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第2章 神隠し事件
第18話 スターチス=レノア。
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「いいか。この事件は、全てがスターチスによって。いやレノア家の母親以外の街の住人全体によって仕組まれていたんだ」
一から説明する。
「まず、この神隠し事件を母親とそれ以外で切り離して考えてみてくれ。スターチスは朝こう言っていたな」
『さて、この依頼を受ける上で効率的に進めるには、パーティー内でさらに分担して操作を進めるのがいいと思う。具体的には3人と2人チームで、被害者と加害者両方からアプローチを仕掛けようと思うんだ。皆どうかな』
「別行動を提案したのは、スターチスだった。まるでレノア家を避けるように立ち回る布石をこの時点で打っていた。それは、スターチスの工作がバレない為に必要だったんだ」
「工作?」
「神隠し事件の工作さ」
「もういいよグラジオラス。ここから僕が説明する」
彼の口から訥々と真実が語られる。
「五日前、弟が消えた。原因は不明、ただの迷子にどの冒険者も取り合ってくれなかった」
これが事件の発端。最初に起こった、本当の事件だ。
「頼みの綱だったグラジオラスもその日ぐらいからあまり顔を出さなくなった。あの時は本気で焦っていたんだ」
それは、ラケナリアという問題児のせいです、はい。
俺の依頼達成率を考えれば、何とかしてくれると考えていただろう。しかしその頃から私生活に劇的な変化もあって、冒険者ギルドの依頼を少しの間サボっていた。
「それで、僕は考えた。なら、必ず誰かが来てくれるように仕組むしかない。なんとかして協力を仰ごうってね」
「それが、神隠し事件なんだな」
「ど、どうして神隠し事件と関係があるのっ!?」
「ヒントは冒険者ギルドの仕様にある」
その時、あっと初めに声をあげたのはプロテアだ。
「連続事件……」
その言葉に、場に居た全員が思い至ったらしい。
俺も、昨日リーリアから聞いた話を思い起こす。
『普通の迷子であれば、Fランク冒険者に頼む案件……というのは、グラジオラスさんは既にご存じかと思います。しかし、Eランク冒険者以上と推奨難易度が上がったのは、第13地区にて立て続けに迷子捜索の依頼が成された事が原因です。依頼主は、神隠しにあった3人の子供の母親です。3人の子供はそれぞれ別のご家庭で、ある日突然、跡形もなく失踪したのだとか』
「そう。これが連続事件なら推奨難易度はEから。そして、連続事件を証明するように撒かれたのは、例のメモだ。いざとなれば、ギルドにそれを証拠として提示するつもりだった」
そして現実としてその夢は叶った。
「昼時にスタッチは言ってたよな」
『そっか、メモか。だけど、それは本当に重要な物なのかな。例えば誰かが後からその場において見せかける事も出来るだろう?』
「あの発想に至れるのは犯人だけだ。なあスタッチ」
コットンがノートに控えていた数字の羅列に目を通した。
『0.57895』
やはり複雑でなんの意味もない数字に見える。
「なにか意味があるのかなこれ」
プロテアは純粋な疑問を投げかける。
「違う。そう思った時点で既にプロテアはスタッチの術中に嵌っているんだよ」
「どういう事?」
「簡単な話さ。これに意味なんてない。どうでもいいんだ」
「えっ……?」
俺はメモ用紙をビリビリに破り捨てる。「あっ」と驚きの声が上がったが今更必要の無いものだ。
「要するにこれは、連続事件である証明だ。実際連続事件と思わせる代物であれば何でも良かった。そこに謎を残しておけば、上手く事件へと誘導出来るからな」
「流石だよ、グラジオラス。素晴らしい洞察力だ」
パチパチパチとスターチスは惜しみなく賛辞を送る。別に褒めて欲しかった訳では無いが、ここは素直に受けとっておこう。
「『0.57895』実はこれにはちゃんと意味があるのさ」
「え、そうなのか……?」
これは俺も意外だった。
てっきりなんの意味もない数字の羅列だと思っていたが。
「簡単な僕の自己紹介だよ」
