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1章 スタートダッシュ
戦闘の振り返りからオールスター
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戦闘を終え、一息ついてから、戦闘終了を知らせるウィンドウを眺めた。
また、なーさんとにゃーさんはレベルアップしたな。
前回のレベルアップがギリギリのところからのレベルアップで、今回は、前回の戦闘の経験値のほとんどと、今回の戦闘での経験値でのレベルアップなのかもしれないな。
それだとしても、2回の戦闘ぐらいで、レベルアップする、4層の経験値がすごいな。
それだけ敵のレベルが違うと言うことだよな。
今までは、1時間とか2時間とか森にこもって戦闘し続けて、レベルが1つ上がるみたいな感じだったのに、急に感覚が変わったな。
まぁ、もう、要求経験値が高くなって、次からはいつもの感覚に戻るのかもしれないけどな。
経験値効率のことなど様々な事を考えながら言った。
「またレベルアップしたんだな。そのペースでレベルアップしていったら、すぐにレベルが追いつかれそうだな」
「にゃ?」
「なぁ?」
レベル差をつめられているな。
なーさんは、後1つ、なーさんは、後2つで追いつかれるのか。
モンスターの方がレベルアップしやすいとかあるのかな。
人によって要求経験値が違うとかありそうだな。
まぁ、でも、2人が強くなってくれるのは、ありがたい限りだよな。
2人が強くなってくれればその分だけパーティーの戦闘が安定するんだから。
俺は心の底から、喜んで言った。
「頼もしい限りだな!」
「にゃ!」
「なぁ!」
ステータスの方も見ておくか。
リザルトのウィンドウでは、どれだけ成長したかは分かっても、成長した結果どうなったかは書かれていないからな。
なーさんは、前回今回と、INTとMPが強化されているから、少しだけ、魔法よりになったな。
このまま魔法の方に寄せていくのかな。
それとも、次は、物理の方を重点的に強化して、また綺麗な両刀系に戻るのかな。
どう成長するのか楽しみだな。
まぁ、今の段階だと、魔法メインで頑張ってもらって、高いAGIを生かして、動き回ってもらうみたいな戦法が良いんじゃないかな。
高いと言っても30ぐらいなんだけどな。
それでも、空を飛んでいるというアドバンテージを生かして頑張ってほしいな。
そう思いながら、なーさんに声をかけた。
「なーさんは、どっちかというと、少し魔法寄りの両刀に切り替わってきたな」
「なぁー」
なーさんはうれしそうに鳴いた。
続いて、にゃーさんの方を見た。
前回今回と、にゃーさんはレベルアップで、AGIを伸ばしている。
これは、俺達に移動速度を合わせるために強化しているのかな。
それはかなりありがたいな。
にゃーさんのAGIだけが低い状態だと、俺となーさんのAGIが無駄になってしまうからな。
そこを伸ばしてくれるのは、パーティーとしては大変ありがたいな。
その代わり、他をあまり伸ばせていないから、戦闘面での活躍に関しては、それほど変わらないかもな。
まぁ、今でも十分活躍してくれているから良いんだけどな。
そう思いながら今度は、にゃーさんに向かって言った。
「にゃーさんは、AGIの強化が顕著だな」
「にゃ」
「移動速度って大切だもんな」
「にゃ!」
にゃーさんの今後のプランはどうだろう。
何がいいかな。
AGIがある程度までいったら、次はやっぱりINTになるのかな。
にゃーさんには、STRもVITも必要ないからな。
一番重要な、INTか、魔法を使いやすくするためのDEX、もしくは、魔法関係のステータスであるMNDとかを強化していくことになるんだろうな。
まぁ、でもメインはINTだろうな。
それは揺るがないだろう。
俺は2度3度頷いた後に言った。
「次のレベルぐらいから、INTとかの戦闘の時用の能力が上がってくるかもな」
「にゃー」
2人の強化の確認はこれぐらいで良いかな。
いやぁ、レベルが2つ変わるだけで、ガラッと雰囲気が変わるな。
なーさんは、魔法よりになったし、にゃーさんは、鈍足感が消えてきている。
レベルって大切なんだな。
まぁ、大切だよな。
よし、じゃあ次のことに移ろうかな。
次は何をしようかな。
狩りに行こうかな?
