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約束をしたカフェに行こうと、
帰りの支度をしていた。
髪とかメイクとか直したいし、
トイレでチェックをし終えた時だ。
トイレ前で声をかけられた。
佐藤くんだ。
「あの、立川さん」
笑顔で答えたけど、普通、女の子が
トイレから出てきたタイミングで
声をかける?
もう、なんか調子狂う。
「何?佐藤くん。」
それでも笑顔たやさず。
「さっき、
何か用があったんじゃない?
俺、練習に気が行っちゃって、
後で気がついた。
ごめん、なんだったの?」
そんな、なんて雑なの?
これはさずがに顔に出そうになる。
すんでのところで、堪えた。
「あ、うん、」
困った。
野球バカのあなたに声をかけて、
その反応を見たかったなんて言えない。
「えっと、その、
野球って楽しそうだなって」
適度に取り繕った。
だけど、
その話題は彼にとってツボだったらしく
「え、立川さん、野球好きなの?
あ、でも、女子は募集してないしな、
うーん、あ、じゃあ、ソフトボール部なんて
どう?」
と、変な勘違いをはじめた。
でも、野球とソフトボールは違うか、とか、
いやでも、基本違わないか、とか、
どうでもいい話を繰り広げる佐藤くんに
あきれて、適当に話を切り上げた。
「あ、えっと、マネージャー、
いいかなって」
へぇ、そうなんだ。
マネージャーかぁ、ユニフォーム洗ったり
してくれるんだってね、ありがとう。
と、お礼まで言われた。
もうやだ、関わりたくない。
「あ、ごめんね、佐藤くん。
私、これからみんなと、
カフェに行く約束してて。
じゃあまた明日」
逃げた。
人から逃げたのは初めてだった。
本当に佐藤くんは、
野球にしか興味がないんだ。
あんな人いるんだな。
私とは本当に関わりがない人だ。
なんで、私、あの人のこと、
気になっちゃったんだろ。
声なんてかけなければ良かった。
もう、みんなの所へ行かなくちゃ。
気を取り直し、いつもの私に戻り、
みんなと合流した。
さ、楽しい放課後を過ごすの。
深呼吸をした。
友だちに囲まれ、くるくる回る話題に
笑い合いながら、駅前のカフェへ
到着した。
私、甘いもの、かわいいものが大好き。
店内はピンクとさくらんぼでいっぱい。
すごくかわいい。
テンションが上がる。
みんなで店内のフォトスポットで
写真を撮ってた時だ。
「あれ、佐藤じゃない?」
リサが指さした席に佐藤くんが
1人で座っている。
え?
周囲をキョロキョロしながら見渡す様子は
誰かを探しているようだった。
まさか、私達の会話を盗み聞きして、
来た、とか?
どういうこと?
「いらっしゃいませ」
店員さんの声にはじかれ、佐藤くんは
手を挙げた。
私もつられて、入口を見た。
髪の長いかわいい女の子が手を挙げている。
急いでいたのか、息を切らして。
「え!佐藤、彼女いたの?」
誰かが驚きの声をあげた。
彼女が席に着くと、子どもみたいな
あどけない笑顔を見せて、
夢中になって話している。
意外。
正直、そう思った。
ほんと、子どもみたい。
彼女に甘えてるようにさえ見える。
「あれ、佐藤くんってデレじゃん」
リサが笑う。
何、あれ。
私には素っ気なかったのに。
他の子となんら変わらない対応だったのに。
あの子には、あんな顔を見せるんだ。
「邪魔しちゃ悪いから、
あんまり見ないでおこう」
そう言って席についた。
最初こそ、
みんな佐藤くんに興味を持っていたけど、
あっという間に別の話題に夢中になった。
私もファッションの話とか、
だれかの恋の話、
気になるスポットの話に夢中になった。
でも、何故か気になる。
私の目線の先に、2人がいるから、
目に入るのは仕方がないんだ、そうね、
きっと、それだけ。
帰りの支度をしていた。
髪とかメイクとか直したいし、
トイレでチェックをし終えた時だ。
トイレ前で声をかけられた。
佐藤くんだ。
「あの、立川さん」
笑顔で答えたけど、普通、女の子が
トイレから出てきたタイミングで
声をかける?
