3 / 42
<3・魔王様の恩返し>
しおりを挟む
時間があったから、とか。
興味を持ったから、とか。
言い訳を言おうと思えばいくらでも言えるし、それも間違いではないのだけれど。出来ることがあるかもしれないと思ったら、それをスルーするような真似はしたくなかったというのが紫苑の本心なのである。
『紫苑、大丈夫!?泣かないで、俺がついてるからさ!』
あの子なら、きっと。
こういう時に、見て見ぬフリなどしないはずだから。
あの子に憧れて、少しでも男の子みたいに強くなりたくて、気づけば男の子のような振る舞いをすることに慣れてしまった自分。結局運動神経もよくはならなかったし、勉強だけが得意なあたまでっかちの本の虫になってしまっただけではあるけれど、でも。
「……助けてくれる、のは。ありがたいけど……」
困ったように眉を八の字にする“魔王様”。どことなく、あの日いなくなったあの子に面差しが似ていると思った。あの子もそういえば、在日アメリカ人だとかで全然日本人らしい外見ではなかったと思い出す。細かな話が出来る前に、紫苑の目の前からいなくなってしまったけれど。
「……でも、その。本当にいいのかな?隣の部屋の準備、時間かかるといっても今日中には終わると思うけど」
「気にしないでください。僕がただ、この世界に興味を持っているだけなので。……ただ、異世界人である僕が下手に関わりすぎると世界のバランスを崩すということですから、ただ作戦を提案するだけです。ていうか、物理的に動いてどうこうできる身体能力とか全くありませんし。自慢じゃないけど、運動音痴なもので」
「や、それはいいけどさ……」
彼も彼で、荒唐無稽な“世界設定”をよくぞ信じてくれたものだと思っているのかもしれない。けれど、そもそもこんな大掛かりなセットを使って紫苑のようなただの女子中学生を騙すメリットなどないし、現代の科学技術では無理そうなホログラムなどを見せられては信じるしかない現状である。
何より。目の前の人の良さそうな青年が、嘘をついているようには見えなかったのだ。人付き合いの得意な人間ではない自覚はあるけれど、それでも人を見る目は確かであるつもりである。彼は――アーリアは、平気で嘘をつくような人間では、ない。
「一つだけ、確認させて欲しいことがあります。……貴方は、北の地にだけ女神がいなくて、勇者が召喚されなかったと言った。だから北の地を守るために自分が飛び出すしかなかったと。……何故そうしたのですか?他の勇者達が全てチート能力持ちで、非常に危険な存在であることは言うまでもなくわかっていたでしょうし」
紫苑が真っ直ぐに見つめると、彼は目をぱちくりとさせた。こうして見ると、やはり相当若い人物であることがわかる。未成年であるのは間違いないだろう。多分、高校生かそこら程度の年齢だ。肌も綺麗だし、顔立ちの幼さは大人のそれではない。
「だって」
彼は少しだけ戸惑って、それでも躊躇う様子もなく口にした。
「誰かが戦わないといけないじゃないか。この北の地は、私にとって故郷なんだから。他の誰かに任せておいてはおけないよ。私、そんなに大した魔法とか使えないし、ちょっと力が強いだけの普通の人間だけど……それでも此処は、この北の国の人たちに恩返しする義務があるんだから」
「恩返し?」
「うん。私はさ、記憶喪失で倒れてたところを、北の国の人に助けて貰ったんだ。今は独立して傭兵みたいなことして暮らしてたんだけど。得体の知れない、しかも私みたいな金髪碧眼って珍しかったのにみんな差別しないで接してくれてさ。何年も施設で育てて貰ったんだよ?そんなみんなを助けたいと思うのは当たり前のことじゃないか」
そんな彼の話を聴いて紫苑は――少しだけ、呆れてしまった。どこからどう見ても、その眼は嘘をついているようには思えない。一体その行動のどこが“世界征服を目論む魔王”のそれなんだろう。どう考えても彼の方がよほどまともに勇者をしているではないか。
「……それがどうして、“魔王”なんですか。しかも“世界征服を目論んでいる”って……貴方は世界を征服して何をしようと?」
納得がいかず、ストレートに尋ねてしまった。すると彼はあー、と顎に手を当てて苦笑してみせる。
「この世界は、三人の女神さまが統治しているって言っただろ?神様ってのは、絶対の存在で、絶対的な正義だと言われてるからねえ。そんな神様が呼んだ勇者を倒そうとしているんだから、魔王って呼ばれても仕方ないんだよね。実際、女神と勇者の意思に従わないなんて悪魔の使いに違いない!って他の地域の人たちには散々言われたし。あ、ちなみにこの城も衣装も、レトロ趣味な城主が亡くなって廃墟になりかかってたのを、安く買い取らせて貰ったってだけなんだけどね!魔王っぽくてカッコいいと思わない?」
