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「聞いた話なんで正確な情報とは限りませんが、小中学生の男子が自分の性を大人に売るという話はそこまで珍しくないんですよ。利用者数が多いSNSにほかの動画サイトや出会い系サイトへのリンクを貼って相手を募集して、本格的な交渉はリンク先のサイトでやるんです」
「そ、そんなことがあるのか?」
「みたいですよ。異性間、同性間ともに。犯行当日の午後七時には、栄で四十代後半あたりの男性と手をつないで歩いている姿を目撃されています。パソコンのメール上にも、このくらいの時間に誰かと会う約束をしていたことが記載されていたので、援交の帰りに殺されたと考えるのが自然かと」
橋本の話を聞く湯浅は、間抜けな顔で口を開け、自分が知らなかった世界に関する話を聞いていた。彼はこの話をまだ頭の中で整理できていなかった。
そんなことは気にも留めない様子の橋本は、手にしていた書類を湯浅のデスクの上に置き、別の話に切り替えてきた。
「じゃあ僕、この間の一社の事件の中間報告書まとめるので、これで」
「お、おう……。」
まだ頭の中で男子中学生の援助交際の実情を理解できない湯浅の返事は、非常に気のないものだった。
橋本はまるでそこにつけ込むように次の台詞を口にした。
「あ、来月の二日、有休取りますんで」
「あ……⁉ ちょっと待て、お前!」
正気に戻った湯浅が立ち上がり、すでに背中を向けていた橋本に食って掛かった。
「お前、このとんでもない事件が起きてる時に有休取るのか⁉」
「何か問題でも?」
「あるに決まってるだろ! 民間の会社だって繁忙期に休むバカはいねえぞ!」
「そんなのは先輩みたいな古い考え方の人間の発想でしょう。それに僕、定期的に有休取ってますよね?」
「だから何だよ! 時と場合を考えろよ!」
「働く人間が持っている当然の権利を使って何か問題でもありますか? とにかくその日は外せない用事がありますので、休ませていただきます」
橋本はそう言って自分のデスクに戻っていった。
その時だった。
「それが警察官の態度か! 市民を守る警察官の態度か! 警察官なら自分を犠牲にしてでも凶悪な犯罪から市民を守ろうって考えるのが普通だろ! なのにお前はどうしてそうなんだ! お前はなんのために警察官やってるんだ!」
湯浅は同じ室内の人々が一斉に振り返るほどの声量で、橋本に精神論を投げかけた。
「そ、そんなことがあるのか?」
「みたいですよ。異性間、同性間ともに。犯行当日の午後七時には、栄で四十代後半あたりの男性と手をつないで歩いている姿を目撃されています。パソコンのメール上にも、このくらいの時間に誰かと会う約束をしていたことが記載されていたので、援交の帰りに殺されたと考えるのが自然かと」
橋本の話を聞く湯浅は、間抜けな顔で口を開け、自分が知らなかった世界に関する話を聞いていた。彼はこの話をまだ頭の中で整理できていなかった。
そんなことは気にも留めない様子の橋本は、手にしていた書類を湯浅のデスクの上に置き、別の話に切り替えてきた。
「じゃあ僕、この間の一社の事件の中間報告書まとめるので、これで」
「お、おう……。」
まだ頭の中で男子中学生の援助交際の実情を理解できない湯浅の返事は、非常に気のないものだった。
橋本はまるでそこにつけ込むように次の台詞を口にした。
「あ、来月の二日、有休取りますんで」
「あ……⁉ ちょっと待て、お前!」
正気に戻った湯浅が立ち上がり、すでに背中を向けていた橋本に食って掛かった。
「お前、このとんでもない事件が起きてる時に有休取るのか⁉」
「何か問題でも?」
「あるに決まってるだろ! 民間の会社だって繁忙期に休むバカはいねえぞ!」
「そんなのは先輩みたいな古い考え方の人間の発想でしょう。それに僕、定期的に有休取ってますよね?」
「だから何だよ! 時と場合を考えろよ!」
「働く人間が持っている当然の権利を使って何か問題でもありますか? とにかくその日は外せない用事がありますので、休ませていただきます」
橋本はそう言って自分のデスクに戻っていった。
その時だった。
「それが警察官の態度か! 市民を守る警察官の態度か! 警察官なら自分を犠牲にしてでも凶悪な犯罪から市民を守ろうって考えるのが普通だろ! なのにお前はどうしてそうなんだ! お前はなんのために警察官やってるんだ!」
湯浅は同じ室内の人々が一斉に振り返るほどの声量で、橋本に精神論を投げかけた。
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