられる称号。
 この称号を持つものは、森の歩き方と、この世界での動き方を最低限知っている。

 条件1:チュートリアルを最後まで行うこと。チュートリアル用のウィンドウが出たときに、その指示に従って行動する。
 条件2:《フィールドクエスト》《森の歩き方》を完了させること。
 条件3:『チュートリアル修了者』に『森の歩き方』を加える形で合成をする。

 効果1:森フィールドを自分で移動することで、地図を広げていくときに、群生地や採掘地、巣などと言った様々な情報が書き込まれる。
 効果2:森フィールドの場合、AGIが12上昇し、DEXが6上昇する。
 効果3:各能力値、各消費値に1の補正が入る。AGIとDEX更に1の補正が入る。


 良い感じで合成されたな。
 両方が元々持っていた補正値がさらに上昇したし、デメリット効果が付くこともなかった。
 合成することで『1.物理冒険者の心得』みたいに尖った性能にはならなかったみたいだな。
 森の戦闘に特化した称号にならなくて良かったな。
 使いやすさはそのままに、純粋な強化と合成。
 効果がこれだけ高いのは、条件が3つもあるからかな。
 まぁ、この3つの習得条件って、前提の称号をそれぞれ持っていれば良いだけの条件だから、3つもあるけど、それほどきつい条件じゃないんだよな。
 それなのに、これだけの効果があるってすごいな。
 スキルと称号の合成をそれぞれ1回ずつ、合計で2回やって思ったけど、合成って、1+1をしたときに、2や1.5みたいな2以下の『1.物理冒険者の心得』みたいな効果になるものかと思っていたけど、1+1が2以上の『1.森の歩き方修了者』みたいな効果になることもあるんだな。
 それが一番意外だった。
 これなら、合成する得だな。
 『キメラスキルオンライン』というゲーム名に恥じないように、合成のシステムはかなり優遇されているのかもしれないな。
 ただでさえ、1+1が2以下になったとしても、限りあるスキル枠の圧縮になる訳だからかなり強いのに、1+1が2を超えてしまうなら、やらない手はないよな。
 ただ、組み合わせとかを考える必要はあるだろうけどな。
 同じようなスキルを合成しちゃおうと、『1.物理冒険者の心得』みたいに尖って、2以下になるものもあるからな。
 今後の流れとして、スキル枠いっぱいに使うと言うことよりも、組み合わせを考えて、今の合成限界いっぱいまで合成する方が優先されるんじゃないかな。
 スキルの枠に空白を作ってでも、合成をした方が良いんだろうな。
 なんとなく、イメージしていた合成とは違うな。
 合成によってスキルが尖っていくのはイメージ通りだったけど、会わせる前を足したもの以上の純粋な強化が入るとは思わなかったな。
 案外合成って、全然違う物をあわせた方が良いのかもしれないな。
 まだまだ例が少ないから、実験していない部分が多いけど、似ているものを組み合わせた『1.物理冒険者の心得』は尖って、ある程度の強化率だったけど、全然違うところを組み合わせた、『1.森の歩き方修了者』は、あわせたもの以上の強化が入ったからな。
 簡単にたどり着きそうなものは、ある程度のものになり、簡単にたどり着けないような変な組み合わせの方が、面白い効果になるのかもしれにないな。
 今はまだどちらも成功だったけど、組み合わせによっては大失敗とかあるかもしれないな。
 尖っていた物通しを組み合わせた結果、使える場面がほとんどないスキルが出来るとか。
 変な物を組み合わせた結果、それぞれの良さを消し去って、元のスキル1つ分よりも性能の低いスキルができあがっていくのかもしれないな。
 組み合わせを考えるのがすごく楽しみになりそうだな。
 まぁ、とりあえず、合成の話はこれぐらいにするか。
 今は、ダンジョンラビットを倒して、依頼を終わらせる時間だしな。
 余計な時間ではあったけど、合成のことを考える時間は楽しい時間だなったな。
 そう思いながら俺は、合成のことを考える時間を一旦止めた。

