Night Sky

九十九光

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幸福なのは義務なんですー11

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 ファミレス行って今日から元気出そうという軽快な店内BGMの中で、12人はタッチパネルでお品書きを確認する。記してあるのは商品のイメージ写真、カロリーだけで、案の定値段は記載されていなかった。

 やっぱりここもタダなんだ。そう思った一同。ドリンクバーの記載もあったが、金がかからなければ無料の水と変わらないじゃないかと誰かが言った。

 そして無料で食べ放題となれば、一同はやや暴走気味になった。

「一度やってみたかったんだよな! 500グラムステーキライスつき! 前の世界じゃ高すぎて手が出せなかったんだよ!」

「エスカルゴにラム肉の串焼き……!? ファミリーレストランでもこんな珍しいものが売ってるなんて……!」

「陰キャ。マヨコーンピザとか舌ガキか」

「これが精一杯なんだよ……。胃が弱いから……」

「待たせたな! ティラミス12人前だぜ!」

「おい、誰だ! そんなにティラミス頼んだ奴!」

「私~。この部等本気ユーギ(ブラマジ ユーギ)って店員さんに、俺からすればまだ注文不足だぜ。もっとデザート頼むとかさ。って言われて」

「だからって人数分頼む奴があるか、バカ! 俺甘いの苦手なんだよ!」

「てかこれ、明らかに12人で食べきれる量じゃないんだけど。残したらペナルティとかあるんじゃ……」

「そんなものはないぜ! 残飯は集めて肥料にして、堆肥に変えて野菜栽培に使うんだ!」

「これがSDGsというやつか」

「ダメだ。前の世界でそこそこの禁欲生活をしていたせいで、全員暴走気味になっている」

 こうして12人の宴は夜中の12時まで続いた。


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