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第一章 護衛艦フワデラ
第31話 神ネット業務スーパー
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「つまりEONポイントというのがあれば、元世界にある業務用スーパーから商品を仕入れることができるということでいいのか?」
「よくわからないけど、たぶんそう!」
フワーデの元気な返答に私は思わず頭を抱える。
正直、わけがわからない。
「とりあえず、本当に購入できるか一度試してみたら?」
「そ、そうだな……それでEONポイントというのは今どれくらいあるんだ?」
「3憶ポイントあるよ!」
「1EONポイントって円にするとどれくらいなんだ?」
「変動することもあるみたいだけど大体1円で良いみたい」
あのヤバイ海獣を沈めた報酬が3億円……魚雷を三発も使ったことを考えれば、戦い方に寄るのだろうが、それほど美味しい話ということでもなさそうだ。
「とりあえず試してみるか。そうだなとりあえず……」
私は注文画面を操作した。
1時間後。
平野副長が慌てた声で私に報告を上げてきた。
「艦長! 格納庫に大量のカロリーフレンドが出現しました!」
「おうふ……そこに届くのか」
~ 各科長会議 ~
「対応した乗組員の話によると、格納庫の空きスペースに黒い空間が出現して、そこに段ボール箱が山積みされていたそうです」
平野副長の報告に、士官室に集まった各科長全員が驚きの声を上げる。
「その乗組員ってのがうちの機関士だったんだけど、受け取りサインを要求されたって話だよ」
東雲ゆかり機関長が言うには、神ネコ運送となのる人物が黒い空間から上半身だしてサインを受け取ったのだとか。サインは不要じゃなかったのか?と私は疑問を抱きつつ、
「そのカロリーフレンドを注文したのは私だ」
私はフワーデから伝えられた全ての情報を話す。
説明を終えると、各科長全員が呆然となって固まっていた。
「それってもしかすると、その空間に入れば帝国に帰れるんじゃないですか?」
「同じことを機関士くんも思ってが神ネコ運送の人に聞いたみたいだけど、どうもそれは無理らしいよ」
神ネコ運送の人も詳しいことは分かってはいないようだったが、異世界に物資を送るのは一方通行だということだった。
「試しに機関士くんが黒い空間に手を入れたら、すり抜けちゃったらしいよ」
「フーム。その女神様とやらの『ただでは還さない』って意図を感じますね」
草壁医官の言葉に会議室の空気が重くなる。この異世界へ強引に送り込んだ神々が、私たちに対して悪意のがあるのだとしたら、この先の見通しは暗そうだ。
「全く還れないというわけではない。フワーデによると悪魔とやらを倒すことができれば戻してもらえるそうだ」
私の言葉を受けて草壁医官が頷きを返す。
「女神の意志に沿う限りは色々と恩恵を受けることはできるということですね」
その後の会議で、神ネット業務スーパーの発注は補給科に一任することになった。乗組員たちの食事や支給品だけでなく、この異世界で取引に使えそうなものについても調べておいてもらう。
「後、あれだな。カワイイ系の女性乗組員に神ネコ配送員の対応を任せて、色々情報収集してもらおう」
神ネコ配送員と話をした機関士によると、配送員は22歳独身彼女いない歴イコール年齢、間違いなくDTだそうだ。
「ハニートラップですね」
「言い方!」
平野副長が私に向ってトンデモないことを言いだす。
現在のところ、 神ネコ配送員は帝国との唯一の接点だ。この際、ハニトラでも何でも手を尽くす他ない。担当する女性乗組員には負担を掛けるが頑張ってもらおう。
後日、鈴木補給長から「誰が一番カワイイか」という点で補給科内で争いが勃発したとの報告を受ける。
血で血を洗う紛争に発展するかという直前、たまたま補給科お手伝いに入っていたミライに鈴木補給長が目を付け、結局、彼女が神ネコ配送員の対応役になったそうだ。
ただミライは帝国のことを知らないので、彼女にはもう一人サポートを付けて神ネコ配送員に対応することに決まった。
~ 女神クエスト ~
神ネット業務スーパーについての話が一通り終わったところで、今度は女神クエストの話題に移る。
ここからはフワーデに来てもらい、士官室のモニタに映像を出しながら話をすることにした。
「つまり、女神クエストを受注することでEONポイントというのが獲得でき、それを元に元の世界の物資を購入することができるということですね」
「そうだ」
「「おぉ」」
平野副長に対する私の返答に、各科長からどよめきが起こる。
「ただ海獣退治の報酬は魚雷三発分に届くかどうかといったところだ。女神クエストの報酬だけでは本艦の維持に十分とはならない。やはり魔鉱石の収集は必須と考えるべきだろう」
「一体、他にどんなクエストがあるんです?」
むっさいおっさんの山形砲雷長が聞いてきたので、私はフワーデに指示してモニタにクエストの一覧を表示させた。
≫ 受注可能な女神クエスト一覧
≫ ● 悪魔勇者を探せ! 報酬:EON1000万ポイント
≫ ● 悪魔勇者を倒せ! 報酬:EON60億ポイント
≫ ● 悪魔勇者眷属を探せ! 報酬:EON1000万ポイント(個体毎)
≫ ● 悪魔勇者眷属を倒せ! 報酬:EON1億ポイント(個体毎)
≫ 〇 妖異ミ=ゴの基地を破壊せよ! 報酬:EON3憶ポイント
≫ 〇 妖異ミ=ゴの狩猟 報酬:EON70万ポイント
基地破壊という文字を目にして、むっさいおっさんの山形砲雷長が誘導弾《ゆうどうだん》を撃てる期待に目をキラキラさせている。
私は思わず頭を抱えた。
まったく……
幼女を困らせるんじゃない!