「はあ、まあそれは……いえそれはいいんですけど。なんか魔王って呼ばれるの、嫌じゃななさそうですね、貴方」
「あんな勇者の同類だと思われるくらいなら、私は魔王の方がずっといいんだぞ!」
それはわからないでもないけれど。なんというか、段々アーリアの性格がわかってくる紫苑である。なんというか、究極のポジティブシンキングなのだ、彼は。ついでに言うなら常識はあるし一生懸命だけれど、若干天然ボケ思考でもあると見える。
これは絶対弟キャラだな、と結論を出す。いや、自分の方がさすがに年下ではあると思うけれど。
「世界征服をしたら?そうだなあ……まず、三人の女神様にちゃんと仲良くしてもらおうかな。あと、無理やり異世界から人を連れてくるのもやめてもらわないと。勇者もそうだけど、それ以前にも異世界召喚ってのをやって、他の世界の人に迷惑かけたことがあるみたいだしね」
それとねー、と彼は間延びした口調で言う。
「東の一部の街の地主が滅茶苦茶やってるみたいだからやめさせないと。東の地域は結構貧富の差があるというか、身分制度と格差社会が問題になっててさ。社交界でじゃんじゃか使うお金を、庶民からの取り立てる重税で賄う貴族が多くて困ってるみたいで。社交界の回数やシステム自体を制限するとか、そもそも税金の制度を見直して庶民が政治に参加できるようにするとか……いっぱいやってみたいことがあるんだよ。そのためには一度こっちに統治権を移させないと……それとそれと……」
彼はぺらぺらと、街のあちこちの問題点や改善点を話し始める。東西南北、どの地域にもそれぞれ問題があって、彼は彼なりにどうすれば解決できるかという策を考えているらしかった。
やっぱりそういうことか、と紫苑は額を抑える。つまり彼は、自分が一度“世界を支配”することで多少強制的であっても国それぞれの仕組みを作り変えようとしているのだ――女神と同等の権限を持たなければ、苦しんでいる民草を救うことができないと知っているからである。
つまり彼の言う世界征服とは――世界救済に等しい行いということ。
「宗教の共存もできるようにしないとね。それぞれの地域で、異教徒は殺してもいいとか滅茶苦茶な法律があったりするからそれはやめてほしいんだよ。大体……」
「あー、すみません、もういいです」
これを魔王と呼ぶのは、あまりにも無理がすぎるではないか。本当に、どっちが正義で悪なのかわかったものではない。
「……貴方、僕にどうこう言える立場じゃないじゃないですか。貴方の方がよっぽどお人好しでしょうに」
まだ、話し始めて数分しか経過していない。彼のことを、こんな短い会話で全て理解できたなどと言うつもりはない。
それでも既に、紫苑はすっかり絆されてしまっている。この恐ろしくポジティブで、優しすぎる魔王様のために――僅かでも、できることをしてやりたい、と。
「訂正します。……お手伝いじゃなくて……一緒に。貴方がやろうとしていることに、協力させていただけませんか。相手がチート能力を振り回して抗って来るというのなら……こちらは知恵と努力と、人望で勝負するということでいかがでしょう?」
「え?知恵と努力はいいけど……人望?」
「もしかして、自覚もないんですか貴方は」
本当にもう、この天然ボケ魔王様ときたら。紫苑は周囲に控えている兵士たちに視線を向ける。玉座の間で待機しているだけでも十人くらいはいる。ということは、廊下や城の前で警護している兵士の数は少なくともこの倍以上には上ることだろう。
女神と勇者に抗う者は、悪とされる世界。そして実際彼は魔王と呼ばれ、一部の者には蔑まれているはずである。それなのに、そんな彼にこうしてついてきている者達がいる。さっきあのリョウスケとかいう兵士がボロボロになって駆け込んできた時も、彼は他の誰よりも早く仲間へ駆け寄った。
そんな人間がどうして、慕われてないなどと言えるだろう。
彼がやろうとしていることに賛成し、彼だからこそついていきたいと思っている“魔王の部下”はたくさんいるのだ。きっと北の地域には、他にも大勢。
「人の迷惑顧みず、チート振り回している奴らには出来ないこと。貴方になら出来るはずです。ですから」
はい、と紫苑は手を差し出した。
「まずは西の地域……マサユキとかいう勇者と近隣の地域に関する詳細データを下さいませんか」
興味を持ったから、とか。
