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1章 スタートダッシュ
4層初戦闘
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視界が切り替わる。
一面の砂。
後、申し訳程度の植物。
それだけが視界に入った。
俺は目の前の景色をうまく飲み込めないまま言った。
「これは……」
「にゃ」
「なぁ!」
砂漠だな。
何度見ても、砂漠でしかないな。
砂漠かぁ。
砂漠かぁ……
少し不安だな。
体力を阿呆みたいに持って行かれそうだな。
俺は、テンションの上がりきらない微妙な声で言った。
「砂漠だな」
「にゃ!」
「なぁー、な」
草原、森、山と来て、砂漠かぁ。
砂漠かぁ。
まぁ、予想の中には入っていた。
入っていたけど、砂漠だとは思ってなかったな。
ん?
そういえば、砂漠にしては暑くないな。
何というか、快適な温度だ。
少しだけ日差しが強いようには感じるけど、それだけだな。
首に触れてみた。
汗をかいていない。
額に触れてみた。
こっちも汗をかいていない。
と言うか、全身汗をかいている様子はない。
どういうことだ?
肌を焼くような日差しもなければ、滝のような汗が流れる暑さもない。
何でなんだろう?
俺は首をかしげながら言った。
「砂漠にしては、暑くないな」
「にゃ」
「なぁ?」
何でなんだろう。
こんだけの砂漠が暑くないというのは、どうしてだ?
砂漠って、めっちゃ暑いか、めっちゃ寒いかなんだよな?
聞きかじり程度の知識しかないけど、そういうものなんだよな。
それなのに何で、ここは快適な温度なのかな。
森の中とかに比べたら、少し温度は高めだけれど、暑いというほどじゃないな。
森が涼しいぐらいだとしたら、ここは、心地の良い暖かさと言ったところかな。
俺は、首をかしげたまま言った。
「ダンジョンだからかな。ダンジョンには、夜もないみたいだし、砂漠が暑くなくてもおかしくないよな」
「にゃ?」
「なぁーなぁ!」
まぁ、暑さは、良いか。
何かしらの意図を持ってこういうことにしているのだろう。
砂漠と言えば、水分補給だよな。
水分補給を怠ればすぐに死んでしまうはずだ。
俺は、水分補給できるようなものを何一つもっていないけど大丈夫なのかな?
今度は逆に首をかしげながら言った。
「砂漠かぁ。水分とか大丈夫かな?」
「にゃ」
「なぁー」
あぁ、そういえば、そもそも、このゲームに水分補給というものはなかったな。
運動した後とかに水分補給をしていないな。
それなら、砂漠で水分補給をしなくても良いのかな。
俺は、砂漠を抜ける風を感じながら言った。
「風で砂が舞っていたり、空気がカラカラになっていたりもしないな」
「な」
「にゃ」
何というか、砂漠っぽくないな。
砂漠と行ったらもっとこう、過酷な環境で、かなりのストレスがかかって、進んでいくだけでも大変なんじゃないのかな。
暑さもなければ、水分の心配もない、視界を塞ぐ砂もなければ、水分を奪う乾燥した空気もない。
これなら、砂漠と言うより、でっかい砂場みたいだな。
もしかしたら、俺が砂漠だと思っているだけで、でっかい砂場なのかもな。
それぐらいイメージと違うんだよな。
そう思いながら言った。
「何というか、俺のイメージと違う砂漠だな。もしかして、そこまで再現できなかったのかな?」
「にゃ?」
「なぁ?」
キメラスキルオンラインの技術力不足か。
有り得そうか?
いや、さすがにないな。
ぽろっと言っちゃったけど、さすがにそれはないか。
うん、ないな。
ここまで作り込んだゲームを出すのに、砂漠の環境だけ作れなかったみたいなことはないだろう。
俺は、自分の口から出た発言を心で否定しながら言った。
「さすがにそれはないか。今まで見てきたような景色が出来て、砂漠だけ急に出来なくなる訳がないよな」
「な」
「にゃ!」
俺は、考え込んでいて、景色が見えなくなっていたことに気がついた。
一度冷静になって、再び、4層のフィールドを眺めた。
この違和感は何だろうな。
何でこんなに引っかかるんだろうな?
悩んだ末に思いついたことを言った。
「なんとも不思議なフィールドだな。1層~3層は、それぞれ草原っぽさ、森っぽさ、山っぽさがあったけど、何というか、この4層は砂漠っぽさがないな」
「にゃ!」
「なー」
1~3層は、草原に行ったら、草原だと肌で感じたし、森に行ったら、森を肌で感じた、山に行けば、山を肌で感じた。
そうやって、肌で感じていたのに、ここではそういう感覚がないからかな。
もしくは、草原とか森とか山には行ったことがあるけれど、砂漠に行ったことがないからピンとこないのかな。
俺は再び考え込みながら言った。
「1~3層でリアルじゃなかったところがあるとすれば、虫が出なかったところぐらいだよな。1~3層で虫が出なかった枠が、4層の暑くない、砂が舞っていない、乾いていないになるのかな」
「にゃ?」
「なぁ」
景色の話はこれぐらいで良いかな。
いつまでも眺めているだけだとつまらないよな。
そろそろ動き出さないとな。
俺はそう思いながら言った。
「地面も普通に砂だな。少し足が持って行かれる感覚がある」
「な」
「にゃ」
軽く足を動かしてみると、少しだけ砂に沈んでいくような感覚がある。
足を上げるときも、砂に足を取られるような感覚がある。
これはかなりリアルな感覚だと思う。
リアルな砂漠には行ったことがないけれど。
俺は、足の感覚を確認しながら言った。
「靴の中に入ったり、歩くことで砂が舞ったりはしないみたいだな」
「にゃ」
「なぁ」
靴の中に、砂が入ったり、あるくことで砂がまったりすることはない。
ただ、歩くときに足を砂に取られるような感覚はある。
暑いとか、乾燥とか、砂が舞うみたいなことはない。
ちょっとした暖かさとか、ちょっとからっとしたような感覚はある。
この差は何なんだろうな?
考えた末に言った。
「もしかしたら、プレイヤーが不快になる要素は省いているのかもしれないな」
「にゃ?」
「な」
歩くときに足が取られるのは、まだフィールドの要素ということなのかな。
暑いとか乾燥とか、そういった不快になるようなものはなるべくなくしていく方針なのかも知れないな。
それなら納得がいく。
少し物足りない感じがあるのかもしれないけど、そのときは、感度を最大にすれば、すぐに地獄を体感できるとかなのかな。
まぁ、そこらへんは想像でしかないからな。
そう思いながら言った。
「ログアウトしたときの話から考えると、1~4層はボスの出ない初心者用の階層みたいな感じらしいし」
「な?」
「にゃー?」
なんか腑に落ちたな。
じゃあ、探索に行きますか。
感想はこれぐらいにして。
そう思いながら言った。
「まぁ、感想はこれぐらいにして、このフィールドの探索を始めるか」
「にゃ」
「なぁ」
探索は何から始めたら良いかな。
とりあえず、3層のときと同じで、最初は地図を見ない方針で行こうかな。
そっちの方が冒険っぽくて楽しいし、新しい出会いもあるかも知れないからな。
今回の4層探索は、あくまで俺達の強化のため、4層について知るためのものであって、5層に行くためのものではない。
だから、まだ地図は見なくても良いんじゃないかな。
「とりあえず、まずは安全の確保だよな」
「にゃ!」
「なぁ!」
俺はさっそくつぶやいた。
「索敵」
えっと反応は1つか。
え?
なんか、地中から反応が出ているんだけど。
どういうこと?
俺は困惑しながら言った。
「ん? 地中から反応があるな? 座標がバグっているのかな? それとも、土の中に敵がいるのかな? 今までのモンスターの反応ではないから、新種のモンスターかな?」
「にゃ?」
「なぁ?」
地面に潜る系のモンスターなのかな。
地面に潜ると言ったら、モグラとかかな?
そう思いながら正確な情報を言った。
「正面50m先の地中に敵がいる。どうやって攻撃してくるか分からないから警戒してくれ」
「な」
「にゃ」
2人とも気合いが入り出した。
戦闘モードに入ったのかな。
俺は脳天気に言った。
「4層の初戦闘だな。どうなるんだろうな」
「なぁ!」
「にゃー!」
気合いが入っているなぁ。
4層ってどのぐらいの敵の強さなんだろうな。
この1戦で、俺達がこの階層でやっていけるのかが分かりそうだな。
俺はそう思いながら言った。
「敵が近づいてくる」
「にゃ」
「なぁーなぁ!」
なーさんが何やら主張している。
何々、あのジェスチャーから何かを読み取れば良いのか。
えっと、地面に攻撃できると言うことなのかな?