「よくわからないけど、たぶんそう!」
フワーデの元気な返答に私は思わず頭を抱える。
正直、わけがわからない。
「とりあえず、本当に購入できるか一度試してみたら?」
「そ、そうだな……それでEONポイントというのは今どれくらいあるんだ?」
「3憶ポイントあるよ!」
「1EONポイントって円にするとどれくらいなんだ?」
「変動することもあるみたいだけど大体1円で良いみたい」
あのヤバイ海獣を沈めた報酬が3億円……魚雷を三発も使ったことを考えれば、戦い方に寄るのだろうが、それほど美味しい話ということでもなさそうだ。
「とりあえず試してみるか。そうだなとりあえず……」
私は注文画面を操作した。
1時間後。
平野副長が慌てた声で私に報告を上げてきた。
「艦長! 格納庫に大量のカロリーフレンドが出現しました!」
「おうふ……そこに届くのか」
~ 各科長会議 ~
「対応した乗組員の話によると、格納庫の空きスペースに黒い空間が出現して、そこに段ボール箱が山積みされていたそうです」
平野副長の報告に、士官室に集まった各科長全員が驚きの声を上げる。
「その乗組員ってのがうちの機関士だったんだけど、受け取りサインを要求されたって話だよ」
東雲ゆかり機関長が言うには、神ネコ運送となのる人物が黒い空間から上半身だしてサインを受け取ったのだとか。サインは不要じゃなかったのか?と私は疑問を抱きつつ、
「そのカロリーフレンドを注文したのは私だ」
私はフワーデから伝えられた全ての情報を話す。
説明を終えると、各科長全員が呆然となって固まっていた。
「それってもしかすると、その空間に入れば帝国に帰れるんじゃないですか?」
「同じことを機関士くんも思ってが神ネコ運送の人に聞いたみたいだけど、どうもそれは無理らしいよ」
神ネコ運送の人も詳しいことは分かってはいないようだったが、異世界に物資を送るのは一方通行だということだった。
「試しに機関士くんが黒い空間に手を入れたら、すり抜けちゃったらしいよ」
「フーム。その女神様とやらの『ただでは還さない』って意図を感じますね」
草壁医官の言葉に会議室の空気が重くなる。この異世界へ強引に送り込んだ神々が、私たちに対して悪意のがあるのだとしたら、この先の見通しは暗そうだ。
「全く還れないというわけではない。フワーデによると悪魔とやらを倒すことができれば戻してもらえるそうだ」
私の言葉を受けて草壁医官が頷きを返す。
「女神の意志に沿う限りは色々と恩恵を受けることはできるということですね」
その後の会議で、神ネット業務スーパーの発注は補給科に一任することになった。乗組員たちの食事や支給品だけでなく、この異世界で取引に使えそうなものについても調べておいてもらう。
「後、あれだな。カワイイ系の女性乗組員に神ネコ配送員の対応を任せて、色々情報収集してもらおう」
神ネコ配送員と話をした機関士によると、配送員は22歳独身彼女いない歴イコール年齢、間違いなくDTだそうだ。
「ハニートラップですね」
「言い方!」
平野副長が私に向ってトンデモないことを言いだす。
現在のところ、 神ネコ配送員は帝国との唯一の接点だ。この際、ハニトラでも何でも手を尽くす他ない。担当する女性乗組員には負担を掛けるが頑張ってもらおう。
後日、鈴木補給長から「誰が一番カワイイか」という点で補給科内で争いが勃発したとの報告を受ける。
血で血を洗う紛争に発展するかという直前、たまたま補給科お手伝いに入っていたミライに鈴木補給長が目を付け、結局、彼女が神ネコ配送員の対応役になったそうだ。
ただミライは帝国のことを知らないので、彼女にはもう一人サポートを付けて神ネコ配送員に対応することに決まった。
~ 女神クエスト ~
神ネット業務スーパーについての話が一通り終わったところで、今度は女神クエストの話題に移る。
ここからはフワーデに来てもらい、士官室のモニタに映像を出しながら話をすることにした。
「つまり、女神クエストを受注することでEONポイントというのが獲得でき、それを元に元の世界の物資を購入することができるということですね」
「そうだ」
「「おぉ」」
平野副長に対する私の返答に、各科長からどよめきが起こる。
「ただ海獣退治の報酬は魚雷三発分に届くかどうかといったところだ。女神クエストの報酬だけでは本艦の維持に十分とはならない。やはり魔鉱石の収集は必須と考えるべきだろう」
「一体、他にどんなクエストがあるんです?」
むっさいおっさんの山形砲雷長が聞いてきたので、私はフワーデに指示してモニタにクエストの一覧を表示させた。
≫ 受注可能な女神クエスト一覧
≫ ● 悪魔勇者を探せ! 報酬:EON1000万ポイント
≫ ● 悪魔勇者を倒せ! 報酬:EON60億ポイント
≫ ● 悪魔勇者眷属を探せ! 報酬:EON1000万ポイント(個体毎)
≫ ● 悪魔勇者眷属を倒せ! 報酬:EON1億ポイント(個体毎)
≫ 〇 妖異ミ=ゴの基地を破壊せよ! 報酬:EON3憶ポイント
≫ 〇 妖異ミ=ゴの狩猟 報酬:EON70万ポイント
基地破壊という文字を目にして、むっさいおっさんの山形砲雷長が誘導弾《ゆうどうだん》を撃てる期待に目をキラキラさせている。
私は思わず頭を抱えた。
まったく……
幼女を困らせるんじゃない!
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