キメラスキルオンライン

百々 五十六

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1章 スタートダッシュ

ダンジョンウルフ?いや、サンドウルフ!

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 サンドワームとの戦闘を終え、俺達は再び集合した。
 俺は、ウィンドウを見ながら感想を言った。

「お! レベルが上がった」

「なぁ!」

「にゃ!」

 なーさんとにゃーさんもうれしそうにしている。
 レベルが上がったことがうれしいんだろうな。
 レベルアップか久しぶりだな。
 まぁ、今までの数時間ほとんどダンジョンの外にいたからな。
 レベルアップかぁ。
 SPとNPの割り振りを考えないとだな。
 心の中ではそう思いながら言った。

「なーさんとにゃーさんのレベルも上がったな」

「にゃ」

「なぁー、な!」

 俺が、にゃーさんとなーさんのレベルアップに言及すると、より喜んだ。
 褒められてうれしいのかな。
 素直なのは良いことだな。
 レベルアップとは言ったけど、みんな、何Lv.にレベルアップしたんだろうな?
 俺は、ステータスウィンドウから、今のレベルを確認した。
 えっと、俺がLv.8、なーさんが、Lv.6、にゃーさんがLv.4か。
 こんなにバラバラなのに、よく一緒にレベルアップしたな。
 と言うか、にゃーさんはよくここまでレベルアップしなかったな。
 Lv.4なら、3層とかの戦闘でもレベルアップしそうなものだけどな。
 まぁ、1~3層は、移動をメインにしていたから、戦闘の方は、戦闘に慣れる程度にしかやらなかったからかな。
 俺は何度か頷いた後に言った。

「俺がLv.8で、なーさんがLv.6、にゃーさんはLv.4になったんだな」

「な」

「にゃ!」

 そういえば、にゃーさんって、軍団幹部として少し多めに経験値をもらっているんだよな。
 それがどのぐらいの割合というか、どのぐらいの量追加でもらっているのかは知らないけど、一緒にレベルアップできるものなんだな。
 一足先にレベルアップみたいなこともあったはずだよな。
 俺は不思議に思いながら言った。

「俺達の経験値の一部がにゃーさんの方に行っているはずなのに、にゃーさんのレベルアップのタイミングが俺達と同じなんだな」

「にゃ?」

「なぁ?」

 あれかもな。
 あれ。
 もしかしたら、ダンジョンワームの経験値が今までのものとは桁が違って、全員を簡単にレベルアップさせる程度の量があったとかなのかな。
 だから、Lv.8の俺とLv.4のにゃーさんが同時にレベルアップしたのかもな。
 まぁ、それ以外で考えるなら、みんな経験値がなみなみ注がれていて、それに一気にダンジョンワームの経験値が入ったから、普通に同時にレベルアップしたのかもな。
 キメラスキルオンラインのこちらに開示されていない数値の部分を想像しながら言った。

「もしかしたら、ダンジョンワームからの経験値が桁違いで、レベル差とか関係なくレベルアップするぐらいの経験値があったのかもな」

「な」

「にゃ!」

 まぁ、みんなでレベルアップできて良かったな。
 みんなで喜べるからな。
 従魔組の2人は、自動でSPとNPがわり振られて良いな。
 俺は、自分で考えないといけないんだよな。
 最適なところに割り振ってくれないかな。
 そんなことを考えながら言った。