俺に任せろってことなのかな?
俺は首をかしげながらジェスチャーを見て言った。
「なーさん、どうにか出来るのか?」
「なぁ!」
どうやら俺が言ったことで合っていたみたいだ。
なーさんが言っていることが段々と分かるようになってきたな。
前までは感情を読み取るのが精一杯だったんだけどな。
自分の変化に感心しながら言った。
「じゃあ、どうにかして、地中から引っ張り出してくれ!」
「なぁー! な!」
なーさんは、そう鳴くと飛んで行った。
なーさんが配置につくのなら、にゃーさんの方にも指示を出さないとだな。
そう思いながら言った。
「じゃあ、にゃーさんは、俺のそばでバフを飛ばしてくれ」
「にゃ!」
にゃーさんは、気合いを入れてい鳴いた。
「にゃ! にゃ!」
にゃーさんが、鳴くと同時に、バフが入った。
にゃーさんが、アロンに、支援魔法STRアップを発動しました。
アロンのSTRが7上昇しました。
にゃーさんが、なーさんに、支援魔法VITアップを発動しました。
なーさんのVITが7上昇しました。
にゃーさんがバフをくれた。
いつものセットだな。
ありがたや、ありがたや。
俺はにゃーさんを褒めた。
「ナイスバフだ」
「にゃ」
戦闘がそろそろ始まる。
俺が今できることはないな。
敵は地下にいるのだから。
自分の出来ることをしようと思い、2人を鼓舞した。
「新たな層の、新しい敵だ! どんな強さかも分からないから気合いを入れていくぞ!」
「なぁ!」
「にゃ!」
「多分3層のダンジョンウルフよりも強いだろうな」
「にゃ」
にゃーさんだけが返事をしてくれた。
なーさんは、集中して地面に向かって魔法を使っている。
これでうまく行くのかな?
そう思いながら、俺は弓を構えている。
なーさんが鳴いた。
「なぁ! なー!」
なーさんが鳴いたすぐなとに、なーさんの目の前にデカいミミズのようなモンスターが出現した。
体の直径だけで俺よりも大きな敵だな。
もしかしてボスか? と思うぐらいにはデカいな。
俺はそのモンスターを見ながら言った。
「敵が出てきたな。ワームか。じゃあ、なーさんはそのまま前衛として頑張ってくれ。俺は後ろから矢を放つから」
「なぁ! なぁー」
なーさんは、いつも通り前衛として動いてくれる。
基本的に敵の攻撃を避けながら、細々と攻撃をしている。
その動きに合わせて、俺は矢を放っていく。
172ダメージ
矢は、ワームの腹に刺さった。
腹なのか胴体なのかは分からないけど、とりあえず柔らかそうなところに刺さった。
そこそこのダメージが出たな。
俺の由美子攻撃と、なーさんの攻撃で10%弱HPも削れている。
これなら割といけそうだな。
俺は、少しホッとしながら言った。
「思ったよりもダメージが入るな」
「にゃ」
そこからは、機械のように淡々と矢を放っていった。
182ダメージ
169ダメージ
155ダメージ
177ダメージ
ワームのHPを確認すると、残り半分と言ったところかな。
こんだけ攻撃して、まだ半分なんだな。
何というか、敵のレベルが3層と4層ではまるっきり違うな。
4層で、ワームはどのぐらいの立ち位置のモンスターなのかな。
それによって、全然攻略難易度が変わってきそうだな。
そう思いながら言った。
「良いペースじゃないか? もう半分まで来たな」
178ダメージ
もう、与ダメージは1000を超えたんじゃないかな。
堅いな。
今までで一番のHP量だな。
さすが4層のモンスターだな。
デカい図体をしているからそれ相応にデカいHPだな。
図体に関しては、まだ半分ぐらい地面の中にいるから、どのぐらいのサイズ感なのかまだ把握できていないんだよな。
とりあえず俺ぐらいなら、一口でいけそうな見た目をしているな。
「巨体だからか、HPはすごいな。まるでボスみたいだな」
「にゃ」
178ダメージ
190ダメージ
