マインハールⅡ

熒閂

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Kapitel 02

神代の邪竜 08

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「ッ……! ハッ……ウッ」

 アキラは地面に蹲って激痛に悶えた。止血をする道具も知識もない。指を失った根元からは血液が流れ続けた。
 幸い、薬指ごと耀龍ヤオロンの指輪を吹き飛ばしてからは、赫暁ファシャオの言うとおり〝飛鱗〟はかすりもしなかった。
 激痛を噛み殺して顔を上げた。霜髪の怪物がすぐそこに迫った。天尊ティエンゾンはアキラと比べると充分に大柄な人物であったが、さらに一回り大きくなったように思えた。事実、そうなのかもしれないし、自分の恐怖心がそう見せたのかもしれない。
 巨体を揺らしながら一歩一歩近づいてくる霜髪の怪物を見据え、赫暁に託された短剣を握り締めた。

 キンキンキンッ、カキン! チュインッ!
 ルフトとヴィントはアキラの傍に行こうとするが〝飛鱗〟に阻まれていた。刀剣で叩き落としたり身を翻して躱したりするが〝飛鱗〟は無数に飛び回って埒が明かなかった。

「クソ! これでは近づけんッ」

「アキラ殿! アキラ殿ォー!」

 ヴィントの呼び声は、アキラには届かなかった。
 アキラの脳内は赫暁の言葉に支配されていた。天尊を救えるのは自分だけだという魔法の言葉。だからやるべきことをやらなくてはいけないという使命感。恋しいあの人を取り戻したい一心で、その身に余る使命だとは考えが及ばなかった。
 もう後悔をしたくなかった。恋しい人との再会を、何もしないで諦めたのは過ちだった。あの人に、この身を賭して、命を懸けて、何かしてあげたかったのだと、自身の本心に気づいた。
 これは本懐を遂げる最初で最後のチャンス。脆弱で何もできない自分が、恋しい人にしてあげられる唯一のこと。会いたい会いたいと願うだけではなく、寂しい寂しいと泣くだけではなく、あの人を取り戻すための受難。

 ぶちゅっ。――アキラは指が飛んだほうの手で短剣の鞘を地面に押さえつけ、その拍子に傷口から鮮血が噴き出した。
 もう一方の手で柄を持って短剣を引き抜いた。真紅の血液が飛び散った乳白色の鞘から、濃い藍色の刀身が出てきた。メギンの短剣の刀身は、刃物というよりも、よく研磨された鉱石のようだった。
 いよいよ霜髪の怪物が眼前にやってきて、アキラの目は右往左往した。何処を見たらよいか分からなかった。赫一瑪の火焔によって焼かれた肉体は頑丈さを増して再生したが、顔面の皮膚は爛れ、高い鼻はなく、一部は白骨が見えている。天尊の面影など微かにも残っていない、それはまさに醜いクリーチャーの面相だった。

(刺せって言われたけど、どこに刺せば……)

 アキラには武術の心得はない。自分が切った張ったするなど想像したこともない。何処に刺せば致命傷で、何処に刺せば比較的軽傷で済むのかなど知らない。そもそも、赫暁から手渡された短剣は、どのような使い方をしても同じように効力を発揮する代物なのか。
 ガッ。――アキラは霜髪の怪物に首を握られた。
 霜髪の怪物は少女の細首を捕まえ、片手で軽々と目の高さと同じくらいに持ち上げた。
 アキラの足は地面から離れ、怪物の太い指が首にめりこんだ。首が絞まって苦しい。窒息しそうで何も考えられない。アキラはとにかく短剣を取り落とさないことだけに必死だった。

「アッ……ウウッ……!」

 力を振り絞り、ぷるぷると震える腕で短剣を持ち上げた。
 トス。――霜髪の怪物の腕に短剣を突き立てた。
 不思議なことに、縁花ユェンファやルフトの斬撃を弾いた鋼鉄の鱗に難なく刃が入った。これがメギンの短剣の力なのかもしれない。
 しかしながら、霜髪の怪物には何の変化も見られなかった。小娘が短剣を突き刺したとて致命傷にはなり得ないにしても、刃物が肉を裂けば痛みくらいはあるだろうに、呻きも漏らさず、顔色ひとつ変えなかった。痛覚が無いのか。感情が表出しにくいのか。それとも本当に何ともないのか。赫暁に言われたとおりに、やり遂げたというのに何も起こらなかった。
 命を懸けたというのになんということだ。やるべきことを成し遂げたというのにどうして。差し出せるものはすべて差し出したというのにどうにもならない。
 本当の絶望とは、こういうことか。自分のすべてを曝け出しても、できることが何もない。

