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<21・鬼が来る場所>
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梟自身、突拍子もないことを言っているのはわかっている。
ただ、この学校の敷地に対して、奇妙な形で建っている二つの校舎と向き。そして、現在見舞われている状況と七不思議――それらを踏まえると、強ち間違っているとも思えないのである。
つまりこの南校舎は、なんらかの“堰”の役割であったのではないか、と。
「この藤根宮小学校ってさ、北校舎と南校舎ってなってるだろ」
「は、はい」
「ずっと不思議ではあったんだよな。広い敷地があるのになんでこんなナナメになるように校舎建てちゃったんだろうって。はっきり言って、敷地の無駄遣いしてるとしか思えなくて」
北校舎も南校舎も、上から見るとどちらも長方形の形をしている。その長方形二つが組み合わさって、南北に細長い長方形型の敷地を斜めに横切るように、逆さまのT字を形成しているのだ。Tの縦の某部分が北校舎、横棒部分が南校舎というわけである。北校舎は、いわば敷地を斜めに真っ二つにするような位置で建築されているというわけだ。その半分が主に駐車場で、もう半分が校庭というわけである。
そう考えると、やはり理にかなっているとは言い難い。駐車場にしたって校庭にしたって、三角形の形では到底使いやすいはずがないというのに。
「変な形だろ、この学校。校舎がナナメに敷地を真っ二つにしちゃってるせいで、駐車場も校庭も三角形だし。使いづらいったらないじゃないか。特に駐車場、三角形になっちゃってるせいで、停められる台数が少ないって先生もぼやいてたし」
スマホのメモアプリの中には、簡単な絵が描けるものもある。言葉だけではどうにも表現しづらいため、それを使って解説していくことにする。英玲奈も興味深そうに手元を覗き込んできた。
「で、本題。……このおかしな形の校舎の、逆さのT字の縦棒がどの方角向いてるかっつーと……北東。つまり、鬼門なんだよな」
「きもん?」
「鬼の門と書いて、鬼門。丑と寅の間で、“艮の方位”とも言うな。日本では古来から鬼が出入りする方角であると言われていて、忌むべき方角であると言われている。鬼は鬼門からやってきて反対側に抜けていくもんだから、裏鬼門……つまり北西の方向も忌み嫌われているみたいだ。確か、台湾だと“この世とあの世をつなぐ”方角とされていて、旧暦の七月には鬼門が開くなんて話もあったんじゃなかったかな」
以前調べたうろおぼえ知識だが、こういう時は存外役に立つ。ずっと確認できる状況ではなかったが、やはり携帯は圏外の状態。新しく何かを調べられない時は、現時点で持っている知識が頼りになるのだ。
ちなみに、この考え方は陰陽道、そして平安時代が発祥であるともされている。大昔の人は、病や天災などの悪いものを全て鬼に例えて恐れていた。悪いことはみんな鬼のせいと考え、鬼が来ないように気をつけることが安心安全に暮らしていく秘訣であると思っていたわけである。現在のように科学や医療が発達し、様々な事象が解明されるようになるまでは、人々にとって未知の災害が多すぎて、鬼のように恐ろしいものだったということなのだろう。
「鬼門って方角は、基本的に日本人は避けるんだよな。ていうか、窓とかが北東に向いているメリットもない。普通に寒いし。……そう考えると、この学校の校舎の建てられ方が建築の面で考えても違和感があるのは分かると思う。窓が向いてるの、北西の方なんだ。日当たり超悪いだろ、ちょっと西日は入るけどっていうくらい」
「た、確かに。というか、北校舎そのものが結構南校舎の影になっちゃってますよね」
「そゆこと」