いや、その前に、さっきの戦闘の振り返りをしておこう。
ワームの後もきちんとやっておきたかったなと思ったし、後悔しないように、今のうちにやっておこう。
そう思いながら言った。
「さっきの戦闘はどうだった?」
「にゃ?」
「なぁ?」
まぁ、振り返りと言っても、人の言葉を話すのは俺1人だから、俺1人での振り返りがメインになるんだけどな。
少しは、2人に話を振るだろうけど、ほとんどは、声に出して振り返りを1人でしている人になるんだろうな。
そう思いながら語り出した。
「敵はサンドウルフってモンスターだったらしいけど、戦ってみてどうだった? 何か気になったところとかあったか?」
「なぁ! なぁー」
なーさんがジェスチャーをつけながら鳴いた。
あまり言い反応がないと思っていたから、驚いたな。
なーさんが、予想以上の反応をくれた。
これで、1人語りはなくなった。
ありがたや、ありがたや。
えっと、このジェスチャーと、鳴き声から、考察するに、ダンジョンウルフと比べて、サンドウルフは強敵だったと言うことかな。
そう思い、なーさんに聞いた。
「ダンジョンウルフに比べて強かったってことか?」
「なぁ!」
そういうことらしい。
確かに、サンドウルフは、ダンジョンウルフ以上に強敵だったな。
正直、3層で登場して、4層で亜種が出現するって、登場頻度が高くないか? と思った。
もしかして、運営は、ウルフ系を推しているのかな。
運営からのプッシュと言うことなのかな。
まぁ、多分たまたまなんだろうけど。
なーさんが思った以上に話に乗ってきてくれているので、もう1つ質問した。
「何か弱点とかありそうだったか?」
「なぁ?」
なーさんは、分からないと言いたげに鳴いた。
まぁ、そうだよな。
最初の戦闘から、弱点が分かったら、都合がよすぎるもんな。
こういうのは、やっていくうちに自然と分かるものだよな。
1~3層は、弱点を探ろうという発想にもならなかったな。
それくらい1~3層とレベルが違うと言うことかな。
弱点が知りたくなるぐらい、4層の敵は強いからな。
俺は、まぁ、そうだよなと言うテンションで言った。
「さすがに1回の戦闘だと、そこまで分からないか」
「なぁ……」
なーさんも、少しだけ落ち込んだような声で鳴いた。
しめっぽい雰囲気になりだしたから、すぐに話題を変えた方が良いな。
そう思い、急いで話題を変えた。
「じゃあ、攻撃をされたときはどうだった?」
「なぁー! なぁ」
今度のジェスチャーは、一度目が軽く飛ばされるような動き、二度目が、思いっきり飛ばされるような動き。
これはあれか、どのぐらい飛ばされたかって話か。
ダンジョンウルフがこれぐらいだとしたら、サンドウルフはこれぐらいだったと言うことか。
意味が分かるとすごくわかりやすいな。
俺は、うんうんと頷いた後に言った。
「ダンジョンウルフよりも力が強かったのか。確かに、ダンジョンウルフに攻撃されたときより吹っ飛んでいたよな」
「なぁ」
そういえば、なーさんが攻撃されて吹き飛ばされたとき、HPの7割方が持って行かれていたな。
かなりやばい状況だったと言うことか。
今の装備で7割持って行かれると言うことは、装備がなかったから、1撃でKOだったのかもしれないな。
もしかして、装備にお金をかけたのは成功だったと言うことかな。
高い元気玉を買わずに、装備に金をかけてよかったと言うことかな。
俺は期待を込めてなーさんに聞いた。
「装備更新をしていなかったらやばかった感じか?」
「なぁ!」
そうか。
俺達の判断は間違っていなかったんだな。
なんか少しホッとしたというか、安心したな。
些細なことだけど、ちょっとだけ報われたような気がしたな。
俺はしみじみと言った。
「先に装備を充実させるという、俺達の判断は間違っていなかったようだな」
「なぁー」
「今の状態で、3匹と対峙できたし、2人もレベルアップした。この状態なら、まぁ、次、サンドウルフと出会ってもなんとかなりそうだな」
「なぁ」
「にゃ!」
戦闘の感想もこれぐらいで良いかな。
これ以上何か話すこともないだろうし。
そう思い、感想を切り上げた。
