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本編
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精いっぱいの体面を保ち、パーティ会場から外に出た。
会場の階段を降りた先にはグリンフィンガー公爵家の家紋が刻まれた専用の馬車が待ち構えていて、用意周到なことだといっそ面白く感じるほどだ。
そういえば一緒に帰りましょうなどと聖女ぶっていたベラは着いて来なかった。どうせエドモンドが王家の馬車で送るだろうから気にすまい。
冷静な足取りで馬車の扉の前まで歩けば、アネモネに気づいた御者が扉を開けて手を貸してくれる。
「ありがとうございます」
一言御者にお礼を言って座ると、アネモネは柔らかな座席に背を預け目を伏せた。
ベラを溺愛し自分を冷たくあしらう両親のことだ、きっと許しや慰めはもらえないだろう。罵倒、暴力、果てはもっとひどいことになる場合も覚悟しなくては。
ああ、もう、いっそこの命を捨ててしまえたらどれほど楽だろうか。
暗い思考に囚われ俯いたところで、石畳で馬車の車輪が跳ねた。がたん、という音と共に伝わった揺れは、アネモネの体を窓へと傾がせた。
「……ふふ、ひどい顔」
ガラスに映る公爵令嬢の顔は、本人が呟いたように絶望に塗りつぶされていた。
「この役立たずが!」
ぱしん、という乾いた音が邸に響く。
公爵家に帰ってきたアネモネを着替える間もなく出迎えたのは、父からの激しい叱責だった。
殴られた頬を押さえる。
「……申し訳ありません、お父様」
アネモネに落ち度などない。ベラが巡らせた罠にかかってしまっただけだ。
そしてそれを、アネモネとベラの父たるグリンフィンガー公爵も理解している。
茶番だ。公爵は今、アネモネを貶めるためだけに言葉を放っている。
「いつまで経っても我が家系の魔法を使えるようにならないお前を見限らず、第一王子の婚約者にまでしてやったというのに! 王子に気に入られるどころか婚約破棄をされるとは何事だ!」
「はい、申し訳ございません」
「ベラがお前の代わりに婚約者に名乗り出てくれて助かった。これで公爵家と王家の繋がりは保たれる。優秀な妹に負けてばかりで、お前は悔しくないのか? 全く、愚かで救いようのない娘を持ってしまった私は不幸だ!」
「はい、申し訳ございません」
「ふん、まあいい。明日になればお前に沙汰が下る。部屋に戻れ! 誰かと連絡をとったり部屋を出たりすることは禁止だ! 明日になればお前は最早私の娘ではない。どうしてこうなってしまったのか、ひとりでよく反省しておくことだな」
言いたいだけ喚き散らした後、公爵はその場を後にした。
叩かれた頬が熱を持ってジンジンと痛む。
アネモネはふらふらとしたまるで幽鬼のような足取りで部屋へと戻った。
「……疲れた……」
ドレスを脱ぎ、髪をほどき、化粧を落とす。
本来ならば公爵令嬢には身の回りの世話をする侍女がついているはずだが、彼女たちは普段からアネモネが家族に手酷い扱いを受けているのを見ているため、アネモネを見下している。優しくしてくれた使用人もいたが、ベラに目を付けられ辞めさせられた。そのようなことを繰り返しているうちに近づかないほうが賢明と思われ、邸の中で居場所を失っていって作られたのが、今のアネモネの立ち位置だった。
自分で最低限の寝支度を整えると、ふっと気が緩んだ。
ばふ、とベッドに倒れ込む。
仰向けに転がり両の手を天井へと伸ばす。
明かりのついていない暗い部屋には小さな窓から薄青い月明かりが差し込み、アネモネの伸ばした腕と公爵家の一室とは思えない無機質な部屋を包んでいる。