言い訳を言おうと思えばいくらでも言えるし、それも間違いではないのだけれど。出来ることがあるかもしれないと思ったら、それをスルーするような真似はしたくなかったというのが紫苑の本心なのである。
『紫苑、大丈夫!?泣かないで、俺がついてるからさ!』
あの子なら、きっと。
こういう時に、見て見ぬフリなどしないはずだから。
あの子に憧れて、少しでも男の子みたいに強くなりたくて、気づけば男の子のような振る舞いをすることに慣れてしまった自分。結局運動神経もよくはならなかったし、勉強だけが得意なあたまでっかちの本の虫になってしまっただけではあるけれど、でも。
「……助けてくれる、のは。ありがたいけど……」
困ったように眉を八の字にする“魔王様”。どことなく、あの日いなくなったあの子に面差しが似ていると思った。あの子もそういえば、在日アメリカ人だとかで全然日本人らしい外見ではなかったと思い出す。細かな話が出来る前に、紫苑の目の前からいなくなってしまったけれど。
「……でも、その。本当にいいのかな?隣の部屋の準備、時間かかるといっても今日中には終わると思うけど」
「気にしないでください。僕がただ、この世界に興味を持っているだけなので。……ただ、異世界人である僕が下手に関わりすぎると世界のバランスを崩すということですから、ただ作戦を提案するだけです。ていうか、物理的に動いてどうこうできる身体能力とか全くありませんし。自慢じゃないけど、運動音痴なもので」
「や、それはいいけどさ……」
彼も彼で、荒唐無稽な“世界設定”をよくぞ信じてくれたものだと思っているのかもしれない。けれど、そもそもこんな大掛かりなセットを使って紫苑のようなただの女子中学生を騙すメリットなどないし、現代の科学技術では無理そうなホログラムなどを見せられては信じるしかない現状である。
何より。目の前の人の良さそうな青年が、嘘をついているようには見えなかったのだ。人付き合いの得意な人間ではない自覚はあるけれど、それでも人を見る目は確かであるつもりである。彼は――アーリアは、平気で嘘をつくような人間では、ない。
「一つだけ、確認させて欲しいことがあります。……貴方は、北の地にだけ女神がいなくて、勇者が召喚されなかったと言った。だから北の地を守るために自分が飛び出すしかなかったと。……何故そうしたのですか?他の勇者達が全てチート能力持ちで、非常に危険な存在であることは言うまでもなくわかっていたでしょうし」
紫苑が真っ直ぐに見つめると、彼は目をぱちくりとさせた。こうして見ると、やはり相当若い人物であることがわかる。未成年であるのは間違いないだろう。多分、高校生かそこら程度の年齢だ。肌も綺麗だし、顔立ちの幼さは大人のそれではない。
「だって」
彼は少しだけ戸惑って、それでも躊躇う様子もなく口にした。
「誰かが戦わないといけないじゃないか。この北の地は、私にとって故郷なんだから。他の誰かに任せておいてはおけないよ。私、そんなに大した魔法とか使えないし、ちょっと力が強いだけの普通の人間だけど……それでも此処は、この北の国の人たちに恩返しする義務があるんだから」
「恩返し?」
「うん。私はさ、記憶喪失で倒れてたところを、北の国の人に助けて貰ったんだ。今は独立して傭兵みたいなことして暮らしてたんだけど。得体の知れない、しかも私みたいな金髪碧眼って珍しかったのにみんな差別しないで接してくれてさ。何年も施設で育てて貰ったんだよ?そんなみんなを助けたいと思うのは当たり前のことじゃないか」
そんな彼の話を聴いて紫苑は――少しだけ、呆れてしまった。どこからどう見ても、その眼は嘘をついているようには思えない。一体その行動のどこが“世界征服を目論む魔王”のそれなんだろう。どう考えても彼の方がよほどまともに勇者をしているではないか。
「……それがどうして、“魔王”なんですか。しかも“世界征服を目論んでいる”って……貴方は世界を征服して何をしようと?」
納得がいかず、ストレートに尋ねてしまった。すると彼はあー、と顎に手を当てて苦笑してみせる。
「この世界は、三人の女神さまが統治しているって言っただろ?神様ってのは、絶対の存在で、絶対的な正義だと言われてるからねえ。そんな神様が呼んだ勇者を倒そうとしているんだから、魔王って呼ばれても仕方ないんだよね。実際、女神と勇者の意思に従わないなんて悪魔の使いに違いない!って他の地域の人たちには散々言われたし。あ、ちなみにこの城も衣装も、レトロ趣味な城主が亡くなって廃墟になりかかってたのを、安く買い取らせて貰ったってだけなんだけどね!魔王っぽくてカッコいいと思わない?」
