カゴの中のツバサ

九十九光

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#14ー5

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 可南子は頭の中で、顔も名前も覚えていないその学生のことを思い出していた。同時にこの勘違いが、彼女のふりをした別人が仕組んだ計画だったことを悟った。
「全員本部に戻れ! 誰か帰った生活安全課に本部に戻るよう連絡入れろ!」
 大橋はその場にいた警察関係者全員に指示を飛ばした。可南子が帰宅してから一番大きな声だった。
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