広げられた指は連日の土いじりによって独特の匂いが染みついているし、パーティ用に丸く整えられた爪はマニキュアで誤魔化してあるものの指の肉と爪の間に挟まった土が透けている。研究で書き物ばかりしていた利き手はペンだこがいくつもできて、僅かにもう片方とシルエットを異にしていた。
全てアネモネの努力の証であった。
しかしアネモネは伸ばした腕をつまらなそうに眺めると手を下ろした。
今の彼女には、自分の努力の跡など目に入らなかった。
ただ、奇妙なほど冷静に、来るべき日が来てしまったな、と考えていた。先ほどまで感じていた怒りも悲しさも悔しさも、どこか遠いところに置いてきてしまったように心が動かない。
眠れるはずもなく、ごろりとベッドの上で無意味に体を転がす。
青く静かな月だけが、アネモネを見ていた。
そうして窓越しに空を眺めているうちに、とろとろと眠りに落ちていっていたらしい。
は、と気付けば月は傾き、太陽が差し込む時間が来ていた。
「あさ……」
声を出したことでカラカラに乾いた喉がかすかに痛んだ。
そういえば昨夜から何も口にしていないと思いだしたアネモネだったが、ベッド際にある水差しに水が入っているはずもなく。少し悩んで、アネモネはベッドを降りおもむろにはさみを手に取った。
窓を静かに開け、外壁を見る。日当たりの悪い部屋の外には、不気味さを強調するようにツタ植物が壁を這っている。
アネモネは不気味な外見を気にせずに手近なツタを少し引き寄せた。
よく見ると、成人の手のひらほどはありそうな大きな葉に隠れるようにして、深緑の実がついている。大きさはクルミと同じか一回り大きいくらいだろうか。
固くてざらついたその表皮を指で確かめるように触れたあと、アネモネは持っていたはさみで実を摘んだ。パチン、パチンとツタから離れるときに小気味良い音が鳴る。
三つほどその要領で実を手に収めると、窓を閉め、今度ははさみの先端で実の上部に小さな穴をあけていく。少し間違えば怪我をしてしまいそうだが、器用に内部まで穴を穿った。
実から引き抜いたはさみはわずかに濡れている。それを確認するとアネモネは穴に口を付けてこくりこくりとその小さな喉を動かした。
このツタ植物は、「飴瓜」という。
アネモネが以前に研究の一環で見つけた植物で、わさわさと不気味に茂る見た目から長年ただの雑草として捨て置かれていたが、実は食用に適することが分かった。実を割ると中身は飴のように固く透明な層と、その内側のすっきりとした甘さの水分の層に分かれている。これらの部分が甘くて美味なだけでなく、とても栄養があるのだ。しかもどんな土地でも構わずに生える強い生命力があり、生長も早い。
大飢饉が発生したときに絶対に活躍すると信じたアネモネは、庭に一株植えていた。
いや、将来の展望は正直二の次だ。今回のように食事や水を抜かれたときの予防策のために確保していた。
もちろん、かつて飴瓜を発見したときには父にこの植物の有用性を訴え出た。
しかしそもそも、この国は飢えないのである。
植物の生長を自在に操れるということは、種を得る、成長したそれを収穫する、また種を得る、のサイクルを途切れることなく好きなように動かすことができるということだ。
食べ物が手に入らない状況が基本的に生まれないのだから、飢饉など起きるはずもない。
他の国でなら間違いなく世紀の大発見だったが、アネモネのこの発見は公爵家の中だけで終わってしまった。
そんな過去を思い出しながら実の中の水を飲み干したアネモネは、今度は実を割り、飴状になっている層を口に含んだ。ひんやりとした甘さが乾いた喉を癒してくれる。
そうして休息をとっていると、部屋の外から大きな足音が近づいてくるのが聞こえた。
慌ててはさみを元の場所に戻し、窓を少し開け殻を外に捨てる。何事もなかったかのようにベッドの上で居住まいを正したのと同時に、ノックもなく部屋の扉が開いた。
「よく眠れたかアネモネ! わざわざこの俺が直々に貴様の沙汰を言い渡しにきてやったぞ!」