 よし、じゃあ、ダンジョンラビットの巣を探しに行こう。
 新しい称号のおかげで、森の中での強化がすごいから、楽々探せるだろう。
 俺はそう思いながら歩き出した。

 それから、1時間弱。
 ゲーム内時間で、11時になったところで、ふと思った。
 もしかして、2層のこの森フィールドには、ダンジョンラビットの巣はないのだろうかと。
 あれから1時間弱、俺はダンジョンラビットの巣を見つけることが出来なかった。
 それと同時に思った。
 道中うろうろして倒したダンジョンラビットで、もう依頼は達成されているではないかと。
 探索の道中で、ダンジョンラビットを46羽、ダンジョンボアを21匹倒していた。
 こんだけ倒したのだから、わざわざ、今更探さなくては良いではないかと思った。
 そこで俺は、ダンジョンラビットの巣の捜索を止めた。
 夢中になって巣を探しているうちに、いつの間にか依頼に必要な討伐数はクリアしていたみたいだな。
 倒したダンジョンラビットの数に比べて、ダンジョンボアの数が少ないのは、ダンジョンボアを避けていたとか言う訳ではなく、多分俺が巣を壊滅させたから、個体数が減っているんじゃないかな。
 と言うか、2層の魔物の数が増えていないか?
 前回探索に来たときはこんなに出会わなかったんだけど。
 もしかして、急に運が良くなったのかな。
 もしくは、『1.森の歩き方修了者』の隠し効果とかかな。
 後は考えられることとしたら、人間がプレイヤーとして爆発的に増えたように、魔物も魔物で爆発的に増えているのかもしれないな。
 それはそれで面白そうだな。
 たくさん戦闘が出来て、初心者としてはかなりうれしいな。
 まぁ、それはそれとして、依頼が終わったし、ギルドに帰りますか。
 ゲーム内だともうそろそろ昼時だし、ちょうど良いんじゃないかな。
 それと、矢の方もかなり消耗して、の頃に矢の数が、100とちょっと、正確には104しかなくなってしまっているしな。
 そろそろ引き時だろう。
 そう思い俺は、地図を開きながら町へと向かった。
 まずは、2層から1層に上がるゲートを探さなくては。
 頑張って、1層に行った後は、いつものゲートを目指して歩いた。
 道中でふと思った。
 木に登ったり、ダンジョンボアに吹き飛ばされたり、獲物を追いかけて走るなんて事をしてきたけど、背負っている卵は大丈夫だろうか?
 正直、戦闘中や、クエストをこなしている間、依頼内容を達成しようと頑張っている間、そっちの内容に集中しすぎて、卵のことをすっかり忘れてしまっていた。
 背負っている卵の孵化装置が、しっくりきすぎているのが悪いのだ。
 そう、人のせいにしながらそんなことを考える。
 俺は、背負っていたものを型から外し、前面に持ってくる。
 孵化装置から見る限り、卵にひびが入っているのは確認できない。
 まぁ、移動用と言われている者なんだから、大丈夫なんだろう。
 それぐらいの衝撃に耐えられるように出来ているのだろう。
 と言うか、そもそもゲームなんだから、激しい移動で卵が割れるみたいな細かいことはしてこないだろう。
 卵や孵化装置にひび1つないことがそれを物語っているではないか。
 ただ、1つ心配なのが動きすぎて、卵の黄身的な部分と白身的な部分が逆になっていないかどうかだ。
 まぁ、それも大丈夫だろう。
 何しろ、これは移動用の孵化装置なのだから。
 俺は、移動用の孵化装置に全幅の信頼を置きながら、再び孵化装置を背負った。
 孵化装置を背負い直して、再びギルドを目指す。
 1層から地上に出るゲートをくぐり、地上に戻ってきた。
 相変わらず、ゲートの戻ってくる側に人気は少なく、町に戻るために、入る側の方に回り込むと賑わっていた。
 この差は、相変わらずなんだなぁ。
 そう思いながら町を目指して歩く。
 町に着くまでの間に、楽しそうに半紙アンガラ歩くパーティーと1つ2つすれ違った。
 パーティープレイも楽しそうだな。
 前衛がいて後衛がいて、連携してみんなで倒して、弱点を補い合って、強いところを高め合ってみんなで楽しさを分かち合うのは、楽しそうだよな。
 俺は、今のところパーティーで活動する予定はないんだけどな。
 そんなことを考えながら、町に入った。
 町に入った後は、迷わずまっすぐギルドへと向かった。
 ギルドに入ると、そのまま止まらずいつもの受付に向かう。
 いつもの右端の受付は、誰も並んでおらず、そのまま自分の番になった。
 いつも通りのテンション、いつも通りの言葉を、受付のお姉さんにかけられる。