ようやく、倒れた。
やっとか。
1匹倒すのに、矢を10本弱も使ったな。
このレベルだとは思わなかったな。
でも、特にピンチもなく倒せたと言うことは、4層でやっていけると言うことなんじゃないかな。
俺は達成感を全身で感じながら言った。
「良し、倒した!」
「にゃ!」
「なぁ!」
討伐のウィンドウが出現した。
ダンジョンワームを討伐しました。
素材は、直接ストレージに入れられました。
獲得素材:ワーム肉
経験値を得ました。
レベルが上昇しました。
NPを5獲得しました。
SPを10獲得しました。
職業レベルが上がりました。
STRが1上昇しました。
スキル『1.物理冒険者の心得』がレベルアップしました。
スキル『弓術』がレベルアップしました。
スキル『疲労耐性』がレベルアップしました。
スキル『テイム』がレベルアップしました。
なーさんのレベルが上昇しました。
なーさんは、SPを10、NPを5獲得しました。
なーさんが獲得したSPは、MPに10割り振られました。
なーさんが獲得したNPは、INTに5割り振られました。
なーさんのAGIが1上昇しました。
なーさんのDEXが1上昇しました。
なーさんのINTが1上昇しました。
なーさんの『魔術』のレベルが上昇しました。
なーさんの『爪術』のレベルが上昇しました。
なーさんの『体術』のレベルが上昇しました。
にゃーさんのレベルが上昇しました。
にゃーさんは、SPを10、NPを5獲得しました。
にゃーさんが獲得したSPは、MPに10割り振られました。
にゃーさんが獲得したNPは、AGIに5割り振られました。
にゃーさんのMPが1上昇しました。
にゃーさんのINTが1上昇しました。
にゃーさんのAGIが1上昇しました。
にゃーさんのMNDが1上昇しました。
一面の砂。
後、申し訳程度の植物。
それだけが視界に入った。
俺は目の前の景色をうまく飲み込めないまま言った。
「これは……」
「にゃ」
「なぁ!」
砂漠だな。
何度見ても、砂漠でしかないな。
砂漠かぁ。
砂漠かぁ……
少し不安だな。
体力を阿呆みたいに持って行かれそうだな。
俺は、テンションの上がりきらない微妙な声で言った。
「砂漠だな」
「にゃ!」
「なぁー、な」
草原、森、山と来て、砂漠かぁ。
砂漠かぁ。
まぁ、予想の中には入っていた。
入っていたけど、砂漠だとは思ってなかったな。
ん?
そういえば、砂漠にしては暑くないな。
何というか、快適な温度だ。
少しだけ日差しが強いようには感じるけど、それだけだな。
首に触れてみた。
汗をかいていない。
額に触れてみた。
こっちも汗をかいていない。
と言うか、全身汗をかいている様子はない。
どういうことだ?
肌を焼くような日差しもなければ、滝のような汗が流れる暑さもない。
何でなんだろう?
俺は首をかしげながら言った。
「砂漠にしては、暑くないな」
「にゃ」
「なぁ?」
何でなんだろう。
こんだけの砂漠が暑くないというのは、どうしてだ?
砂漠って、めっちゃ暑いか、めっちゃ寒いかなんだよな?
聞きかじり程度の知識しかないけど、そういうものなんだよな。
それなのに何で、ここは快適な温度なのかな。
森の中とかに比べたら、少し温度は高めだけれど、暑いというほどじゃないな。
森が涼しいぐらいだとしたら、ここは、心地の良い暖かさと言ったところかな。
俺は、首をかしげたまま言った。
「ダンジョンだからかな。ダンジョンには、夜もないみたいだし、砂漠が暑くなくてもおかしくないよな」
「にゃ?」
「なぁーなぁ!」
まぁ、暑さは、良いか。
何かしらの意図を持ってこういうことにしているのだろう。
砂漠と言えば、水分補給だよな。
水分補給を怠ればすぐに死んでしまうはずだ。
俺は、水分補給できるようなものを何一つもっていないけど大丈夫なのかな?
