54 / 81
#10ー4
しおりを挟む
その状態が何時間と続いたように感じられた。傾き始めた太陽が照らす公園内は、男子たちの「グッとっパーのそーろーい!」という掛け声だけが極端に響き渡っていた。
そんな中、最初に口を開いたのはツバサだった。
「今からLINEで話してもいい?」
「LINEで? お母さんと?」
「ううん。お姉ちゃんと。」
「あたしと?」
「うん。」
小さな声で言い終わると、ツバサはすぐに背負っていた鞄からスマートフォンを取り出し、文章を打ち込み始めた。すぐにカナコのスマートフォンから着信を告げる音楽が鳴り出し、ツバサが何を言いたいのかを伝えてきた。
『昨日、お姉ちゃんの夢見て精子出ちゃった』
ツバサからのLINEにはそう書かれていた。
カナコはそれに対して、すぐに返信をした。
『ツバサ君もりっぱな男の子なんだね おめでとう』
その後も二人は、お互いの顔を合わせることなく、淡々とSNSを介して話し合った。
『怒らないの?』
『おこるようなことじゃないじゃん 男の子なら一度はやっちゃうことなんだしさ』
『でもお姉ちゃんでやっちゃったんだよ? 何も思わないの?』
『それはたしかに 最初はビックリしたけどさ ツバサ君もそういう年なわけだしさ』
『でもお姉ちゃんを見てエッチな気持ちになったから精子出ちゃったから』
この誤用だらけの文面をツバサが送信したところで、カナコの返信がなくなった。それまでは緑の吹き出しの上に既読とついてから一分ほどのペースでやり取りが行われていたにも関わらす、三分経ってもカナコからの返信が来なくなった。
ツバサにとてつもない不安が襲い掛かった。薄暗い夜道を目印も地図もなしに歩くような、たった一人しかない部屋の中で誰かに見られているような感覚に襲われるような、そんな恐怖とは比べ物にならない恐怖が、ツバサの不安定な心を押しつぶそうとしていた。ツバサには、耳に入ってくる子供の声も、脇の道路を通過する車の音も、自分で打ち込んで液晶画面に映し出された文字も、何もかもが自分に襲い掛かろうとしてる怖いもののように感じ取ってしまっていた。
そんな中、最初に口を開いたのはツバサだった。
「今からLINEで話してもいい?」
「LINEで? お母さんと?」
「ううん。お姉ちゃんと。」
「あたしと?」
「うん。」
小さな声で言い終わると、ツバサはすぐに背負っていた鞄からスマートフォンを取り出し、文章を打ち込み始めた。すぐにカナコのスマートフォンから着信を告げる音楽が鳴り出し、ツバサが何を言いたいのかを伝えてきた。
『昨日、お姉ちゃんの夢見て精子出ちゃった』
ツバサからのLINEにはそう書かれていた。
カナコはそれに対して、すぐに返信をした。
『ツバサ君もりっぱな男の子なんだね おめでとう』
その後も二人は、お互いの顔を合わせることなく、淡々とSNSを介して話し合った。
『怒らないの?』
『おこるようなことじゃないじゃん 男の子なら一度はやっちゃうことなんだしさ』
『でもお姉ちゃんでやっちゃったんだよ? 何も思わないの?』
『それはたしかに 最初はビックリしたけどさ ツバサ君もそういう年なわけだしさ』
『でもお姉ちゃんを見てエッチな気持ちになったから精子出ちゃったから』
この誤用だらけの文面をツバサが送信したところで、カナコの返信がなくなった。それまでは緑の吹き出しの上に既読とついてから一分ほどのペースでやり取りが行われていたにも関わらす、三分経ってもカナコからの返信が来なくなった。
ツバサにとてつもない不安が襲い掛かった。薄暗い夜道を目印も地図もなしに歩くような、たった一人しかない部屋の中で誰かに見られているような感覚に襲われるような、そんな恐怖とは比べ物にならない恐怖が、ツバサの不安定な心を押しつぶそうとしていた。ツバサには、耳に入ってくる子供の声も、脇の道路を通過する車の音も、自分で打ち込んで液晶画面に映し出された文字も、何もかもが自分に襲い掛かろうとしてる怖いもののように感じ取ってしまっていた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
清掃員と僕の密やかな情状
MisakiNonagase
恋愛
都心のオフィスビルで働く会社員の26歳・高城蓮(たかぎれん)。彼の無機質な日常に唯一の彩りを与えていたのは、夕方から現れる70歳の清掃員・山科和子だった。
青い作業服に身を包み、黙々と床を磨く彼女を、蓮は「気さくなおばあちゃん」だと思っていた。あの日、立ち飲み屋で私服姿の彼女と再会するまでは――。
肉じゃがの甘い湯気、溶けゆく氷の音、そして重ねた肌の温もり。
44歳の年齢差を超え、孤独を分かち合った二人が辿り着いた「愛の形」とは。これは、一人の青年が境界線の向こう側で教わった、残酷なまでに美しい人生の記録。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる