Night Sky

九十九光

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幸福なのは義務なんですー10

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 自炊は訓練生の時に散々やってきて面倒くささは理解しているうえに、今からスーパーに行っても生鮮食品は売り切れているだろうという意見も出た。LINEを通して男子たちにも意見を求めると、珍しいことに人陰が真っ先に意見を出してきた。

『適当な飲食店で外食しない?』

 そしてやって来たのはファミリーレストラン パロディ。旧世界にもあった店だった。

「やっぱりない」

 人陰が入店前に店の入り口周辺を見渡して何かを確認する。

「何がないんだ」

「営業時間のお知らせだよ」

 風雅の質問に人陰が答えた。

「昼間立ち寄ったトンキにも、ケータイショップにも、不動産屋にもなかったんだ。まさかとは思うけど、この世界の店って、何もかも24時間営業なんじゃないかな?」

 そんなまさかと思う一同。入店して確認すれば分かることだと結論づけて、店に入った。

「いらっしゃいませー! ファミリーレストラン パロディにようこそ! 私、受け付け担当の擦夢ダンク(スラム ダンク)ですー! 何名様ですかー!?」

 このノリは旧世界のまんまなのかと思ったファミレスパロディ利用者一同。12名だと伝えると、「では4名様席3つで分ける形でよろしいでしょうかー!?」とダンクは確認する。

「それで構わない。それよりひとついいか?」

 文活が質問する。

「この店の営業時間なんだが、9:00~22:00、ラストオーダーは21:30で合っているか?」

 彼は旧世界のパロディの営業時間を提示する。するとダンクはこう答えた。

「営業時間? ラストオーダー? そんな概念ありません! なんってたってこの理想郷ではすべての店と公共交通機関が24時間営業なんですから!」

 人陰の予想通りの回答に、一同は驚きを隠せなかった。

「待って! じゃあ店員さんはいつ休んでるの!?」

「我が社では一人の仕事時間は1日6時間! それを4つのグループで分けることで24時間営業で回してます! ささ! お席にご案内しますね!」

 小麦の質問にダンクはキッパリと答えて席に案内した。
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