自己紹介……あれ、待てよそう言えば。
玄関で見たレノア家のカレンダー。ある日付に赤く印が書かれていた。カレンダーに印をつけるのは、何ならの記念日だ。
「誕生日だ」
「正解。11月19日。横文字表記で11/19だ」
「それが何なのよ」
「だから僕の誕生日だよプロテア。分数に直してみなよ」
俺は数字が書かれた部分の横に等号を結び、11/19と書いた。
11を19で割ると、確かにその値に近い数字が出てくる。
「あとは"スターチス"の5文字で有効数字5桁か」
「流石だよ、グラジオラス。君の言う通りさ」
観念して両手を上に挙げる。
「僕はギルドを騙して、神隠し事件をでっち上げる事にした。始まりは僕の母が弟の失踪に酷く憔悴した所からだ。すっかり病んでしまって口も利かない。街では結構な人気で明るく振舞っていた母があの様子で、皆も心配していたんだよ」
「そこで……何やら画策し始めたスタッチに、オルビス家とヴァルガリス家が協力を申し出てきたんだな」
「そうだよ。二人の子供を同じく神隠しにあったと見せかければ、上手くギルドを動かせるってその時確信したんだ」
当時Fランクだった彼は急いでEランクに昇格させ、パーティーを編成した。即席で作られた五人組のパーティーを見事第13地区に誘導することに成功した。
「協力関係……って、なんで本当なの?」
「根拠はある。ひとつは、聞き込みをしたオルビス家とヴァルガリス家の母親の態度。実の子供が3日も行方知れずなのに、意外と平気そうだっただろ。普通はレノア家みたいに取り乱してもおかしくない。そのギャップこそ違和感の正体だった。他にも」
俺は指をピンと立てた。
『今回はこの三人で捜査に当たられると?』
「人数を気にしていた様子だったり───」
『そ、そう? まあ、犯人にも何か事情があったのかもしれないけど』
「犯人に同情する様子も判断材料のひとつだ」
攫われた側が犯人を気遣う姿勢を見せた。
これも違和感を芽生えさせた。
「そっか。だからレノア家の母親とそれ以外を切り離して考えさせたんだね。全く関与していないから」
これで殆どの謎は解けただろう。
「で、最後にだ。どうして俺達Eランク冒険者を集める必要があったか。Fランクではいけない理由。それは───」
「魔物による誘拐の可能性ってことか……そうだったんだね、スターチス」
全てを理解し終えたルスカスがスターチスを見て憐れむ。
話は原点へ、スターチスの狙いはずっと同じだった。
俺達を魔物討伐へ舵を切らせようとしたのは、最初から神隠し事件は魔物による被害だとある程度目星を付けていたから。
その後魔物の足跡を見つけ、スターチスは内心この魔物による仕業だと確信していたんだろう、それで俺達に聞き込み捜査という唯一スターチスだけが無駄だと知る作業を止めるよう提案した。
「僕はっ、なんとしてでも魔物を討伐し弟をランタナを救ってやらなきゃいけない……! だから……、だからっ」
嗚咽を漏らしながらスターチスは跪いた。
「これからどうするつもりだ」
「冒険者ギルドに、本当の事を話して……魔物の仕業だって証拠をつきつければきっと一人くらいは腕利きの冒険者が掴まるだろう、いくら払ってでも魔物を……倒して、やるんだ」
冒険者は守る為に戦っている、か。
いつしかラケナリアが言った言葉が理解出来た気がした。
俺は、重い空気を一蹴するように冗談めかして言ってやる。
「おいおい、なんで俺達を頼らない?」
その言葉に、ふっとスターチスが顔を上げる。
「僕を……なんで、僕は君達を騙してたんだ。それなのに、この期に及んで助けてくれなんて虫が良すぎるじゃないかっ!?」
「それは、他の皆に聞いて回って得た答えか?」
プロテアが、コットンが、ルスカスが。全員がスターチスを取り囲んで和やかな笑みを浮かべた。
「全く、水臭いなあ、スタッチ。早くいえばいいのに」
「本当だよっ、回りくどい事しないで私達を頼ってくくればきっと最初から力になれたのに」
「スターチス……あたしは、許さない。でも、スターチスだけが不幸になろうとするのはもっと許せないからっ!」
「……みん、な」
声を震わし、何度も許しを乞うスターチスはやがて。
