5 / 35
2-2 グレーズド派?
「あんれま、どっかで見た男前」
街角に立って周囲を見渡していると、ロエはいつか見た男と目が合った。
車輪のついた箱──パトカーの傍らで、今日もデイブはドーナッツを食べていた。
「今日はちゃんと服着てるな。いくら男前でも節度と法律ってもんがあるからな、時と場所を選べてえらいぞぉ」
何も意味は通じないが、印象通りこの男が害意のない人間であるのはロエにも通じる。
「《カキアのとこに行きたい》」
「ん? ん? カキア……で、なんて?」
挑戦の結果は名前だけで終わった。しょうがないので、ロエは素直に名刺をデイブにかざす。
「何?」
名詞と自分を交互に指差す。
「カキア探してんのか? あいつ今時分は庁舎だろ。あ、庁舎の場所がわかんねえのか」
納得してデイブは全開の窓から上半身を突っ込み、車のダッシュボードから地図を引っ張り出す。ボンネットに広げると、ロエを手招いた。
覗いた地図の詳細な記載に、ロエは少し目を見開く。川の中洲、長細い葉っぱのようなこの街の形状が一目瞭然だ。
「今ここだ」
言葉と共に地図を片手で指し、もう片手で足元を指す。言語が通じなくても分かりやすいジェスチャーだ。
「で、庁舎はここ。行き方としてはひとまず大通りに出て、そっからはひたすら北上が一番迷わんと思うぞ」
指す位置が変わり、文字の記述が多い地域を指す。それからデイブはメモ帳にサクサクと今行った道順を記していく。
「ほいよ。簡単だし大丈夫だと思うが、迷ったら道に座り込んでな。食い終わって巡回戻った時、拾ってやる」
言葉にはすべて意味のあるジェスチャー付きで、渡された紙には道順と、目印になりやすい建物や看板が簡単にスケッチされている。それから右下の隅には、宣伝のようにドーナツが描かれていた。
ロエは口を開く。
「アリガトウ」
カタコトでも感謝の言葉が言えるのが、一週間の成果だ。
デイブはとびきりの笑顔とサムズアップでそれに応えた。
※ ※ ※
目当ての建物は少し手前からでも見つけられた。石造りの建物は他より重厚感があり、ロエには少し馴染みがある。建物前にはベンチがいくつか並び、歩道を挟んで路上駐車が連なっていた。二階まで伸びるポールで旗が二枚はためいている。視界上でちらつくのが気になって、ロエは国旗と市の旗をそれと知らずに眺める。
「あれ、もしかしてゲストさんです?」
横手からかかった声に、ロエは顔を向けた。
「うおっ、この顔面はやっぱこの間のゲストさん!」
なぜか陽射しでも避けるように顔を背けられて、ロエは首を傾げた。シャツにサスペンダー姿の若者は、ロエを直視しないよう薄目で見てくる。手までかざした拍子に、相手の持っている油の染みた紙袋ががさっと鳴った。
「すいませんっ、一身上のアレで美形は直視できなくて。ええっと何か庁舎でお手続きですかね? 担当課まで案内します?」
ひどく挙動不審だが、薄着で短時間外出していた素振りで、この建物の関係者──庁舎職員であることは察せる。
ロエはカキアの名刺を掲げた。
「カキアさんの名刺。……あ、普通に対応室目的ですか。なら二階です。ご案内しますよ」
問いかけの後に、沈黙が落ちた。じっと顔を見られて、若者は焦りを顔に浮かべる。戸惑い気味に一歩を踏み出す。
ロエはその動きを目で追うだけだ。
「えっ、通じてない!? えっと、付いてきてー」
二、三歩進んでも反応はなく、どうにか誘導しようと手のひらを上に、車のバック誘導並みの大袈裟な腕振りで手招いた。
そこでようやく、ロエははっと気付いた様子で後を追い始める。
動かすことに何とか成功し、若者はほっとした様子で庁舎の玄関をくぐった。窓口には手を挙げるだけで過ぎ、奥の階段から二階に上がる。廊下にはいくつも扉が並んでいた。開けっ放しの扉が多い中、ゲスト対応室だけ硬く扉を閉ざしていた。
「カキアさーん、ご新規さんがご用事ですよー」
若者は雑なノックの後、ほとんど返事を待たずに扉を開けた。
そこには並んだ机で作業するカキアとキラがいた。キラの手元でタイプライターのベル音とレールを滑る音がする。
「……マイケルくん、ノックの意味知ってる?」
「入りますよのお知らせです」
「入っていいですかのお伺いです。うち、機密も多いんだから君のためにも止めなさいね」