そもそも、北校舎は現在、本当に必要なのかどうかも怪しいほど使われることが少ないのだ。殆どの授業は南校舎だけで事足りる。昔はもっと地域に子供が多くて、生徒数も多かった分校舎が二つ必要であったのかもしれないが、今はそうではない。自分達も、一部の特別教室での授業と、倉庫に行くためくらいしか北校舎に行くことがないのだ。用務員室も北校舎にあるが、それ以外はほぼほぼ使われることもないし、先生達が仮眠に使うことがあるとかないとか――そんな話を聞く程度なのである。
「北校舎って、そもそもなんのためにあるのかもわからないですよね。あんまり使わないし、影になっちゃってるし……。でも、取り壊そうかって話が出てもすぐなかったことになるって聞いたことがあります。なんでだろ?」
英玲奈が首を傾げる。
「南校舎だけではダメな理由がある、とか?」
「まさにそれだと俺は思うよ、英玲奈ちゃん」
スマホの画面の上、トントンとT字部分を指で叩きながら告げる梟。
「北校舎の形状はまさに、鬼門から裏鬼門に抜けていく“通路”を作ってあるように俺には見えるんだ。……そして裏鬼門方向に悪いものが抜けていこうとした終点に、南校舎がある。……こう学校の形って、南校舎に悪いものを溜め込んでいく形になってるように見えないか?」
そもそも学校がある土地は、藤根宮の土地の中でもひときわ大きく窪んだ場所にあるのだ。昔、ここには大きな湖があった名残らしいと言われている。――そこに、悪しきものを溜め込むように形作られた校舎。偶然とは、正直思えない。
「元からこの土地は、悪いものを溜め込みやすくて、災厄が耐えなかったとかそういう逸話があるんじゃなかったか?俺も詳しく知らないけど、小学校の時藤根宮の歴史を調べたら、そんな話があった気がする。……父さんの七不思議調査ノートに何か書かれてないかなあ」
ここまで散々逃げ回ってきたが、手荷物はしっかり肌身離さず持ってきていた梟だった。我ながら頑張ったと自画自賛したいところである。財布も水も入っているので、何がなんでも手放したくなかったというのもあるのだが。
そこに、父から借りっぱなしになっていた七不思議ノートも入ったままになっていた。古いものであるし、父が小学校の時に書いたものなので非常に字が汚くてよ読みづらいが――今回の謎を解くのに役に立つ可能性は高い。ファインプレーというやつだ。
「……あった。やっぱり父さん、この学校の七不思議について調べる時に、この土地についてのことも調べてる」
要約すると、こんなかんじだ。
この学校は大昔には湖のあった土地であり、その後には大規模な墓地があった場所だった――というのはまあ、昔からあるあるの話ではあるのだが。問題は、その墓地をなくす時に、土地のお祓いがやや不十分であったことであったらしい。眠る場所を妨げられた人々の霊が怒り、かつ場所が悪くて悪いものを溜め込みやすい土地であったため藤根宮の地はたびたび災害に見舞われたのだそう。
藤根宮の町では、ひとたび疫病が流行すれば長引き、少しの雨でも洪水や山崩れが置き、そしてまだ年若く未来ある男児からバタバタと死んでいくという不吉なことが続いたそうだ。さらに、お祓いを試みた神主は、謎の遺言を残して息絶えたというのである。
『藤根宮は、呪われた土地ぞ。
ただ人一人の力で、悪霊を鎮め、鬼の流入を防ぐこと叶わぬ。
この地に巨大な堰を設け、封じる仕組みを作る他ない』
神主は全身が青緑の苔のようなものに覆われる奇病にかかり、踊り狂って死んだのだそうだ。人々はその様を見て震え上がった。自分達の祖先は、神をも恐れぬような恐ろしい行いをしてしまったに違いないと。
人々は神主の遺言通り、一番瘴気がたまりやすかったこの土地に“堰”を設けることにしたのだ。鬼の通り道となる北の校舎、そこを通ってやってきた鬼達を封印し浄化するための南校舎、といった具合に。
学校を作って、建物そのものを使った封印を施し、何十人もの子供達のエネルギーを用いて蓋をすることで――ようやく藤根宮の土地を襲う怪異は鎮まったのだそうだ。
「だから、北校舎を壊すことができないんですか?鬼の通り道がなくなってしまったから」
やや納得がいかない表情で、英玲奈が言う。