もう、なんか調子狂う。
「何?佐藤くん。」
それでも笑顔たやさず。
「さっき、
何か用があったんじゃない?
俺、練習に気が行っちゃって、
後で気がついた。
ごめん、なんだったの?」
そんな、なんて雑なの?
これはさずがに顔に出そうになる。
すんでのところで、堪えた。
「あ、うん、」
困った。
野球バカのあなたに声をかけて、
その反応を見たかったなんて言えない。
「えっと、その、
野球って楽しそうだなって」
適度に取り繕った。
だけど、
その話題は彼にとってツボだったらしく
「え、立川さん、野球好きなの?
あ、でも、女子は募集してないしな、
うーん、あ、じゃあ、ソフトボール部なんて
どう?」
と、変な勘違いをはじめた。
でも、野球とソフトボールは違うか、とか、
いやでも、基本違わないか、とか、
どうでもいい話を繰り広げる佐藤くんに
あきれて、適当に話を切り上げた。
「あ、えっと、マネージャー、
いいかなって」
へぇ、そうなんだ。
マネージャーかぁ、ユニフォーム洗ったり
してくれるんだってね、ありがとう。
と、お礼まで言われた。
もうやだ、関わりたくない。
「あ、ごめんね、佐藤くん。
私、これからみんなと、
カフェに行く約束してて。
じゃあまた明日」
逃げた。
人から逃げたのは初めてだった。
本当に佐藤くんは、
野球にしか興味がないんだ。
あんな人いるんだな。
私とは本当に関わりがない人だ。
なんで、私、あの人のこと、
気になっちゃったんだろ。
声なんてかけなければ良かった。
もう、みんなの所へ行かなくちゃ。
気を取り直し、いつもの私に戻り、
みんなと合流した。
さ、楽しい放課後を過ごすの。
深呼吸をした。
友だちに囲まれ、くるくる回る話題に
笑い合いながら、駅前のカフェへ
到着した。
私、甘いもの、かわいいものが大好き。
店内はピンクとさくらんぼでいっぱい。
すごくかわいい。
テンションが上がる。
みんなで店内のフォトスポットで
写真を撮ってた時だ。
「あれ、佐藤じゃない?」
リサが指さした席に佐藤くんが
1人で座っている。
え?
周囲をキョロキョロしながら見渡す様子は
誰かを探しているようだった。
まさか、私達の会話を盗み聞きして、
来た、とか?
どういうこと?
「いらっしゃいませ」
店員さんの声にはじかれ、佐藤くんは
手を挙げた。
私もつられて、入口を見た。
髪の長いかわいい女の子が手を挙げている。
急いでいたのか、息を切らして。
「え!佐藤、彼女いたの?」
誰かが驚きの声をあげた。
彼女が席に着くと、子どもみたいな
あどけない笑顔を見せて、
夢中になって話している。
意外。
正直、そう思った。
ほんと、子どもみたい。
彼女に甘えてるようにさえ見える。
「あれ、佐藤くんってデレじゃん」
リサが笑う。
何、あれ。
私には素っ気なかったのに。
他の子となんら変わらない対応だったのに。
あの子には、あんな顔を見せるんだ。
「邪魔しちゃ悪いから、
あんまり見ないでおこう」
そう言って席についた。
最初こそ、
みんな佐藤くんに興味を持っていたけど、
あっという間に別の話題に夢中になった。
私もファッションの話とか、
だれかの恋の話、
気になるスポットの話に夢中になった。
でも、何故か気になる。
私の目線の先に、2人がいるから、
目に入るのは仕方がないんだ、そうね、
きっと、それだけ。
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