カキアが眺めていた紙を置き、椅子から腰を上げた。入る勢いだった若者──マイケルを押しのける要領でドア枠に手を置いて立った。
マイケルはめげない態度でカキアの横に立ち、口元を手で隠して小声で問いかける。
「……すいません、もしかしてご新規さん耳が?」
「あー……そっちじゃなくて言語の使用の方がね。たまにあるでしょ?」
「ああ」
納得の声を上げたマイケルは、反射的に室内に目を向けようとしていた。当然その視線はカキアの身体に阻まれ、何を見ることもない。
「案内悪かったね」
「いえいえ、目立ってたんで。じゃ、ボクはここで」
良い事をしたという充足感か、マイケルは笑顔で去っていった。
残された二人、ロエとカキアで向き合う。
「で? お留守番が寂しくでもなった? 《何かあったか?》」
「《何で今機嫌悪くした?》」
「なんだって?」
会話が成立せずに、カキアは思わず英語で聞き返した。
ロエが人さし指を、カキアの向こう、部屋の中に向ける。
「《会話中、あいつがそっちに注意を払ったら、なんか嫌な気分になってただろ》」
「君の感覚器どっかおかしくない?」
意味を理解できない会話の中、的確にそれを感じ取ったロエにカキアは少し唖然とする。
「《……今俺がどういう気分か、分かるか?》」
「《聞いたら駄目な話だったか?》」
「《俺がお前に聞かせる話じゃない。忘れろ》」
「《わかった》」
驚くほど素直に応じられ、カキアは拍子抜けする。
「《知りたかったんじゃないのか?》」
「《駄目だって言われたことは駄目で、やれって言われたことはやる》」
「《勇者ってのは随分使い勝手のいい駒だな》」
「《そうだったんじゃないか》」
「《……他人事だな》」
「《俺を使ってたのは俺じゃないから、使用者目線は他人事だな》」
ロエはあっさりとそれを言う。
カキアは顔をしかめかけた。けれど代わりにこもりかけた力をため息に乗せて抜き、ドア枠に置いていた手を離した。
「《何か用事があって来たんだろ。話なら中でするか?》」
半身を引いて、部屋の中に招く素振りに、ロエは首を振った。手に持っていた紙を差し出す。
「《落ちてた。いるやつじゃなかったか?》」
自信は半々ほどで、ロエは受け取ったカキアの反応を伺う。
カキアは紙に目を落として、それからバツが悪そうに頭をかいた。
「キラちゃん、あったわー」
「またご自宅にお忘れに?」
「えーっと」
「再三外出時は持ち物を確認するよう、ご注意申し上げておりますが」
言葉の圧にへらりとカキアは笑ってみせた。
両者見つめ合って、キラが席を立つ。手元の紙に、カキアの手から抜いた紙を差し入れ、パラパラと内容の連続を確認する。
「確かに受領いたしました」
「ごめんて」
「謝罪の必要はございません。同居の折から幾百と注意申し上げておりますが、わたくしの言葉には室長代理を変える力がないのでしょう」
「めっちゃ怒ってるよねぇ。違うってほら僕、決まり事とか習慣とか苦手でしょ?」
「ええ、ですから自身の力不足を恥じるばかりです。──ところでロエ様が帰ろうとなさっています」
「え」
振り返れば確かに、ドアの外にロエの姿がなくてカキアは慌てる。入り口から顔を出して廊下を見る。
「ちょっと待っ、《待て!》」
廊下を戻っていたロエは足を止めて振り返った。
「《何で帰ろうとしてる?》」
「《目的果たしたし、俺必要ないだろうし》」
「《……礼も言ってないだろ》」
「《別にいらない》」
本当に気にした様子もなく、ロエは言い切る。善意に対する対価を求める気がさらさらない。当たり前に感謝も謝罪も、欲しがる素振りはない。
「《……待ってろ》」
一言言い置いて、カキアは室内に戻った。
壁際のラックから、掛けていたコートを取る。
「お帰りですか?」
「礼して送ってくる。あの歳って何に喜ぶ?」
「ゲストに年齢の区分けは無意味かと」
「ごもっとも」
室長のデスクに近づき、引き出しから公用車の鍵を取り出した。
街角に立って周囲を見渡していると、ロエはいつか見た男と目が合った。
車輪のついた箱──パトカーの傍らで、今日もデイブはドーナッツを食べていた。
「今日はちゃんと服着てるな。いくら男前でも節度と法律ってもんがあるからな、時と場所を選べてえらいぞぉ」