「でも、なんでよりにもよって小学校なんかに……。何かあったら一番最初に、通ってる生徒が酷い目に遭いそうなのに。それに、封印ってどうやって……?」
「人が集まる場所を堰にしなければ、エネルギーが足らなかったってのはあるんだと思う。生きてる人の力は、簡単な浮遊霊ならば弾くくらいの力はある。それが何十人も何百人も集まれば、無視できないくらいの大きな防御壁になるからな。特に、子供は大人より純粋だから、そういうエネルギーも強いと考えたんだろうさ。子供は特定の年までは神様の子である、みたいな考え方も昔からあるわけだしね」
それに、と梟は続ける。
「多分、小学校が一番都合が良かったんだ。……“封印”にとって」
パチリ、パチリとピースがハマる。
梟はノートをパラパラと捲った。最初に読んだ時はチラ見程度であったので、気づいてなかった場所。おそらくどこかに書いてあるはずだ――そんな考えは正しかった。どうやら父本人も、大昔に自分が調べたことを忘れてしまっていたようであるけれど。
「封印の方法は……“怪談”。子供達の七不思議にすることで、悪霊達に形を与えてまとめて封じることにしたんだ」
怪異の多くは、姿を与えられて初めて意味を成す。
裏を返せば、特定の噂を流して子供達に広めることで、任意の姿を作り誘導することも可能ということではないだろうか。
ノートには、確かにこう記されていた。
『七不思議にすることで、こわいオバケを学校の怪談にしてしまうのが目的であったそうです。
そして、七不思議の場所は、子供たちもこわがって近寄りません。
条件をみたさなければ、おばけに会うこともないということにすれば、より子供たちが“鬼”が変化した“七不思議のおばけ”にそうぐうすることもなくなります。
六つのふしぎをそうやってつくって、中心によりしろをおくことによって、流れ込んできた鬼たちを七不思議にする。
そして、七不思議のおばけに変わったものを、まとめて弱くして、封印する。
そのためには、七不思議を、たくさん話して広めてくれるこどもたちがひつようでした。
だから、ふじね宮小学校は、ここにあるのです
悪いものをふうじこめて、みんなを守るために』
ただ、この学校の敷地に対して、奇妙な形で建っている二つの校舎と向き。そして、現在見舞われている状況と七不思議――それらを踏まえると、強ち間違っているとも思えないのである。
つまりこの南校舎は、なんらかの“堰”の役割であったのではないか、と。
「この藤根宮小学校ってさ、北校舎と南校舎ってなってるだろ」
「は、はい」
「ずっと不思議ではあったんだよな。広い敷地があるのになんでこんなナナメになるように校舎建てちゃったんだろうって。はっきり言って、敷地の無駄遣いしてるとしか思えなくて」
北校舎も南校舎も、上から見るとどちらも長方形の形をしている。その長方形二つが組み合わさって、南北に細長い長方形型の敷地を斜めに横切るように、逆さまのT字を形成しているのだ。Tの縦の某部分が北校舎、横棒部分が南校舎というわけである。北校舎は、いわば敷地を斜めに真っ二つにするような位置で建築されているというわけだ。その半分が主に駐車場で、もう半分が校庭というわけである。
そう考えると、やはり理にかなっているとは言い難い。駐車場にしたって校庭にしたって、三角形の形では到底使いやすいはずがないというのに。
「変な形だろ、この学校。校舎がナナメに敷地を真っ二つにしちゃってるせいで、駐車場も校庭も三角形だし。使いづらいったらないじゃないか。特に駐車場、三角形になっちゃってるせいで、停められる台数が少ないって先生もぼやいてたし」
スマホのメモアプリの中には、簡単な絵が描けるものもある。言葉だけではどうにも表現しづらいため、それを使って解説していくことにする。英玲奈も興味深そうに手元を覗き込んできた。
「で、本題。……このおかしな形の校舎の、逆さのT字の縦棒がどの方角向いてるかっつーと……北東。つまり、鬼門なんだよな」
「きもん?」
