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軌跡④
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「どうして三者面談がお父さんなの~~?お母さんは!!??」
「仕方がないだろう?母さん、今日学校で問題があったみたいなんだからさ。その点、俺は暇してた。」
「も~~~~!!最悪っ!!」
あの出来事から16年後。
俺は相変わらず教鞭をとっていたが、プライベートでは大きな変化が起こった。
藤原の元担任の、尊敬すべき先輩教員の紹介で出会った、同じく中学校の教員をしていた女性と、1年の交際の後、結婚し、翌年、可愛い女の子を授かった。
「お父さん……。」
「ん?何だ?」
その可愛い娘も、14年という年月が過ぎれば、まるで一人で生きていけるかのような生意気な口をきくようになる。
「先生に、変なこと言わないでよね。」
「お前が真面目に学校生活を送っているんなら、俺が変なこと言うわけないだろうが。」
「真面目に送っているわよ!!お父さんみたいに適当に生きているわけじゃないんだから!!バカなこと言わないで!!」
「……………。」
もはやベテランと言われる年齢に達するほど、教鞭をとってきた俺。
様々な生徒と出会い、別れてきた。
そんな俺が、娘に『適当に生きている』などと断言されて黙っていられるわけがない。
「そりゃ、俺は別に真面目一辺倒じゃないけれど。ふざけて生きているわけじゃないぞ?」
「お母さんと比べたらどう?」
白い目で俺を見てくる娘に、比較対象者を具体的に出されてしまう。
「…………。そりゃ、母さんに比べたら、ちょっとヤンチャなところがあるとは思うが…。」
「この前だって、テレビゲームのしすぎで夜更かしして!!翌日お母さんに怒られながら起こされていたのは誰ですか!!??」
「…………。」
口調が配偶者と同じものになっている娘に、言い返す言葉が浮かばない。
「とにかく!!先生は私の憧れの人なの!!だから、絶対に失礼なことをしないでね!!」
俺を黙らせることに成功すると、娘は怒ったような表情を浮かべながらそっぽを向く。しかし、ちらりと見えた耳がとても赤い。
―――はっはぁ……。なるほどなぁ~~~~……―――
そういう想いを、若い頃の俺も女生徒から受け取ったことがある。
青春味の甘酸っぱいその感情を、個人としては嬉しく思いながらも、教師としては頭を抱えたものだ。
「おい。」
「何よ?」
「アピールもほどほどにしてやれよ?相手は一応、この仕事でメシ食っているんだからさ。」
「~~~~~っ!!??はぁ~~~~!!??何言ってんの、バカじゃない!!??」
そう言うと、毛が逆立つほどに動揺した娘は、慌てて駆けだして行く。
「お、おい。どこに行くんだ?」
「うるさいわね、トイレよ、トイレ~~~~!!」
全身を真っ赤にさせた娘に声をかけると、女子生徒とは思えない大声でそんなことを叫ばれてしまった。
うん、その辺のところを恥ずかしがらないところは、父さんに似ていると思うぞ、お前。
「ふぅ……。」
娘が視界からいなくなると、俺は軽く溜息をつきながら、窓から見えるグラウンドを何気なく眺める。
今日は部活動は休みのはずだが、自主練習なのか、走り込んでいる生徒が数名いる。そういえば、野球部だかサッカー部だかが強い学校だったのではなかったか?