今度は逆に首をかしげながら言った。
「砂漠かぁ。水分とか大丈夫かな?」
「にゃ」
「なぁー」
あぁ、そういえば、そもそも、このゲームに水分補給というものはなかったな。
運動した後とかに水分補給をしていないな。
それなら、砂漠で水分補給をしなくても良いのかな。
俺は、砂漠を抜ける風を感じながら言った。
「風で砂が舞っていたり、空気がカラカラになっていたりもしないな」
「な」
「にゃ」
何というか、砂漠っぽくないな。
砂漠と行ったらもっとこう、過酷な環境で、かなりのストレスがかかって、進んでいくだけでも大変なんじゃないのかな。
暑さもなければ、水分の心配もない、視界を塞ぐ砂もなければ、水分を奪う乾燥した空気もない。
これなら、砂漠と言うより、でっかい砂場みたいだな。
もしかしたら、俺が砂漠だと思っているだけで、でっかい砂場なのかもな。
それぐらいイメージと違うんだよな。
そう思いながら言った。
「何というか、俺のイメージと違う砂漠だな。もしかして、そこまで再現できなかったのかな?」
「にゃ?」
「なぁ?」
キメラスキルオンラインの技術力不足か。
有り得そうか?
いや、さすがにないな。
ぽろっと言っちゃったけど、さすがにそれはないか。
うん、ないな。
ここまで作り込んだゲームを出すのに、砂漠の環境だけ作れなかったみたいなことはないだろう。
俺は、自分の口から出た発言を心で否定しながら言った。
「さすがにそれはないか。今まで見てきたような景色が出来て、砂漠だけ急に出来なくなる訳がないよな」
「な」
「にゃ!」
俺は、考え込んでいて、景色が見えなくなっていたことに気がついた。
一度冷静になって、再び、4層のフィールドを眺めた。
この違和感は何だろうな。
何でこんなに引っかかるんだろうな?
悩んだ末に思いついたことを言った。
「なんとも不思議なフィールドだな。1層~3層は、それぞれ草原っぽさ、森っぽさ、山っぽさがあったけど、何というか、この4層は砂漠っぽさがないな」
「にゃ!」
「なー」
1~3層は、草原に行ったら、草原だと肌で感じたし、森に行ったら、森を肌で感じた、山に行けば、山を肌で感じた。
そうやって、肌で感じていたのに、ここではそういう感覚がないからかな。
もしくは、草原とか森とか山には行ったことがあるけれど、砂漠に行ったことがないからピンとこないのかな。
俺は再び考え込みながら言った。
「1~3層でリアルじゃなかったところがあるとすれば、虫が出なかったところぐらいだよな。1~3層で虫が出なかった枠が、4層の暑くない、砂が舞っていない、乾いていないになるのかな」
「にゃ?」
「なぁ」
景色の話はこれぐらいで良いかな。
いつまでも眺めているだけだとつまらないよな。
そろそろ動き出さないとな。
俺はそう思いながら言った。
「地面も普通に砂だな。少し足が持って行かれる感覚がある」
「な」
「にゃ」
軽く足を動かしてみると、少しだけ砂に沈んでいくような感覚がある。
足を上げるときも、砂に足を取られるような感覚がある。
これはかなりリアルな感覚だと思う。
リアルな砂漠には行ったことがないけれど。
俺は、足の感覚を確認しながら言った。
「靴の中に入ったり、歩くことで砂が舞ったりはしないみたいだな」
「にゃ」
「なぁ」
靴の中に、砂が入ったり、あるくことで砂がまったりすることはない。
ただ、歩くときに足を砂に取られるような感覚はある。
暑いとか、乾燥とか、砂が舞うみたいなことはない。
ちょっとした暖かさとか、ちょっとからっとしたような感覚はある。
この差は何なんだろうな?
考えた末に言った。
「もしかしたら、プレイヤーが不快になる要素は省いているのかもしれないな」
「にゃ?」
「な」
歩くときに足が取られるのは、まだフィールドの要素ということなのかな。
暑いとか乾燥とか、そういった不快になるようなものはなるべくなくしていく方針なのかも知れないな。
それなら納得がいく。
少し物足りない感じがあるのかもしれないけど、そのときは、感度を最大にすれば、すぐに地獄を体感できるとかなのかな。
まぁ、そこらへんは想像でしかないからな。
そう思いながら言った。
「ログアウトしたときの話から考えると、1~4層はボスの出ない初心者用の階層みたいな感じらしいし」
「な?」
「にゃー?」
なんか腑に落ちたな。
じゃあ、探索に行きますか。
感想はこれぐらいにして。
そう思いながら言った。
「まぁ、感想はこれぐらいにして、このフィールドの探索を始めるか」
「にゃ」
「なぁ」
探索は何から始めたら良いかな。
とりあえず、3層のときと同じで、最初は地図を見ない方針で行こうかな。
そっちの方が冒険っぽくて楽しいし、新しい出会いもあるかも知れないからな。
今回の4層探索は、あくまで俺達の強化のため、4層について知るためのものであって、5層に行くためのものではない。
だから、まだ地図は見なくても良いんじゃないかな。
「とりあえず、まずは安全の確保だよな」
「にゃ!」
「なぁ!」
俺はさっそくつぶやいた。
「索敵」
えっと反応は1つか。
え?
なんか、地中から反応が出ているんだけど。
どういうこと?
俺は困惑しながら言った。
「ん? 地中から反応があるな? 座標がバグっているのかな? それとも、土の中に敵がいるのかな? 今までのモンスターの反応ではないから、新種のモンスターかな?」
「にゃ?」
「なぁ?」
地面に潜る系のモンスターなのかな。
地面に潜ると言ったら、モグラとかかな?
そう思いながら正確な情報を言った。
「正面50m先の地中に敵がいる。どうやって攻撃してくるか分からないから警戒してくれ」
「な」
「にゃ」
2人とも気合いが入り出した。
戦闘モードに入ったのかな。
俺は脳天気に言った。
「4層の初戦闘だな。どうなるんだろうな」
「なぁ!」
「にゃー!」
気合いが入っているなぁ。
4層ってどのぐらいの敵の強さなんだろうな。
この1戦で、俺達がこの階層でやっていけるのかが分かりそうだな。
俺はそう思いながら言った。
「敵が近づいてくる」
「にゃ」
「なぁーなぁ!」
なーさんが何やら主張している。
何々、あのジェスチャーから何かを読み取れば良いのか。
えっと、地面に攻撃できると言うことなのかな?
俺に任せろってことなのかな?
俺は首をかしげながらジェスチャーを見て言った。
「なーさん、どうにか出来るのか?」
「なぁ!」
どうやら俺が言ったことで合っていたみたいだ。
なーさんが言っていることが段々と分かるようになってきたな。
前までは感情を読み取るのが精一杯だったんだけどな。
自分の変化に感心しながら言った。
「じゃあ、どうにかして、地中から引っ張り出してくれ!」
「なぁー! な!」
なーさんは、そう鳴くと飛んで行った。
なーさんが配置につくのなら、にゃーさんの方にも指示を出さないとだな。
そう思いながら言った。
「じゃあ、にゃーさんは、俺のそばでバフを飛ばしてくれ」
「にゃ!」
にゃーさんは、気合いを入れてい鳴いた。
「にゃ! にゃ!」
にゃーさんが、鳴くと同時に、バフが入った。
にゃーさんが、アロンに、支援魔法STRアップを発動しました。
アロンのSTRが7上昇しました。
にゃーさんが、なーさんに、支援魔法VITアップを発動しました。
なーさんのVITが7上昇しました。
にゃーさんがバフをくれた。
いつものセットだな。
ありがたや、ありがたや。
俺はにゃーさんを褒めた。
「ナイスバフだ」
「にゃ」
戦闘がそろそろ始まる。
俺が今できることはないな。
敵は地下にいるのだから。
自分の出来ることをしようと思い、2人を鼓舞した。
「新たな層の、新しい敵だ! どんな強さかも分からないから気合いを入れていくぞ!」
「なぁ!」
「にゃ!」
「多分3層のダンジョンウルフよりも強いだろうな」
「にゃ」
にゃーさんだけが返事をしてくれた。
なーさんは、集中して地面に向かって魔法を使っている。
これでうまく行くのかな?