ばん、という大きな音と共に現れたのは、エドモンドだった。
「おはようございます、エドモンド様」
「ふん、陰気な顔をしおって。馬鹿な貴様でも、今後の身の振り方を考えて眠れなくなるくらいの可愛げは残っていたようだな? まあいい。来い!」
「お、お待ちください、さすがにこの格好では」
傲慢に鼻を鳴らしたエドモンドは、ずかずかとベッドから降りたアネモネに歩み寄ると腕を強く掴んだ。起きたばかりのアネモネは、昨夜着替えたままの薄い寝間着姿である。それを恥じらって制止すると、エドモンドはちら、とアネモネを見下ろし、嫌そうに瞳を歪ませた。
「罪人の格好など誰が気にするというのだ。それに心配しなくても、これからすぐに貴様に相応しい服装をさせてやる。さあ来い!」
ぐいっと強く腕を引かれ、半ば引きずられるようにしてアネモネが足を踏み入れたのは、公爵家の応接間だった。上座にはアネモネとベラの両親であるグリンフィンガー公爵と夫人、ベラが座っている。エドモンドが姿を見せたのと同時に彼らは立ち上がったが、反対にアネモネはエドモンドから投げ捨てられるように応接間の床に転がされた。厚い絨毯のおかげで怪我こそしなかったものの、身を起こしたアネモネを今度は応接間に控えていたエドモンド付きの護衛が押さえつける。何とかアネモネが顔を上げると冷たい四対の瞳が見下ろしていた。緑の瞳が口を開く。
「アネモネ・グリンフィンガー、貴様は自身が家系魔法を使えないことで妹のベラ・グリンフィンガーに嫉妬し、彼女の研究を盗む、温室に閉じ込めるなどの暴挙に出た。ここペタル王国において、嫉妬は初代国王陛下のお言葉に逆らう大罪である。公爵家の長女として、第一王子の婚約者として、このことを誰よりも理解していなければならないはずの貴様が自分を押さえられなかったことを王国は重く見ている。よって、王国中に罪の重さを広く知らしめ第二第三のアネモネを生まないため、貴様を極刑に処す。『冥府の花嫁』として、その身を王国に捧げよ!」
会場の階段を降りた先にはグリンフィンガー公爵家の家紋が刻まれた専用の馬車が待ち構えていて、用意周到なことだといっそ面白く感じるほどだ。
そういえば一緒に帰りましょうなどと聖女ぶっていたベラは着いて来なかった。どうせエドモンドが王家の馬車で送るだろうから気にすまい。
冷静な足取りで馬車の扉の前まで歩けば、アネモネに気づいた御者が扉を開けて手を貸してくれる。
「ありがとうございます」
一言御者にお礼を言って座ると、アネモネは柔らかな座席に背を預け目を伏せた。
ベラを溺愛し自分を冷たくあしらう両親のことだ、きっと許しや慰めはもらえないだろう。罵倒、暴力、果てはもっとひどいことになる場合も覚悟しなくては。
ああ、もう、いっそこの命を捨ててしまえたらどれほど楽だろうか。
暗い思考に囚われ俯いたところで、石畳で馬車の車輪が跳ねた。がたん、という音と共に伝わった揺れは、アネモネの体を窓へと傾がせた。
「……ふふ、ひどい顔」
ガラスに映る公爵令嬢の顔は、本人が呟いたように絶望に塗りつぶされていた。
「この役立たずが!」
ぱしん、という乾いた音が邸に響く。
公爵家に帰ってきたアネモネを着替える間もなく出迎えたのは、父からの激しい叱責だった。
殴られた頬を押さえる。
「……申し訳ありません、お父様」
アネモネに落ち度などない。ベラが巡らせた罠にかかってしまっただけだ。
そしてそれを、アネモネとベラの父たるグリンフィンガー公爵も理解している。
茶番だ。公爵は今、アネモネを貶めるためだけに言葉を放っている。
「いつまで経っても我が家系の魔法を使えるようにならないお前を見限らず、第一王子の婚約者にまでしてやったというのに! 王子に気に入られるどころか婚約破棄をされるとは何事だ!」
「はい、申し訳ございません」