妙に熱くて真面目なその姿を見ていると、思わず頬が緩んでくる。
自分が通う学校と違う風景を見ると、なんとなく新鮮な気持ちになる。
建物の構造上は似たようなものなのだろうが、なぜか「校風」というものが、通う生徒たちにも、校舎自身にも滲みついているように感じるのだ。
―――娘が通うこの学校の空気は、どこか穏やかだ―――
「うん。いい学校だな。」
頷き、そう言った後…少しだけ不安になる。
「………。…多分。」
俺はあまり自分の『目』に見えるものを信じきることができない。
それは、あの優等生と見せかけて、夜中に一人で山登りをするような不良少年と一夜を過ごしてから、余計にひどくなった。
そのおかげで、俺が見ようとする世界は広がったような気がしてはいるのだが。
「先生、ありがとうございました。」
「はい。では、気をつけて帰ってくださいね。」
「は~~い、先生、さよ~なら~~。」
「はい、さようなら。」
「もうっ!ちゃんとあいさつしなさい!!…すみません、先生。では、失礼いたします。」
「はい。失礼いたします。」
ぼんやりとグランドを見ていた俺の耳に、ガラガラと教室の扉が開く音と共に、俺達の前に面談していたらしい親子と若い男の声が聞こえる。
娘の甘酸っぱい青春のお相手の登場だ。
あいにくというか、ちょうどいいというのか。今、娘は不在。
どんな教師か見てやるのも一興かと、俺はグラウンドに向けていた視線を、出てきた親子と教師に向けた。
彼は、連れだって歩く親子を見送った後、ゆっくりと視線を俺に向けてきた。
「増田さんの、親御さんですね?」
「……はい。」
穏やかな笑顔。落ちついた物腰。
眼鏡をかけた風貌は、一言でいえば『地味』。
俺の娘の趣味は、遊び相手としては不足だが、結婚相手としては充分な男ということになるのだろうか?
というより、俺と真逆っぽい教師像じゃないか。
「増田さん…娘さんは、どうされましたか?」
「あぁ。ちょっとトイレに。」
「そうですか。よろしければ、先に中に入られては?」
「いや……。外で待ちます。」
「そうですか。」
俺と真逆の教師像。
そう見える男…だが。
俺は、自分の『目』を信用していない。
「え~~~っと。」
「はい?」
「……藤原先生。」
「はい。」
そういう名字の教師だということは、娘や妻の話から聞いていた。
これまでにも、『藤原先生』という名を持つ教師と会ったことはある。
夏休みに受ける研修には、必ず2~3人はいたんじゃないかと思うほど、ありふれた教師の名字だと、俺は認識している。
「久しぶり、と言って、いいんですかね?」
「お久しぶりです。増田先生。」
ペコリ、と俺に頭を下げるその仕草は、あの頃と何一つ変わらない。
「……お前、教師になっていたのかよ……。」
「はぁ~~~~~…」と溜息をつきながら脱力をしていく。
あの夏の夜の問題児は、今度は俺の娘の担任教師として、俺の前に再び現れたのだ。
「知らなかった……。」
「僕は知っていました。」
「は?何が?」
「増田さんが先生の娘さんだということ。」
昔よりどこか饒舌になった口で、嫌味なく笑ってみせる、無害に見える地味男に、俺は頭を抱えたくなった。
「なんで?」
「娘さんや先生の奥様から伺うお話に出てくる『お父さん』は、僕の中の増田先生そのままでしたから。」
「…だったらなんで黙っていたんだよ……。」
「先生は昔から、お忙しい方でしたから。お会いできるか分からなかったですし。」
「いやいや、俺だって暇している時くらいはあるよ!!変に気を使ってくれるな!!」
「あはは、そういうことを言うから、皆甘えてしまうんですよ?変わっていないですね。」
変わっていないと言えば、藤原もそうだ。
手のかからない、『優等生』。
この様子から察するに、今の仕事でもそつなく優秀にこなしているに違いない。
だが、こいつが『優等生』じゃないことを知っている俺としては。
あんな、中途半端な状態で別れた『生徒』と、会いたいと。
そう、思っていたのだ。
再び会えたその時に、胸を張って『教師』だと名乗れるように、この16年を、俺なりに一生懸命に生きてきたのだ。
おかげで前より少しだけ生徒と向き合えるようになった気がしているし。
家庭を持つことで、大人としての責任を感じるようになったような気がするし。
自分の子どもができたことで、命を育む大切さをちゃんと知ることができた気がしている。
―――もちろん、どれにしても『真意』に辿り着いているわけではないが…―――
「それに…」
「それに?」
辿りつけないなりに努力をして。
どこかで会えることを、願っていた。
あの夏の夜の山の上で、俺の心の中にあった、俺を責める『俺』に気付かせてくれた男に。
生徒でありながら、教師の俺に、青臭くてでも、何よりも大切であっただろう感情を思い出させてくれた『先生』に。
会いたいと、思っていたのだ……。
「僕、まだ辿り着けていないんです。」
「何に?」
「『教師』が、一体何なのか……。」
「は?」
「だって、あの日。先生、おっしゃっていたでしょう?『教師って、何なんだろうな』って。」
―――『教師』って、何なんだろうな…―――
「……そうだったっけ?」
「えぇ。」
言ったような、言わなかったような…心もとない記憶の中で、俺の声でそう呟く声が聞こえたような気がした。
「だから、僕もあの日、教師になろうと思ったんです。先生が見ようとしていたものを、僕も見たいと思ったから。」
「………………。」
――――『教師』って、何なんだろうな…―――
震える声で。自信なさげに呟く声が、鮮明に記憶に蘇る。
情けないその声は、確かに俺が言った言葉で。
「でも、難しいですね……。大学で勉強もしましたが、実際に現場に立つと全然違うし。」
「藤原。」
「はい?何ですか、先生。」
あの日と同じ、大人しそうな外見の男。
その男の中に眠る火を、灯したモノがもし、俺の一言なのだとしたら。
「ごめん、俺は分かった気がする。」
「え?」
それが『真実』であるとは思わない。
答えは無数にあって。
今やっと見つけた『答え』も、いつか否定されるのかもしれない。
だが、俺は目の前で不思議そうに立つ男を見て、確かに『答え』を見たのだ。
「俺が教師になった理由。」
俺の後を追い、教鞭をとる次世代。
俺と同じように、その真髄を追うその姿。
―――それが、俺が教師になった理由だ…―――
俺の『答え』は不思議そうに俺を見つめていた。その瞳をしっかりととらえたまま、俺は会心の笑みを浮かべた。
(軌跡 完)
「仕方がないだろう?母さん、今日学校で問題があったみたいなんだからさ。その点、俺は暇してた。」
「も~~~~!!最悪っ!!」
あの出来事から16年後。
俺は相変わらず教鞭をとっていたが、プライベートでは大きな変化が起こった。
藤原の元担任の、尊敬すべき先輩教員の紹介で出会った、同じく中学校の教員をしていた女性と、1年の交際の後、結婚し、翌年、可愛い女の子を授かった。
「お父さん……。」
「ん?何だ?」
その可愛い娘も、14年という年月が過ぎれば、まるで一人で生きていけるかのような生意気な口をきくようになる。
「先生に、変なこと言わないでよね。」
「お前が真面目に学校生活を送っているんなら、俺が変なこと言うわけないだろうが。」
「真面目に送っているわよ!!お父さんみたいに適当に生きているわけじゃないんだから!!バカなこと言わないで!!」
「……………。」
もはやベテランと言われる年齢に達するほど、教鞭をとってきた俺。
様々な生徒と出会い、別れてきた。
そんな俺が、娘に『適当に生きている』などと断言されて黙っていられるわけがない。