「鬼の門と書いて、鬼門。丑と寅の間で、“艮の方位”とも言うな。日本では古来から鬼が出入りする方角であると言われていて、忌むべき方角であると言われている。鬼は鬼門からやってきて反対側に抜けていくもんだから、裏鬼門……つまり北西の方向も忌み嫌われているみたいだ。確か、台湾だと“この世とあの世をつなぐ”方角とされていて、旧暦の七月には鬼門が開くなんて話もあったんじゃなかったかな」
以前調べたうろおぼえ知識だが、こういう時は存外役に立つ。ずっと確認できる状況ではなかったが、やはり携帯は圏外の状態。新しく何かを調べられない時は、現時点で持っている知識が頼りになるのだ。
ちなみに、この考え方は陰陽道、そして平安時代が発祥であるともされている。大昔の人は、病や天災などの悪いものを全て鬼に例えて恐れていた。悪いことはみんな鬼のせいと考え、鬼が来ないように気をつけることが安心安全に暮らしていく秘訣であると思っていたわけである。現在のように科学や医療が発達し、様々な事象が解明されるようになるまでは、人々にとって未知の災害が多すぎて、鬼のように恐ろしいものだったということなのだろう。
「鬼門って方角は、基本的に日本人は避けるんだよな。ていうか、窓とかが北東に向いているメリットもない。普通に寒いし。……そう考えると、この学校の校舎の建てられ方が建築の面で考えても違和感があるのは分かると思う。窓が向いてるの、北西の方なんだ。日当たり超悪いだろ、ちょっと西日は入るけどっていうくらい」
「た、確かに。というか、北校舎そのものが結構南校舎の影になっちゃってますよね」
「そゆこと」
そもそも、北校舎は現在、本当に必要なのかどうかも怪しいほど使われることが少ないのだ。殆どの授業は南校舎だけで事足りる。昔はもっと地域に子供が多くて、生徒数も多かった分校舎が二つ必要であったのかもしれないが、今はそうではない。自分達も、一部の特別教室での授業と、倉庫に行くためくらいしか北校舎に行くことがないのだ。用務員室も北校舎にあるが、それ以外はほぼほぼ使われることもないし、先生達が仮眠に使うことがあるとかないとか――そんな話を聞く程度なのである。
「北校舎って、そもそもなんのためにあるのかもわからないですよね。あんまり使わないし、影になっちゃってるし……。でも、取り壊そうかって話が出てもすぐなかったことになるって聞いたことがあります。なんでだろ?」
英玲奈が首を傾げる。
「南校舎だけではダメな理由がある、とか?」
「まさにそれだと俺は思うよ、英玲奈ちゃん」
スマホの画面の上、トントンとT字部分を指で叩きながら告げる梟。
「北校舎の形状はまさに、鬼門から裏鬼門に抜けていく“通路”を作ってあるように俺には見えるんだ。……そして裏鬼門方向に悪いものが抜けていこうとした終点に、南校舎がある。……こう学校の形って、南校舎に悪いものを溜め込んでいく形になってるように見えないか?」
そもそも学校がある土地は、藤根宮の土地の中でもひときわ大きく窪んだ場所にあるのだ。昔、ここには大きな湖があった名残らしいと言われている。――そこに、悪しきものを溜め込むように形作られた校舎。偶然とは、正直思えない。
「元からこの土地は、悪いものを溜め込みやすくて、災厄が耐えなかったとかそういう逸話があるんじゃなかったか?俺も詳しく知らないけど、小学校の時藤根宮の歴史を調べたら、そんな話があった気がする。……父さんの七不思議調査ノートに何か書かれてないかなあ」
ここまで散々逃げ回ってきたが、手荷物はしっかり肌身離さず持ってきていた梟だった。我ながら頑張ったと自画自賛したいところである。財布も水も入っているので、何がなんでも手放したくなかったというのもあるのだが。
そこに、父から借りっぱなしになっていた七不思議ノートも入ったままになっていた。古いものであるし、父が小学校の時に書いたものなので非常に字が汚くてよ読みづらいが――今回の謎を解くのに役に立つ可能性は高い。ファインプレーというやつだ。
