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番外編(完結一年後秋頼Side③)
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曲線美が美しいリングは、シンプルながら優美で悠が好きそうなデザインだ。
「指輪を磨いてるのかい?」
「はい…悠こういうのずぼらだから…。今日、クリーニングしようと思って預かったんです」
絢聖は、相変わらず悠に対して献身的だった。
「マメだな…」
「そうですか?まぁ好きでやっていることなんで。あっ、そうだ…!」
「んっ?」
目をキラキラと輝かせながらこちらを見てくる絢聖は可愛らしいが、何だか嫌な予感がする。
「指輪はめてみてください!指の太さ…悠と同じくらいな気がする」
良くない予感程…何故的中してしまうのだろう。
「いや…流石にそれはまずいだろう…」
「でも…友達に紹介する時、秋頼さんだけ指輪付けてないの気まずい…リング一緒につけたい」
彼の気持ちもわかるが、悠の結婚指輪を嵌めるのは流石に罪悪感が強い。
「わかった…私が指輪を買ってあげよう。それでいいね?」
「えっ…そんな、いいんですか?でも…そんなの悪いし、お金だって…」
戸惑っているが、喜んでいる。絢聖から、とんでもない提案が出る前に話をつけた方が良い。
「構わないよ…私が買いたいんだ。いいね?」
「はい」
顔を乙女のように紅潮させながら、はにかむ姿は清純そのもので、欲深く、淫らな姿を知っているのは自分だけだと思うと、歪な優越感に満たされる。
「ただし…悠には絶対バレてはいけないよ…わかるね?」
「はい…ちゃんと守ります。あっ…一緒に買いに行きたい」
最近、愛されている安心感からか、我儘を告げてくるようになったが、今回は聞いてあげられない。
「駄目だ…サプライズにしたい。渡すまで待てるね?」
うっとりとした顔つきで頷き、秋頼の胸に顔を埋めてくる絢聖の髪を撫でながら、一緒にリングを買いに行くところを悠に見られるリスクを避けられたことにほっとし、息を吐いた。
「指輪を磨いてるのかい?」
「はい…悠こういうのずぼらだから…。今日、クリーニングしようと思って預かったんです」
絢聖は、相変わらず悠に対して献身的だった。
「マメだな…」
「そうですか?まぁ好きでやっていることなんで。あっ、そうだ…!」
「んっ?」
目をキラキラと輝かせながらこちらを見てくる絢聖は可愛らしいが、何だか嫌な予感がする。
「指輪はめてみてください!指の太さ…悠と同じくらいな気がする」
良くない予感程…何故的中してしまうのだろう。
「いや…流石にそれはまずいだろう…」
「でも…友達に紹介する時、秋頼さんだけ指輪付けてないの気まずい…リング一緒につけたい」
彼の気持ちもわかるが、悠の結婚指輪を嵌めるのは流石に罪悪感が強い。
「わかった…私が指輪を買ってあげよう。それでいいね?」
「えっ…そんな、いいんですか?でも…そんなの悪いし、お金だって…」
戸惑っているが、喜んでいる。絢聖から、とんでもない提案が出る前に話をつけた方が良い。
「構わないよ…私が買いたいんだ。いいね?」
「はい」
顔を乙女のように紅潮させながら、はにかむ姿は清純そのもので、欲深く、淫らな姿を知っているのは自分だけだと思うと、歪な優越感に満たされる。
「ただし…悠には絶対バレてはいけないよ…わかるね?」
「はい…ちゃんと守ります。あっ…一緒に買いに行きたい」
最近、愛されている安心感からか、我儘を告げてくるようになったが、今回は聞いてあげられない。
「駄目だ…サプライズにしたい。渡すまで待てるね?」
うっとりとした顔つきで頷き、秋頼の胸に顔を埋めてくる絢聖の髪を撫でながら、一緒にリングを買いに行くところを悠に見られるリスクを避けられたことにほっとし、息を吐いた。
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