「じゃあ、戦闘の振り返りはこれぐらいにして、狩りに行こう! じゃんじゃん行こう!」
「にゃ!」
「なぁ!」
俺達は、再び移動をし出した。
正直、自分が今どちらの方向に行っているのかも分からない。
なんとなく、太陽のある方へと向かっている。
そうやって歩いていると、定期的にしている索敵に、大物が引っかかった。
「索敵」
俺は、敵を2人に伝えた。
「今度は、いつものメンバーがいるっぽいぞ。あの反応は、ダンジョンウルフと、ダンジョンディア、後は、ダンジョンボアもいるな。1~3層に出てきモンスターで、ダンジョンラビット以外全部いるな」
「なぁ」
「にゃ!」
2人はかなり驚いているようだ。
まぁ、そうだよな。
オールスターみたいなメンバーだもんな。
ダンジョンラビットと、ダンジョンワームはいないけど、それ以外のモンスターは全部いるんだもんな。
あ、サンドウルフのことを2人に伝え忘れていた。
「あ、サンドウルフがそれを率いているみたいだな」
「なぁ!」
「にゃ」
2人は、さっきよりも驚いている。
2人にとって、サンドウルフは強敵認定されたのかな。
俺は2人の反応を見ている間に、正確な数を数えていた。
数えおわったので、2人に正確な数を伝える。
「サンドウルフが3、ダンジョンウルフが5、ダンジョンディアが10、ダンジョンボアが12の合計30匹の群れだな」
「なぁ! なぁ!」
「にゃ?!」
その声はもはや困惑に近いものがあった。
少なくとも、今までで最大規模の群れだな。
歩き方のクエストみたいに、代わる代わるで、何十匹みたいなものはあったけど、一気に30は経験したことがないな。
それに、どれも、4層に合わせて多少の強化もされてきているはず。
これはかなり苦戦しそうな気配があるな。
俺は、少し焦りながらも情報を伝える。
「かなりデカい群れだな。距離の方は、まだ200m近くある。前方の砂丘の奥にいるみたいだぞ」
「なぁ」
「にゃ」
俺はぼそっとつぶやいた。
「どうやって戦おう?」
「にゃ?」
「なぁ!」
弱い方から叩いた方が、安全なのか。
それとも、強い方から叩いた方が安全なのか。
正直、サンドウルフさえいなければ、ものの数ではないんだけどな。
どっちがいいんだろう。
サンドウルフを最初に倒すか最後に倒すか。
最初に倒した場合は、最初が山場になるんだろうな。
最後に倒す場合は、徐々に敵が強くなって、その強さに慣れた頃に戦闘が終わるみたいな形になるんだろうな。
どっちも良さそうだな。
決められない。
「数に警戒して、まず弱い方から倒していくのか、それとも、上から潰していくのか。どっちが良いかな?」
「にゃ?」
「なぁ」
迷っている暇はないな。
敵は少しずつ確実に近づいてきている。
よし、直感で決めてしまおう。
俺は思いきって言った。
「今回は、弱い方から潰していくか」
「にゃ」
「なぁ!」
作戦が決まったので、俺は2人に具体的な指示をパパッと出していく。
「じゃあ、なーさんは、最初の方は、壁を出したりとか、範囲攻撃したりとかで、敵を受け止めることに集中してくれ。残りが10匹とかになったら、本格的に攻撃してくれ」
「なぁ!」
「にゃーさんは、今までよりも気合いを入れて、バフをくれ」
「にゃ!」
俺は、最後に戦闘開始の宣言をした。
「じゃあ、戦闘開始!」
にゃーさんは、気合いを入れてい鳴いた。
「にゃ! にゃ!」
にゃーさんが、鳴くと同時に、バフが入った。
にゃーさんが、にゃーさんに、支援魔法INTアップを発動しました。
にゃーさんのINTが8上昇しました。
にゃーさんが、アロンに、支援魔法STRアップを発動しました。
アロンのSTRが10上昇しました。
にゃーさんが、なーさんに、支援魔法AGIアップを発動しました。
なーさんのAGIが10上昇しました。
にゃーさんが、アロンに、支援魔法DEXサブアップを発動しました。
アロンのDEXが5上昇しました。
にゃーさんが、なーさんに、支援魔法INTサブアップを発動しました。
なーさんのINTが5上昇しました。
何というか、バフの量がすごいことになったな。
今までは、7だったのに、一気に合計で15と倍以上になったな。
これは何でなんだ?