一つ一つ、ゆっくりと言葉を選んで紡いで言った。
「僕を……助けてくれ」
一から説明する。
「まず、この神隠し事件を母親とそれ以外で切り離して考えてみてくれ。スターチスは朝こう言っていたな」
『さて、この依頼を受ける上で効率的に進めるには、パーティー内でさらに分担して操作を進めるのがいいと思う。具体的には3人と2人チームで、被害者と加害者両方からアプローチを仕掛けようと思うんだ。皆どうかな』
「別行動を提案したのは、スターチスだった。まるでレノア家を避けるように立ち回る布石をこの時点で打っていた。それは、スターチスの工作がバレない為に必要だったんだ」
「工作?」
「神隠し事件の工作さ」
「もういいよグラジオラス。ここから僕が説明する」
彼の口から訥々と真実が語られる。
「五日前、弟が消えた。原因は不明、ただの迷子にどの冒険者も取り合ってくれなかった」
これが事件の発端。最初に起こった、本当の事件だ。
「頼みの綱だったグラジオラスもその日ぐらいからあまり顔を出さなくなった。あの時は本気で焦っていたんだ」
それは、ラケナリアという問題児のせいです、はい。
俺の依頼達成率を考えれば、何とかしてくれると考えていただろう。しかしその頃から私生活に劇的な変化もあって、冒険者ギルドの依頼を少しの間サボっていた。
「それで、僕は考えた。なら、必ず誰かが来てくれるように仕組むしかない。なんとかして協力を仰ごうってね」
「それが、神隠し事件なんだな」
「ど、どうして神隠し事件と関係があるのっ!?」
「ヒントは冒険者ギルドの仕様にある」
その時、あっと初めに声をあげたのはプロテアだ。
「連続事件……」
その言葉に、場に居た全員が思い至ったらしい。
俺も、昨日リーリアから聞いた話を思い起こす。
『普通の迷子であれば、Fランク冒険者に頼む案件……というのは、グラジオラスさんは既にご存じかと思います。しかし、Eランク冒険者以上と推奨難易度が上がったのは、第13地区にて立て続けに迷子捜索の依頼が成された事が原因です。依頼主は、神隠しにあった3人の子供の母親です。3人の子供はそれぞれ別のご家庭で、ある日突然、跡形もなく失踪したのだとか』
「そう。これが連続事件なら推奨難易度はEから。そして、連続事件を証明するように撒かれたのは、例のメモだ。いざとなれば、ギルドにそれを証拠として提示するつもりだった」
そして現実としてその夢は叶った。
「昼時にスタッチは言ってたよな」
『そっか、メモか。だけど、それは本当に重要な物なのかな。例えば誰かが後からその場において見せかける事も出来るだろう?』
「あの発想に至れるのは犯人だけだ。なあスタッチ」
コットンがノートに控えていた数字の羅列に目を通した。
『0.57895』
やはり複雑でなんの意味もない数字に見える。
「なにか意味があるのかなこれ」
プロテアは純粋な疑問を投げかける。
「違う。そう思った時点で既にプロテアはスタッチの術中に嵌っているんだよ」
「どういう事?」
「簡単な話さ。これに意味なんてない。どうでもいいんだ」
「えっ……?」
俺はメモ用紙をビリビリに破り捨てる。「あっ」と驚きの声が上がったが今更必要の無いものだ。
「要するにこれは、連続事件である証明だ。実際連続事件と思わせる代物であれば何でも良かった。そこに謎を残しておけば、上手く事件へと誘導出来るからな」
「流石だよ、グラジオラス。素晴らしい洞察力だ」
パチパチパチとスターチスは惜しみなく賛辞を送る。別に褒めて欲しかった訳では無いが、ここは素直に受けとっておこう。
「『0.57895』実はこれにはちゃんと意味があるのさ」
「え、そうなのか……?」
これは俺も意外だった。
てっきりなんの意味もない数字の羅列だと思っていたが。
「簡単な僕の自己紹介だよ」
自己紹介……あれ、待てよそう言えば。
玄関で見たレノア家のカレンダー。ある日付に赤く印が書かれていた。カレンダーに印をつけるのは、何ならの記念日だ。
「誕生日だ」
「正解。11月19日。横文字表記で11/19だ」
「それが何なのよ」
「だから僕の誕生日だよプロテア。分数に直してみなよ」