何も意味は通じないが、印象通りこの男が害意のない人間であるのはロエにも通じる。
「《カキアのとこに行きたい》」
「ん? ん? カキア……で、なんて?」
挑戦の結果は名前だけで終わった。しょうがないので、ロエは素直に名刺をデイブにかざす。
「何?」
名詞と自分を交互に指差す。
「カキア探してんのか? あいつ今時分は庁舎だろ。あ、庁舎の場所がわかんねえのか」
納得してデイブは全開の窓から上半身を突っ込み、車のダッシュボードから地図を引っ張り出す。ボンネットに広げると、ロエを手招いた。
覗いた地図の詳細な記載に、ロエは少し目を見開く。川の中洲、長細い葉っぱのようなこの街の形状が一目瞭然だ。
「今ここだ」
言葉と共に地図を片手で指し、もう片手で足元を指す。言語が通じなくても分かりやすいジェスチャーだ。
「で、庁舎はここ。行き方としてはひとまず大通りに出て、そっからはひたすら北上が一番迷わんと思うぞ」
指す位置が変わり、文字の記述が多い地域を指す。それからデイブはメモ帳にサクサクと今行った道順を記していく。
「ほいよ。簡単だし大丈夫だと思うが、迷ったら道に座り込んでな。食い終わって巡回戻った時、拾ってやる」
言葉にはすべて意味のあるジェスチャー付きで、渡された紙には道順と、目印になりやすい建物や看板が簡単にスケッチされている。それから右下の隅には、宣伝のようにドーナツが描かれていた。
ロエは口を開く。
「アリガトウ」
カタコトでも感謝の言葉が言えるのが、一週間の成果だ。
デイブはとびきりの笑顔とサムズアップでそれに応えた。
※ ※ ※
目当ての建物は少し手前からでも見つけられた。石造りの建物は他より重厚感があり、ロエには少し馴染みがある。建物前にはベンチがいくつか並び、歩道を挟んで路上駐車が連なっていた。二階まで伸びるポールで旗が二枚はためいている。視界上でちらつくのが気になって、ロエは国旗と市の旗をそれと知らずに眺める。
「あれ、もしかしてゲストさんです?」
横手からかかった声に、ロエは顔を向けた。
「うおっ、この顔面はやっぱこの間のゲストさん!」
なぜか陽射しでも避けるように顔を背けられて、ロエは首を傾げた。シャツにサスペンダー姿の若者は、ロエを直視しないよう薄目で見てくる。手までかざした拍子に、相手の持っている油の染みた紙袋ががさっと鳴った。
「すいませんっ、一身上のアレで美形は直視できなくて。ええっと何か庁舎でお手続きですかね? 担当課まで案内します?」
ひどく挙動不審だが、薄着で短時間外出していた素振りで、この建物の関係者──庁舎職員であることは察せる。
ロエはカキアの名刺を掲げた。
「カキアさんの名刺。……あ、普通に対応室目的ですか。なら二階です。ご案内しますよ」
問いかけの後に、沈黙が落ちた。じっと顔を見られて、若者は焦りを顔に浮かべる。戸惑い気味に一歩を踏み出す。
ロエはその動きを目で追うだけだ。
「えっ、通じてない!? えっと、付いてきてー」
二、三歩進んでも反応はなく、どうにか誘導しようと手のひらを上に、車のバック誘導並みの大袈裟な腕振りで手招いた。
そこでようやく、ロエははっと気付いた様子で後を追い始める。
動かすことに何とか成功し、若者はほっとした様子で庁舎の玄関をくぐった。窓口には手を挙げるだけで過ぎ、奥の階段から二階に上がる。廊下にはいくつも扉が並んでいた。開けっ放しの扉が多い中、ゲスト対応室だけ硬く扉を閉ざしていた。
「カキアさーん、ご新規さんがご用事ですよー」
若者は雑なノックの後、ほとんど返事を待たずに扉を開けた。
そこには並んだ机で作業するカキアとキラがいた。キラの手元でタイプライターのベル音とレールを滑る音がする。
「……マイケルくん、ノックの意味知ってる?」
「入りますよのお知らせです」
「入っていいですかのお伺いです。うち、機密も多いんだから君のためにも止めなさいね」
カキアが眺めていた紙を置き、椅子から腰を上げた。入る勢いだった若者──マイケルを押しのける要領でドア枠に手を置いて立った。
マイケルはめげない態度でカキアの横に立ち、口元を手で隠して小声で問いかける。
「……すいません、もしかしてご新規さん耳が?」
「あー……そっちじゃなくて言語の使用の方がね。たまにあるでしょ?」
「ああ」