レベルアップで新しい真穂でも覚えたのかな。
それともピンチだから気合いを入れたのかな。
どちらにしてもうれしい誤算だな。
「レベルが上がって、新しい支援魔法を獲得したのか?」
「にゃ!」
にゃーさんって、自分にバフをかけることが出来たんだな。
知らなかったな。
バフというものをよく理解していないな。
後でにゃーさんに教えてもらおう。
教えてもらえたらだけど。
「これはありがたいな」
「なぁ」
「よし、じゃあ気合いを入れていくぞ!」
「にゃ!」
「なぁ!」
なーさんが、広く砂の壁を作り上げた。
これで、敵がこちらに来るのを制限しようとしているのかな。
ナイス判断だ。
俺は、弓を構えて、敵が見えるのを待ち構える。
砂丘の影から、敵が現れた。
よし、開戦だ。
俺は、戦闘のモンスターに矢を放った。
俺が放った矢は、先頭にいたダンジョンボアに当たった。
201ダメージ
なーさんのバフが入ってこのダメージか。
4層になって、ダンジョンボアも強化されているみたいだな。
これは少し苦戦しそうだな。
俺は、攻撃している間に、完全に砂丘の上に布陣した群れを見る。
どうやら、弱いモンスターから順に並んでいるらしい。
これは、かなりありがたいな。
そう思いながら、次の矢を放った。
239ダメージ
ダンジョンボアが、2発で倒しきれなかった。
これは想定外だな。
3層までのダンジョンボアは確定2発だったから、少し驚いている。
まぁ、残ったHPもたいしたことがないので、次の攻撃で倒しきれるだろうと思っていると、なーさんが、魔法で倒しきってくれた。
ナイスなーさん。
これで敵は、後29匹。
まだまだいるなぁ。
また、なーさんとにゃーさんはレベルアップしたな。
前回のレベルアップがギリギリのところからのレベルアップで、今回は、前回の戦闘の経験値のほとんどと、今回の戦闘での経験値でのレベルアップなのかもしれないな。
それだとしても、2回の戦闘ぐらいで、レベルアップする、4層の経験値がすごいな。
それだけ敵のレベルが違うと言うことだよな。
今までは、1時間とか2時間とか森にこもって戦闘し続けて、レベルが1つ上がるみたいな感じだったのに、急に感覚が変わったな。
まぁ、もう、要求経験値が高くなって、次からはいつもの感覚に戻るのかもしれないけどな。
経験値効率のことなど様々な事を考えながら言った。
「またレベルアップしたんだな。そのペースでレベルアップしていったら、すぐにレベルが追いつかれそうだな」
「にゃ?」
「なぁ?」
レベル差をつめられているな。
なーさんは、後1つ、なーさんは、後2つで追いつかれるのか。
モンスターの方がレベルアップしやすいとかあるのかな。
人によって要求経験値が違うとかありそうだな。
まぁ、でも、2人が強くなってくれるのは、ありがたい限りだよな。
2人が強くなってくれればその分だけパーティーの戦闘が安定するんだから。
俺は心の底から、喜んで言った。
「頼もしい限りだな!」
「にゃ!」
「なぁ!」
ステータスの方も見ておくか。
リザルトのウィンドウでは、どれだけ成長したかは分かっても、成長した結果どうなったかは書かれていないからな。
なーさんは、前回今回と、INTとMPが強化されているから、少しだけ、魔法よりになったな。
このまま魔法の方に寄せていくのかな。
それとも、次は、物理の方を重点的に強化して、また綺麗な両刀系に戻るのかな。
どう成長するのか楽しみだな。
まぁ、今の段階だと、魔法メインで頑張ってもらって、高いAGIを生かして、動き回ってもらうみたいな戦法が良いんじゃないかな。
高いと言っても30ぐらいなんだけどな。
それでも、空を飛んでいるというアドバンテージを生かして頑張ってほしいな。
そう思いながら、なーさんに声をかけた。
「なーさんは、どっちかというと、少し魔法寄りの両刀に切り替わってきたな」
「なぁー」
なーさんはうれしそうに鳴いた。
続いて、にゃーさんの方を見た。
前回今回と、にゃーさんはレベルアップで、AGIを伸ばしている。
これは、俺達に移動速度を合わせるために強化しているのかな。
それはかなりありがたいな。
にゃーさんのAGIだけが低い状態だと、俺となーさんのAGIが無駄になってしまうからな。
そこを伸ばしてくれるのは、パーティーとしては大変ありがたいな。
その代わり、他をあまり伸ばせていないから、戦闘面での活躍に関しては、それほど変わらないかもな。
