31 / 40
case3 異国日本からの転移者
クラスの連中への合流。
しおりを挟む
奥山には悩みがあった。
他でもないアンネの事だ。
奥山は剣崎達に早々に追放され、自由になった。
奴隷達を侍らせ、気ままに振舞った。
何でも出来る、と確信していた。
日本人が異世界転移した時の、既に主人公軌道に乗ったなという実感もあった。だからこそ、最初に出会ったヒロインたる少女に未だに素っ気ない態度を取られるのは我慢ならなかった。
自分の物にしたい、そんな支配欲がふつふつと湧いてくる。
奥山はあのギルド職員に嫉妬していた。
彼女の愛を一身に受ける男。
あれ程の美貌、あれ程の恵まれた身体を持つ少女は他に何十といない。
欲しい、あの子の身も心も真の意味で。
全てが思い通りになる異世界で唯一手に入れられないもの。
それを手にするために、もっと強くなろうと思った。
剣崎へのざまぁは、その過程に過ぎない。
言うなれば、コース料理の前菜だ。
奥山は唇を舐めた。
さて、そろそろ一口目を頂こうか。
□■□
「皆、よく聞け」
エイハムは、一か月鍛錬した者達に声をかけた。
一か月前、気弱で泣き喚くだけだった彼らはもういない。キッと戦士らしき双眸でエイハムを見つめる。これからエイハムが言う事を理解していた。
「この一か月、よく頑張った。過酷な鍛錬に耐え、武器を使いこなし、今では国を代表する戦力となった。そこで今日は早速実戦に移ろうと思う!」
「「「おおおぉぉぉおおおお!!!」」」
彼らは、異世界日本から来た転移者。
環境にも慣れ、現地にも友人が出来た。
一か月前よりも、帰ろうという意識が希薄化していた。
何故か。彼らが楽しむ事を覚えたからだ。
この世界の食事や、様々な文化に触れて日々暮らしてきた。
今じゃ長期旅行中としてこの生活に満足している。
そして、剣や魔法の修練。
これも、心を躍らせる要因になったらしい。
「俺達は強くなった。それを魔物共に示してやるぞ!」
リーダーの男剣崎は剣を天に向けて掲げた。
剣崎は鍛錬を人一倍頑張り、強くなる事に貪欲だった。
彼だけは、強さへの執着を忘れていない。
この世界において、強さは絶対的な権力だ。
エイハムは全員の顔を見渡して頷いた。
概ね、上手く纏まったなと自画自賛する。
慣れない環境に精神を狂わせ、戦いから逃げる者もいくらかいると想像していたが、嫌々ながらも全員見事にこの場に居続けた。
「よし。では、今日行く迷宮について簡単におさらいだ」
キャスター付きボードにイラストを書き込んでいく。
「目的地はここ、『シードの迷宮』だ。地下に点々とした小部屋が生成されるタイプの迷宮で、奇襲がしやすく初心者にはうってつけだ」
「ふむ。地下迷宮というからには、ここより少し離れた場所ですよね」
聞き入っていた女の一人が、手を上げて発言した。
「どうしてそう思った?」
「地下に連続した空洞があるのに、その上に王都を築くのは危険でしょう。いつ地盤沈下が起こるか分からないですから」
「さすが、日本国の教養の深さは随一だな」
言語の壁は『念話』効果を封じ込めた魔道具で解消している。
そうすると転移前の日本という国の文明の発達度につくづく驚かされた。
「その通りだ。迷宮は王都郊外にある荒野にて発見された。雨によって土壌がぬかるみ、土砂が下に落下したおかげで発見されたのだ」
発見されたのは、今から十年ほど前。
迷宮は魔物が高頻度で湧くという不思議な性質を持っていた。
「出現する魔物は、スライムやゴブリンといった極めて弱い魔物しか出ない。ただし気を抜くな、ゴブリンは稀に、冒険者が落とした武器や防具を纏っているからな」
とはいえ、怪我や全滅の心配はそうそうないと思っていた。
転移者達の優れた『恩恵』があれば、楽に討伐できる。
何の憂いもない。
「騎士長エイハム様、至急お耳に入れて頂きたい事が」
部下だ。エイハムの後ろで片膝をついた。
「なんだ」
「門前にてエイハム様に取り次いで貰いたいと申す者が現れました。名を奥山と申しております」
「なにっ!?」
奥山。奥山だと。
奥山は初日にクラスによって追放された男の名だ。
警戒対象とされたギルド職員ベリアルとも接触しており、奴隷商館にも赴いている。今更この地に足を運ぶ必要はないはず。
