光速のジャングラー ~eスポ部作ったからLoLやろうよ~

マサタロウ

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eスポーツ部誕生

41 昼休みの勧誘1

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 昼休みの教室。
 4時間目の授業が終わるとすぐに、速人は祖母が作ってくれた弁当をたいらげて、翔と真紀が来るのを待っていた。昨日、今日の昼休みにeスポーツ部の勧誘に一緒行こうと約束していたからだ。
 5分ほど待っていると、最初に真紀が、続けて翔が教室に入ってきた。

「三人揃ったね。廊下で打ち合わせしようか」

 速人はそう言って二人を連れ出し、相談を始めた。

「僕が考えたのは、真紀さんが2組で翔君が3組だから、まずはそのクラスから行こうと思っている」

「それでええと思うけど、1組と5組はどうするんや?」

「1組は特進クラスだし、5組はスポーツ推薦だらどちらも難しいと思う。だから、他のクラスでどうしても集まらなかった時にしたらどうかな?」

「よし分かった。誰が説明する?」

「僕が発起人だから僕がするよ。フォローしてくれると助かるよ」

「おう、まかしとけ。俺がおれば大丈夫やって」

「私も頑張るね」

 3人は意気揚々とeスポーツ部の勧誘に向かった。



 3人が2組、3組で勧誘を終えたところで、がっくり肩を落としていた。
 重苦しい雰囲気の中、翔が口を開いた。
 
「ここまでアウェイ感があるとは思わなんだ。心折れそうになったわ」

「僕なんか、昨日も電算部と自分のクラスの2連敗してるから……。でも、あと二人を何とか集めないと」

「難しいかもしれんけど、1組と5組も行くか?」

「そうだね。可能性は低いかもしれないけど、とりあえず行ってみるとしよう」

 3人は特進クラスである1組へと向かった。

 1組の教室に入り、教壇に向かう途中で、電算部の安部真理亜が自席で本を読んでいた。
 真理亜を見つけるとすぐに真紀が声をかけた。

「真理亜さん、こんにちは」

「あれ? 真紀、どうしたの?」

「eスポーツ部の勧誘に来たの。あっ、そうだ。真理亜さん、入ってくれない? 昨日、初めてやってみたんだけど凄く楽しかったよ」

「真紀ごめんね。単なるゲームでしょ。私は自分の知的好奇心が満足できないようなものには興味がないの」

「単なるゲームって何だよ。LoLはな、そんな単純なゲームじゃないんだよ」

 速人が真紀と真理亜の会話に割って入った。

「はぁ、また光田か。あなた、本当にいつも私に喧嘩を売ってくるわね」

「そっちが、いっつもカンに障ること言ってくるからだろ」

「あなたねぇ……」

「ちょっと、ちょっと、二人共やめて、お願い」

 真紀が二人の言い争いを止めに入った。

「喧嘩している場合じゃないわよ。速人君、早く勧誘やろうよ」

「よし、分かった。行こう、行こう」

「真理亜さん、本当にごめんね」

 真紀は真理亜に頭を下げて、教壇に向かった。
 その後、3人は懸命になってeスポーツ部の勧誘を行った。しかし、反応は今一つであり、体験入部の呼びかけを行ったが、誰も名乗り出てくれなかった。
 3人は、半ば諦めた状態で教室を後にした。

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