和製切り裂きジャック

九十九光

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#1-2

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な不気味な雰囲気を演出している。女性がこのコースを歩くようになって今年で二年目だったが、こんなことは今まで一度もなかった。
 女性はこの状況を気味悪がったが、コースを変えることはしなかった。歩くペースを日常生活のペースにして、川の流れに沿って普段のウォーキングコースを歩いていく。女性は周囲を懐中電灯で照らしながら、カラスが鳴く理由を探して回った。
 だが、入り口近くや川と反対側の林のほうは、確認してみてもいつも通りだった。平素と大きく違うのは、やはりカラスの鳴き声だけだった。女性の中では引き返したいという思いが込み上げていたが、彼女は前進し続けた。勇敢だからというわけではなく、帰りたいと思ってもそれを実行するのも怖いという悪循環に陥っていたからだった。
 やがて女性は、中山道のほぼ中間地点にたどり着いた。せせらぎ川はこのあたりで、ほかの場所より川幅が広く作られており、休憩地点になる屋根つきのベンチも用意されている。街灯は一つだけあるが、屋根つきベンチしか照らせておらず、せせらぎ川はうっすらと照らすだけだった。
 女性はこの周辺を懐中電灯で照らして回った。ここがちょうど、カラスの鳴き声が最もうるさくなっていた地点だった。
 林のほうは依然としておかしな点は見られなかった。鳴き声の主であるカラスの群れと、「この人間は何をしているんだ」とでも言いたげな野良猫くらいしか見当たらなかった。
 続いて川のほうにライトを向ける。
 衣服も貴金属も身につけていない女が一人、川のほうに頭を向けて仰向けに寝ていた。
 偶然頭がライトの照らす範囲外で顔はよく見えなかったが、腹の上には一羽のカラスが絵画のモデルのように立っていた。ライトを照らす女性には、彼女の肌が日光か日焼けサロンで小麦色になるまで焼いたように見え、シワやたるみが少ない肌から年齢の若さもうかがえる。ライトを照らす女性は、酒の飲みすぎでこんなことになっているのだろうかと考えた。
 だが女性はすぐに、それは大きな間違いだということを思い知らされた。
 頭のほうにライトの光を向けると、女の首が胴体とつながっていなかったのだ。つながっているはずの頭は、倒れている女の横にある岩の上に、さらし首にされた罪人のそれのように、瞳と口が力なく開いている状態で飾られていた。川の水の中に浸けられている首の切断面のあたりには、そこから中の肉をついばんでいるカラスたちがいた。ここの利用者が小鳥と入れ替わっていた理由はそれだった。
 女性はライトを上下に振り回しながら元来た道を無我夢中に走って引き返し、偶然通りかかった車を止めて警察に通報させた。
 話はここから一時間ほど経過した午前七時三十分まで進む。
「レイプされた後で殺されたってので間違いないだろ、この事件」
 現場に向かう覆面パトカーの集団の中の一台。現場の職員からの無線を受け、愛知県警
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