奴の差し金か、とベリアルの顔を思い浮かべた。
「分かった。通せ」
「はっ」
ざわざわと周囲もざわめきだす。
いきなり奥山が帰ってきた事。そして、今から迷宮へ向かおうとしたこのタイミングでの登場に少なからず躊躇や警戒心を抱いていた。
それはエイハムとて同じ事。
不安の種を蒔きに来た。
奥山はおずおずと身体を縮こませながら、この部屋へとやってきた。
「おい、のこのこと何しに来た、奥山」
「け、剣崎くん……今日から迷宮に行くって聞いて。それで、良かったらなんだけど、僕も連れて行ってくれないか。お願いだ、必ず邪魔はしないから」
奥山は頭を下げた。
剣崎はちっと舌打ちする。反抗心がまるでない。
こちらに縋るしか方法が無かったのか、他所を当たる素振りもない。
「いきなり帰ってきたと思ったらそんな事かよ。奏の代わりに追放したってのに、全く恥とか知らねえのお前は。だからストーカーの変態野郎って言われんだ」
「な、なんと言ってくれても構わない。僕を助けてくれぇぇ」
奥山は情けなく泣き叫ぶ。
他の皆は既に同情の目を向けていた。
「なあ剣崎。もういいんじゃないか。奥山もこう言ってるしよ」
「そうよ。流石に可哀想……」
奥山へ肩を持ち始める。
奥山は表情を変えず、依然として地面に頭をこすりつけながら必死に頼み込んでいる。余程凄惨な生活を強いられたのだろう、と想像せずにはいられなかった。
この場合、エイハムだけは別の意味で心臓が早鐘を打った。
「……」
罠、の可能性が捨てきれない。
見事な演技だったが、奥山は恐らく何らかの力を手にしていた。
身に纏うオーラが、凡人のそれとは別物だ。
目に見えない力、それを巧妙に隠している。
重要な役回りを与えず、後方で控えさせる事にした。
「仕方あるまい、許可しよう。剣崎もいいな」
「あ、ああ……くそったれ」
一瞬だが、奥山が白い歯を見せた気がした。
気のせいだろうか、奥山は泣いて喜んでいた。
これが全て演技なら彼の目的は……いったい何なのだろうか。
答えが見つけられないまま、迷宮の入り口を目指した。
他でもないアンネの事だ。
奥山は剣崎達に早々に追放され、自由になった。
奴隷達を侍らせ、気ままに振舞った。
何でも出来る、と確信していた。
日本人が異世界転移した時の、既に主人公軌道に乗ったなという実感もあった。だからこそ、最初に出会ったヒロインたる少女に未だに素っ気ない態度を取られるのは我慢ならなかった。
自分の物にしたい、そんな支配欲がふつふつと湧いてくる。
奥山はあのギルド職員に嫉妬していた。
彼女の愛を一身に受ける男。
あれ程の美貌、あれ程の恵まれた身体を持つ少女は他に何十といない。
欲しい、あの子の身も心も真の意味で。
全てが思い通りになる異世界で唯一手に入れられないもの。
それを手にするために、もっと強くなろうと思った。
剣崎へのざまぁは、その過程に過ぎない。
言うなれば、コース料理の前菜だ。
奥山は唇を舐めた。
さて、そろそろ一口目を頂こうか。
□■□
「皆、よく聞け」
エイハムは、一か月鍛錬した者達に声をかけた。
一か月前、気弱で泣き喚くだけだった彼らはもういない。キッと戦士らしき双眸でエイハムを見つめる。これからエイハムが言う事を理解していた。
「この一か月、よく頑張った。過酷な鍛錬に耐え、武器を使いこなし、今では国を代表する戦力となった。そこで今日は早速実戦に移ろうと思う!」
「「「おおおぉぉぉおおおお!!!」」」
彼らは、異世界日本から来た転移者。
環境にも慣れ、現地にも友人が出来た。
一か月前よりも、帰ろうという意識が希薄化していた。
何故か。彼らが楽しむ事を覚えたからだ。
この世界の食事や、様々な文化に触れて日々暮らしてきた。
今じゃ長期旅行中としてこの生活に満足している。
そして、剣や魔法の修練。
これも、心を躍らせる要因になったらしい。
「俺達は強くなった。それを魔物共に示してやるぞ!」
リーダーの男剣崎は剣を天に向けて掲げた。
剣崎は鍛錬を人一倍頑張り、強くなる事に貪欲だった。
彼だけは、強さへの執着を忘れていない。
この世界において、強さは絶対的な権力だ。
エイハムは全員の顔を見渡して頷いた。