「はあ、まあそれは……いえそれはいいんですけど。なんか魔王って呼ばれるの、嫌じゃななさそうですね、貴方」
「あんな勇者の同類だと思われるくらいなら、私は魔王の方がずっといいんだぞ!」
それはわからないでもないけれど。なんというか、段々アーリアの性格がわかってくる紫苑である。なんというか、究極のポジティブシンキングなのだ、彼は。ついでに言うなら常識はあるし一生懸命だけれど、若干天然ボケ思考でもあると見える。
これは絶対弟キャラだな、と結論を出す。いや、自分の方がさすがに年下ではあると思うけれど。
「世界征服をしたら?そうだなあ……まず、三人の女神様にちゃんと仲良くしてもらおうかな。あと、無理やり異世界から人を連れてくるのもやめてもらわないと。勇者もそうだけど、それ以前にも異世界召喚ってのをやって、他の世界の人に迷惑かけたことがあるみたいだしね」
それとねー、と彼は間延びした口調で言う。
「東の一部の街の地主が滅茶苦茶やってるみたいだからやめさせないと。東の地域は結構貧富の差があるというか、身分制度と格差社会が問題になっててさ。社交界でじゃんじゃか使うお金を、庶民からの取り立てる重税で賄う貴族が多くて困ってるみたいで。社交界の回数やシステム自体を制限するとか、そもそも税金の制度を見直して庶民が政治に参加できるようにするとか……いっぱいやってみたいことがあるんだよ。そのためには一度こっちに統治権を移させないと……それとそれと……」
彼はぺらぺらと、街のあちこちの問題点や改善点を話し始める。東西南北、どの地域にもそれぞれ問題があって、彼は彼なりにどうすれば解決できるかという策を考えているらしかった。
やっぱりそういうことか、と紫苑は額を抑える。つまり彼は、自分が一度“世界を支配”することで多少強制的であっても国それぞれの仕組みを作り変えようとしているのだ――女神と同等の権限を持たなければ、苦しんでいる民草を救うことができないと知っているからである。
つまり彼の言う世界征服とは――世界救済に等しい行いということ。
「宗教の共存もできるようにしないとね。それぞれの地域で、異教徒は殺してもいいとか滅茶苦茶な法律があったりするからそれはやめてほしいんだよ。大体……」
「あー、すみません、もういいです」
これを魔王と呼ぶのは、あまりにも無理がすぎるではないか。本当に、どっちが正義で悪なのかわかったものではない。
「……貴方、僕にどうこう言える立場じゃないじゃないですか。貴方の方がよっぽどお人好しでしょうに」
まだ、話し始めて数分しか経過していない。彼のことを、こんな短い会話で全て理解できたなどと言うつもりはない。
それでも既に、紫苑はすっかり絆されてしまっている。この恐ろしくポジティブで、優しすぎる魔王様のために――僅かでも、できることをしてやりたい、と。
「訂正します。……お手伝いじゃなくて……一緒に。貴方がやろうとしていることに、協力させていただけませんか。相手がチート能力を振り回して抗って来るというのなら……こちらは知恵と努力と、人望で勝負するということでいかがでしょう?」
「え?知恵と努力はいいけど……人望?」
「もしかして、自覚もないんですか貴方は」
本当にもう、この天然ボケ魔王様ときたら。紫苑は周囲に控えている兵士たちに視線を向ける。玉座の間で待機しているだけでも十人くらいはいる。ということは、廊下や城の前で警護している兵士の数は少なくともこの倍以上には上ることだろう。
女神と勇者に抗う者は、悪とされる世界。そして実際彼は魔王と呼ばれ、一部の者には蔑まれているはずである。それなのに、そんな彼にこうしてついてきている者達がいる。さっきあのリョウスケとかいう兵士がボロボロになって駆け込んできた時も、彼は他の誰よりも早く仲間へ駆け寄った。
そんな人間がどうして、慕われてないなどと言えるだろう。
彼がやろうとしていることに賛成し、彼だからこそついていきたいと思っている“魔王の部下”はたくさんいるのだ。きっと北の地域には、他にも大勢。
「人の迷惑顧みず、チート振り回している奴らには出来ないこと。貴方になら出来るはずです。ですから」
はい、と紫苑は手を差し出した。
「まずは西の地域……マサユキとかいう勇者と近隣の地域に関する詳細データを下さいませんか」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる