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愁玲という人物(4)
「あの長さになるまでかなり掛っただろう。伸ばしてたんじゃないのか?」
「言われたから切ってなかっただけだ。さっきヴァルガに言われて、あ、別に言われたから切った訳じゃないぞ?俺も長くて邪魔だなって思ったから切っただけだ。手入れする女もいないから痛んできてたしな」
「愁玲様、上手に切られておりますが、後ほど少しだけ整えさせて頂いても宜しいでしょうか?」
「あぁ、いいぞ。後ろは見えないから適当だ」
ルイズと愁玲が話す横でヴァルガは目を見開いたまま立ち尽くす。その様子にも愁玲は気づかないでいた。
「もう、髪は…伸ばさないのか?」
「え?」
「俺は…いや、何でもない。用事を思い出したから悪いが今日は一人で食べてくれ」
「っ、まて、よッッ!」
部屋を出て行こうとするヴァルガの腕を慌てて掴む。
「途中で止められたら気になるだろ!?」
心臓が早鳴ってる。たぶん、ヴァルガが言おうとした事はちゃんと聞いた方がいい。そう本能が叫んでた。
「別に」
「言えよ!」
「……短いのも似合うと思うが………俺は、長い方が、好きだ…」
切れと言ったり長い方がいいと言ったり、言ってる事が違いすぎる。でも確かに今、愁玲が感じてる感情は嬉しいだった。
「……ははっ、しょうがないな」
「待て、愁玲が短い方がいいって言うならそのままでも良い。お前の好きなようにしろ。俺の意見は聞かなくていい」
「良いよ。俺もけっこう長いの気に入ってたんだ」
「………」
「ヴァルガ?」
「いや、何でもねぇ」
愁玲は気づかない、この短時間で自分が言った言葉に矛盾がある事を。気づいてしまったヴァルガとサデュアは神妙な顔でお互いを見合った。
「言われたから切ってなかっただけだ。さっきヴァルガに言われて、あ、別に言われたから切った訳じゃないぞ?俺も長くて邪魔だなって思ったから切っただけだ。手入れする女もいないから痛んできてたしな」
「愁玲様、上手に切られておりますが、後ほど少しだけ整えさせて頂いても宜しいでしょうか?」
「あぁ、いいぞ。後ろは見えないから適当だ」
ルイズと愁玲が話す横でヴァルガは目を見開いたまま立ち尽くす。その様子にも愁玲は気づかないでいた。
「もう、髪は…伸ばさないのか?」
「え?」
「俺は…いや、何でもない。用事を思い出したから悪いが今日は一人で食べてくれ」
「っ、まて、よッッ!」
部屋を出て行こうとするヴァルガの腕を慌てて掴む。
「途中で止められたら気になるだろ!?」
心臓が早鳴ってる。たぶん、ヴァルガが言おうとした事はちゃんと聞いた方がいい。そう本能が叫んでた。
「別に」
「言えよ!」
「……短いのも似合うと思うが………俺は、長い方が、好きだ…」
切れと言ったり長い方がいいと言ったり、言ってる事が違いすぎる。でも確かに今、愁玲が感じてる感情は嬉しいだった。
「……ははっ、しょうがないな」
「待て、愁玲が短い方がいいって言うならそのままでも良い。お前の好きなようにしろ。俺の意見は聞かなくていい」
「良いよ。俺もけっこう長いの気に入ってたんだ」
「………」
「ヴァルガ?」
「いや、何でもねぇ」
愁玲は気づかない、この短時間で自分が言った言葉に矛盾がある事を。気づいてしまったヴァルガとサデュアは神妙な顔でお互いを見合った。
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