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嫌われ者の末路(2)
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「ディオ!」
「……は、ははっ…とう、とう、様付けも、なしか…?」
「喋んな!止血すれば、まだっ!」
血だまりの中に伏せ倒れたディオを抱き上げる。ドクドクと今もなおディオの体からは血が流れ出していた。
「なんで俺なんか庇った!」
敵の多さに全てを防ぐのを諦めたカイルは背後からの攻撃を受けるつもりだった。だが、カイルを庇うように間に入ったディオが代わりに攻撃を受けてしまった。
「カイル、最期に顔をよく見せてくれ…」
やっと手に入れた俺だけのもの。そう呟くディオは意識が遠のいているのか、目が半分閉じかけている。
待ってくれと追い縋るようにカイルが手を握る。本当はディオは誤解をしているのだ。いや、そうなるように仕向たのはカイル自身だった。握りしめた手から力が抜ける。閉じられた目と少し重くなった体。
カイルの服が赤に染まる。
嫌だ、こんなの。ダメだ、絶対。
体を抱きかかえる手に力が篭もる。こんな事になるのなら、きちんと伝えておけば良かった。カイルに後悔の念が押し寄せる。
ずっと独りだと思ってるディオに自分だけは違うのだと言うことを。
ディオの事も前の主人のように手の中で冷たくなってしまうのかと思ったカイルは今さら遅い事は分かっていたがそれでも叫ばずには要られなかった。
「……は、ははっ…とう、とう、様付けも、なしか…?」
「喋んな!止血すれば、まだっ!」
血だまりの中に伏せ倒れたディオを抱き上げる。ドクドクと今もなおディオの体からは血が流れ出していた。
「なんで俺なんか庇った!」
敵の多さに全てを防ぐのを諦めたカイルは背後からの攻撃を受けるつもりだった。だが、カイルを庇うように間に入ったディオが代わりに攻撃を受けてしまった。
「カイル、最期に顔をよく見せてくれ…」
やっと手に入れた俺だけのもの。そう呟くディオは意識が遠のいているのか、目が半分閉じかけている。
待ってくれと追い縋るようにカイルが手を握る。本当はディオは誤解をしているのだ。いや、そうなるように仕向たのはカイル自身だった。握りしめた手から力が抜ける。閉じられた目と少し重くなった体。
カイルの服が赤に染まる。
嫌だ、こんなの。ダメだ、絶対。
体を抱きかかえる手に力が篭もる。こんな事になるのなら、きちんと伝えておけば良かった。カイルに後悔の念が押し寄せる。
ずっと独りだと思ってるディオに自分だけは違うのだと言うことを。
ディオの事も前の主人のように手の中で冷たくなってしまうのかと思ったカイルは今さら遅い事は分かっていたがそれでも叫ばずには要られなかった。
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