「ご用件はなんでしょうか?」

 俺もそれにいつも通りに答える。

「依頼達成の手続きをお願いします」

「依頼達成の手続きですね。分かりました。それではまず、ギルドカードをお預かりします」

 いつも通りな流れだなぁ。
 考えていることも、いつも通りのことを考えている気がする。
 俺は、ギルドに入る段階で、バックから出しておいたギルドカードを、受付のお姉さんに渡した。

「お願いします」

「アロン様ですね。依頼内容は、ダンジョンボアの討伐20匹と、ダンジョンラビットの討伐50匹のセット依頼ですね?」

 確認された。
 これは今までなかったんじゃないかな。
 それともただただ俺の印象に残っていないだけなのかな。
 そんな余計なことを考えながら言った。

「そうです」

「討伐数を確認しますね。ダンジョンボアの討伐数が、88匹。ダンジョンラビットの討伐数が56匹ですね。ダンジョンボアの討伐数がかなり多いですね」

 そんなに倒したのか。
 ダンジョンボアは、フィールドクエストで62匹、そこからダンジョンラビット討伐の時に、21匹、帰りに5匹か。
 それなら、フィールドクエストをやらなくても、ダンジョンボアの討伐数は余裕を持って超えていたんだな。
 まぁ、称号とかいろいろなレベルアップとか、得たものは多かったから良いんだけど。
 ダンジョンラビットの方は、行きに5羽、ダンジョンラビット討伐の時に46羽、帰りに10羽だな。
 討伐依頼が、ダンジョンボア20匹に対して、ダンジョンラビットが50羽だったのは、ある程度の経験則から、比率を考えられていたのかな。
 そんなことを考えながら言った。

「フィールドクエストを達成するために、かなり討伐しました」

「あぁ、アロン様は、新しい称号を得ていますね。この称号と言うことは、『森の歩き方』ですか。それなら納得ですね。討伐数は問題ないので、依頼達成の処理をしますね」

 受付のお姉さんも、フィールドクエストのことを知っているのかな。
 まぁ、ギルドってすごい歴史のある組織みたいだし、フィールドクエストを受けてきた人は山ほどいるのかもな。
 そこから情報を得ていると考えると、知っていても不思議じゃないか。
 と言うか、そこまで作り込まれているってどういうことなんだろうな。
 本当にずっとこの世界があったみたいだな。
 俺は軽く感動しながら言った。

「お願いします」

「手続きが完了しました。報酬は口座に振り込んでおきました。ランクアップのための依頼数は残り1つです。分かっているとは思いますが、今回の討伐で獲得した素材を素材買取り受付に持って行けば、換金することが出来ます」

 ここら辺も定型文なのかな。
 いつも通りで安心する文言だな。
 後1つでランク5かぁ。
 ゲームだなぁって感じの序盤のレベルやランクの上がる速さをしているよなぁ。
 じっくりどうこうではなくて、最初は駆け足で上がっていくよな。
 そんなことを考えながら言った。

「ありがとうございました」

 俺はそう言いながら、受付から離れた。









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