納得の声を上げたマイケルは、反射的に室内に目を向けようとしていた。当然その視線はカキアの身体に阻まれ、何を見ることもない。
「案内悪かったね」
「いえいえ、目立ってたんで。じゃ、ボクはここで」
良い事をしたという充足感か、マイケルは笑顔で去っていった。
残された二人、ロエとカキアで向き合う。
「で? お留守番が寂しくでもなった? 《何かあったか?》」
「《何で今機嫌悪くした?》」
「なんだって?」
会話が成立せずに、カキアは思わず英語で聞き返した。
ロエが人さし指を、カキアの向こう、部屋の中に向ける。
「《会話中、あいつがそっちに注意を払ったら、なんか嫌な気分になってただろ》」
「君の感覚器どっかおかしくない?」
意味を理解できない会話の中、的確にそれを感じ取ったロエにカキアは少し唖然とする。
「《……今俺がどういう気分か、分かるか?》」
「《聞いたら駄目な話だったか?》」
「《俺がお前に聞かせる話じゃない。忘れろ》」
「《わかった》」
驚くほど素直に応じられ、カキアは拍子抜けする。
「《知りたかったんじゃないのか?》」
「《駄目だって言われたことは駄目で、やれって言われたことはやる》」
「《勇者ってのは随分使い勝手のいい駒だな》」
「《そうだったんじゃないか》」
「《……他人事だな》」
「《俺を使ってたのは俺じゃないから、使用者目線は他人事だな》」
ロエはあっさりとそれを言う。
カキアは顔をしかめかけた。けれど代わりにこもりかけた力をため息に乗せて抜き、ドア枠に置いていた手を離した。
「《何か用事があって来たんだろ。話なら中でするか?》」
半身を引いて、部屋の中に招く素振りに、ロエは首を振った。手に持っていた紙を差し出す。
「《落ちてた。いるやつじゃなかったか?》」
自信は半々ほどで、ロエは受け取ったカキアの反応を伺う。
カキアは紙に目を落として、それからバツが悪そうに頭をかいた。
「キラちゃん、あったわー」
「またご自宅にお忘れに?」
「えーっと」
「再三外出時は持ち物を確認するよう、ご注意申し上げておりますが」
言葉の圧にへらりとカキアは笑ってみせた。
両者見つめ合って、キラが席を立つ。手元の紙に、カキアの手から抜いた紙を差し入れ、パラパラと内容の連続を確認する。
「確かに受領いたしました」
「ごめんて」
「謝罪の必要はございません。同居の折から幾百と注意申し上げておりますが、わたくしの言葉には室長代理を変える力がないのでしょう」
「めっちゃ怒ってるよねぇ。違うってほら僕、決まり事とか習慣とか苦手でしょ?」
「ええ、ですから自身の力不足を恥じるばかりです。──ところでロエ様が帰ろうとなさっています」
「え」
振り返れば確かに、ドアの外にロエの姿がなくてカキアは慌てる。入り口から顔を出して廊下を見る。
「ちょっと待っ、《待て!》」
廊下を戻っていたロエは足を止めて振り返った。
「《何で帰ろうとしてる?》」
「《目的果たしたし、俺必要ないだろうし》」
「《……礼も言ってないだろ》」
「《別にいらない》」
本当に気にした様子もなく、ロエは言い切る。善意に対する対価を求める気がさらさらない。当たり前に感謝も謝罪も、欲しがる素振りはない。
「《……待ってろ》」
一言言い置いて、カキアは室内に戻った。
壁際のラックから、掛けていたコートを取る。
「お帰りですか?」
「礼して送ってくる。あの歳って何に喜ぶ?」
「ゲストに年齢の区分けは無意味かと」
「ごもっとも」
室長のデスクに近づき、引き出しから公用車の鍵を取り出した。
あなたにおすすめの小説
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
ハイスペックストーカーに追われています
たかつきよしき
BL
祐樹は美少女顔負けの美貌で、朝の通勤ラッシュアワーを、女性専用車両に乗ることで回避していた。しかし、そんなことをしたバチなのか、ハイスペック男子の昌磨に一目惚れされて求愛をうける。男に告白されるなんて、冗談じゃねぇ!!と思ったが、この昌磨という男なかなかのハイスペック。利用できる!と、判断して、近づいたのが失敗の始まり。とある切っ掛けで、男だとバラしても昌磨の愛は諦めることを知らず、ハイスペックぶりをフルに活用して迫ってくる!!
