旅鉄からの手紙

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瀬戸大橋

四国本土初上陸!

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瀬戸大橋が開通する直前の春休みに、従兄と2人で東海道本線と山陽本線の各駅停車や快速列車、さらに下津井電鉄を乗り継いで鷲羽山から春休みが終わってから開通する、完成した瀬戸大橋を見て以来、瀬戸大橋を渡って私の四国本土に上陸する計画が既に始まっていた。

帰って何日かして瀬戸大橋が開通してそれから数ヶ月くらいしてから豊島が故郷である祖母から

「息子(私から見ておじ)が四国へ出張に行った時に列車で渡ったけど、川を鉄橋で渡っているような感じで(鷲羽山などから)見るのと比べて実際に渡るのはあまり大したことないそうだよ。」

と言われたがそれでも私の瀬戸大橋を渡って四国へ行きたい願望は続いた。その年の学校の七夕集会に向けて生徒一人一人に願い事を書くために配られた短冊にも

「瀬戸大橋を渡りたい。」

と書いた程であった。それだけではなく七夕集会当日に短冊の内容を700人くらいの全校生徒の前で体育館のステージでその願い事を発表する何人かの生徒のうちの一人に選ばれた。別にそれが嫌だったからではないが集会当日の本番は風邪で休んでしまい全校生徒の前で発表することはなかったが、前日の発表の練習では集会の準備で体育館に残っていた一部の先生や生徒達が居るところでステージの上から担当の先生のご指導により大きな声で

「ながーいながーい瀬戸大橋を渡りたい!」

と数ヶ月程前の春休みに従兄2人で鷲羽山から見た、いくつもの鋼を束ねるなどした現代の道路や鉄道を通すのに対応した吊り橋など、いくつもの巨大な橋が讃岐富士や香川県坂出市の工業地域などからなる四国へ向かって連なっていた全長10kmくらいの瀬戸大橋を思い浮かべながら言っていたのを今でもはっきり覚えている。

私のその願いが叶ったのはあれから2年後の中学2年生の夏休みであった。

岡山駅で祖母と一緒であった新幹線から四国本土の高松行きの快速マリンライナーに乗り換えた。途中の茶屋町駅からは瀬戸大橋開通前の四国への鉄道による主要ルートであった宇野線と別れて瀬戸大橋線に入って行く。

茶屋町で先に豊島へ行くために宇野線に乗り変えた祖母と一旦別れた後、瀬戸大橋に向かう快速列車の中で鷲羽山に行くという話しかけてくれた隣の席のおじさんに豊島の小学生が島の外で作文コンクールで発表した話を聞いた。作文の内容など詳しい事は分からなかったのに何だか誇らしい気持ちになれた。児島駅で鷲羽山に行く隣の席のおじさんと別れてここからが四国初上陸への一人旅が始まった。

鷲羽山トンネルを抜けた列車はいよいよ瀬戸大橋にさしかかった。行きの快速列車で渡った瀬戸大橋は轟音とともにあっという間過ぎた感覚であった。

それよりも瀬戸大橋を渡り終わり坂出駅のホームに降りて四国本土に初上陸できた事を実感できた時の方が印象に残っている。真夏の蒸し暑いホームから見えた高松方面へ延びる線路から立ち昇る陽炎の向こうからやって来た徳島県の阿波池田行きのディーゼルカーに乗った。列車の行先案内に掲示されていた「阿波池田」という地名を見て四国本土に上陸した実感が湧いて来た。そのまま阿波池田駅まで乗って行っても良い気分ではあったが初上陸時の目的地は「こんぴらさん」であった。

何百段もの長い階段を登ってお参りをする珍しい神社でもある「こんぴらさん」という愛称で多くの方々に親しまれている金刀比羅宮(ことひらぐう)にお参りに行った。列車は土讃線に入り仏教の宗派の一つである真言宗や四国八十八箇所巡りの生みの親とされている弘法大師(空海)の故郷で、真言宗善通寺派の総本山(寺院)のある善通寺の辺りで讃岐富士を鷲羽山からよりもずっと真近で見られたのが本当に嬉しかった。
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