53 / 53
eスポーツ部誕生
52 プログラマ適正検査
しおりを挟む
PC実習室では、先ほど電算部顧問の佐藤先生から配布されたプログラマー適正検査の結果を部員達が見比べていた。
速人と同じクラスの永井道則が真理亜と速人のそばによって来た。
「ねぇ君達、プログラマー適正検査の結果はどうだった?」
こうしてテストの結果を聞いてくるのは大抵の場合、結果が良かった時だ。実際、道則は自分でなかなかの出来だと思っていた。
「人に聞くなら、まず自分の結果を言いなさいよ」
真理亜がいつもの調子でぶっきらぼうに答えた。
「あっ、そうだね。82点だったよ。新入部員の平均が72点だったから、まあまあじゃないかな?」
道則は70点以上がAランクで適正があると聞いて、少し天狗になっていた。真理亜に良いところを見せいたという気持ちと、eスポーツ部設立の件で周りから一目を置かれている速人に対してマウントを取りたいという思惑があった。
「なるほど、確かにまあまあだったわね」
『適正あり』の70点を大きく上回り、電算部員の平均より10点も高かったので、真理亜がもう少し驚いた反応をすると思っただけに少し肩透かしをくらった形となった。
「真理亜さんは何点だったの?」
「私は100点だったわ」
道則はさすがに驚いた。真理亜なら高得点だろうとは予想していたが、まさか満点とは。道則の想定をはるかに超えていた。テストの前に佐藤先生より、過去最高点が94点だと聞いていただけにショックは大きかった。動揺を悟られないようにできるだけ平静を装って言った。
「さすが真理亜さんだね。過去最高点を超えているじゃない。ところで速人君は?」
「僕は98点だった。1問だけちょっとね」
「キュ、キュウジュウハチ!」
思わず、声が出てしまった。真理亜の点数を聞いたときは確かに驚いたが、真理亜ならあり得ると理解できた。しかし、自分より格下だと思っていた速人が、まさかこのように高得点を取るとは信じられなかった。
「僕は勉強が得意じゃないけど、パズルとかこういう問題なら得意なんだ」
プログラマー適正検査の問題は学力を計るテストではなく、IQ検査と同様の考える能力と問題を解く速度を計るテストであり、潜在的に持っている能力が活かされる。
「98点って、ほとんどの問題ができたんだよね。じゃあ、アルファベットの順番を求める問題も時間内にできたの?」
この検査の問題は、図形推理、法則性推理、演算能力3部門に分かれていて、それぞれ2、30問出題された。道則は自分が手こずった法則性推理の問題を聞いた。問題自体はそれほど難しくないのだが、とにかく時間がかかり制限時間までに全問は解けなかった。
「あぁ、アルファベットが並んでいる法則を推理するやつね。あれは割と簡単だったよ」
「『ABCABC』の次に来る文字だったら簡単だけど、例えばこの問題の『ABCEHM』の次に来る文字なんて全然わからなかったよ」
「あっ、これね。文字だから分かりにくいんだよ。数字に置き換えると簡単だよ」
「どうゆう事?」
「Aを1、Bを2と数字を割り振るんだ。実際、僕は問題用紙にAからZまでを書いて、それの上に1から26の数字を書いて変換表にしたんだ。そうすると『ABCEHM』が1、2、3、5、8、13になるでしょ? だから正解は21番目の文字で『U』だって分かるでしょ」
「ん? どういう意味?」
「フィボナッチ数列よ。ほら、前の二つの数字を足すと次の数字になるという数列ね。1+2=3、2+3=5、3+5=8、5+8=13、だから次にくるのが8+13=21って事」
真理亜が道則に対して補足説明をした。
「なるほど、そういう事か」
「へぇー、フィボナッチ数列って言うんだ」
速人は真理亜の説明に感心した。
「光田、あなたフィボナッチ数列も知らないで、できたっていうの?」
「うん、野生のカンかな?」
速人は笑いながら言った。
速人と同じクラスの永井道則が真理亜と速人のそばによって来た。
「ねぇ君達、プログラマー適正検査の結果はどうだった?」
こうしてテストの結果を聞いてくるのは大抵の場合、結果が良かった時だ。実際、道則は自分でなかなかの出来だと思っていた。
「人に聞くなら、まず自分の結果を言いなさいよ」
真理亜がいつもの調子でぶっきらぼうに答えた。
「あっ、そうだね。82点だったよ。新入部員の平均が72点だったから、まあまあじゃないかな?」
道則は70点以上がAランクで適正があると聞いて、少し天狗になっていた。真理亜に良いところを見せいたという気持ちと、eスポーツ部設立の件で周りから一目を置かれている速人に対してマウントを取りたいという思惑があった。
「なるほど、確かにまあまあだったわね」
『適正あり』の70点を大きく上回り、電算部員の平均より10点も高かったので、真理亜がもう少し驚いた反応をすると思っただけに少し肩透かしをくらった形となった。