と言うタイトル通りの内容。前半は笑ってもらえたらなぁと言う気持ちで、後半はシリアスにBLらしく萌えると感じて頂けるように書きました。
完結しました。
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
【完結】君を上手に振る方法
社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」
「………はいっ?」
ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。
スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。
お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが――
「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」
偽物の恋人から始まった不思議な関係。
デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。
この関係って、一体なに?
「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」
年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。
✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
【完結】※セーブポイントに入って一汁三菜の夕飯を頂いた勇者くんは体力が全回復します。
きのこいもむし
BL
ある日突然セーブポイントになってしまった自宅のクローゼットからダンジョン攻略中の勇者くんが出てきたので、一汁三菜の夕飯を作って一緒に食べようねみたいなお料理BLです。
自炊に目覚めた独身フリーターのアラサー男子(27)が、セーブポイントの中に入ると体力が全回復するタイプの勇者くん(19)を餌付けしてそれを肴に旨い酒を飲むだけの逆異世界転移もの。
食いしん坊わんこのローグライク系勇者×料理好きのセーブポイント系平凡受けの超ほんわかした感じの話です。
経理部の美人チーフは、イケメン新人営業に口説かれています――「凛さん、俺だけに甘くないですか?」年下の猛攻にツンデレ先輩が陥落寸前!
中岡 始
BL
社内一の“整いすぎた男”、阿波座凛(あわざりん)は経理部のチーフ。
無表情・無駄のない所作・隙のない資料――
完璧主義で知られる凛に、誰もが一歩距離を置いている。
けれど、新卒営業の谷町光だけは違った。
イケメン・人懐こい・書類はギリギリ不備、でも笑顔は無敵。
毎日のように経費精算の修正を理由に現れる彼は、
凛にだけ距離感がおかしい――そしてやたら甘い。
「また会えて嬉しいです。…書類ミスった甲斐ありました」
戸惑う凛をよそに、光の“攻略”は着実に進行中。
けれど凛は、自分だけに見せる光の視線に、
どこか“計算”を感じ始めていて……?
狙って懐くイケメン新人営業×こじらせツンデレ美人経理チーフ
業務上のやりとりから始まる、じわじわ甘くてときどき切ない“再計算不能”なオフィスラブ!
後宮に咲く美しき寵后
不来方しい
BL
フィリの故郷であるルロ国では、真っ白な肌に金色の髪を持つ人間は魔女の生まれ変わりだと伝えられていた。生まれた者は民衆の前で焚刑に処し、こうして人々の安心を得る一方、犠牲を当たり前のように受け入れている国だった。
フィリもまた雪のような肌と金髪を持って生まれ、来るべきときに備え、地下の部屋で閉じ込められて生活をしていた。第四王子として生まれても、処刑への道は免れられなかった。
そんなフィリの元に、縁談の話が舞い込んでくる。
縁談の相手はファルーハ王国の第三王子であるヴァシリス。顔も名前も知らない王子との結婚の話は、同性婚に偏見があるルロ国にとって、フィリはさらに肩身の狭い思いをする。
ファルーハ王国は砂漠地帯にある王国であり、雪国であるルロ国とは真逆だ。縁談などフィリ信じず、ついにそのときが来たと諦めの境地に至った。
情報がほとんどないファルーハ王国へ向かうと、国を上げて祝福する民衆に触れ、処刑場へ向かうものだとばかり思っていたフィリは困惑する。
狼狽するフィリの元へ現れたのは、浅黒い肌と黒髪、サファイア色の瞳を持つヴァシリスだった。彼はまだ成人にはあと二年早い子供であり、未成年と婚姻の儀を行うのかと不意を突かれた。
縁談の持ち込みから婚儀までが早く、しかも相手は未成年。そこには第二王子であるジャミルの思惑が隠されていて──。