概ね、上手く纏まったなと自画自賛する。
慣れない環境に精神を狂わせ、戦いから逃げる者もいくらかいると想像していたが、嫌々ながらも全員見事にこの場に居続けた。
「よし。では、今日行く迷宮について簡単におさらいだ」
キャスター付きボードにイラストを書き込んでいく。
「目的地はここ、『シードの迷宮』だ。地下に点々とした小部屋が生成されるタイプの迷宮で、奇襲がしやすく初心者にはうってつけだ」
「ふむ。地下迷宮というからには、ここより少し離れた場所ですよね」
聞き入っていた女の一人が、手を上げて発言した。
「どうしてそう思った?」
「地下に連続した空洞があるのに、その上に王都を築くのは危険でしょう。いつ地盤沈下が起こるか分からないですから」
「さすが、日本国の教養の深さは随一だな」
言語の壁は『念話』効果を封じ込めた魔道具で解消している。
そうすると転移前の日本という国の文明の発達度につくづく驚かされた。
「その通りだ。迷宮は王都郊外にある荒野にて発見された。雨によって土壌がぬかるみ、土砂が下に落下したおかげで発見されたのだ」
発見されたのは、今から十年ほど前。
迷宮は魔物が高頻度で湧くという不思議な性質を持っていた。
「出現する魔物は、スライムやゴブリンといった極めて弱い魔物しか出ない。ただし気を抜くな、ゴブリンは稀に、冒険者が落とした武器や防具を纏っているからな」
とはいえ、怪我や全滅の心配はそうそうないと思っていた。
転移者達の優れた『恩恵』があれば、楽に討伐できる。
何の憂いもない。
「騎士長エイハム様、至急お耳に入れて頂きたい事が」
部下だ。エイハムの後ろで片膝をついた。
「なんだ」
「門前にてエイハム様に取り次いで貰いたいと申す者が現れました。名を奥山と申しております」
「なにっ!?」
奥山。奥山だと。
奥山は初日にクラスによって追放された男の名だ。
警戒対象とされたギルド職員ベリアルとも接触しており、奴隷商館にも赴いている。今更この地に足を運ぶ必要はないはず。
奴の差し金か、とベリアルの顔を思い浮かべた。
「分かった。通せ」
「はっ」
ざわざわと周囲もざわめきだす。
いきなり奥山が帰ってきた事。そして、今から迷宮へ向かおうとしたこのタイミングでの登場に少なからず躊躇や警戒心を抱いていた。
それはエイハムとて同じ事。
不安の種を蒔きに来た。
奥山はおずおずと身体を縮こませながら、この部屋へとやってきた。
「おい、のこのこと何しに来た、奥山」
「け、剣崎くん……今日から迷宮に行くって聞いて。それで、良かったらなんだけど、僕も連れて行ってくれないか。お願いだ、必ず邪魔はしないから」
奥山は頭を下げた。
剣崎はちっと舌打ちする。反抗心がまるでない。
こちらに縋るしか方法が無かったのか、他所を当たる素振りもない。
「いきなり帰ってきたと思ったらそんな事かよ。奏の代わりに追放したってのに、全く恥とか知らねえのお前は。だからストーカーの変態野郎って言われんだ」
「な、なんと言ってくれても構わない。僕を助けてくれぇぇ」
奥山は情けなく泣き叫ぶ。
他の皆は既に同情の目を向けていた。
「なあ剣崎。もういいんじゃないか。奥山もこう言ってるしよ」
「そうよ。流石に可哀想……」
奥山へ肩を持ち始める。
奥山は表情を変えず、依然として地面に頭をこすりつけながら必死に頼み込んでいる。余程凄惨な生活を強いられたのだろう、と想像せずにはいられなかった。
この場合、エイハムだけは別の意味で心臓が早鐘を打った。
「……」
罠、の可能性が捨てきれない。
見事な演技だったが、奥山は恐らく何らかの力を手にしていた。
身に纏うオーラが、凡人のそれとは別物だ。
目に見えない力、それを巧妙に隠している。
重要な役回りを与えず、後方で控えさせる事にした。
「仕方あるまい、許可しよう。剣崎もいいな」
「あ、ああ……くそったれ」
一瞬だが、奥山が白い歯を見せた気がした。
気のせいだろうか、奥山は泣いて喜んでいた。
これが全て演技なら彼の目的は……いったい何なのだろうか。
答えが見つけられないまま、迷宮の入り口を目指した。
0
あなたにおすすめの小説
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
「お前の代わりはいる」と追放された俺の【万物鑑定】は、実は世界の真実を見抜く【真理の瞳】でした。最高の仲間と辺境で理想郷を創ります
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の代わりはいくらでもいる。もう用済みだ」――勇者パーティーで【万物鑑定】のスキルを持つリアムは、戦闘に役立たないという理由で装備も金もすべて奪われ追放された。
しかし仲間たちは知らなかった。彼のスキルが、物の価値から人の秘めたる才能、土地の未来までも見通す超絶チート能力【真理の瞳】であったことを。
絶望の淵で己の力の真価に気づいたリアムは、辺境の寂れた街で再起を決意する。気弱なヒーラー、臆病な獣人の射手……世間から「無能」の烙印を押された者たちに眠る才能の原石を次々と見出し、最高の仲間たちと共にギルド「方舟(アーク)」を設立。彼らが輝ける理想郷をその手で創り上げていく。
一方、有能な鑑定士を失った元パーティーは急速に凋落の一途を辿り……。
これは不遇職と蔑まれた一人の男が最高の仲間と出会い、世界で一番幸福な場所を創り上げる、爽快な逆転成り上がりファンタジー!
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
魔力ゼロで出来損ないと追放された俺、前世の物理学知識を魔法代わりに使ったら、天才ドワーフや魔王に懐かれて最強になっていた
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は我が家の恥だ」――。
名門貴族の三男アレンは、魔力を持たずに生まれたというだけで家族に虐げられ、18歳の誕生日にすべてを奪われ追放された。
絶望の中、彼が死の淵で思い出したのは、物理学者として生きた前世の記憶。そして覚醒したのは、魔法とは全く異なる、世界の理そのものを操る力――【概念置換(コンセプト・シフト)】。
運動エネルギーの法則【E = 1/2mv²】で、小石は音速の弾丸と化す。
熱力学第二法則で、敵軍は絶対零度の世界に沈む。
そして、相対性理論【E = mc²】は、神をも打ち砕く一撃となる。
これは、魔力ゼロの少年が、科学という名の「本当の魔法」で理不尽な運命を覆し、心優しき仲間たちと共に、偽りの正義に支配された世界の真実を解き明かす物語。
「君の信じる常識は、本当に正しいのか?」
知的好奇心が、あなたの胸を熱くする。新時代のサイエンス・ファンタジーが、今、幕を開ける。
Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。
絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。
一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。
無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!
追放された俺のスキル【整理整頓】が覚醒!もふもふフェンリルと訳あり令嬢と辺境で最強ギルドはじめます
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の【整理整頓】なんてゴミスキル、もういらない」――勇者パーティーの雑用係だったカイは、ダンジョンの最深部で無一文で追放された。死を覚悟したその時、彼のスキルは真の能力に覚醒する。鑑定、無限収納、状態異常回復、スキル強化……森羅万象を“整理”するその力は、まさに規格外の万能チートだった! 呪われたもふもふ聖獣と、没落寸前の騎士令嬢。心優しき仲間と出会ったカイは、辺境の街で小さなギルド『クローゼット』を立ち上げる。一方、カイという“本当の勇者”を失ったパーティーは崩壊寸前に。これは、地味なスキル一つで世界を“整理整頓”していく、一人の青年の爽快成り上がり英雄譚!
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる