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お兄ちゃん?
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放課後も何もわからなかったあたしは勝手に職員室に来ていた。職員室は昇降口のすぐ近くだからわかった。なんで朝は気づかなかったんだろう、まあいいか。結局理事長室行ったし、今更遅い。
職員室にはなんだかいっぱい教師がいた。みんな授業やる気ない気がする。教師としてはどうなのそれ。
まーくんっぽい席を探していると後ろから頭をぽんっと叩かれた。
「まーくん」
「こら、勝手に入るな。あっちの給湯室行くぞ」
手を引かれながらついていく。
まーくんのこらってすごい可愛かった。新しい発見。怒られそうだから言わないでおこう。
「コーヒー飲めるか?」
「...砂糖とミルクたっぷりで」
「ふっ。別に飲まなくていいよ、ジュースなにがいい?」
「りんご」
にやにやしやがって。むかつく。ふんっ、コーヒー飲めなくて何が悪いんだ、砂糖とミルクたっぷり入ってれば飲めるのに。そのあとあたしの大好きなリンゴジュースが出してくれたからいいけど。ていうかジュースあるなら最初からそっちにして欲しかった。
なんだかまーくんは掴みどころがない。
「んじゃ本題か」
「お説教はやだよ、このあとたまり場行くから」
「まじで?俺も行きてぇな、久しぶりに」
「来れば?」
先代が来たらみんな喜ぶだろうし、んー、でも今の魁皇メンバーと話してたらまーくん疲れちゃうかも。騒がしくて煩い奴らだから。まあでも楽しくはなれる、と思う。
「あーじゃあ行くわ、お前俺の車乗っていけよ。んで本題って別に説教じゃねぇから」
「そうなの?」
「おう、お前さっそく龍虎に関わっただろ」
「...なんで知ってるの」
「職員室の中でもな、俺の席からは屋上見えるし、一ノ瀬と歩いてたところの近く通りかかったし」
「一ノ瀬って?」
「あ?一緒に歩いてたじゃねぇか。ほら、一ノ瀬 響。知ってるだろ?」
説教じゃなくてよかった。
ていうか、あいつ苗字一ノ瀬っていうのか。初めて知った。あぁ、そういやあたしも名前しか言わなかった気がする。まだ何にもキョウのこと知らないや。ま、これから知っていけばいいかな。
「うん。案内してくれた」
「あいつが案内ぃ?珍しいこともあるもんだな」
「ふーん?話ってそれだけ?」
「おう。んじゃ5時すぎたし行くか」
5時までは働かないといけないんだよね、これ働いてたって言うのかな。
まあいいや、んーどうしよう。いろいろ持ってったりしたいし、家まで送ってもらってから行こう。
「まーくん。荷物取り行きたい」
「お前んち知んねぇから案内な」
「うん、ありがと」
さすが、話が早くて助かる。
なんていうかもう先代って感じがあんまりしない気がする。うん、お兄ちゃんみたい。
お兄ちゃんかぁ、あたしは長女だから上の兄弟とか羨ましかった。天音がいたとはいえ、天音が今みたいに甘々になったのは大人になってからだ。昔は驚くくらいの遊び人で、女泣かせだったらしい天音には会えなかった。というか会わせてもらえなかった。どんなに忙しくてもあたしに時間を割いてくれる七桜くんくらいしか頻繁に会ってない。とはいっても七桜くんはほとんど師匠みたいな感じだし。まーくんはなんだか新鮮で嬉しい。
そのあと、まーくんの車に乗り込むと(まさかのベンツ)他愛もない話と道案内をした。車だと早く着くらしい。かなり早めに家に着いた。
「車で待ってんな」
「家入れば?お茶くらいなら出せるよ。あ、缶コーヒーならあるかも」
「いいよ、女は準備に時間かかるもんだろ?ゆっくり準備していいから」
「そう?ありがと、じゃあちょっと待っててね」
「おう」
お言葉に甘えて急いで家の中に入る。
一戸建てのかなり広いこの家にあたしは一人で住んでる。七桜くんに紹介されたところだ。彼は色んなところにツテがあるからね、頼りに出来る。
準備することといえば見た目の戻しくらい。
制服を脱いでそこらへんにある適当な服を着て、お風呂場へ向かう。メガネを取ってまた服を脱いでシャワーを浴びる。これで黒染めを落とす。そこから出てくるのは明るめの茶髪だ。今はこの色が気に入っててかなりの頻度で染め直してる。前は赤とかグレーを気に入ってた。
さっさと風呂を出て、ドライヤーで髪を乾かす。おさげができるくらいだからかなり長い。つまりはめんどくさい。大体乾かし終わったらクシでとかして適当に髪型を整える。服装は動きやすい服。久々に行くし、あたしが総長ってこと知らなかったり忘れてる人いるかもしれないから。あいつらによると新入りとかいるらしいし。まあ、口でわかってもらうつもりだけど、もし無理だとしてもこの服なら暴力で解決できる。
かなり物騒なことを考えながら準備を終えて車の中で待ってるだろうまーくんのところへ向かう。
職員室にはなんだかいっぱい教師がいた。みんな授業やる気ない気がする。教師としてはどうなのそれ。
まーくんっぽい席を探していると後ろから頭をぽんっと叩かれた。
「まーくん」
「こら、勝手に入るな。あっちの給湯室行くぞ」
手を引かれながらついていく。
まーくんのこらってすごい可愛かった。新しい発見。怒られそうだから言わないでおこう。
「コーヒー飲めるか?」
「...砂糖とミルクたっぷりで」
「ふっ。別に飲まなくていいよ、ジュースなにがいい?」
「りんご」
にやにやしやがって。むかつく。ふんっ、コーヒー飲めなくて何が悪いんだ、砂糖とミルクたっぷり入ってれば飲めるのに。そのあとあたしの大好きなリンゴジュースが出してくれたからいいけど。ていうかジュースあるなら最初からそっちにして欲しかった。
なんだかまーくんは掴みどころがない。
「んじゃ本題か」
「お説教はやだよ、このあとたまり場行くから」
「まじで?俺も行きてぇな、久しぶりに」
「来れば?」
先代が来たらみんな喜ぶだろうし、んー、でも今の魁皇メンバーと話してたらまーくん疲れちゃうかも。騒がしくて煩い奴らだから。まあでも楽しくはなれる、と思う。
「あーじゃあ行くわ、お前俺の車乗っていけよ。んで本題って別に説教じゃねぇから」
「そうなの?」
「おう、お前さっそく龍虎に関わっただろ」
「...なんで知ってるの」
「職員室の中でもな、俺の席からは屋上見えるし、一ノ瀬と歩いてたところの近く通りかかったし」
「一ノ瀬って?」
「あ?一緒に歩いてたじゃねぇか。ほら、一ノ瀬 響。知ってるだろ?」
説教じゃなくてよかった。
ていうか、あいつ苗字一ノ瀬っていうのか。初めて知った。あぁ、そういやあたしも名前しか言わなかった気がする。まだ何にもキョウのこと知らないや。ま、これから知っていけばいいかな。
「うん。案内してくれた」
「あいつが案内ぃ?珍しいこともあるもんだな」
「ふーん?話ってそれだけ?」
「おう。んじゃ5時すぎたし行くか」
5時までは働かないといけないんだよね、これ働いてたって言うのかな。
まあいいや、んーどうしよう。いろいろ持ってったりしたいし、家まで送ってもらってから行こう。
「まーくん。荷物取り行きたい」
「お前んち知んねぇから案内な」
「うん、ありがと」
さすが、話が早くて助かる。
なんていうかもう先代って感じがあんまりしない気がする。うん、お兄ちゃんみたい。
お兄ちゃんかぁ、あたしは長女だから上の兄弟とか羨ましかった。天音がいたとはいえ、天音が今みたいに甘々になったのは大人になってからだ。昔は驚くくらいの遊び人で、女泣かせだったらしい天音には会えなかった。というか会わせてもらえなかった。どんなに忙しくてもあたしに時間を割いてくれる七桜くんくらいしか頻繁に会ってない。とはいっても七桜くんはほとんど師匠みたいな感じだし。まーくんはなんだか新鮮で嬉しい。
そのあと、まーくんの車に乗り込むと(まさかのベンツ)他愛もない話と道案内をした。車だと早く着くらしい。かなり早めに家に着いた。
「車で待ってんな」
「家入れば?お茶くらいなら出せるよ。あ、缶コーヒーならあるかも」
「いいよ、女は準備に時間かかるもんだろ?ゆっくり準備していいから」
「そう?ありがと、じゃあちょっと待っててね」
「おう」
お言葉に甘えて急いで家の中に入る。
一戸建てのかなり広いこの家にあたしは一人で住んでる。七桜くんに紹介されたところだ。彼は色んなところにツテがあるからね、頼りに出来る。
準備することといえば見た目の戻しくらい。
制服を脱いでそこらへんにある適当な服を着て、お風呂場へ向かう。メガネを取ってまた服を脱いでシャワーを浴びる。これで黒染めを落とす。そこから出てくるのは明るめの茶髪だ。今はこの色が気に入っててかなりの頻度で染め直してる。前は赤とかグレーを気に入ってた。
さっさと風呂を出て、ドライヤーで髪を乾かす。おさげができるくらいだからかなり長い。つまりはめんどくさい。大体乾かし終わったらクシでとかして適当に髪型を整える。服装は動きやすい服。久々に行くし、あたしが総長ってこと知らなかったり忘れてる人いるかもしれないから。あいつらによると新入りとかいるらしいし。まあ、口でわかってもらうつもりだけど、もし無理だとしてもこの服なら暴力で解決できる。
かなり物騒なことを考えながら準備を終えて車の中で待ってるだろうまーくんのところへ向かう。
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