まぁ、今でも十分活躍してくれているから良いんだけどな。
そう思いながら今度は、にゃーさんに向かって言った。
「にゃーさんは、AGIの強化が顕著だな」
「にゃ」
「移動速度って大切だもんな」
「にゃ!」
にゃーさんの今後のプランはどうだろう。
何がいいかな。
AGIがある程度までいったら、次はやっぱりINTになるのかな。
にゃーさんには、STRもVITも必要ないからな。
一番重要な、INTか、魔法を使いやすくするためのDEX、もしくは、魔法関係のステータスであるMNDとかを強化していくことになるんだろうな。
まぁ、でもメインはINTだろうな。
それは揺るがないだろう。
俺は2度3度頷いた後に言った。
「次のレベルぐらいから、INTとかの戦闘の時用の能力が上がってくるかもな」
「にゃー」
2人の強化の確認はこれぐらいで良いかな。
いやぁ、レベルが2つ変わるだけで、ガラッと雰囲気が変わるな。
なーさんは、魔法よりになったし、にゃーさんは、鈍足感が消えてきている。
レベルって大切なんだな。
まぁ、大切だよな。
よし、じゃあ次のことに移ろうかな。
次は何をしようかな。
狩りに行こうかな?
いや、その前に、さっきの戦闘の振り返りをしておこう。
ワームの後もきちんとやっておきたかったなと思ったし、後悔しないように、今のうちにやっておこう。
そう思いながら言った。
「さっきの戦闘はどうだった?」
「にゃ?」
「なぁ?」
まぁ、振り返りと言っても、人の言葉を話すのは俺1人だから、俺1人での振り返りがメインになるんだけどな。
少しは、2人に話を振るだろうけど、ほとんどは、声に出して振り返りを1人でしている人になるんだろうな。
そう思いながら語り出した。
「敵はサンドウルフってモンスターだったらしいけど、戦ってみてどうだった? 何か気になったところとかあったか?」
「なぁ! なぁー」
なーさんがジェスチャーをつけながら鳴いた。
あまり言い反応がないと思っていたから、驚いたな。
なーさんが、予想以上の反応をくれた。
これで、1人語りはなくなった。
ありがたや、ありがたや。
えっと、このジェスチャーと、鳴き声から、考察するに、ダンジョンウルフと比べて、サンドウルフは強敵だったと言うことかな。
そう思い、なーさんに聞いた。
「ダンジョンウルフに比べて強かったってことか?」
「なぁ!」
そういうことらしい。
確かに、サンドウルフは、ダンジョンウルフ以上に強敵だったな。
正直、3層で登場して、4層で亜種が出現するって、登場頻度が高くないか? と思った。
もしかして、運営は、ウルフ系を推しているのかな。
運営からのプッシュと言うことなのかな。
まぁ、多分たまたまなんだろうけど。
なーさんが思った以上に話に乗ってきてくれているので、もう1つ質問した。
「何か弱点とかありそうだったか?」
「なぁ?」
なーさんは、分からないと言いたげに鳴いた。
まぁ、そうだよな。
最初の戦闘から、弱点が分かったら、都合がよすぎるもんな。
こういうのは、やっていくうちに自然と分かるものだよな。
1~3層は、弱点を探ろうという発想にもならなかったな。
それくらい1~3層とレベルが違うと言うことかな。
弱点が知りたくなるぐらい、4層の敵は強いからな。
俺は、まぁ、そうだよなと言うテンションで言った。
「さすがに1回の戦闘だと、そこまで分からないか」
「なぁ……」
なーさんも、少しだけ落ち込んだような声で鳴いた。
しめっぽい雰囲気になりだしたから、すぐに話題を変えた方が良いな。
そう思い、急いで話題を変えた。
「じゃあ、攻撃をされたときはどうだった?」
「なぁー! なぁ」
今度のジェスチャーは、一度目が軽く飛ばされるような動き、二度目が、思いっきり飛ばされるような動き。
これはあれか、どのぐらい飛ばされたかって話か。
ダンジョンウルフがこれぐらいだとしたら、サンドウルフはこれぐらいだったと言うことか。
意味が分かるとすごくわかりやすいな。
俺は、うんうんと頷いた後に言った。
「ダンジョンウルフよりも力が強かったのか。確かに、ダンジョンウルフに攻撃されたときより吹っ飛んでいたよな」
「なぁ」
そういえば、なーさんが攻撃されて吹き飛ばされたとき、HPの7割方が持って行かれていたな。
かなりやばい状況だったと言うことか。