「SPとNPを振るから、少し待ってくれ」

「にゃ」

「なぁ!」

 何に割り振ったら良いかな。
 今の俺には何が不足しているだろうか。
 パーティーとしての移動速度とかを考えるなら、AGIも有だな。
 ただな。
 移動速度は、パーティーで一番遅い人に合わせることになるから、にゃーさんの移動速度が改善しない限り、あまり意味がないんだよな。
 にゃーさんは、今回のレベルアップで6もAGIが上がっているけれど、それでも、まだまだ俺より大分遅いからな。
 AGIに振るのは止めておこうかな。
 じゃあどこだろうな。
 STRかDEXかな。
 VITは、俺はもう前線に出る訳じゃないから最低限で良いし、INTとかMNDとかの魔法系のステータスは魔法を使わないから割り振らないで良いし。
 残るのは、STRとDEXだけになるんだよな。
 どっちが良いかな。
 数値的に低いSTRの方にしようかな。
 攻撃力も上げたいし。
 俺はSPをHPにNPをSTRに全部割り振った。
 よし、これで、完了だな。
 俺は、ステータスとにらめっこしていた顔を上げた。
 俺は、やりきったという顔をしながら言った。

「よし出来た!」

「にゃ?」

「なぁ!」

 戦闘の後処理も終わったし、次の戦闘に行こう。
 戦闘とは言わずとも、移動はしよう。
 探索したいし。
 そう思いながら言った。

「じゃあ、探索ついでに次の敵を探しに行こう」

「にゃ」

「なぁ」

 俺達は、索敵を重ねながら進んでいった。
 1~3層とは違って、砂に足を取られるため、若干移動のスピードは落ちたが、心配するほどではない。
 と言うか、にゃーさんのAGIが上昇したこととほとんど相殺されているため、端から見たら移動速度の差は分からないはずだ。
 俺は、移動時の雑談として言った。

「俺達って、前衛で動き回るなーさんが空を飛んでいて、後衛でどっしりと構えている俺とにゃーさんが、地面に立っているから、4層の砂に足を取られるというデメリットの影響をあまり受けないんだよな」

「なぁ」

「にゃ?」

 前衛で動き回るときに、砂に足を取られるのは、致命傷になりかねない。
 ただ、うちの場合は、なーさんがその役目を担っているため、砂の影響が限りなくす少ない。
 逆に、相手が足を取られて、有利になる可能性すらある。
 これってかなり良いことなんじゃないかな。
 砂に足を取られる可能性のある、地面組は、後衛だから、移動力がそがれたとしても何の影響もない。
 もしかして、砂漠って俺達向けのフィールドなのかもな。
 だからこんだけ楽に進んでいるのかもな。
 ただ、砂漠フィールドには悪いところもある。
 地図を見ずに歩くと、方向感覚を失う。
 どっちの方向に戻れば、3層に戻れるのか既に分からなくなっている。
 だって、どこを見ても砂。
 見分けなんてつけられないのだから。
 多分、この場で目をつぶって何回転かしたら、どこを向いていたのかすら分からなくなりそうだな。
 そんなことを考えながら言った。

「俺達にすごく向いているフィールドなのかもな」

「なぁ!」

「にゃ」

 それからも、楽しく雑談をしながら移動をした。
 もちろんその間も索敵は欠かさない。
 ただ、索敵があるからか、ある程度気を抜いて、気を張らずに進むことが出来ている。
 今のところ、索敵をくぐり抜けて近づいてくる敵みたいなものは出てきていないから、索敵に対してかなりの信頼を置いている。
 何度目かの索敵で敵が引っかかった。

「索敵」

 敵の反応は、今度は地中ではなく地上だった。
 とりあえず地中にいるみたいな変則的なタイプではないようだ。
 ただ、反応的に知っているモンスターではない。
 また新種のモンスターかな。
 新種のモンスターが盛りだくさんで楽しいな。
 4層に来てから、連続でそういうモンスターを出してくれるって、大盤振る舞いだな。
 そう思いながら、にゃーさんとなーさんに敵の情報を伝えた。

「前方右に敵がいるな。距離は100m弱。敵の数は3。反応から見て、今まで出会ったことがないモンスターだな」

「にゃー」

「なぁ!」

 にゃーさんとなーさんの顔に気配が入ったのが分かった。
 新しい敵だから緊張しているのかな、気合いが入っているのかな。
 作戦に関してはいつも通りでかまわないよな。
 他に何か作戦をもっている訳じゃないし。
 急増の作戦なんてもろいだろうからな。
 そう思いながら、いつも通りの指示を出した。

「じゃあ、いつも通り、なーさんが前で、俺とにゃーさんが後ろと言うことで」

「にゃ」

「なぁ」

 なーさんは鳴くと同時に俺の肩から飛びたった。
 砂の丘の向こうから、敵が姿を現した。
 その姿は狼だ。
 あれ?
 何で狼なんだ?
 ダンジョンウルフの反応ではなかったはずなんだけど?
 俺は困惑しながら言った。

「あれ? ダンジョンウルフか?」

「にゃ?」

 この距離から見た見た目は完全にダンジョンウルフだ。
 ダンジョンウルフと言うよりは、狼だな。
 もしかして、索敵の調子が悪くなったのかな。
 俺は首をかしげながら言った。

「見た目は完全にダンジョンウルフだな」

「にゃ」

 索敵の反応を改めてみると、やっぱり違う。
 どうやら、あのモンスターはダンジョンウルフではないようだ。
 だとすると何なんだろうな。
 俺の知らない新しい狼がたのモンスターと言うことか。
 俺はまた首をかしげながら言った。

「でも、反応は違うんだよな」

「にゃ?」

 違うモンスターなんだろうけど、見た目が明らかに、ダンジョンウルフなんだよな。
 亜種みたいなことなのかな。
 なーさんのスカイバードがダンジョンバードの亜種であるように、ダンジョンウルフの亜種なのかな?
 俺は、まだ納得がいっていないまま言った。

「それなら違うモンスターなのかな?」

「にゃ」

 まぁ、敵の正体とかどうでも良いか。
 敵の正体を知ったところで、そいつの弱点を知っている訳でもないし。
 俺は気持ちを切り替えて言った。

「とりあえず戦うか」

「にゃ」

 にゃーさんは、気合いを入れてい鳴いた。

「にゃ! にゃ!」

 にゃーさんが、鳴くと同時に、バフが入った。


 にゃーさんが、アロンに、支援魔法STRアップを発動しました。
 アロンのSTRが7上昇しました。
 にゃーさんが、なーさんに、支援魔法VITアップを発動しました。
 なーさんのVITが7上昇しました。


 いやぁ、ありがたいな。
 このバフのおかげで、STRが50に届くんだよな。
 届いたからなんだという話なんだけど。
 ありがたいよな。
 俺は心の中でにゃーさんに感謝しながら言った。

「よし、じゃあ戦闘開始!」

「にゃ」

「なぁ」

 俺は、既に構えていた弓に矢をかける。
 1度2度深呼吸をしてから、矢を放つ。
 俺が最初の攻撃をする前に、なーさんが前に出て各モンスターに一撃ずつ入れてヘイトを取っている。
 仕事が速いな。
 そう思いながら飛んで行った、矢を見た。


 120ダメージ


 120か。
 ダンジョンワームに比べてダメージの通りが悪いな。
 こっちの方がより強い敵なのかな。
 3層で言うダンジョンウルフ的な敵なのかな。
 そう思いながら、俺は次の矢を取り出した。
 次の射撃の用意をしながら、言った。

「ワームよりダメージの通りが悪いな」

「にゃ」

「その分、HP量は、ワームより少ないみたいだな」

「にゃ」

 それから、機械のように同じフォームで、最初に当てた狼に攻撃を続けた。


 113ダメージ


 121ダメージ


 116ダメージ


 俺が同じモンスターに攻撃していることを察した、なーさんが、ヘイトをきっちりと取った後は、そいつに集中して攻撃してくれるようになった。
 そのおかげもあって、ゴリゴリと1匹だけHPが削られていく。