「ベラがお前の代わりに婚約者に名乗り出てくれて助かった。これで公爵家と王家の繋がりは保たれる。優秀な妹に負けてばかりで、お前は悔しくないのか? 全く、愚かで救いようのない娘を持ってしまった私は不幸だ!」
「はい、申し訳ございません」
「ふん、まあいい。明日になればお前に沙汰が下る。部屋に戻れ! 誰かと連絡をとったり部屋を出たりすることは禁止だ! 明日になればお前は最早私の娘ではない。どうしてこうなってしまったのか、ひとりでよく反省しておくことだな」
言いたいだけ喚き散らした後、公爵はその場を後にした。
叩かれた頬が熱を持ってジンジンと痛む。
アネモネはふらふらとしたまるで幽鬼のような足取りで部屋へと戻った。
「……疲れた……」
ドレスを脱ぎ、髪をほどき、化粧を落とす。
本来ならば公爵令嬢には身の回りの世話をする侍女がついているはずだが、彼女たちは普段からアネモネが家族に手酷い扱いを受けているのを見ているため、アネモネを見下している。優しくしてくれた使用人もいたが、ベラに目を付けられ辞めさせられた。そのようなことを繰り返しているうちに近づかないほうが賢明と思われ、邸の中で居場所を失っていって作られたのが、今のアネモネの立ち位置だった。
自分で最低限の寝支度を整えると、ふっと気が緩んだ。
ばふ、とベッドに倒れ込む。
仰向けに転がり両の手を天井へと伸ばす。
明かりのついていない暗い部屋には小さな窓から薄青い月明かりが差し込み、アネモネの伸ばした腕と公爵家の一室とは思えない無機質な部屋を包んでいる。
広げられた指は連日の土いじりによって独特の匂いが染みついているし、パーティ用に丸く整えられた爪はマニキュアで誤魔化してあるものの指の肉と爪の間に挟まった土が透けている。研究で書き物ばかりしていた利き手はペンだこがいくつもできて、僅かにもう片方とシルエットを異にしていた。
全てアネモネの努力の証であった。
しかしアネモネは伸ばした腕をつまらなそうに眺めると手を下ろした。
今の彼女には、自分の努力の跡など目に入らなかった。
ただ、奇妙なほど冷静に、来るべき日が来てしまったな、と考えていた。先ほどまで感じていた怒りも悲しさも悔しさも、どこか遠いところに置いてきてしまったように心が動かない。
眠れるはずもなく、ごろりとベッドの上で無意味に体を転がす。
青く静かな月だけが、アネモネを見ていた。
そうして窓越しに空を眺めているうちに、とろとろと眠りに落ちていっていたらしい。
は、と気付けば月は傾き、太陽が差し込む時間が来ていた。
「あさ……」
声を出したことでカラカラに乾いた喉がかすかに痛んだ。
そういえば昨夜から何も口にしていないと思いだしたアネモネだったが、ベッド際にある水差しに水が入っているはずもなく。少し悩んで、アネモネはベッドを降りおもむろにはさみを手に取った。
窓を静かに開け、外壁を見る。日当たりの悪い部屋の外には、不気味さを強調するようにツタ植物が壁を這っている。
アネモネは不気味な外見を気にせずに手近なツタを少し引き寄せた。
よく見ると、成人の手のひらほどはありそうな大きな葉に隠れるようにして、深緑の実がついている。大きさはクルミと同じか一回り大きいくらいだろうか。
固くてざらついたその表皮を指で確かめるように触れたあと、アネモネは持っていたはさみで実を摘んだ。パチン、パチンとツタから離れるときに小気味良い音が鳴る。
三つほどその要領で実を手に収めると、窓を閉め、今度ははさみの先端で実の上部に小さな穴をあけていく。少し間違えば怪我をしてしまいそうだが、器用に内部まで穴を穿った。
実から引き抜いたはさみはわずかに濡れている。それを確認するとアネモネは穴に口を付けてこくりこくりとその小さな喉を動かした。
このツタ植物は、「飴瓜」という。
アネモネが以前に研究の一環で見つけた植物で、わさわさと不気味に茂る見た目から長年ただの雑草として捨て置かれていたが、実は食用に適することが分かった。実を割ると中身は飴のように固く透明な層と、その内側のすっきりとした甘さの水分の層に分かれている。これらの部分が甘くて美味なだけでなく、とても栄養があるのだ。しかもどんな土地でも構わずに生える強い生命力があり、生長も早い。
大飢饉が発生したときに絶対に活躍すると信じたアネモネは、庭に一株植えていた。
いや、将来の展望は正直二の次だ。今回のように食事や水を抜かれたときの予防策のために確保していた。
もちろん、かつて飴瓜を発見したときには父にこの植物の有用性を訴え出た。
しかしそもそも、この国は飢えないのである。
植物の生長を自在に操れるということは、種を得る、成長したそれを収穫する、また種を得る、のサイクルを途切れることなく好きなように動かすことができるということだ。
食べ物が手に入らない状況が基本的に生まれないのだから、飢饉など起きるはずもない。
他の国でなら間違いなく世紀の大発見だったが、アネモネのこの発見は公爵家の中だけで終わってしまった。
そんな過去を思い出しながら実の中の水を飲み干したアネモネは、今度は実を割り、飴状になっている層を口に含んだ。ひんやりとした甘さが乾いた喉を癒してくれる。
そうして休息をとっていると、部屋の外から大きな足音が近づいてくるのが聞こえた。
慌ててはさみを元の場所に戻し、窓を少し開け殻を外に捨てる。何事もなかったかのようにベッドの上で居住まいを正したのと同時に、ノックもなく部屋の扉が開いた。
「よく眠れたかアネモネ! わざわざこの俺が直々に貴様の沙汰を言い渡しにきてやったぞ!」
ばん、という大きな音と共に現れたのは、エドモンドだった。
「おはようございます、エドモンド様」
「ふん、陰気な顔をしおって。馬鹿な貴様でも、今後の身の振り方を考えて眠れなくなるくらいの可愛げは残っていたようだな? まあいい。来い!」
「お、お待ちください、さすがにこの格好では」
傲慢に鼻を鳴らしたエドモンドは、ずかずかとベッドから降りたアネモネに歩み寄ると腕を強く掴んだ。起きたばかりのアネモネは、昨夜着替えたままの薄い寝間着姿である。それを恥じらって制止すると、エドモンドはちら、とアネモネを見下ろし、嫌そうに瞳を歪ませた。
「罪人の格好など誰が気にするというのだ。それに心配しなくても、これからすぐに貴様に相応しい服装をさせてやる。さあ来い!」
ぐいっと強く腕を引かれ、半ば引きずられるようにしてアネモネが足を踏み入れたのは、公爵家の応接間だった。上座にはアネモネとベラの両親であるグリンフィンガー公爵と夫人、ベラが座っている。エドモンドが姿を見せたのと同時に彼らは立ち上がったが、反対にアネモネはエドモンドから投げ捨てられるように応接間の床に転がされた。厚い絨毯のおかげで怪我こそしなかったものの、身を起こしたアネモネを今度は応接間に控えていたエドモンド付きの護衛が押さえつける。何とかアネモネが顔を上げると冷たい四対の瞳が見下ろしていた。緑の瞳が口を開く。
「アネモネ・グリンフィンガー、貴様は自身が家系魔法を使えないことで妹のベラ・グリンフィンガーに嫉妬し、彼女の研究を盗む、温室に閉じ込めるなどの暴挙に出た。ここペタル王国において、嫉妬は初代国王陛下のお言葉に逆らう大罪である。公爵家の長女として、第一王子の婚約者として、このことを誰よりも理解していなければならないはずの貴様が自分を押さえられなかったことを王国は重く見ている。よって、王国中に罪の重さを広く知らしめ第二第三のアネモネを生まないため、貴様を極刑に処す。『冥府の花嫁』として、その身を王国に捧げよ!」
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