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♯10ー4
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天草先生の言葉を素直に受け止めると、吹奏楽部に所属する二組の生徒が誰一人として顔を出していないことになってしまう。さすがに今までそんな話を聞いたことがないため、私にはこの質問がとても素っ頓狂な話に聞こえたのである。
「……。誰も来てないんですか?」
「そうなんだよ! 別に集合場所を違うところにしたわけじゃないし! 今日の四時間目の音楽の授業で二組の吹奏楽部員は全員いることは知ってるし! 今日は休みなんて言った覚えもないし! 先生どこ行ったか分かります!」
早口でそんなことを言われたって、すぐに状況を呑み込めるわけがない。私がとりあえず「知りません、知りません!」と、同じように早口になりながら逃げようとする。
そしておかしな現象はこれにとどまらなかった。
『品川萌、小暮進、佐々木直美、美津島宏。早く武道場来なさい』
はらわたが煮えくり返っているのを隠しきれていない新貝先生の声で、二組に所属する柔道部員の名前が校内放送で呼び出された。そして私も天草先生も、武道場来なさいの言葉に引っ掛かりを感じていた。
「柔道部も来てないのか……?」
「ちょっと確認してきますね」
私は教員用の席から立ち上がり、上履きをしまう下駄箱に向かって歩いた。そして途中で副部長に今日はもう終わりだということを伝えたその時、今度はパソコン室の内線電話が鳴ったのだ。
「はい、もしもし! 樋口で」
「樋口先生! 二組の卓球部員は! 誰も来てないんだが!」
こちらからは体育館にいるはずの西川先生が、気持ちを抑える気もなさそうな声で卓球部の様子を伝えてきた。
「そっちもですか!? 吹奏楽部も柔道部も、二組の生徒来てないみたいなんですけど!」
私もつられて大きな声で、聞かれてもいないほかの部活の状況を口にした。その後の調べで、この日三年二組の生徒は誰一人として部活に顔を出していなかったことが分かった。
裏で生徒が結託していることは一目瞭然だった。でなければ外国のストライキのごとく一斉に部活に参加しないなんて現象は起きるわけがない。
しかしこの事件は、その後大きく長く問題視されることなく忘れ去られることになる。私たち教員が突然起こったこの事件に頭を悩ませる間もなく、すぐに次の事件が起きたのだ。
「……。誰も来てないんですか?」
「そうなんだよ! 別に集合場所を違うところにしたわけじゃないし! 今日の四時間目の音楽の授業で二組の吹奏楽部員は全員いることは知ってるし! 今日は休みなんて言った覚えもないし! 先生どこ行ったか分かります!」
早口でそんなことを言われたって、すぐに状況を呑み込めるわけがない。私がとりあえず「知りません、知りません!」と、同じように早口になりながら逃げようとする。
そしておかしな現象はこれにとどまらなかった。
『品川萌、小暮進、佐々木直美、美津島宏。早く武道場来なさい』
はらわたが煮えくり返っているのを隠しきれていない新貝先生の声で、二組に所属する柔道部員の名前が校内放送で呼び出された。そして私も天草先生も、武道場来なさいの言葉に引っ掛かりを感じていた。
「柔道部も来てないのか……?」
「ちょっと確認してきますね」
私は教員用の席から立ち上がり、上履きをしまう下駄箱に向かって歩いた。そして途中で副部長に今日はもう終わりだということを伝えたその時、今度はパソコン室の内線電話が鳴ったのだ。
「はい、もしもし! 樋口で」
「樋口先生! 二組の卓球部員は! 誰も来てないんだが!」
こちらからは体育館にいるはずの西川先生が、気持ちを抑える気もなさそうな声で卓球部の様子を伝えてきた。
「そっちもですか!? 吹奏楽部も柔道部も、二組の生徒来てないみたいなんですけど!」
私もつられて大きな声で、聞かれてもいないほかの部活の状況を口にした。その後の調べで、この日三年二組の生徒は誰一人として部活に顔を出していなかったことが分かった。
裏で生徒が結託していることは一目瞭然だった。でなければ外国のストライキのごとく一斉に部活に参加しないなんて現象は起きるわけがない。
しかしこの事件は、その後大きく長く問題視されることなく忘れ去られることになる。私たち教員が突然起こったこの事件に頭を悩ませる間もなく、すぐに次の事件が起きたのだ。
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