俺は数字が書かれた部分の横に等号を結び、11/19と書いた。
11を19で割ると、確かにその値に近い数字が出てくる。
「あとは"スターチス"の5文字で有効数字5桁か」
「流石だよ、グラジオラス。君の言う通りさ」
観念して両手を上に挙げる。
「僕はギルドを騙して、神隠し事件をでっち上げる事にした。始まりは僕の母が弟の失踪に酷く憔悴した所からだ。すっかり病んでしまって口も利かない。街では結構な人気で明るく振舞っていた母があの様子で、皆も心配していたんだよ」
「そこで……何やら画策し始めたスタッチに、オルビス家とヴァルガリス家が協力を申し出てきたんだな」
「そうだよ。二人の子供を同じく神隠しにあったと見せかければ、上手くギルドを動かせるってその時確信したんだ」
当時Fランクだった彼は急いでEランクに昇格させ、パーティーを編成した。即席で作られた五人組のパーティーを見事第13地区に誘導することに成功した。
「協力関係……って、なんで本当なの?」
「根拠はある。ひとつは、聞き込みをしたオルビス家とヴァルガリス家の母親の態度。実の子供が3日も行方知れずなのに、意外と平気そうだっただろ。普通はレノア家みたいに取り乱してもおかしくない。そのギャップこそ違和感の正体だった。他にも」
俺は指をピンと立てた。
『今回はこの三人で捜査に当たられると?』
「人数を気にしていた様子だったり───」
『そ、そう? まあ、犯人にも何か事情があったのかもしれないけど』
「犯人に同情する様子も判断材料のひとつだ」
攫われた側が犯人を気遣う姿勢を見せた。
これも違和感を芽生えさせた。
「そっか。だからレノア家の母親とそれ以外を切り離して考えさせたんだね。全く関与していないから」
これで殆どの謎は解けただろう。
「で、最後にだ。どうして俺達Eランク冒険者を集める必要があったか。Fランクではいけない理由。それは───」
「魔物による誘拐の可能性ってことか……そうだったんだね、スターチス」
全てを理解し終えたルスカスがスターチスを見て憐れむ。
話は原点へ、スターチスの狙いはずっと同じだった。
俺達を魔物討伐へ舵を切らせようとしたのは、最初から神隠し事件は魔物による被害だとある程度目星を付けていたから。
その後魔物の足跡を見つけ、スターチスは内心この魔物による仕業だと確信していたんだろう、それで俺達に聞き込み捜査という唯一スターチスだけが無駄だと知る作業を止めるよう提案した。
「僕はっ、なんとしてでも魔物を討伐し弟をランタナを救ってやらなきゃいけない……! だから……、だからっ」
嗚咽を漏らしながらスターチスは跪いた。
「これからどうするつもりだ」
「冒険者ギルドに、本当の事を話して……魔物の仕業だって証拠をつきつければきっと一人くらいは腕利きの冒険者が掴まるだろう、いくら払ってでも魔物を……倒して、やるんだ」
冒険者は守る為に戦っている、か。
いつしかラケナリアが言った言葉が理解出来た気がした。
俺は、重い空気を一蹴するように冗談めかして言ってやる。
「おいおい、なんで俺達を頼らない?」
その言葉に、ふっとスターチスが顔を上げる。
「僕を……なんで、僕は君達を騙してたんだ。それなのに、この期に及んで助けてくれなんて虫が良すぎるじゃないかっ!?」
「それは、他の皆に聞いて回って得た答えか?」
プロテアが、コットンが、ルスカスが。全員がスターチスを取り囲んで和やかな笑みを浮かべた。
「全く、水臭いなあ、スタッチ。早くいえばいいのに」
「本当だよっ、回りくどい事しないで私達を頼ってくくればきっと最初から力になれたのに」
「スターチス……あたしは、許さない。でも、スターチスだけが不幸になろうとするのはもっと許せないからっ!」
「……みん、な」
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(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
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