「お、もう半分だな」

「にゃ」

「この感じなら、HPは1500と言ったところかな」

「にゃ」

 そう言いながら矢を放つ。


 113ダメージ


 どこに当たった、どのぐらいのダメージが出たと1回1回一喜一憂しなくなったな。
 それだけ戦闘経験を積めたと言うことかな。
 それとも、この戦闘が、すごく重要な戦闘だと思っていないからかな。
 そんなことを考えていると、なーさんが、敵の突進をもろに受けて吹き飛ばされてきた。
 砂漠フィールドには遮蔽物となるものがほとんどなく、どこかに当たらず俺達の元まで吹き飛んできた。
 なーさんは軽いからここまで吹き飛んできたんだろうな。
 俺はなーさんを心配しながら言った。

「なーさん大丈夫か?!」

「なぁ!」

 大丈夫と意思表示するようになーさんが鳴いた。
 大丈夫なら良かった。
 見たところ、ダメージは受けているが、どこか怪我をしているという訳ではなさそうだな。
 これなら俺の手持ちのポーションでどうにかなるだろう。

「そうか、なら、HPを回復してから前線に戻ってくれ!」

「なぁ」

 俺はなーさんにポーションを手渡した。

「はい、これ、ポーション」

「なぁ!」

「なーさんが、前線に戻るまで耐えるとするか」

「にゃ」

 俺は、1匹の敵をひたすらに狙うのではなく、こちらに向かってこようとする敵を牽制するように満遍なく攻撃をしていった。


 112ダメージ


 矢が、集中攻撃していた狼にあたり狼が倒れた。
 これで、敵の数が減った。
 これである程度圧力が減るな。
 俺は心から喜んだ。

「よし、やっと1匹倒した。残りは2匹だな」

「にゃ」


 122ダメージ


「なぁ!」

「なーさん復帰できるのか。命大事に頑張ってくれ」

「なぁ! なぁ!」

 なーさんが、ポーションを飲み終え、前線に戻っていった。
 それから、なーさんが前線を受け持ち、俺は後方から1匹に対して集中攻撃する、いつもの構図に戻った。


 112ダメージ


 129ダメージ


 139ダメージ


 なーさんのデカめの魔法と俺の弓の攻撃で、狼が1匹倒れた。
 これで残りは1匹。
 俺はガッツポーズをしながら言った。

「よし、ラスト1匹」

「にゃ」


 231ダメージ


 122ダメージ


 132ダメージ


 124ダメージ


 俺の攻撃で最後の1匹が倒れた。
 なんとか無事に倒しきることが出来た。
 ふぅ、これで一安心だな。
 なーさんが攻撃を受けて吹き飛んできたときはどうなることかと思ったけど、案外4層でもなんとかなるものだな。
 俺は達成感に包まれながら言った。

「よし、これで終了!」

「にゃ!」

「なぁー!」

 戦闘後のウィンドウが出現した。


 サンドウルフ×3を討伐しました。
 素材は、直接ストレージに入れられました。
 獲得素材:砂狼革×3
 経験値を得ました。
 矢を11本回収しました。

 スキル『1.物理冒険者の心得』がレベルアップしました。
 スキル『テイム』がレベルアップしました。

 なーさんのレベルが上昇しました。
 なーさんは、SPを10、NPを5獲得しました。
 なーさんが獲得したSPは、MPに10割り振られました。
 なーさんが獲得したNPは、INTに5割り振られました。
 なーさんのAGIが1上昇しました。
 なーさんのDEXが1上昇しました。
 なーさんのSTRが1上昇しました。
 なーさんの『体術』のレベルが上昇しました。

 にゃーさんのレベルが上昇しました。
 にゃーさんは、SPを10、NPを5獲得しました。
 にゃーさんが獲得したSPは、MPに10割り振られました。
 にゃーさんが獲得したNPは、AGIに5割り振られました。
 にゃーさんのMPが1上昇しました。
 にゃーさんのINTが1上昇しました。
 にゃーさんのAGIが1上昇しました。
 にゃーさんのVITが1上昇しました。








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