今の装備で7割持って行かれると言うことは、装備がなかったから、1撃でKOだったのかもしれないな。
もしかして、装備にお金をかけたのは成功だったと言うことかな。
高い元気玉を買わずに、装備に金をかけてよかったと言うことかな。
俺は期待を込めてなーさんに聞いた。
「装備更新をしていなかったらやばかった感じか?」
「なぁ!」
そうか。
俺達の判断は間違っていなかったんだな。
なんか少しホッとしたというか、安心したな。
些細なことだけど、ちょっとだけ報われたような気がしたな。
俺はしみじみと言った。
「先に装備を充実させるという、俺達の判断は間違っていなかったようだな」
「なぁー」
「今の状態で、3匹と対峙できたし、2人もレベルアップした。この状態なら、まぁ、次、サンドウルフと出会ってもなんとかなりそうだな」
「なぁ」
「にゃ!」
戦闘の感想もこれぐらいで良いかな。
これ以上何か話すこともないだろうし。
そう思い、感想を切り上げた。
「じゃあ、戦闘の振り返りはこれぐらいにして、狩りに行こう! じゃんじゃん行こう!」
「にゃ!」
「なぁ!」
俺達は、再び移動をし出した。
正直、自分が今どちらの方向に行っているのかも分からない。
なんとなく、太陽のある方へと向かっている。
そうやって歩いていると、定期的にしている索敵に、大物が引っかかった。
「索敵」
俺は、敵を2人に伝えた。
「今度は、いつものメンバーがいるっぽいぞ。あの反応は、ダンジョンウルフと、ダンジョンディア、後は、ダンジョンボアもいるな。1~3層に出てきモンスターで、ダンジョンラビット以外全部いるな」
「なぁ」
「にゃ!」
2人はかなり驚いているようだ。
まぁ、そうだよな。
オールスターみたいなメンバーだもんな。
ダンジョンラビットと、ダンジョンワームはいないけど、それ以外のモンスターは全部いるんだもんな。
あ、サンドウルフのことを2人に伝え忘れていた。
「あ、サンドウルフがそれを率いているみたいだな」
「なぁ!」
「にゃ」
2人は、さっきよりも驚いている。
2人にとって、サンドウルフは強敵認定されたのかな。
俺は2人の反応を見ている間に、正確な数を数えていた。
数えおわったので、2人に正確な数を伝える。
「サンドウルフが3、ダンジョンウルフが5、ダンジョンディアが10、ダンジョンボアが12の合計30匹の群れだな」
「なぁ! なぁ!」
「にゃ?!」
その声はもはや困惑に近いものがあった。
少なくとも、今までで最大規模の群れだな。
歩き方のクエストみたいに、代わる代わるで、何十匹みたいなものはあったけど、一気に30は経験したことがないな。
それに、どれも、4層に合わせて多少の強化もされてきているはず。
これはかなり苦戦しそうな気配があるな。
俺は、少し焦りながらも情報を伝える。
「かなりデカい群れだな。距離の方は、まだ200m近くある。前方の砂丘の奥にいるみたいだぞ」
「なぁ」
「にゃ」
俺はぼそっとつぶやいた。
「どうやって戦おう?」
「にゃ?」
「なぁ!」
弱い方から叩いた方が、安全なのか。
それとも、強い方から叩いた方が安全なのか。
正直、サンドウルフさえいなければ、ものの数ではないんだけどな。
どっちがいいんだろう。
サンドウルフを最初に倒すか最後に倒すか。
最初に倒した場合は、最初が山場になるんだろうな。
最後に倒す場合は、徐々に敵が強くなって、その強さに慣れた頃に戦闘が終わるみたいな形になるんだろうな。
どっちも良さそうだな。
決められない。
「数に警戒して、まず弱い方から倒していくのか、それとも、上から潰していくのか。どっちが良いかな?」
「にゃ?」
「なぁ」
迷っている暇はないな。
敵は少しずつ確実に近づいてきている。
よし、直感で決めてしまおう。
俺は思いきって言った。
「今回は、弱い方から潰していくか」
「にゃ」
「なぁ!」
作戦が決まったので、俺は2人に具体的な指示をパパッと出していく。
「じゃあ、なーさんは、最初の方は、壁を出したりとか、範囲攻撃したりとかで、敵を受け止めることに集中してくれ。残りが10匹とかになったら、本格的に攻撃してくれ」
「なぁ!」
「にゃーさんは、今までよりも気合いを入れて、バフをくれ」
「にゃ!」
俺は、最後に戦闘開始の宣言をした。
「じゃあ、戦闘開始!」
にゃーさんは、気合いを入れてい鳴いた。
「にゃ! にゃ!」