「真理亜さんは何点だったの?」
「私は100点だったわ」
道則はさすがに驚いた。真理亜なら高得点だろうとは予想していたが、まさか満点とは。道則の想定をはるかに超えていた。テストの前に佐藤先生より、過去最高点が94点だと聞いていただけにショックは大きかった。動揺を悟られないようにできるだけ平静を装って言った。
「さすが真理亜さんだね。過去最高点を超えているじゃない。ところで速人君は?」
「僕は98点だった。1問だけちょっとね」
「キュ、キュウジュウハチ!」
思わず、声が出てしまった。真理亜の点数を聞いたときは確かに驚いたが、真理亜ならあり得ると理解できた。しかし、自分より格下だと思っていた速人が、まさかこのように高得点を取るとは信じられなかった。
「僕は勉強が得意じゃないけど、パズルとかこういう問題なら得意なんだ」
プログラマー適正検査の問題は学力を計るテストではなく、IQ検査と同様の考える能力と問題を解く速度を計るテストであり、潜在的に持っている能力が活かされる。
「98点って、ほとんどの問題ができたんだよね。じゃあ、アルファベットの順番を求める問題も時間内にできたの?」
この検査の問題は、図形推理、法則性推理、演算能力3部門に分かれていて、それぞれ2、30問出題された。道則は自分が手こずった法則性推理の問題を聞いた。問題自体はそれほど難しくないのだが、とにかく時間がかかり制限時間までに全問は解けなかった。
「あぁ、アルファベットが並んでいる法則を推理するやつね。あれは割と簡単だったよ」
「『ABCABC』の次に来る文字だったら簡単だけど、例えばこの問題の『ABCEHM』の次に来る文字なんて全然わからなかったよ」
「あっ、これね。文字だから分かりにくいんだよ。数字に置き換えると簡単だよ」
「どうゆう事?」
「Aを1、Bを2と数字を割り振るんだ。実際、僕は問題用紙にAからZまでを書いて、それの上に1から26の数字を書いて変換表にしたんだ。そうすると『ABCEHM』が1、2、3、5、8、13になるでしょ? だから正解は21番目の文字で『U』だって分かるでしょ」
「ん? どういう意味?」
「フィボナッチ数列よ。ほら、前の二つの数字を足すと次の数字になるという数列ね。1+2=3、2+3=5、3+5=8、5+8=13、だから次にくるのが8+13=21って事」
真理亜が道則に対して補足説明をした。
「なるほど、そういう事か」
「へぇー、フィボナッチ数列って言うんだ」
速人は真理亜の説明に感心した。
「光田、あなたフィボナッチ数列も知らないで、できたっていうの?」
「うん、野生のカンかな?」
速人は笑いながら言った。
0
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(3件)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた
ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。
今の所、170話近くあります。
(修正していないものは1600です)
僕の恋人は、超イケメン!!
刃
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
結婚前夜に婚約破棄されたけど、おかげでポイントがたまって溺愛されて最高に幸せです❤
凪子
恋愛
私はローラ・クイーンズ、16歳。前世は喪女、現世はクイーンズ公爵家の公爵令嬢です。
幼いころからの婚約者・アレックス様との結婚間近……だったのだけど、従妹のアンナにあの手この手で奪われてしまい、婚約破棄になってしまいました。
でも、大丈夫。私には秘密の『ポイント帳』があるのです!
ポイントがたまると、『いいこと』がたくさん起こって……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。

lolをやろうとしていたのですが やり方が分からず困って この小説を見てみたら分かりやすくて助かりました 応援しています頑張って下さい
一人でも多くの人にLoLの魅力が伝わればと思い書いています。
これからも読んでくださいね。
私がチュートリアルをしたのはもう何年も前のことなので、今はこんな風になっているのかと思いながら読ませていただきました。
熱い青春になりそうなので、更新楽しみにしています。
LoLそのものを知らない人が多いので、チュートリアルだけは詳しく書いています。
基本的にスポ根ものでいく予定です。
イラストが上手いのですが、ご自分で描いてているのでしょうか?
一話に1枚イラストがつくのかな?
VROIDと言うツールを使って全部自分で書いていますよ。
全話付けるのは難しいと思いますが、できるだけつける予定です。