そう思いながら、俺は弓を構えている。
なーさんが鳴いた。
「なぁ! なー!」
なーさんが鳴いたすぐなとに、なーさんの目の前にデカいミミズのようなモンスターが出現した。
体の直径だけで俺よりも大きな敵だな。
もしかしてボスか? と思うぐらいにはデカいな。
俺はそのモンスターを見ながら言った。
「敵が出てきたな。ワームか。じゃあ、なーさんはそのまま前衛として頑張ってくれ。俺は後ろから矢を放つから」
「なぁ! なぁー」
なーさんは、いつも通り前衛として動いてくれる。
基本的に敵の攻撃を避けながら、細々と攻撃をしている。
その動きに合わせて、俺は矢を放っていく。
172ダメージ
矢は、ワームの腹に刺さった。
腹なのか胴体なのかは分からないけど、とりあえず柔らかそうなところに刺さった。
そこそこのダメージが出たな。
俺の由美子攻撃と、なーさんの攻撃で10%弱HPも削れている。
これなら割といけそうだな。
俺は、少しホッとしながら言った。
「思ったよりもダメージが入るな」
「にゃ」
そこからは、機械のように淡々と矢を放っていった。
182ダメージ
169ダメージ
155ダメージ
177ダメージ
ワームのHPを確認すると、残り半分と言ったところかな。
こんだけ攻撃して、まだ半分なんだな。
何というか、敵のレベルが3層と4層ではまるっきり違うな。
4層で、ワームはどのぐらいの立ち位置のモンスターなのかな。
それによって、全然攻略難易度が変わってきそうだな。
そう思いながら言った。
「良いペースじゃないか? もう半分まで来たな」
178ダメージ
もう、与ダメージは1000を超えたんじゃないかな。
堅いな。
今までで一番のHP量だな。
さすが4層のモンスターだな。
デカい図体をしているからそれ相応にデカいHPだな。
図体に関しては、まだ半分ぐらい地面の中にいるから、どのぐらいのサイズ感なのかまだ把握できていないんだよな。
とりあえず俺ぐらいなら、一口でいけそうな見た目をしているな。
「巨体だからか、HPはすごいな。まるでボスみたいだな」
「にゃ」
178ダメージ
190ダメージ
ようやく、倒れた。
やっとか。
1匹倒すのに、矢を10本弱も使ったな。
このレベルだとは思わなかったな。
でも、特にピンチもなく倒せたと言うことは、4層でやっていけると言うことなんじゃないかな。
俺は達成感を全身で感じながら言った。
「良し、倒した!」
「にゃ!」
「なぁ!」
討伐のウィンドウが出現した。
ダンジョンワームを討伐しました。
素材は、直接ストレージに入れられました。
獲得素材:ワーム肉
経験値を得ました。
レベルが上昇しました。
NPを5獲得しました。
SPを10獲得しました。
職業レベルが上がりました。
STRが1上昇しました。
スキル『1.物理冒険者の心得』がレベルアップしました。
スキル『弓術』がレベルアップしました。
スキル『疲労耐性』がレベルアップしました。
スキル『テイム』がレベルアップしました。
なーさんのレベルが上昇しました。
なーさんは、SPを10、NPを5獲得しました。
なーさんが獲得したSPは、MPに10割り振られました。
なーさんが獲得したNPは、INTに5割り振られました。
なーさんのAGIが1上昇しました。
なーさんのDEXが1上昇しました。
なーさんのINTが1上昇しました。
なーさんの『魔術』のレベルが上昇しました。
なーさんの『爪術』のレベルが上昇しました。
なーさんの『体術』のレベルが上昇しました。
にゃーさんのレベルが上昇しました。
にゃーさんは、SPを10、NPを5獲得しました。
にゃーさんが獲得したSPは、MPに10割り振られました。
にゃーさんが獲得したNPは、AGIに5割り振られました。
にゃーさんのMPが1上昇しました。
にゃーさんのINTが1上昇しました。
にゃーさんのAGIが1上昇しました。
にゃーさんのMNDが1上昇しました。
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鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
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自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。
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<カクヨムSFジャンル週間1位>
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現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。
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俺の職業は【トラップ・マスター】。ダンジョンを経験値工場に作り変えたら、俺一人のせいでサーバー全体のレベルがインフレした件
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【完結】VRMMOでスライム100万匹倒して最強になった僕は経験値で殴るゲームやってます
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検証が大好きな主人公、三上ハヤト。
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そこからは定番の経験値スライムを倒して最強への道かと思ったら・・・
このゲームは経験値を分け与える事が出来て、売買出来るゲーム。
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自筆です。
【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
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まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
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自筆です。
ダンジョン菌にまみれた、様々なクエストが提示されるこの現実世界で、【クエスト簡略化】スキルを手にした俺は最強のスレイヤーを目指す
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しかし、ワクチン接種で稀に発生する、最初から能力の高いエリート種でなければクエストの攻略は難しく、一般人の佐嶋康介はスレイヤーになることを諦めていたが、仕事の帰りにコンビニエンスストアに立ち寄ったことで運命が変わることになる。
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