「そりゃ、俺は別に真面目一辺倒じゃないけれど。ふざけて生きているわけじゃないぞ?」
「お母さんと比べたらどう?」
白い目で俺を見てくる娘に、比較対象者を具体的に出されてしまう。
「…………。そりゃ、母さんに比べたら、ちょっとヤンチャなところがあるとは思うが…。」
「この前だって、テレビゲームのしすぎで夜更かしして!!翌日お母さんに怒られながら起こされていたのは誰ですか!!??」
「…………。」
口調が配偶者と同じものになっている娘に、言い返す言葉が浮かばない。
「とにかく!!先生は私の憧れの人なの!!だから、絶対に失礼なことをしないでね!!」
俺を黙らせることに成功すると、娘は怒ったような表情を浮かべながらそっぽを向く。しかし、ちらりと見えた耳がとても赤い。
―――はっはぁ……。なるほどなぁ~~~~……―――
そういう想いを、若い頃の俺も女生徒から受け取ったことがある。
青春味の甘酸っぱいその感情を、個人としては嬉しく思いながらも、教師としては頭を抱えたものだ。
「おい。」
「何よ?」
「アピールもほどほどにしてやれよ?相手は一応、この仕事でメシ食っているんだからさ。」
「~~~~~っ!!??はぁ~~~~!!??何言ってんの、バカじゃない!!??」
そう言うと、毛が逆立つほどに動揺した娘は、慌てて駆けだして行く。
「お、おい。どこに行くんだ?」
「うるさいわね、トイレよ、トイレ~~~~!!」
全身を真っ赤にさせた娘に声をかけると、女子生徒とは思えない大声でそんなことを叫ばれてしまった。
うん、その辺のところを恥ずかしがらないところは、父さんに似ていると思うぞ、お前。
「ふぅ……。」
娘が視界からいなくなると、俺は軽く溜息をつきながら、窓から見えるグラウンドを何気なく眺める。
今日は部活動は休みのはずだが、自主練習なのか、走り込んでいる生徒が数名いる。そういえば、野球部だかサッカー部だかが強い学校だったのではなかったか?
妙に熱くて真面目なその姿を見ていると、思わず頬が緩んでくる。
自分が通う学校と違う風景を見ると、なんとなく新鮮な気持ちになる。
建物の構造上は似たようなものなのだろうが、なぜか「校風」というものが、通う生徒たちにも、校舎自身にも滲みついているように感じるのだ。
―――娘が通うこの学校の空気は、どこか穏やかだ―――
「うん。いい学校だな。」
頷き、そう言った後…少しだけ不安になる。
「………。…多分。」
俺はあまり自分の『目』に見えるものを信じきることができない。
それは、あの優等生と見せかけて、夜中に一人で山登りをするような不良少年と一夜を過ごしてから、余計にひどくなった。
そのおかげで、俺が見ようとする世界は広がったような気がしてはいるのだが。
「先生、ありがとうございました。」
「はい。では、気をつけて帰ってくださいね。」
「は~~い、先生、さよ~なら~~。」
「はい、さようなら。」
「もうっ!ちゃんとあいさつしなさい!!…すみません、先生。では、失礼いたします。」
「はい。失礼いたします。」
ぼんやりとグランドを見ていた俺の耳に、ガラガラと教室の扉が開く音と共に、俺達の前に面談していたらしい親子と若い男の声が聞こえる。
娘の甘酸っぱい青春のお相手の登場だ。
あいにくというか、ちょうどいいというのか。今、娘は不在。
どんな教師か見てやるのも一興かと、俺はグラウンドに向けていた視線を、出てきた親子と教師に向けた。
彼は、連れだって歩く親子を見送った後、ゆっくりと視線を俺に向けてきた。
「増田さんの、親御さんですね?」
「……はい。」
穏やかな笑顔。落ちついた物腰。
眼鏡をかけた風貌は、一言でいえば『地味』。
俺の娘の趣味は、遊び相手としては不足だが、結婚相手としては充分な男ということになるのだろうか?
