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#5-3
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れていた。
「じゃあお前ら、誰か来ないか見張ってろよ」
首謀者のBが不満そうな顔をするAとCに指示を出し、ジャンパーのポケットからスマートフォンを取り出した。
昼間のうちに近隣住民の話を盗み聞きしたのか、彼は例のおもちゃが夜中のうちに捨てられることを知っていた。あとは袋の中身をスマートフォンのライト機能で確認すれば、お望みの宝物かどうか一目瞭然という寸法だ。
「……。おい、ちょっと見てみろよ」
中身を確認して興奮した声のBが、見張りの二人に呼びかけた。
ゴミ捨て場にかがんで袋の中身をビニール越しに観察するBには、それが精巧に作られた人間そっくりの人形のように見えた。体育座りの姿勢で袋に入るそれを、体も胸も大きくなく、小学生か中学生くらいをイメージして作られた、色白のロリータのラブドールだとBは結論づけた。
「うわ……。マジであったよ……」
Cも心臓の鼓動を大きくさせながら興味深そうにのぞき込む。袋越しに見える人形の横顔は短い黒髪のおかげで、見ようによっては男の子のようにも見えてくる。きっとボーイッシュな女の子を意識して作られた商品なのだと彼は考えた。
「お前ら、よくそんなもの見れるよな……」
唯一袋から顔を背けていたAが、後ろで袋を観察する二人に声をかける。
「お前も見てみろよ。こんなの生で堂々と見るなんて、大学生になるまでできないぞ」
ふしだらな理由でワクワクしているBがしつこくAを誘ってくる。
「なあ、この人形の顔、藤井に似てねえか?」
「変なこと言うなよ。それとAはホントにいいのかよ」
BがCの言葉を軽く流して、Aをより深い共犯にしようと試みる。
「いいって言ってるだろ。てかもう帰っていいか? 寒いんだけど」
「おい待てよ。この袋の底、なんか赤い汁みたいのが溜まってねえか?」
Aが家に帰りたい旨を二人に伝える間も、Cは興味津々に袋の中身を観察している。すっかりBが提案した冒険に夢中になっていた。
「なんだよノリが悪い奴だな。ここまできたら一目見るくらいいいだろ。マジでよくできてるぜ?」
なんとしてもAにラブドールを見せたいBが、立ち上がってAに迫ってきた。
「そんなの俺の自由だろ? 誰かに見つかってもお前らと一緒にいたことは言わないから、もう帰らせてくれよ」
Aは断固拒否の意思を示した。
彼は今まで何度もBの悪ふざけにつき合ってきていた。地下鉄のトイレに書かれている
「じゃあお前ら、誰か来ないか見張ってろよ」
首謀者のBが不満そうな顔をするAとCに指示を出し、ジャンパーのポケットからスマートフォンを取り出した。
昼間のうちに近隣住民の話を盗み聞きしたのか、彼は例のおもちゃが夜中のうちに捨てられることを知っていた。あとは袋の中身をスマートフォンのライト機能で確認すれば、お望みの宝物かどうか一目瞭然という寸法だ。
「……。おい、ちょっと見てみろよ」
中身を確認して興奮した声のBが、見張りの二人に呼びかけた。
ゴミ捨て場にかがんで袋の中身をビニール越しに観察するBには、それが精巧に作られた人間そっくりの人形のように見えた。体育座りの姿勢で袋に入るそれを、体も胸も大きくなく、小学生か中学生くらいをイメージして作られた、色白のロリータのラブドールだとBは結論づけた。
「うわ……。マジであったよ……」
Cも心臓の鼓動を大きくさせながら興味深そうにのぞき込む。袋越しに見える人形の横顔は短い黒髪のおかげで、見ようによっては男の子のようにも見えてくる。きっとボーイッシュな女の子を意識して作られた商品なのだと彼は考えた。
「お前ら、よくそんなもの見れるよな……」
唯一袋から顔を背けていたAが、後ろで袋を観察する二人に声をかける。
「お前も見てみろよ。こんなの生で堂々と見るなんて、大学生になるまでできないぞ」
ふしだらな理由でワクワクしているBがしつこくAを誘ってくる。
「なあ、この人形の顔、藤井に似てねえか?」
「変なこと言うなよ。それとAはホントにいいのかよ」
BがCの言葉を軽く流して、Aをより深い共犯にしようと試みる。
「いいって言ってるだろ。てかもう帰っていいか? 寒いんだけど」
「おい待てよ。この袋の底、なんか赤い汁みたいのが溜まってねえか?」
Aが家に帰りたい旨を二人に伝える間も、Cは興味津々に袋の中身を観察している。すっかりBが提案した冒険に夢中になっていた。
「なんだよノリが悪い奴だな。ここまできたら一目見るくらいいいだろ。マジでよくできてるぜ?」
なんとしてもAにラブドールを見せたいBが、立ち上がってAに迫ってきた。
「そんなの俺の自由だろ? 誰かに見つかってもお前らと一緒にいたことは言わないから、もう帰らせてくれよ」
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