にゃーさんが、鳴くと同時に、バフが入った。
にゃーさんが、にゃーさんに、支援魔法INTアップを発動しました。
にゃーさんのINTが8上昇しました。
にゃーさんが、アロンに、支援魔法STRアップを発動しました。
アロンのSTRが10上昇しました。
にゃーさんが、なーさんに、支援魔法AGIアップを発動しました。
なーさんのAGIが10上昇しました。
にゃーさんが、アロンに、支援魔法DEXサブアップを発動しました。
アロンのDEXが5上昇しました。
にゃーさんが、なーさんに、支援魔法INTサブアップを発動しました。
なーさんのINTが5上昇しました。
何というか、バフの量がすごいことになったな。
今までは、7だったのに、一気に合計で15と倍以上になったな。
これは何でなんだ?
レベルアップで新しい真穂でも覚えたのかな。
それともピンチだから気合いを入れたのかな。
どちらにしてもうれしい誤算だな。
「レベルが上がって、新しい支援魔法を獲得したのか?」
「にゃ!」
にゃーさんって、自分にバフをかけることが出来たんだな。
知らなかったな。
バフというものをよく理解していないな。
後でにゃーさんに教えてもらおう。
教えてもらえたらだけど。
「これはありがたいな」
「なぁ」
「よし、じゃあ気合いを入れていくぞ!」
「にゃ!」
「なぁ!」
なーさんが、広く砂の壁を作り上げた。
これで、敵がこちらに来るのを制限しようとしているのかな。
ナイス判断だ。
俺は、弓を構えて、敵が見えるのを待ち構える。
砂丘の影から、敵が現れた。
よし、開戦だ。
俺は、戦闘のモンスターに矢を放った。
俺が放った矢は、先頭にいたダンジョンボアに当たった。
201ダメージ
なーさんのバフが入ってこのダメージか。
4層になって、ダンジョンボアも強化されているみたいだな。
これは少し苦戦しそうだな。
俺は、攻撃している間に、完全に砂丘の上に布陣した群れを見る。
どうやら、弱いモンスターから順に並んでいるらしい。
これは、かなりありがたいな。
そう思いながら、次の矢を放った。
239ダメージ
ダンジョンボアが、2発で倒しきれなかった。
これは想定外だな。
3層までのダンジョンボアは確定2発だったから、少し驚いている。
まぁ、残ったHPもたいしたことがないので、次の攻撃で倒しきれるだろうと思っていると、なーさんが、魔法で倒しきってくれた。
ナイスなーさん。
これで敵は、後29匹。
まだまだいるなぁ。
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妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
俺の職業は【トラップ・マスター】。ダンジョンを経験値工場に作り変えたら、俺一人のせいでサーバー全体のレベルがインフレした件
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現実世界でシステムエンジニアとして働く神代蓮。彼が効率を求めVRMMORPG「エリュシオン・オンライン」で選んだのは、誰にも見向きもされない不遇職【トラップ・マスター】だった。
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結果、彼のレベルと資産は異常な速度で膨れ上がり、サーバーの経済とランキングをたった一人で崩壊させた。この事態を危険視した最強ギルドは、彼のダンジョンに狙いを定める。これは、知恵と工夫で世界の常識を覆す、一人の男の伝説の始まり。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
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オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
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である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
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