「……あった。やっぱり父さん、この学校の七不思議について調べる時に、この土地についてのことも調べてる」
要約すると、こんなかんじだ。
この学校は大昔には湖のあった土地であり、その後には大規模な墓地があった場所だった――というのはまあ、昔からあるあるの話ではあるのだが。問題は、その墓地をなくす時に、土地のお祓いがやや不十分であったことであったらしい。眠る場所を妨げられた人々の霊が怒り、かつ場所が悪くて悪いものを溜め込みやすい土地であったため藤根宮の地はたびたび災害に見舞われたのだそう。
藤根宮の町では、ひとたび疫病が流行すれば長引き、少しの雨でも洪水や山崩れが置き、そしてまだ年若く未来ある男児からバタバタと死んでいくという不吉なことが続いたそうだ。さらに、お祓いを試みた神主は、謎の遺言を残して息絶えたというのである。
『藤根宮は、呪われた土地ぞ。
ただ人一人の力で、悪霊を鎮め、鬼の流入を防ぐこと叶わぬ。
この地に巨大な堰を設け、封じる仕組みを作る他ない』
神主は全身が青緑の苔のようなものに覆われる奇病にかかり、踊り狂って死んだのだそうだ。人々はその様を見て震え上がった。自分達の祖先は、神をも恐れぬような恐ろしい行いをしてしまったに違いないと。
人々は神主の遺言通り、一番瘴気がたまりやすかったこの土地に“堰”を設けることにしたのだ。鬼の通り道となる北の校舎、そこを通ってやってきた鬼達を封印し浄化するための南校舎、といった具合に。
学校を作って、建物そのものを使った封印を施し、何十人もの子供達のエネルギーを用いて蓋をすることで――ようやく藤根宮の土地を襲う怪異は鎮まったのだそうだ。
「だから、北校舎を壊すことができないんですか?鬼の通り道がなくなってしまったから」
やや納得がいかない表情で、英玲奈が言う。
「でも、なんでよりにもよって小学校なんかに……。何かあったら一番最初に、通ってる生徒が酷い目に遭いそうなのに。それに、封印ってどうやって……?」
「人が集まる場所を堰にしなければ、エネルギーが足らなかったってのはあるんだと思う。生きてる人の力は、簡単な浮遊霊ならば弾くくらいの力はある。それが何十人も何百人も集まれば、無視できないくらいの大きな防御壁になるからな。特に、子供は大人より純粋だから、そういうエネルギーも強いと考えたんだろうさ。子供は特定の年までは神様の子である、みたいな考え方も昔からあるわけだしね」
それに、と梟は続ける。
「多分、小学校が一番都合が良かったんだ。……“封印”にとって」
パチリ、パチリとピースがハマる。
梟はノートをパラパラと捲った。最初に読んだ時はチラ見程度であったので、気づいてなかった場所。おそらくどこかに書いてあるはずだ――そんな考えは正しかった。どうやら父本人も、大昔に自分が調べたことを忘れてしまっていたようであるけれど。
「封印の方法は……“怪談”。子供達の七不思議にすることで、悪霊達に形を与えてまとめて封じることにしたんだ」
怪異の多くは、姿を与えられて初めて意味を成す。
裏を返せば、特定の噂を流して子供達に広めることで、任意の姿を作り誘導することも可能ということではないだろうか。
ノートには、確かにこう記されていた。
『七不思議にすることで、こわいオバケを学校の怪談にしてしまうのが目的であったそうです。
そして、七不思議の場所は、子供たちもこわがって近寄りません。
条件をみたさなければ、おばけに会うこともないということにすれば、より子供たちが“鬼”が変化した“七不思議のおばけ”にそうぐうすることもなくなります。
六つのふしぎをそうやってつくって、中心によりしろをおくことによって、流れ込んできた鬼たちを七不思議にする。
そして、七不思議のおばけに変わったものを、まとめて弱くして、封印する。
そのためには、七不思議を、たくさん話して広めてくれるこどもたちがひつようでした。
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