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♯14ー6
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は存在しないものばかり見受けられる、この近くに家を建てた人の苦労がよく分かる場所だ。
仕事の時とまったく変わりのない服装の私は、ここに車で十五分ほどかけて、農道を通って市を横断する形でやってきていた。
十一月末にやる東中の合唱コンクールくらいでしか訪れない文化会館の正面入り口前の駐車場に愛車で入ると、二、三台の銀色のワゴン車が同じ方向を向いて駐車していた。上に脚立が載っているものもあることから、テレビ局のロケバスだということは見て取れる。その横では、背の高いどこかで見たことのある女性が、一人の太った男性と会話していた。番組のロゴマークの入った半袖のTシャツを着ていることからも、今日の私の共演者だということは一目瞭然だ。
「ご無沙汰してますー。先生ー」
私に声をかけてきたのは、PTA総会の時と同じような服装の信子さんだった。その横には、ワイシャツにネクタイ姿の穣一さんと、学校指定の夏服を着ている内田平治がいた。
私が三人に軽く挨拶をすると、「遅くなりましたー」と言いながら石井母がこちらに向かって駆け寄ってくる。信子さんと同じような服装であり、しまむらで買った仕事着を身に着けた私がなんだか浮いてしまいそうだ。ちなみにこの時二時五分頃だったので、遅刻でもなんでもない。
その後、私を除く大人三人は、私の車の横であれこれ会話をし始めた。他愛もない、記憶するに値しない世間話である。私はそれを内田とともに、少し距離を置いたところで眺めていた。
遠巻きに見る三人は、半分作り笑いのようにも見える笑顔をしていたが、私の横にいる内田はまったくの無表情だった。今回の取材に対して、面倒だと感じているのか、昔を思い出すから嫌だと思っているのか、それすら分からなかった。何しにここに来たのだという話になるが、実際に話しかけて率直な気持ちを聞くなど、とてもじゃないができなかった。
「皆さん、お揃いになりました」
すると私たち五人に、先ほどまで共演者の女性と会話していた太った男性が、その女性を引き連れて現れた。
私たちが二人のほうに視線を向けると、男性がセリフを続ける。
「えー、初めまして。Hテレビジョン 三十時間TVのディレクターの、長谷川祐樹です。本日はよろしくお願いします」
仕事の時とまったく変わりのない服装の私は、ここに車で十五分ほどかけて、農道を通って市を横断する形でやってきていた。
十一月末にやる東中の合唱コンクールくらいでしか訪れない文化会館の正面入り口前の駐車場に愛車で入ると、二、三台の銀色のワゴン車が同じ方向を向いて駐車していた。上に脚立が載っているものもあることから、テレビ局のロケバスだということは見て取れる。その横では、背の高いどこかで見たことのある女性が、一人の太った男性と会話していた。番組のロゴマークの入った半袖のTシャツを着ていることからも、今日の私の共演者だということは一目瞭然だ。
「ご無沙汰してますー。先生ー」
私に声をかけてきたのは、PTA総会の時と同じような服装の信子さんだった。その横には、ワイシャツにネクタイ姿の穣一さんと、学校指定の夏服を着ている内田平治がいた。
私が三人に軽く挨拶をすると、「遅くなりましたー」と言いながら石井母がこちらに向かって駆け寄ってくる。信子さんと同じような服装であり、しまむらで買った仕事着を身に着けた私がなんだか浮いてしまいそうだ。ちなみにこの時二時五分頃だったので、遅刻でもなんでもない。
その後、私を除く大人三人は、私の車の横であれこれ会話をし始めた。他愛もない、記憶するに値しない世間話である。私はそれを内田とともに、少し距離を置いたところで眺めていた。
遠巻きに見る三人は、半分作り笑いのようにも見える笑顔をしていたが、私の横にいる内田はまったくの無表情だった。今回の取材に対して、面倒だと感じているのか、昔を思い出すから嫌だと思っているのか、それすら分からなかった。何しにここに来たのだという話になるが、実際に話しかけて率直な気持ちを聞くなど、とてもじゃないができなかった。
「皆さん、お揃いになりました」
すると私たち五人に、先ほどまで共演者の女性と会話していた太った男性が、その女性を引き連れて現れた。
私たちが二人のほうに視線を向けると、男性がセリフを続ける。
「えー、初めまして。Hテレビジョン 三十時間TVのディレクターの、長谷川祐樹です。本日はよろしくお願いします」
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