というより、俺と真逆っぽい教師像じゃないか。
「増田さん…娘さんは、どうされましたか?」
「あぁ。ちょっとトイレに。」
「そうですか。よろしければ、先に中に入られては?」
「いや……。外で待ちます。」
「そうですか。」
俺と真逆の教師像。
そう見える男…だが。
俺は、自分の『目』を信用していない。
「え~~~っと。」
「はい?」
「……藤原先生。」
「はい。」
そういう名字の教師だということは、娘や妻の話から聞いていた。
これまでにも、『藤原先生』という名を持つ教師と会ったことはある。
夏休みに受ける研修には、必ず2~3人はいたんじゃないかと思うほど、ありふれた教師の名字だと、俺は認識している。
「久しぶり、と言って、いいんですかね?」
「お久しぶりです。増田先生。」
ペコリ、と俺に頭を下げるその仕草は、あの頃と何一つ変わらない。
「……お前、教師になっていたのかよ……。」
「はぁ~~~~~…」と溜息をつきながら脱力をしていく。
あの夏の夜の問題児は、今度は俺の娘の担任教師として、俺の前に再び現れたのだ。
「知らなかった……。」
「僕は知っていました。」
「は?何が?」
「増田さんが先生の娘さんだということ。」
昔よりどこか饒舌になった口で、嫌味なく笑ってみせる、無害に見える地味男に、俺は頭を抱えたくなった。
「なんで?」
「娘さんや先生の奥様から伺うお話に出てくる『お父さん』は、僕の中の増田先生そのままでしたから。」
「…だったらなんで黙っていたんだよ……。」
「先生は昔から、お忙しい方でしたから。お会いできるか分からなかったですし。」
「いやいや、俺だって暇している時くらいはあるよ!!変に気を使ってくれるな!!」
「あはは、そういうことを言うから、皆甘えてしまうんですよ?変わっていないですね。」
変わっていないと言えば、藤原もそうだ。
手のかからない、『優等生』。
この様子から察するに、今の仕事でもそつなく優秀にこなしているに違いない。
だが、こいつが『優等生』じゃないことを知っている俺としては。
あんな、中途半端な状態で別れた『生徒』と、会いたいと。
そう、思っていたのだ。
再び会えたその時に、胸を張って『教師』だと名乗れるように、この16年を、俺なりに一生懸命に生きてきたのだ。
おかげで前より少しだけ生徒と向き合えるようになった気がしているし。
家庭を持つことで、大人としての責任を感じるようになったような気がするし。
自分の子どもができたことで、命を育む大切さをちゃんと知ることができた気がしている。
―――もちろん、どれにしても『真意』に辿り着いているわけではないが…―――
「それに…」
「それに?」
辿りつけないなりに努力をして。
どこかで会えることを、願っていた。
あの夏の夜の山の上で、俺の心の中にあった、俺を責める『俺』に気付かせてくれた男に。
生徒でありながら、教師の俺に、青臭くてでも、何よりも大切であっただろう感情を思い出させてくれた『先生』に。
会いたいと、思っていたのだ……。
「僕、まだ辿り着けていないんです。」
「何に?」
「『教師』が、一体何なのか……。」
「は?」
「だって、あの日。先生、おっしゃっていたでしょう?『教師って、何なんだろうな』って。」
―――『教師』って、何なんだろうな…―――
「……そうだったっけ?」
「えぇ。」
言ったような、言わなかったような…心もとない記憶の中で、俺の声でそう呟く声が聞こえたような気がした。
「だから、僕もあの日、教師になろうと思ったんです。先生が見ようとしていたものを、僕も見たいと思ったから。」
「………………。」
――――『教師』って、何なんだろうな…―――
震える声で。自信なさげに呟く声が、鮮明に記憶に蘇る。
情けないその声は、確かに俺が言った言葉で。
「でも、難しいですね……。大学で勉強もしましたが、実際に現場に立つと全然違うし。」
「藤原。」
「はい?何ですか、先生。」
あの日と同じ、大人しそうな外見の男。
その男の中に眠る火を、灯したモノがもし、俺の一言なのだとしたら。
「ごめん、俺は分かった気がする。」
「え?」
それが『真実』であるとは思わない。
答えは無数にあって。
今やっと見つけた『答え』も、いつか否定されるのかもしれない。
だが、俺は目の前で不思議そうに立つ男を見て、確かに『答え』を見たのだ。
「俺が教師になった理由。」
俺の後を追い、教鞭をとる次世代。
俺と同じように、その真髄を追うその姿。
―――それが、俺が教師になった理由だ…―――
俺の『答え』は不思議そうに俺を見つめていた。その瞳をしっかりととらえたまま、俺は会心の笑みを浮かべた。
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