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#1-5
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び止める。
「終わった事件の書類より、今捜査中の事件のほうが先だろ? それくらい後で作ればいいだろうが」
「やですよ。そんなことするとまた残業になるんですから」
「お前……! 残業が嫌で警察できると思ってるのかよ!」
「今山下警部の班が、事件当夜に不審車両が近くを通らなかったか聞き込みをしています。新しい情報がくるまで待っていたほうが効率的です。あんな悪目立ちする形で死体を遺棄した事件、すぐに目撃情報が出てきて解決しますよ」
橋本はそう言い残して自分の席に戻り、今回の事件と無関係な自分の仕事に取りかかった。その日の二人は、これ以上会話をすることはなかった。
湯浅は周囲から、何かにつけて自分の考えを大事にするような言動をする、仕事一筋の熱血漢だと認識されていた。それに対して橋本は、自分の給料につながらないことには関心がなく、他人と仲良くなることにさえ興味がないと思われている人間だった。二年前、橋本が捜査一課の刑事になってから続くこのコンビは、いまだに空中分解していないことがおかしいとさえ思えるほど正反対な性格をしていた。
この日も湯浅がサービス残業でほかの若手や別の班の人間と意見の出し合いをする中、橋本は午後五時四十五分の定時に自宅へと帰っていった。
「終わった事件の書類より、今捜査中の事件のほうが先だろ? それくらい後で作ればいいだろうが」
「やですよ。そんなことするとまた残業になるんですから」
「お前……! 残業が嫌で警察できると思ってるのかよ!」
「今山下警部の班が、事件当夜に不審車両が近くを通らなかったか聞き込みをしています。新しい情報がくるまで待っていたほうが効率的です。あんな悪目立ちする形で死体を遺棄した事件、すぐに目撃情報が出てきて解決しますよ」
橋本はそう言い残して自分の席に戻り、今回の事件と無関係な自分の仕事に取りかかった。その日の二人は、これ以上会話をすることはなかった。
湯浅は周囲から、何かにつけて自分の考えを大事にするような言動をする、仕事一筋の熱血漢だと認識されていた。それに対して橋本は、自分の給料につながらないことには関心がなく、他人と仲良くなることにさえ興味がないと思われている人間だった。二年前、橋本が捜査一課の刑事になってから続くこのコンビは、いまだに空中分解していないことがおかしいとさえ思えるほど正反対な性格をしていた。
この日も湯浅がサービス残業でほかの若手や別の班の人間と意見の出し合いをする中、橋本は午後五時四十五分の定時に自宅へと帰っていった。
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