 ガクンッ。――アキラを持ち上げていた腕が突如として下がった。
 地面に足がついたアキラは、呼吸が自由になりゲホゲホッと咳きこんだ。
 メギンの短剣が突き立てられた腕が、脱力してだらんとぶら下がった。メギンの短剣から生じた紋様が、腕全体に血管のように走った。
 霜髪の怪物は一向に苦痛を感じた素振りはないが、自身の腕に目を遣り、情況を理解していないようだった。
 すぐに取るに足らないことと判断したか、自由が利くほうの腕でアキラの胸倉を乱暴に捕まえた。
 ぶちっ、ぶちぶちぃ。――怪物の口の端が耳に向かって裂けた。鰐の顎のように上下に大きく開いた。
 物凄い力で引き寄せられたアキラは、怪物の白い歯列を見て、目を見開いた。
 ――あ。食べられッ……。
 霜髪の怪物が何をしようとしているか悟ったが、脱出する間も抵抗する間もなかった。鋭い牙が並んだ大きく開いた顎が近づいてくるのは緩慢な動作に見えたが、身動きできるような時間ではなかった。
 ブジュウッ。――霜髪の怪物はアキラの首筋に食らいついた。

「うああああーッ!」

 高い苦悶の叫声が上がった。
 太い牙が白い肌を突き破って血液が噴き出した。柔らかい肉に容赦なく深く深くめりこんだ。アキラが必死に藻掻いても怪物の腕はびくともせず、ただひたすらにおびただしい血流が肌も衣服も真っ赤に染め上げた。
 じゅるる、じゅるる。血を啜られる音が聞こえる。
 ミシッ、ミシッ。骨が軋む音が体内から聞こえる。
 アキラは激痛に顔を歪めて何度も悲鳴を上げた。
 ……ゴキン!

「ッ――……」

 霜髪の怪物の牙が骨を砕き、アキラは意識を失った。


「アッ……アキラ殿! アキラ殿アキラ殿アキラ殿アキラ殿ォオーッ!」

「ダメだヴィント! 近づけば切り刻まれッ……」

「オオオオオオオーーッ‼」

 ヴィントは雄叫びを上げて駆け出した。姉の制止する声も聞かなかった。
 ヴィントは〝飛鱗〟が飛び交う真っ只中に突っこんだ。腕も足も顔も切り裂かれ、抉られ、磨り減らしたが痛みを感じなかった。血煙を纏って跳躍して疾走した。
 ルフトは此処まで鬼気迫る弟の勇姿を見るのは初めてだった。臆病ではないが蛮勇には程遠いと思っていた弟が、激憤に突き動かされている。
 ヴィントは、誰よりも慈悲深い少女が、邪悪の顕現に血肉を啜られるのを、踏み躙られるのを、黙って見ていられなかった。
 憤った。この世の不条理に慷嘆した。あんなにも優しい少女が、穏やかに生きられない世界なんて間違っている。小さな胸でただただ恋しいと想い、二目会いたいと願っただけなのに。
 ――あの邪竜が神代から蘇ったのに、アキラ殿のささやかな願いさえ叶わないのなら、元よりこの世の神々は無情なのだ。
 ズドンッ!
 ヴィントは太腿に衝撃を感じた。霜髪の怪物の三叉に分かれた尾のひとつに太腿を貫かれた。
 駆けていた勢いのまま前のめりに転倒してゴロゴロゴロッと地面を転がった。
 尾はすぐに引き抜かれたが、太腿に大きな孔を開けられ、立ち上がることはできなかった。歯を食い縛って顔を上げ、腕の力だけで地面を這う。

「アキラ殿ぉおおお!」

 霜髪の怪物は、少女から手を離した。
 少女は地面の上にくたりと転がされて身動きをしなかった。仰向けの恰好で瞼を閉じ、血液だけを垂れ流した。
 霜髪の怪物は少女の身体の両側に足を置き、腕を振りかぶった。それは少女の胸骨をこじ開けて心臓を掴み出す所作だ。己の滋養として最高級のものがそこに在ると本能的に判っていた。
 ガシィッ。――霜髪の怪物の腕は少女に届く寸前で停止した。
 その手首を赫一瑪ファイーマが捕まえていた。
 霜髪の怪物は眼球だけを動かして自分の邪魔をした男をギロッと見た。赫一瑪も紫水晶の眼を一瞬も逸らすことなく見据えた。無言で睨み合い、ふたりの男の膂力がギチギチと拮抗した。
 怪物の三叉の尾が、バシンッと地面を打って跳ね上がった。
 ザシュッ、ドスゥッ! ――鋭い尾先が赫一瑪の足を切り裂き、腹を突いた。

一大哥イーダーガ!」と耀龍と麗祥リーシアンが声を上げた。
 尾の一本は横たわる少女へと矛先を向けた。赫一瑪はそれを素手で掴み取った。鋸のような鱗が皮膚を引き裂き、掴んだ手から血が流れた。
 赫一瑪は流血しても一歩も退かず、紫水晶を睨みつけ続けた。

天尊ティエンゾン」と怪物に向かって呼びかけた。

「貴様は無能な愚図だ。愛しい娘が食い殺されるのを黙って見ているつもりか」

 ぽたた……。――夕立が降り始めたのかと思った。
 アキラは頬に水滴がぶつかる刺激によって意識を取り戻した。
 それは怪物の尾を掴む赫一瑪の手から流れ出た血液だった。生温かい雫は、蒸し暑い夏の雨のようだった。

「づあっ……うぅッ」

 アキラは意識を取り戻した途端に激痛に襲われて身悶えた。苦痛に耐える術など知らない少女には、指一本を動かすことすら困難だった。否、苦痛はあるのに、鎖骨から下、腕の感覚が無かった。腕は本当に自分の身体に引っ付いているのだろうか。呼吸をするのも痛いのに、心臓がバクバクと高鳴っておとなしくしてくれない。自分の鼓動が激痛を伴った。
 ぼたんっ。ぽとと。
 顔に降り掛かってくる液体が、激痛に泣き叫びそうだったアキラを正気に引き留めた。
 アキラはどうにか瞼をこじ開けて自分の真上を見た。
 下から覗き見る顎の稜線を、見知っているような気がした。

「ティエン――……?」

 口走ったあとで見誤ったと気づいた。黒い瞳に黒い髪、赫一瑪だった。
 唐突に、神々から見放された気分になった。期待を裏切られた。願いを退けられた。地獄に突き落とされた。世界の終わりだ。悲しさと寂しさと恋しさと悔しさと、絶望に似た感情が一気に突沸した。
 もう我慢するとか理性を保つとか、無理だ。羞じらう余裕なんて、大人を装う気丈なんて、もうどこにも残っていない。
 ――わたしにはもう何もない。命を懸けた。全身全霊を注いだ。あなたにしてあげられることはもう何もない。

「ティエっ……ティエン……ッ、ティエン。帰ってきてよ……。こんなに近くにいるのに……どうして帰ってきてくれないの……」

 うわああああ、とアキラは子どものように声を上げて泣いた。腕を動かせないから泣き顔を隠すこともできなかった。もし身動きできたとしてもそうする余裕はなかった。
 穢れを知らぬか弱く無力な少女が、己の運命を恨みもせず、ただひたすらに恋しいとさめざめと涙する様は、実に物悲しく美しい。
 直向きな願いを結実させてやりたいと、どうにかしてやりたいと思っても、そこに在る悪党が邪魔をしているわけではない。邪魔者を排除すればどうにかなるなどという分かりやすい話ではない。それを許さないのは神々だ。神々の意志、或いは気まぐれには、誰しもが抗いようがない。
 少女の啜り泣きは次第に弱々しくなっていった。泣き疲れた子どもがゆっくりと眠りに就くように微かになっていった。ついには、真っ黒の焦土に渺々と吹き荒ぶ風に掻き消された。

姑娘クーニャン……」

 赫一瑪はアキラを見下ろして目を細めた。
 アキラの顔面は生気を失って蒼白だった。生きたまま骨を噛み砕かれ、大量の血液を失い、涙して体力は尽き、つまりは恋しい男に殺されかけた。これでもかというほど心を挫かれた。永遠の睡りに就いてもおかしくない悲劇だ。この少女に直ちに起き上がって祈れと、誰が鞭打てようか。

 赫一瑪は、握り締めていた霜髪の怪物の腕が、石のように硬くなったことに気づいた。それ自体が意志を持つ生き物のようにビチビチと動いていた尾も、同様に硬くなっていた。握り締める力を緩めても尾が動き出すことはなかった。
 赫一瑪は霜髪の怪物をまじまじと見た。捕まえた腕には温度がなかった。至近距離にいるのに息遣いさえも感じられなかった。
 怪物は開眼したまま停止していた。目玉に紫水晶をはめ込んだマルスの彫像のように。

「……完全沈黙した」
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